パルスサーベイとは? 目的、効果、メリット、活用シーン、質問項目、実施方法、注意点について

パルスサーベイとは、従業員向け意識調査の一つ。短期的なサイクルで実施し、少ない質問数で回答を得るなど、一般的な意識調査とは性質を異にします。

  • パルスサーベイの目的や効果、メリット
  • パルスサーベイの活用シーン
  • パルスサーベイの実施方法や注意点

などについてご紹介いたします。導入を検討する際の参考なさってください。

1.パルスサーベイとは?

パルスサーベイとは「従業員満足度調査に用いられる意識調査」の一つ。パルス調査ともいい、1分程度で簡単に回答できる5~15問程度の社員アンケートを短期間に繰り返して、実施します。

パルスとは「脈拍」を意味する言葉。脈拍をチェックするように「高頻度で企業組織と個人の健全性を測る」のが、パルスサーベイの目的です。

パルスサーベイでは、「週次」や「月次」といったサイクルを決めて調査します。

従業員の意識をリアルタイムに近い状態で定点観測できるので、近年多くの企業に注目されています

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2.パルスサーベイの目的と効果(メリット)

パルスサーベイの目的やメリットは3つ。

  1. 従業員満足度をリアルタイムに調査
  2. 従業員エンゲージメントの改善、向上
  3. 一般的な従業員満足度調査よりコスト効率が良い

①従業員満足度をリアルタイムに調査

1つ目は従業員満足度をリアルタイムに調査、把握できる点

週次や月次といった短いサイクルで定期的に調査を行うため、調査結果をすぐに把握できます。

1年に1回、数年に1回といった頻度では、結果がコンパイルされるまで数カ月を要することもざらです。

しかし、パルスサーベイなら現在発生している問題や事案について解決策を速やかに提案できます。

また、従業員の意識は変わりやすいもの。ちょっとした仕事のミスや私生活などの影響を受けやすく、半年や1年単位で管理・監督できるようなものではありません。

  • 悩みを抱えている
  • 怒りの感情を持つ

従業員をフォローするために必要な情報を、パルスサーベイは提供してくれるのです。

②従業員エンゲージメントの改善、向上

2つ目は、個人を特定せずに、調査内容を現場にフィードバックできます。

個人攻撃にならず、問題に対して何らかの対策を講じることができるため、従業員エンゲージメントは高まるでしょう。生産性向上にも良い影響をもたらします。

また、組織全体の協調関係を育むといった点も。チームワークの良い職場は、従業員の転職リスクの低下にも一役買うでしょう。このようにさまざまな良循環をもたらすのです。

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③一般的な従業員満足度調査よりコスト効率が良い

3つ目は一般的な従業員満足度調査よりもコスト効率が良いとされる点。

年単位で行われる一般的な従業員満足度調査は、一度にたくさんの情報を集める必要があるため、質問項目が多いといった大規模なものになりがちです。

結果のフィードバックにも数カ月要するなど、コストも多くかかります。

もし、調査自体を専門企業に依頼したら、数十万円から数百万円以上のコストを覚悟することになるでしょう。

しかしパルスサーベイは質問項目が5~15問程度と抑えられており、自社で調査を実施することも可能です。

回答率も高く、コスト効率の面から考えても非常に優秀な調査といえます

3.パルスサーベイの用途・活用シーン例

パルスサーベイの用途や活用シーンの事例を具体的に見てみましょう。

  1. 新規採用した人材のオンボーディング
  2. 従業員の簡易ストレスチェック・メンタルヘルスチェック
  3. 人事施策の効果検証

①新規採用した人材のオンボーディング

パルスサーベイが多く活用されるシーンは、新規採用した人材のオンボーディング。

  • 新卒社員
  • 中途社員
  • 人事異動によって部署を変わった社員

などが配属先で悩みを抱えていないか、問題なく業務を遂行できているかを把握するのです。配属されて間もない頃は、慣れないことが多いためストレスを抱えやすいもの。

パルスサーベイを週次で行うことで、従業員の意識を把握できます。

②従業員の簡易ストレスチェック・メンタルヘルスチェック

従業員の、

  • 簡易ストレスチェック
  • メンタルヘルスチェック

にも役立ちます。

パルスサーベイは定点観測ができるため、従業員の心身の健康について、継続的な観察を可能とするのです。

観測項目に急な変化があった従業員の様子を注視するだけでなく、上司や人事担当者が面接を行うなどのフォローも必要でしょう。

ただし、あくまで簡易的なものであるため、その兆候・傾向をつかむにとどまる点は留意してください

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③人事施策の効果検証

パルスサーベイは、人事施策の効果検証にも利用できます。

  • 新しい人事制度の導入
  • 管理職研修といった人事施策の実施

といった場合効果の検証は不可欠です。

適用前後にパルスサーベイを行うことで、

  • 効果があったか
  • 効果があったとすればどのようなものか

を測定できます。

その他活用事例

下記の記事では欧米企業のパルスサーベイ活用方法について紹介いたしております。

欧米におけるパルスサーベイの活用~アディダスとユニリーバの事例から~

4.パルスサーベイの質問項目

従業員満足度調査の項目例を挙げていますので、参考にしてみてください。

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パルスサーベイは高頻度で行うもの。多くの質問を詰め込むなど、従業員の負担にならないよう注意しましょう。目安は5~15問です。

  • 定期観測用の質問項目(全体の8~9割)
  • 直近の施策満足度調査用のもの(全体の1~2割)

を組み合わせてもよいでしょう。

5.パルスサーベイの一般的な進め方、実施方法

パルスサーベイの実施方法には、5段階の流れがあります。ここでは、各段階での進め方を見ていきましょう。

  1. 調査内容の設計、質問項目の選択
  2. 調査の実施
  3. 調査結果の集計や分析
  4. 課題に対する施策の検討・実行

①調査内容の設計、質問項目の選択

第一段階では、質問項目の選択といった調査内容の設計を行います。

人事担当者は、

  • 幸福
  • 経営に対する気持ち
  • 認識
  • 仕事量
  • 役割分担

などさまざまな観点から、仕事や職場に関する従業員の意識を把握するための質問項目を5~15問程度選択します。

ただ、質問の選び方によっては、効果的な調査にならない可能性もあるので、サーベイの目的からよく考えましょう。

②調査の実施

ヒアリングする質問項目が決まったら調査表を作成して、調査を実施しましょう。まずは従業員に回答期日の連絡とともに調査表を送付します。

その際、書面だけでなく、メールにファイルを添付して依頼するケースもあるでしょう。その場合は、回答率が上がるよう、朝のメールチェックやランチタイムなどに合わせて、送信します。

③調査結果の集計や分析

調査実施後は、回答期日までに送られてきた回答の確認作業を実施します。

集計から分析までは、調査からなるべく日を空けないように気を付けましょう。

そして、過去の調査結果と比較し、変化の大きい項目があった従業員に面談を行うなどのフォローを実施します。

変化の原因を特定し、丁寧に解決していく作業が必要です。

④課題に対する施策の検討・実行

パルスサーベイは調査そのものがゴールではありません。調査結果を分析した際に、

  • 良かった点:継続できるよう、施策をさらに強化
  • 悪かった点:改善策を打ち出して現状の改善に努める

ことが肝要です。

6.パルスサーベイを行う際の注意点

パルスサーベイを行う際の注意点は、2つです。

  1. サーベイの目的、結果を共有する
  2. 率直な回答をしやすいように閲覧範囲について説明する

①サーベイの目的を共有する

サーベイの目的や結果をすべての従業員と情報共有することは、非常に重要です。

パルスサーベイは、人事担当者のみが把握する調査ではありません。

目的をオープンにし、結果に対しフィードバックして初めて、企業がどのような問題点についてどんな改善をするのか、従業員に伝えることができるのです。

②率直な回答をしやすいように閲覧範囲について説明する

パルスサーベイは、従業員から率直な回答を得やすいよう、閲覧範囲についての丁寧な説明が必要です。

率直な回答を求めても、回答内容によって人事評価などに不利益が生じることが危惧されれば、従業員は本心と異なる回答をするでしょう。

  • 個人が特定されないこと
  • 調査結果の共有方法・共有範囲

についての事前説明を丁寧に行いましょう。