ゼネラルマネージャーとは? 役割やスキル、他役職との違いを解説

ゼネラルマネージャーは、企業や組織内で幅広い業務領域にわたって統括的な責任を持つ管理職です。

本記事では、ゼネラルマネージャーが求められている理由や他の役職との違い、ゼネラルマネージャーの役割と仕事内容について解説します。

ゼネラルマネージャーの設置を検討しており、具体的に求めるスキルや育成方法などを再確認したい方は、ぜひ最後までお読みください。

1.ゼネラルマネージャーとは?

ゼネラルマネージャー(General Manager)は、企業や組織において重要な役割を担う上級管理職の一つです

日本語では「統括部長」や「総支配人」と訳されることが多く、事業部長、本部長、支店長、工場長などに相当する立場です。企業や組織内で広範な業務領域を統括し、全体の運営や戦略の策定に責任を持ちます。

一般的には「GM」という略称で呼ばれることが多く、特にスポーツ界で広く使用されています。例えば、プロ野球やサッカーチームのゼネラルマネージャーは、チーム編成や経営的な視点でのチーム全体のマネジメントを担当します。

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2.ゼネラルマネージャーが求められる理由

現代のビジネス環境は、技術革新や市場のグローバル化などにより、急速に変化しています。

このような状況下で、組織が持続的に成長して競争力を維持するためには、経営トップが立案した戦略や方針を、実行可能で具体的な事業計画に落とし込む役割が不可欠です

ゼネラルマネージャーは、経営層と現場の間の重要な架け橋として機能し、効率的な組織運営の実現を目指します。

例えば、経営層が立てた理念やビジョンを理解し、それを現場で実行するために、現場社員を適切に配置し、計画を遂行します。

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3.ゼネラルマネージャーと他の役職との違い

ゼネラルマネージャーと、以下の主な役職との違いについて解説します。役割や仕事内容が重なる点もありますが、求められていることには明確な違いがあるため、そのポイントを押さえながら把握しましょう。

  • CEOとの違い
  • COOとの違い
  • シニアマネージャーとの違い
  • 社長との違い
  • 部長との違い

CEOとの違い

CEO(Chief Executive Office)とは、企業全体の経営戦略を策定し、最終的な意思決定を行う最高責任者です。

ゼネラルマネージャーは、特定の事業部門や地域の運営を担当し、CEOが策定した戦略を実行に移す役割を担うため、権限と責任の範囲に違いがあります。

CEOは、企業全体の方向性を決定する立場であり、ゼネラルマネージャーはその方向性に沿って具体的な業務を推進する立場です。

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COOとの違い

COO(Chief Operating Officer)とは、企業全体の日常業務の執行責任を負う最高執行責任者です。

ゼネラルマネージャーはこれに対し、COOの指示の下で業務を遂行し、主に組織内での位置づけと責任範囲に違いがあります。

ゼネラルマネージャーは、企業の中でも上位の管理職ですが、CEOやCOOほどの権限はなく、経営に関する意思決定や責任の範囲は比較的限定的です。

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シニアマネージャーとの違い

シニアマネージャーは、一般的に、部長代理や次長といった役職に相当し、他のマネージャーよりも地位が高い役職です。このシニアマネージャーのさらに上に位置するのがゼネラルマネージャーです。

つまり、主に組織内での階層と責任の範囲に違いがあり、企業内に両者が存在する場合、シニアマネージャーはゼネラルマネージャーの方針に従い、実務面での支援や部門間の調整を担うケースが多く見られます。

社長との違い

社長は、企業の代表者として対外的な責任を負い、企業全体の経営を指揮する最高位の役職です。

ゼネラルマネージャーは、社長の指示の下で、特定の部門や事業の運営を担当するため、企業内での立場と権限の範囲に違いがあります。

部長との違い

部長は、特定の部門を統括し、その部門の業務運営や従業員の管理を行う役職です。

ゼネラルマネージャーは、複数の部門や事業全体を統括し、戦略の実行やリソースの配分など、より広範な視点でのマネジメントを行うため、役割の範囲と権限の大きさに違いがあります。

つまり、部長は特定の部門に焦点を当てるのに対し、ゼネラルマネージャーは組織全体の運営に関与する役割を持ちます。

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4.ゼネラルマネージャーの役割と仕事内容

ゼネラルマネージャーの役割と仕事内容は以下の通りです。

  • 企業戦略の策定
  • 資源の配分と動員
  • 職場環境の形成
  • 組織の構築
  • 人材育成
  • 日常業務の監督

企業戦略の策定

ゼネラルマネージャーは、経営層が掲げるビジョンや方針を理解し、それを具体的な事業計画へと落とし込む役割を担います。

特にアメリカでは、市場動向、業界の立ち位置、顧客ニーズ、競合他社の状況など、様々な要因を分析し、経営層と共に戦略立案に深く関与することも少なくありません。

資源の配分と動員

戦略に基づいて、人材や資金、設備などの経営資源を最適に配分し、組織全体の生産性と効率性を高める役割があります。

例えば、生産性の低い部門の縮小や、新規事業への投資など、組織全体の利益の最大化を考慮した判断が求められます。

ただし、ゼネラルマネージャーが単独で設備投資や部門の統廃合などの重要事項を決定することはなく、経営陣と相談したうえで進められるのが一般的です。つまり、経営層と現場との調整力と、正確かつ慎重な判断力が必要です。

職場環境の形成

健全で生産的な職場環境の形成もゼネラルマネージャーの役割の一つです。

組織の価値観や行動規範を従業員に浸透させ、組織全体が同じ方向を向いて目標に向かえるように指導します。

経営方針に従った方向性を明確に示すことは、現場で働く従業員のモチベーション向上にも良い影響を与えます。

組織の構築

企業の戦略目標を達成するために、最適な組織体制を設計する役割を担います。組織改革を進めるには、マネージャーやリーダーといった役割にふさわしい人材配置が重要です。

これを実現するため、ゼネラルマネージャーは常に人材の見極めや育成方針について意識しておく必要があります。

人材育成

ゼネラルマネージャーの役割の一つが人材育成です。基本的には、部門長が中心となって現場が行いますが、重要な場面では支援やアドバイスが必要です。

特に、有能なマネージャーの育成は、現場の改善や業務全体の効率化に直結するため、現場だけに任せるのは適切ではありません。ゼネラルマネージャー自身が教育プロセスに関与することで、組織全体の力を引き出し、企業の持続的な発展につなげられます。

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日常業務の監督

組織の日常業務が円滑に進行するよう監督し、必要に応じて改善策を講じる役割を担います。

例えば、業務プロセスの効率化や品質管理、進捗状況のモニタリングを通じて、目標達成に向けた取り組みを支援します。現場の課題や従業員の意見を積極的に収集し、適切な対応が必要です。

また、人員配置や業務量の妥当性などを判断して、過重労働になっていないかどうかの把握も常に意識しなければいけません。休職者や離職者が次々に出る組織は持続的な成長が難しいため、注意しましょう。

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5.ゼネラルマネージャーに必要な6つのスキル

ゼネラルマネージャーの業務範囲は広く、求められるスキルは多岐にわたります。ここからは、特に重視される6つのスキルを紹介します。

  • リーダーシップ
  • 経営視点での実行力
  • 論理的思考力
  • 調整力
  • フィードバック力
  • コミュニケーション力

リーダーシップ

ゼネラルマネージャーには、組織のビジョンや目標を明確に示して、チームを一つの方向に導くリーダーシップが欠かせません。具体的には、職場環境の改善や人材の確保および育成にも主体的に取り組む必要があります。

時には、特定の部署に対して、目標達成のためのスキル不足を痛感することもあるでしょう。

その際は、自らのコネクションや行動力で、必要なスキルを持った人材を獲得する姿勢が求められます。また、自らの考えを明確に示した上で、関係者を巻き込んで行動を促す協働力も必要です。

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経営全体を見渡す視点と、その視点に基づいて行動する実行力が求められます。具体的には、財務状況や市場動向を把握した上で、投資分野を選び、どのように競争していくかを判断する能力です。

また、中長期的な視点で会社に必要な戦略を立て、それを実行に移すことも重要です。

論理的思考力

ゼネラルマネージャーにとって、論理的思考力は戦略立案や問題解決において重要なスキルです。

複雑な状況を分析し、適切な結論を導き出すためには、情報を客観的に評価し、論理的に思考する能力が欠かせません。さらに、他者にわかりやすく説明し、納得させることも求められるため、論理的な伝え方も習得する必要があります。

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調整力

企業内の様々な部門やチームの連携を円滑に進める調整力も必要です。それは、ゼネラルマネージャーが、各部門の目標や課題を把握し、それらが全体戦略と整合するように調整する役割を担っているからです。

限られた資源を効果的に分配し、各部門が最大限の成果を上げられる調整力が求められます。

フィードバック力

従業員の成長を促すための適切なフィードバックを提供する能力も、ゼネラルマネージャーにとって重要です。

大きな成果を得るには、部下や他の従業員の力が欠かせません。部下の業績や行動を客観的に評価し、建設的なフィードバックを行うことでパフォーマンス向上や、組織全体の生産性の向上が期待できます。

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コミュニケーション力

ゼネラルマネージャーは、組織内外の様々な関係者と円滑なコミュニケーションを図り、信頼関係を構築する必要があります。そのため、相手の立場や背景を考慮しながら、適切な言葉遣いや声のトーンを選ばなければいけません。

心地よいコミュニケーションは、チームの士気を高め、組織の目標達成を促進します。

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6.ゼネラルマネージャーの育成方法

ゼネラルマネージャーに必要なスキルや、能力を高めていくための具体的な育成手法について解説します。ポイントは以下の3つです。

  • 社内担当者が研修を行う
  • 外部講師を招いて研修を行う
  • 経営層やマネージャー間で意見交換の場を設ける

社内担当者が研修を行う

社内担当者による研修は、ゼネラルマネージャーの育成において効果的な方法の一つです。社内に模範となるマネージャーがいれば、その経験や知見の共有により、さらに実践的な学びを提供できます。

ゼネラルマネージャーに求められる具体的なスキルや知識を、自社の文化や業務プロセスに合わせて伝えることが重要です。

外部講師を招いて研修を行う

外部の専門家やコンサルタントを招いて、経営理論や実践的なスキルを学ぶことも有効です。

最新の業界動向や他社の成功事例など、幅広い視点からゼネラルマネージャーに必要なスキルを、体系的かつ効率的に学べます。組織外の視点や新しい知見を取り入れることで、ゼネラルマネージャー候補者の視野を広げられます。

経営層やマネージャー間で意見交換の場を設ける

定期的に経営層や他のマネージャーと意見交換の場を設けることで、実践的な知識や経験を共有し、お互いに高め合う環境が作れます。

例えば、経営層の価値観や方針を直接聞く場を設けることで、企業の方向性と自分の役割をさらに深く理解できます。

また、マネージャー同士の交流で、部署間の壁がなくなり、協力体制が強化されます。課題を共有し、協力して解決する経験を積むことで、社内の連携や調整が円滑になるだけでなく、新たな視点やアプローチも得られるでしょう。

こうした成功体験は、組織全体の問題解決力を高めることにつながります。


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◆資料内容抜粋 (全31ページ)
・人事評価システム「カオナビ」とは?
・人事のお悩み別 活用事例9選
・専任サポートについて   など