ロジカルシンキングとは? 定義、メリット、具体的手法、フレームワーク、研修について【クリティカルシンキング、ラテラルシンキングとの違い】

論理的思考と訳されるロジカルシンキング。物事を体系立てて整理するための思考法として、多くの企業から注目を集めているのです。

  • ロジカルシンキングの定義とは
  • ロジカルシンキングのメリット
  • 具体的手法
  • フレームワーク
  • ロジカルシンキングの研修
  • クリティカルシンキングやラテラルシンキングとの違い

などについて説明しましょう。

1.ロジカルシンキングとは?

ロジカルシンキングとは、物事を体系的に整理して筋道を立て、矛盾なく考える思考法のこと。「論理的思考」と訳されます。

課題や問題について、

  • 要素別に仕分けして結論を導き出す
  • さまざまな視点から分析を行い、解決策を検討する

などができるロジカルシンキングは、企業活動に求められる考え方です。

ロジカルとは?

ロジカルシンキングは、「ロジカル」と「シンキング」を組み合せた言葉です。

ロジカルは、

  • 物事を体系的に整理する
  • 物事を筋道立てて矛盾がないように考える
  • 理論に当てはまっていく様子
  • 筋道が通っている考え

といったことを意味します。

ロジカルシンキングは、「論理的思考」と訳します。物事を体系立てて、矛盾なく考える思考方法のことです。

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2.ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違い

ロジカルシンキングに類似した言葉に、クリティカルシンキングがあります。

クリティカルシンキングとは、「批判的思考」のことですが、「その考え方はおかしい」「その論理は間違っている」と主観的に批判することではありません。

結論に至るまでの思考の論理や収集した情報、分析結果などについて、「本当にそれが正しいのか?」という問いかけをし、客観的な視点で吟味し、よく見定めることです。

ロジカルシンキングに類似した言葉として使われるクリティカルシンキングは、批判的思考と訳されています。

3.ロジカルシンキングとラテラルシンキングの違い

ロジカルシンキングに似た言葉に、ラテラルシンキングという言葉もあります。

ラテラルシンキングとは、既成事実や既成概念といった固定された考え方や枠組みにとらわれず、独自のアイデアや独創的な結論を導き出すための思考方法のこと。

ラテラルシンキングのポイントは、

  • 今までの前提を疑う
  • 新しい物の見方をする

ロジカルシンキングとは違った意味を持っているのです。

ラテラルシンキングは、既成概念にとらわれず、新しい物の見方をすることで独創的な結論を導き出すことです。

4.日本で論理的思考の概念が広まった背景

日本でロジカルシンキングの概念が広まったきっかけは、2001年にブームを巻き起こした『ロジカル・シンキング』(照屋華子・岡田恵子共著、 東洋経済新報社)にあります。

著者たちは企業向けに、

  • ロジカルシンキングのツール
  • ロジカルシンキングの手法

を提唱しました。ロジカルシンキングは特定の経営コンサルタントの分野で生まれた言葉のため、英語の辞書で「logical thinking」の意味を掲載しているものは多くありません。

英語圏で通用する言葉というより、コンサルティングなどの業界用語として捉えてください。

『ロジカル・シンキング』(照屋華子・岡田恵子)

『ロジカル・シンキング』は、コンサルティング企業、マッキンゼー・アンド・カンパニーのエディターである照屋華子、岡田恵子の著書です。本の中で著者は、ロジカルコミュニケーションという新しいコミュニケーションの手法を2つ提唱しています。

  • 話題の重複、会話の漏れ、話のずれといったものをなくす技術「MECE(ミッシー)」
  • 話の飛びをなくすための技術「So What?/Why So?」を習得すること

日本でロジカルシンキングが広まったきっかけは、照屋華子・岡田恵子の著書『ロジカル・シンキング』の発行にあります。

5.ロジカルシンキングを鍛えるメリット

ロジカルシンキングを鍛えることで得られるメリットは5つです。

  1. 分析力の向上
  2. 問題解決能力の向上
  3. 提案力の向上
  4. コミュニケーション能力の向上
  5. 生産性の向上

メリット①分析力の向上

1つ目は、分析力の向上。ロジカルシンキングでは、さまざまな事象や問題に対して、

  • 問題を分類する
  • 因果関係や相関関係を解明する
  • 分解、解明から適切な対応策や判断を導き出す

などを可能とします。

問題を漠然と考え恐れたり行き当たりばったりの対応だったりではなく、問題の吟味や関係性の理解から課題を深掘りしていくことができるのです。

メリット②問題解決能力の向上

2つ目は、問題解決能力の向上。

問題解決には、問題が発生した箇所や原因の特定が欠かせません。

  • ロジカルシンキングを鍛えれば、
  • ロジックツリー
  • MECE

などの論理的フレームワークを使うことで問題発生箇所や原因を特定できます。場当たり的な対処法ではなく、問題を解決できるのです。

メリット③提案力の向上

3つ目は、提案力の向上。

ビジネスの世界では、立場の違いから意見が対立することは珍しくありません。そんなとき、自分の意見を通しつつ相手の納得を得てスムーズに物事を進めるには、

  • 立場や意見の違いに左右されない論理
  • 提案内容の筋道を立てた説明

が欠かせません。

メリット④コミュニケーション能力の向上

4つ目は、コミュニケーション能力の向上。

コミュニケーション能力とは、相手の意見を正確に理解する理解力、自分の主張を的確に伝える能力のこと。

  • コミュニケーション能力があれば、相手の考えと自分の考えをすり合わせて、
  • 論点のズレ
  • 事実と意見の違い

を最小限に抑えられるため、スムーズに交渉を進められます。

メリット⑤生産性の向上

5つ目は、生産性の向上。「イシューツリー」というフレームワークを使えば、問題の本質を見極めることができるので、無駄な思考やプロセスを省くことができるのです。

正しい仮説や問題の本質がしっかりとベースにあれば、「手戻り」といった再検討をなくして企業の生産性を向上できます。

ロジカルシンキングを鍛えるメリットは、分析力、問題解決能力、提案力、コミュニケーション能力、生産性の向上です。

6.情報整理における考え方の基本

ロジカルシンキングにおける情報整理の基本的な考え方は2つ。

  1. MECE(ミッシー)
  2. So What?(つまり?) /Why So?(なぜ?)

①MECE(ミッシー)

MECE(ミッシー)とは、「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を取ったもので、その意味は、

  • モレなく
  • ダブることなく

多くのMECEのポケットをつくることで、

  • 話の重複
  • モレ
  • ズレ

を最小にしていく技術です。

②So What?(つまり?) /Why So?(なぜ?)

「So What?(つまり?)」「Why So?(なぜ?)」とは、課題について思考する際の、

  • 「So What?(つまり?)」と問いかけ、結論を探る
  • 「Why So?(なぜ?)」と問いかけ、原因を探る

などのこと。問題や課題を深掘りすることに効果を発揮します。

ロジカルシンキングのための情報整理の基本的な考え方は、MECEと「So What?(つまり?)」「Why So?(なぜ?)」の2つです。

7.ロジカルシンキングの2種類の具体的手法

ロジカルシンキングには、2種類の具体的手法があります。ここで具体的手法をしっかり押さえて、活用できるようにしましょう。

  1. 帰納法
  2. 演繹法

①帰納法

帰納法とは、複数の実例を挙げ、実例の共通点を導き出し、共通点から結論を出すという手順を持つ論理展開手法のこと。

なるべく多くの実例を挙げることで、問題の本質が探りやすくなります。ロジカルシンキングの精度を上げるには、偏った実例にならないよう複数人から出される実例を採用するなどの工夫が必要です。

また、実例の中から問題の本質を探り出していく手法なので、分析力も求められます。

帰納法のデメリット

帰納法は、複数の実例、すなわち状況証拠をベースとしてその共通点を見つけ、結論を引き出す論理展開手法です。

そのため、

  • 実例や状況証拠そのものに間違いがある
  • 共通点を探し出す際に論理の飛躍がある
  • 共通点から結論を導く道筋に論理の飛躍がある

こうした場合、帰納法そのものが成り立たなくなることがあります。

②演繹法

演繹法とは、決められたルールや基準に事象を当てはめて、その結果をもとにして結論を導き出す論理展開手法のこと。

すでに存在するルールや基準、あるいは課題に合わせて事前に定めた新しいルールや基準にもとづいて事象を仕分けしていく方法です。帰納法と違い、論理展開の基準となるものさしがあるので、比較的容易にロジカルシンキングを実行できます。

演繹法のデメリット

演繹法はロジカルシンキングを始める前に、

  • すでに方針が存在していること
  • 既存の方針が正しいこと

両方が整うことを前提としています。

つまり、

  • 方針が存在しない
  • 方針そのものが間違っている

場合には、ロジカルシンキングの結論が誤った方向に導かれる可能性が高いのです。

ロジカルシンキングには、帰納法と演繹法といった2種類の具体的手法があり、いずれの手法にも注意点があります。

8.思考に関する代表的なフレームワーク

思考に関する代表的なフレームワークがあります。ここでは、その中で特徴的なものを説明します。

  • ①ピラミッドストラクチャー
  • ②ロジックツリー(3種類)
  • ②-1.要素分解ツリー
  • ②-2.原因究明ツリー
  • ②-3.イシューツリー

①ピラミッドストラクチャー

ピラミッドストラクチャーとは、結論や根拠をピラミッド状に表したフレームワーク。ピラミッドの頂点に「最も伝えたい主張」を置き、その根拠をピラミッドの下層部に配置します。

ピラミッドストラクチャーは複数の事実をもとに1つの結論を導き出すため、帰納法を用いる際に有用です。

②ロジックツリー(3種類)

ロジックツリーは、テーマや課題をツリー型に分解して問題解決の方法を洗い出すもので、3つの種類で構成されています。

  • 1.要素分解ツリー
  • 2.原因究明ツリー
  • 3.イシューツリー

②-1.要素分解ツリー

要素分解ツリーとは、問題や課題を「全体」として捉えた後、「部分」や「要素」に分解して物事を整理していくロジックツリーのこと。そのため、要素分解ツリーでは「全体」と「部分」、「全体」と「要素」といった両者の関係を包含的に表すことができます。

全体を見通せても個別の問題や課題が整理しきれていない場合は、要素分解ツリーを用いるのが効果的です。

②-2.原因究明ツリー

原因究明ツリーとは、何らかの問題や課題が生じた場合、その問題や課題を生み出している原因がどのようなものかの究明を目的としたロジックツリーのこと。

要素分解ツリーが「全体と部分の包含関係」を担っていたのに対し、原因究明ツリーの特徴は「全体と部分の包含」だけではなく、問題や原因の「量と質」に着目した関係をも捉えます。

②-3.イシューツリー

イシューツリーとは、企業や組織などが掲げる目的に対して「今、何を検討すべきか?」といった論点を洗い出すために有効なロジックツリーのこと。

そのため、原因究明ツリーと同じくイシューツリーも「全体と部分の包含関係」のみならず、企業や組織が掲げる目的の「量」や「質」を整理、分解した関係にも着目することが特徴となっているのです。

思考に関する代表的なフレームワークは、ピラミッドストラクチャーとロジックツリーの2つです。

9.ロジカルシンキングの研修

ロジカルシンキングを学ぶ研修では、

  • 組織の課題を的確に認識する能力
  • 相手のニーズを的確に把握し、応える能力

を養うことで論理的思考を身に付けるトレーニングを行います。

ロジカルシンキングを習得するには、論理的思考能力だけでなく、

  • 交渉力
  • 伝達力
  • 傾聴力
  • 検証力
  • 探究心

など、さまざまな能力や意欲を高める必要があるのです。

  • 根拠を伴う論理的思考
  • 相手にも分かりやすい説明
  • 演習を通した自身の判断の正誤の再認識

など、自身の思考の癖を検証しながら、実践で役に立つスキルを身に付けていくものになります。

ロジカルシンキング研修は、

  • 課題を的確に認識する能力
  • 相手のニーズを的確に把握し、応える能力

を多角的に高めるものです。

10.ロジカルシンキングを学ぶ際にお薦めの入門書

ロジカルシンキングを学ぼうと思った人にお薦めの入門書があります。

  1. 考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則―
  2. マッキンゼー流 入社1年目ロジカルシンキングの教科書
  3. 頭がいい人の「論理思考」の磨き方

①考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則―

ロジカル・シンキングの草分けとして有名なのは、『考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則―』。バーバラ・ミント氏の著書で、著者はマッキンゼー・アンド・カンパニーから独立し、この本を執筆しました。

どのように物事をピラミッド構造化して、思考を整理していけばいいのかを詳しく説明しています。

②マッキンゼー流 入社1年目ロジカルシンキングの教科書

初めて学ぶ人も比較的容易に読み進めることができるのは、『マッキンゼー流 入社1年目ロジカルシンキングの教科書』。ビジネス書という硬いイメージと違って、読みやすいトーンで書かれているのです。

また、ロジカル・シンキングとクリティカル・シンキングの両者についても解説しているため、ロジカルシンキングの入門書としてお薦めできます。

③頭がいい人の「論理思考」の磨き方

ロジカルシンキングについて延べ25万人に熱弁をふるったことでも有名なグロービスの講師によって著されたのは、『頭がいい人の「論理思考」の磨き方』です。

  • 帰納法
  • 演繹法
  • MECE
  • ロジックツリー
  • 入門者が陥りがちな罠

など、ロジカルシンキングの実践も含めて丁寧に解説しており、ロジカルシンキングの「トレーニング本」として評価を得ています。

ロジカルシンキングを学ぼうと思った人にお薦めの入門書を参考にして、楽しく論理的思考を身に付けましょう。