サンクスカードとは?【導入効果】デメリット、成功事例

サンクスカードとは、上司や同僚に感謝の気持ちを伝えるカードのことです。導入のメリットとデメリット、導入の注意点、運用のポイントなどを解説します。

1.サンクスカードとは?

サンクスカードとは、上司や同僚などともに働く仲間へ感謝の気持ちを表すために使用されるカードのこと。社員のモチベーション向上やチームの協力関係の強化に役立つとして、組織内で広く採用されている施策のひとつです。

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2.サンクスカード導入の効果・メリット

サンクスカードは、組織内でポジティブな文化を生み出す効果が期待できる施策です。サンクスカード導入の効果やメリットについて説明します。

社員同士の相互理解を促進

サンクスカードには具体的な感謝や賞賛の言葉を記述するため、相手の仕事ぶりや貢献をより詳しく理解できるようになり、社員同士の相互理解を促進します。

相手へ伝えたメッセージの内容が周囲へ伝わると、チーム全体の協力関係や信頼感などを強化する効果が期待できるでしょう。サンクスカードで組織力が高まり、企業全体の生産性の向上につながる可能性があります。

コミュニケーションの活性化

カードをとおして感謝の言葉を交換すると、社員間のコミュニケーションが増加し、日常的な対話や情報共有が促進されます。贈る側と贈られた側の間によりよい人間関係が構築されるでしょう。

お互いに感謝や賞賛を伝える文化が定着すると働きやすい職場環境が醸成され、さらにコミュニケーションが活発になるという好循環が生まれます。

離職防止

サンクスカードをもらった社員は、自分の仕事が評価されていると感じて、組織に対する忠誠心が高まる可能性もあります。

組織やメンバーからのポジティブなフィードバックで社員のモチベーションが高まると、長期間にわたって組織に留まって自分の役割を果たそうという動機となりえるからです。これは離職防止に非常に効果的であり、組織にとっても安定性をもたらすでしょう。

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社員のモチベーションが向上

サンクスカードを受け取った社員は「自分の仕事が認められた」という思いを抱き、仕事に対するモチベーションが高まる可能性もあります。

目標達成や自己成長などへの意欲が高まると、仕事の質やパフォーマンスも向上しやすくなるため、効率や生産性も上がるでしょう。

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3.サンクスカード導入のデメリット

サンクスカードにはメリットがある一方、注意点もあります。サンクスカード導入のデメリットを説明しましょう。

社員の負担が増加

サンクスカードの作成によって、社員の負担が増えてしまうかもしれません。サンクスカードの作成では、記入、配布、および追跡といった追加の作業が生じるからです。

とくに繁忙期やプロジェクトの締め切りが近い時期には、これらのタスクがストレスとなり、社員の不満を高める恐れもあります。実施する際は、タイミングや個々の業務量などをよく検討しましょう。

導入まで時間が必要

サンクスカードの導入までには、計画、ポリシーの策定、ツールのセットアップなど多くのステップが必要となるため、導入までに時間がかかります。

また社員側がツールに慣れるまでの時間も必要です。そのため導入の効果を実感するまでの期間も長くなり、いつの間にか廃れてしまうケースも少なくありません。

紙ではなくオンラインで送信できるサンクスカードを取り入れると、作成と配布の手間を軽減でき、素早い運用が行えるでしょう。

導入や運用に費用が必要

サンクスカードの導入および運用には、一定の予算が必要です。ウェブやアプリを活用したサンクスカードの場合、ツール導入のコストがかかります。手書きのサンクスカードの場合は、個別のメッセージ作成や集計、業務量の調整などで人件費がかさむでしょう。

社員数が多いほどこれらのコストが高まる可能性もあるため、十分な費用対効果を得られるかを導入前によく検討すべきです。

悪習となる可能性

サンクスカードが形骸化してしまうと、悪習になりかねません。

たとえばカードを単なる形式的な作業として扱ったり、数値化した目標を設定したりすると、「やらされている」という意識が生まれてしまい、サンクスカードの本質的な意味や目的を見失う恐れもあります。

マンネリ化や悪習化を避けるためにも、サンクスカード導入の本来の意義と目的を社内で広く周知することが大切です。

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4.サンクスカード導入で失敗しないための注意点

サンクスカード導入を成功させるには、社員の負担を減らして続けやすい仕組みを作ることが重要です。サンクスカード導入で失敗しないための具体的な注意点を説明しましょう。

運用しやすい方法を選択

運用のしやすさを考慮し、最適な方法を選択しましょう。紙媒体ではなくウェブやアプリなどを使用すると、配布や入力、回収などの手間を軽減できます。

使いやすいユーザーインターフェースや簡易なモバイルアプリを提供するサービスを選び、項目数を少なくするといった工夫が必要です。社員が手軽にサンクスカードを活用できる方法を選択すれば、組織文化として定着しやすくなります。

強制ではないことを周知

サンクスカードの自発的にかつ自由に贈り合う文化であり、強制ではないと社員へ十分に説明しましょう。ノルマや目標を設定してしまうと感謝の行為が義務的なものとなり、贈る側も贈られる側も負担に感じる可能性があります。

サンクスカードの目的を伝えたうえで、社員の自主性を尊重した取り組みであることを周知することが大切です。

継続しやすいレベルを設定

感謝の意を表現するサンクスカードは、簡潔かつ継続しやすいレベルで運用することが重要です。

サンクスカードの記載内容を複雑化したり、項目を過度に増やしたりすると、社員はメッセージの作成に時間と労力を費やすことになり、継続が難しくなるかもしれません。記載項目は「所属」「氏名」「内容」といった必要最低限にとどめることを推奨します。

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5.サンクスカード導入・運用のポイント

サンクスカードの運用を成功させるためには、より効果を高める工夫が必要です。サンクスカード導入で押さえておきたいポイントを説明しましょう。

ピアボーナス制度との併用

サンクスカードとインセンティブとを組み合わせて導入すると、社員が積極的にサンクスカードの作成や送信に取り組む可能性があります。

たとえばピアボーナス制度と組み合わせると、感謝のメッセージとともに報酬などと交換可能なポイントを贈ることが可能です。サンクスカード制度のさらなる活性化や形骸化防止にもつながるでしょう。

ピアボーナス制度とは?

相手の業績、協力、貢献などに対して、感謝のメッセージとポイント(ボーナス)を贈る制度のこと。「peer(仲間)」と「bonus(報酬)」という英語に由来します。ポイントは、社内で定めた商品や特典などと交換することが可能です。

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目的やルールを従業員に周知

サンクスカード制度を導入する際は、その目的とルールを社員へ明確に伝えることが重要です。目的が不明瞭のままでは意義が感じられず、ただ負担が増えるという不満を持つ社員が出てしまう恐れがあります。

またルールの周知が徹底されないと、個人や部署での取り組みにばらつきが生じ、誤ったサンクスカード文化が定着するかもしれません。理解しやすいルールを設定し、必ず全社員へ共有しましょう。

管理職が積極的に活用

同僚やチームメンバー間のみならず、上司から部下へもサンクスカードを贈るべきです。管理職が率先して活用すると、一般社員も気軽に贈れる雰囲気を作れるため、サンクスカード文化の定着を促進できます。

管理職が部下へ積極的に感謝のメッセージを贈ってその仕事ぶりを称賛すると、受け取った部下のモチベーションも向上するでしょう。部下の生産性や定着率を高める効果も期待できるのです。

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6.サンクスカード導入の成功事例

サンクスカードは、すでに多くの大手企業でも導入されています。サンクスカードの導入に成功した企業の事例を紹介しましょう。

日本空港(JAL)グループ

日本空港(JAL)グループでは、名刺サイズのサンクスカードを常時携帯し、部署を超えてサンクスカードを交換する習慣が根付いています。

同社のサンクスカード制度における特徴は、「手書き」というルールのみを設定し、あとは社員が自由に書けること。手軽さが功を奏し、社内で発行されるサンクスカードは2年間で35万件を超え、異なる部門間での交流やコラボレーションが促進されました。

オリエンタルランド

ディズニーランドを運営するオリエンタルランドでは、役員や社員同士が感謝の気持ちを伝える文化が浸透。パークを訪れた役職者が感銘を受けたスタッフやキャストへカードを贈ることもあるのです。

また「サンクスデー」では、社員や社員が閉園後のパークでアルバイトキャストがもてなします。このような取り組みを行っている同社は、例年社員の定着率が高い傾向にあり、2020年の離職率は3.40%と平均を大きく下回っていました。

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7.サンクスカードの例文集

サンクスカードで実際にどのような文章を書けばよいがわからないという方のために、サンクスカードの書き方の例をご紹介します。

上司宛

上司宛の文章は、敬意と感謝の気持ちを丁寧に伝えることが大切です。次のような例文が挙げられます。

  • 先日は〇〇の件でご助言いだたき、ありがとうございました。おかげさまで企画も問題なく進められそうです。
  • いつも的確な指導とリーダーシップで私たちを励ましていただき、本当にありがとうございます。
  • いつも困ったときにサポートしていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。少しでも成長できるよう、これからも精進していきます。

同僚宛

同僚宛の場合は年齢が近いため、フランクな文章を用いても問題ありません。次のような例文が挙げられます。

  • 先日は遅い時間にも関わらず、〇〇の件で相談に乗ってくれてありがとう。これからも頼りにしています。
  • 〇〇の笑顔と明るさにいつも元気をもらっています。これからもよろしく。
  • 〇〇の助けがなければ〇〇プロジェクトは成し遂げられませんでした。いつも支えてくれてありがとう。

部下宛

部下宛の文章では、できるだけ威圧感のない柔らかい表現で書くのがポイントです。次のような例文が挙げられます。

  • どんな仕事でも真剣に取り組む〇〇の姿は、チーム全体にポジティブな影響を与えています。ありがとう。
  • 〇〇のアイデアと創造力にいつも感銘を受けています。これからも〇〇ならではの発想と観点でチームを盛り上げてください。
  • 〇〇の成長を見ることができてとても嬉しいです。より大きな成果を達成することを楽しみにしています。