リテンションとは?【意味を簡単に】効果、人事施策の具体例

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現代社会では、少子高齢化などによって人材不足が生じており、それは企業の大きな問題点となっています。企業は、採用した人材の流出を防ぐために、リテンションという考え方を用いることが増えているのです。

  • リテンションとはどのような意味か
  • リテンションの目的
  • リテンションのメリット
  • リテンションの種類や施策
  • 企業事例

などを説明しましょう。

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1.リテンション(retention)とは?

リテンション(retention)とは、人材流出を防止するための人事施策です。既存従業員のうち特に優秀な人材を、企業内にとどめておくための施策全般を指します。リテンションという言葉はもともと「維持」や「保持」を意味する言葉で、マーケティングの領域では既存顧客の維持といった意味で使用されています。

リテンションの具体的な施策は、

  • 積極的なコミュニケーション
  • 働きがいのある職場づくり

そしてこれらは、

  • 金銭的報酬
  • 非金銭的報酬

に分けられます。一般的に効果が期待できるのは、非金銭的報酬です。

マーケティングにおけるリテンションの意味

マーケティングの世界でもリテンションの概念は活用されています。マーケティングにおけるリテンションの意味は、「既存顧客と一定の関係性を維持していくためのマーケティング施策」というもの。

新規顧客の開拓はコストが高くなるため、既存顧客の流出を防ぐことはマスト。そのため、CRMといった手段を利用して既存顧客の維持を保っているのでです。

リテンションとは、優秀な人材の流出防止策のこと。マーケティングの世界では、既存顧客の流出防止策として活用されている言葉です。

さて、人事におけるリテンションのために実施できる施策はさまざまですが、自社社員に合わせた最適な施策を実行することが重要です。

人材情報を一元管理するカオナビなら、社内アンケートサーベイ1on1面談などさまざまな手段で収集した社員の声を人材情報と紐付け、効果的なリテンション施策を立案することが可能!ハイパフォーマー分析でとくに優秀な社員をピックアップしながら、適切な人材に適切なリテンションが実施できます。

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2.リテンションの目的

リテンションの目的は、「優秀な人材の社内確保」です。リテンションが注目された背景には、

  • 少子高齢化による慢性的な人材不足
  • 団塊の世代の大量退職、離職
  • 活発な転職活動による人材の流動化

などがあるとされています。一旦、人材が流出してしまうと、

  • 社員の補充コスト
  • 育成コスト

といったコストとともに、

  • 基幹業務の停滞
  • 企業機密の漏洩
  • 既存顧客の流出
  • 社員の流出

などさまざまな利益損失につながる可能性も否定できません。特に社内における、

  • コアな人材
  • 優秀な人材
  • 若手社員

をとどまらせるには、リテンションへの取り組みが重要になってくるでしょう。

人材確保は企業の経営戦略の一つになりつつあります。リテンションを活用して、早急に優秀な人材の確保に取り組むべきです。

優秀な人材は企業の戦力であるだけでなく、重要な後継者候補でもあります。

カオナビなら、ハイパフォーマー分析で優秀社員をピックアップするだけでなく、将来性のあるコア人材や若手社員の戦略的育成もサポート!
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3.リテンション施策導入のメリット

リテンション施策を導入するメリットは、3つあります。

  1. 離職率低下に伴う採用コストの引き下げ
  2. 社内のスキル管理、ノウハウ蓄積率の向上
  3. 安定的な長期的事業戦略の遂行

①離職率低下に伴う採用コストの引き下げ

1つ目は、離職率低下に伴った採用コストの引き下げです。

社員の離職が続くと、

  • 人材紹介会社などへの高額な手数料
  • 離職や採用に関わる事務的コスト
  • 引き継ぎなどで発生するコストや労力のロス
  • 人材育成コスト

など、企業はさまざまなコストを負担することになります。リテンション施策を導入すれば、離職率を低下できるだけでなく、人材に関するコストの引き下げも可能となるのです。

また離職率の低下により、「働きやすい職場」であることを客観的な数値として内外にアピールできます。働き方改革が叫ばれ、良好な労働環境が重視される時代では、有効なアピールポイントとなるでしょう。

②社内のスキル管理、ノウハウ蓄積率の向上

2つ目は、社内のスキル管理やノウハウ蓄積率の向上です。

離職により頻繁に社員が交代すれば、

  • 培ってきたノウハウ
  • ネットワーク

が流出しやすくなります。しかし離職がなければ、ノウハウやネットワークの構築・維持が安定するのです。

③安定的な長期的事業戦略の遂行

3つ目は、安定的な長期的事業戦略の遂行です。

企業が採用した人材を長期的に観察し、適材適所に配置することで、企業としての長期的な人材戦略、事業戦略を可能にします。

また、

  • 経営層
  • 管理職
  • 一般社員

の間の信頼関係も構築でき、結果的に経営の安定にもつながるのです。

リテンション施策を導入するメリットは、採用コスト引き下げ、ノウハウやスキルの蓄積、安定的な経営です。

リテンション導入のメリットを発揮するには、自社の戦略や人材に合った適切なリテンション施策の立案・実施が重要です。

一元管理された人材情報を活用できるカオナビなら、効果的なリテンション施策の立案が検討できます!たとえば、アンケートやサーベイ機能を活用して社員一人ひとりの不満を可視化することで改善すべき課題に取り組め、満足度や定着率向上に必要な施策が実行可能

人事・経営陣・現場と共有できる一元化されたデータベースであるため、組織で首尾一貫した人事施策に落とし込めます。

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4.退職を防ぐためのリテンションの種類

退職を防ぐためのリテンションは、

  • 金銭的報酬
  • 非金銭的報酬

に分けられます。報酬といった金銭面で社員を引き留めることはもちろん効果がありますが、近年企業に求められているのは、

  • 企業風土の醸成
  • 働きやすい職場環境の整備
  • ワークライフバランスの推進
  • 個人のライフスタイルや家庭の事情に合わせたキャリア形成

など金銭や福利厚生面以外の魅力を社員に提示できるような改革です。

①金銭的報酬の具体例

リテンションを構成する要素の1つは金銭的報酬。金銭的報酬の具体例として挙げられるのは、

  • 個人の能力に応じた給与
  • インセンティブ
  • ストックオプション
  • 福利厚生

など。

報酬や福利厚生、ストックオプションの限界

金銭的報酬の中に含まれている

  • 報酬
  • 福利厚生
  • ストックオプション

には限界があります。年功序列が廃止され成果主義の導入が主流になりつつある今、人事考課や人事査定は、

  • 成果給
  • 能力給
  • コンピテンシー評価

が基準になってきました。またこのことが、

  • 自分の成果が報酬に明確に直結する
  • 高い報酬でもゆとりを求めて人材流出が続く

という相反する現象も生み出したのです。現在、労働に対する価値観の多様化も相まっています。成果主義や高報酬を掲げるだけでは、リテンションの効果は期待しにくいといえるでしょう。

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②非金銭的報酬の具体例

リテンションを構成するもう1つの要素は、非金銭的報酬です。

一定程度の報酬が確保できる場合、

  • 充実した就業環境の整備
  • ワークライフバランスの実現
  • スキルアップ
  • キャリア形成のサポート

といった金銭的な報酬以外の価値を重視する傾向が強まります。

そのため、

  • 業務に役立つ知的刺激の提供
  • 希望職種への異動
  • 人事部によるキャリアプランの実現
  • 在宅勤務やフレックス制の導入
  • 各種休業制度の充実

などを実施する企業が増えているのです。

ワークライフバランス

ワークライフバランスとは、企業と社員のバランスを最善に保つこと。仕事とプライベートとのバランスを保つことで、安定的な勤務を実現できます。

たとえば、出産や育児、介護などを抱えている場合、仕事とプライベートとの両立が必要ですが、ワークライフバランスを充実させることで、短時間でも凝縮かつ充実した勤務を実施できます。

企業としても、

  • 社員の定着率向上
  • 人材マネジメントの実現

が可能になるのです。ワークライフバランスの維持は、生産性や業績向上につながる優れた施策といえます。

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能力開発

能力開発とは自分の持っている能力をより一層高めること。

  • 通信教育の受講
  • 大学院や専門学校への通学
  • 自己啓発
  • 職場訓練であるOJT
  • 講演や討論会などの集合研修

などがあります。

しかし、企業における能力開発の目的は、組織の目標を達成できる人材の育成。

  • 単なる知識の習得
  • 豊かな判断力の養成

ではなく、

  • 業務を円滑に推進
  • 業績向上への貢献

に対する行動様式という点に注意してください。

心理的安全性

心理的安全性とは、

  • 開かれた雰囲気
  • 安心感や共感
  • 理解といった空気感

のこと。

たとえば、

  • 自分の意見を表明しやすい
  • ありのままの自分をさらけ出せる
  • 気が付いたら、自分らしくいられる居心地良さを感じる
  • などが挙げられます。このような環境下にあれば、
  • 組織のメンバー同士の理解が進む
  • 各々が自分の意見を安心して話せる

という心地よい職場環境を創造できるのです。また心理的安全性が担保されている職場には、

  • 共感
  • 安心
  • 配慮

といった意識や他人の問題を我が事のように考える組織文化が自然と芽生えます。これにより、組織が抱える問題解決は容易になるでしょう。

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エンパワーメント

エンパワーメントとは、「力を与えること」と直訳される言葉です。エンパワーメントという言葉が企業や組織内で用いられる場合、

  • 自律性促進
  • 権限委譲
  • 能力開花

という意味で使われます。

社員に権限を委譲することで自主自律を促したり未開の能力を開花させたりするという効果があるのです。仕事を任せられ信頼に応えようとモチベーション高く仕事をしている社員をイメージするとよいでしょう。

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非金銭的リテンションには、ワークライフバランス、能力開発、心理的安全性、エンパワーメントなどが大きく関わってきます。

とくに非金銭的報酬には、さまざまな報酬内容があります。
しかし、必ずしもすべてを実施すれば効果があるというわけではなく、企業状況や組織体制などによっては実行が難しいものもあるでしょう。

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5.社員の離職リスクを把握する方法【転職対策】

社員の離職リスクを把握するための施策に、リテンションを活用できます。

それは、

  • 離職を言い出した社員を引き留める方法
  • 離職を考えなくていいようにする方法

の2つ。

優秀な社員であればあるほど、離職を引き留めることは難しいです。すでに転職先が決まっていることも多々あるため、好条件の提示だけでは離職に対する強い意思を変えることは難しいでしょう。

このように、離職を意思表示した社員を引き留めることもリテンションの重要な役割です。しかし現在は転職対策として、

  • 離職の意思が固まらないうちに
  • 離職しようと考える前

と前段階での予防的ケアが重要な役割になりつつあり、転職対策としてのリテンション施策には、

  1. 社員間でコミュニケーション頻度が落ちていないかを確認
  2. 手遅れになる前に話を聴く
  3. 勤怠状況ログを分析
  4. 過去の離職者との類似点を探す

といった方法が有効です。

①社員間でコミュニケーション頻度が落ちていないか確認

1つ目は、社員間でコミュニケーション頻度が落ちていないか確認すること。「会社を辞めようかな」「会社を辞めたいな」と考えている社員は、社員間でネガティブなコミュニケーションを取ることが多いです。

  • ネガティブな発言内容
  • 発言頻度そのものの減少

が目に付くようになったら、離職を考えているサインかもしれないので用心しましょう。

以前と変わったことがないか確認する

社員の様子が以前と違う場合、それは離職を考えているサインかもしれません。

  • 挨拶をしなくなった=社内の人間関係に疲れを感じていることの表れ
  • 出勤時間が遅い=仕事そのものにやりがいを感じなくなったことの現れ
  • 休憩時間に一人で出掛けることが多い=転職先の情報収集を行っている可能性がある
  • 職場で笑顔を見せなくなった=仕事に対して何らかの諦めを抱えている

よほど器用な人間でない限り転職や離職を考えるようになれば、今までのように積極的に仕事に取り組んでいた頃と異なる言動がさまざまな場面で生じます。この微妙な変化を察知して、離職の芽を摘み取ることが大切です。

②手遅れになる前に話を聴く

社員の心の内を聴くことは、リテンション施策だけでなく社員のメンタルヘルスにとっても重要です。

  • 悩み事を抱えている社員を早い段階で察知
  • 悩み事を抱えている社員の話を聴く

などは離職や転職に限らず、社員が抱えている悩みを早期解決するきっかけになります。

悩みが離職や転職につながることであったならリテンション施策として有効ですし、それ以外の悩みであればメンタルヘルス対策として効果を発揮するでしょう。詮索しすぎに注意しながら、社員本人が話す内容に対して誠実に対応しましょう。

③勤怠状況ログを分析する

勤怠状況ログの分析も効果的でしょう。社員の離職リスクを把握するには、

  • 遅刻が多い社員
  • 欠勤が増加している社員
  • 残業時間の多い社員

勤怠状況ログから分析することが重要です。

  • 休み明けの遅刻や欠勤が多い
  • 他の社員より残業時間が多い

といった状況は、現状への不満につながる要因となり、離職リスクを一気に高めます。

最近では、AIなどを利用して勤怠データから社員の離職危険度を予測するシステムも広く出回るようになっています。そうしたシステムの活用によって、早期に対策が取れるでしょう。

④過去の離職者との類似点を探す

過去の離職者との類似点を探すことも欠かせません。

  • 離職者と類似した職場環境にいる
  • 離職者と同じポジションや職種に就いている

このような社員は、一般の社員と比較して離職のリスクが高いといえます。

過去の離職者との類似点を経験から読み解くことも可能ですが予測精度をより高めるには、過去の経験やデータから離職者に共通する類似点を洗い出すシステムを活用しましょう。

転職対策としてのリテンション施策の活用には、4つの方法があります。自分の職場に合った方法で、離職リスクの早期把握に努めましょう。

人材管理システム「カオナビ」なら、人材情報を活用して社員の離職リスクを分析することが可能!

社員の離職リスクを分析するためのアンケートやサーベイは収集から分析まで一括対応できるため、やりっ放しを防ぎます。また、ピックアップリストを活用すれば任意の条件で社員を抽出し、個々に即したフォローに対応可能です。

経営層とも情報を共有しながら、ぜひ貴社の離職分析・離職予防に活かしてください。

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6.効果の高いリテンション施策の取り組み例

効果の高いリテンション施策の取り組み例を説明します。

  1. 社員のスキルアップ支援
  2. 社員のキャリアアップ支援
  3. 給与体系や評価システムの見直し
  4. 他部門への異動や人材交流
  5. 社内コミュニケーションの推進
  6. ワークライフバランスの実現
  7. 職場の環境整備

①社員のスキルアップ支援

1つ目は、社員のスキルアップ支援。

  • キャリアパスに関する相談窓口の設置
  • 専門的スキルの向上に関するサポート体制の確立

など、

  • 社員の業務能力をどのように向上させるのか
  • 社員一人ひとりのスキルをどのように構築するのか

といった課題に対する具体的で前向きな体制づくりは、効果の高いリテンション施策として真っ先に考えることといえるでしょう。

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②社員のキャリアアップ支援

2つ目は、社員のキャリアアップ支援。

たとえば、社員の自発性を尊重した、社内公募制度や社内FA制度の構築があります。また、

  • キャリアアップ支援
  • キャリアやスキルの可視化の実現

の観点においては、

  • 研修やセミナーの実施
  • スキルやキャリアアップを確認、実感できるイベントの開催

などの推進も効果的です。

③給与体系や評価システムの見直し

3つ目は、給与体系や評価システムの見直し。

  • 直接部門:企業業績に貢献したという個人的な価値観にマッチした報酬の仕組みをつくる
  • 間接部門:サンクスカードを活用した評価システムをつくる

など、部門や職種に応じた給与体系や評価システムの構築を見直すのです。これは、リテンションの金銭的報酬という側面から考えても重要でしょう。

④他部門への異動や人材交流

4つ目は、他部門への異動や人材交流。

  • 個人に対し、定期的な異動で新たなチャレンジの場を提供
  • 他部門との盛んな人事交流
  • 長期的な成長のサポートとして個人の適性に合ったスキルや知識を習得する機会を提供

これらもリテンション施策として効果的です。

⑤社内コミュニケーションの推進

5つ目は、社内コミュニケーションの推進。

コミュニケーションが活発な組織には、

  • 連帯感から相互理解が促進
  • 上司から部下へのフィードバックが正常に機能
  • 経営層と会社の発展、社員努力について意見交換ができる

といった特徴があります。

つまり、

  • 経営理念や企業理念が広く社員に浸透
  • 経営層と社員が一体となって目標達成に取り組む

などが可能となり、組織全体が高いモチベーションを維持できるようになるのです。

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⑥ワークライフバランスの実現

働き方改革の中でも取り上げられるワークライフバランスの実現は、リテンション施策の中でも非常に効果的とされています。

  • 時短勤務
  • フレックス制度
  • リモートワークやテレワーク
  • 各種休業制度の拡充

などは、妊娠、出産、育児、介護など、さまざまな事情を抱えて働く社員の応援となるのです。

⑦職場の環境整備

7つ目は、職場の環境整備。

5Sという言葉にもある通り、

  1. 整理
  2. 清潔
  3. 整頓
  4. 清掃
  5. しつけ

の徹底によって、気持ちよく働ける衛生的で快適な職場環境を社員に提供できるのです。オフィスのデザインを変えたり、カフェテリアなどを設置したりする大掛かりな環境整備でなくても、5Sを見直すだけで職場環境の改善は期待できます。

効果的なリテンション施策は7つあります。自社のリテンション施策を考案する際の参考にしてみてください。

自社人材のリテンション施策に取り組むには、社員の不満や希望を把握することが重要です。

カオナビなら、アンケートやサーベイ機能を活用して、社員の生の声を聞き取ることができます。社員一人ひとりの不満や満足、希望を細かく把握し分析することで、自社に最適なリテンション施策を立案・実行することが可能です!

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7.リテンション施策を行う企業事例

リテンション施策を実際に行っている企業の事例をご紹介します。自社でリテンション施策を立案する際、参考にしてみてください。

  1. サイボウズ
  2. 三幸グループ
  3. レオパレス21

①サイボウズ

サイボウズはチームワーク向上を支援するためのソフトウェア開発を行っている企業。多様な人材活用に積極的な企業で、政府が推奨する「副業の解禁」をいち早く導入するなど、働き方改革を実践している企業としても有名です。

サイボウズでは、リテンション施策を「社内部活動の推奨」と名付けています。

  • 日常的なコミュニケーション不足を解消
  • 社内コミュニケーションの活性化

を目的とし、積極的な部活動を通して、

  • 部署間の連携
  • 業務のスピードアップ

を目指しているのです。

社内部活の設立要件は、

  1. 部活動は複数の部署に属する5人以上の部員で構成する
  2. 年数回の活動報告書を提出

の2点。この条件さえ満たせば、誰でも部活動費の補助を受けられるとしたのです。こうした社内部活動の導入により部署を越えた社内の人間関係が良好になり、結果、離職率は28%から4%へと大幅に縮小しています。

②三幸グループ

三幸グループは、学校法人などを中心として教育、福祉施設、保育施設、人材サービスなどを提供している企業グループです。

三幸グループでは、リテンション施策として、

  1. キャリアチャレンジ制度:2年間同じ部署に在籍している社員が、新たな配属先を求めて異動の申請を行える制度
  2. 三幸プロデュース制度:年1回、新規事業発案や業務改善提案などを会社に対して行うことができる制度

の2つを設けています。

③レオパレス21

レオパレス21は、アパートの建築請負、不動産の賃貸、介護老人ホームの運営、リゾート施設運営などを行う不動産会社です。

管理職クラスの離職率が高い原因を調べると、マネジメント知識や能力の違いが大きく影響しているという分析結果が出ました。そのため、リテンション施策として「支店長クラスの意識改革」を行ったのです。

結果、

  • 3年で離職率を業界水準以下
  • 有給取得率の倍増

といった実績を生み出しました。

リテンション施策を実行し、結果を出している企業があります。これらの具体的事例を自社の施策に生かしてみてください。

このように、リテンション施策は企業によってさまざまです。

自社に合った施策を実行するためにもカオナビを活用しませんか?
アンケートやサーベイ機能、ピックアップリストによる離職リスクのある社員をピックアップするなど、リテンション施策の検討に役立つ機能を豊富に備えています。

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8.なぜ人は辞めるのか? 2つの課題

デロイトトーマツコンサルティング『デジタル人事時代のリテンション戦略

転職サービスDODAの調査によると、

  • 会社の将来が不安
  • ほかにやりたい仕事がある

などが主な転職理由だそうです。

また、リクナビNEXTのアンケート調査による退職理由では、

  • 1位「上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった」(23%)
  • 3位「同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった」(13%)

という結果が出ています。実に36%にも及ぶ転職者が人間関係を理由に離職していると分かったのです。

リテンション戦略における課題

離職理由から考えると、リテンション戦略における課題は、

  1. 企業の将来性や職場の人間関係に対して抱えた不安や不満から離職を考えている社員を未然に把握
  2. 社内の人材を適所に配置

2点に絞ることができます。リテンション施策は、それぞれの企業ごとにさまざまな案が考えられ実行されていますが、基本は、

  • 離職意思のある社員の把握
  • 適材適所の実現

を目的として施策を取ることが重要です。これにより、ある程度の成果を生み出すことができるでしょう。

リテンション施策は、離職意思のある社員の把握と適材適所への配置実現が鍵になると分かっています。

【優秀社員や離職リスクのある社員をピックアップし効果的なリテンション戦略を!】

リテンション施策にはさまざまな内容がありますが、重要なのは自社に合った施策を実行することです。

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・とくに流出を防ぐべき優秀社員のピックアップ
・ピックアップリストによる離職リスクのある社員の抽出
・アンケートやサーベイによる社員の不満の可視化
・人材情報を活用した適材適所な人材配置

人事・経営陣・現場で共有可能なデータベースであるカオナビなら、組織で一体的かつ戦略的にリテンション施策に取り組めます。

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リテンションのQ&A

リテンションとは「維持」「保持」を意味する単語で、転じて人事領域では「優秀な人材の流出防止策」という意味で用いられています。 なお、マーケティングの世界でのリテンションとは、一般的に「既存顧客と一定の関係性を維持していくための施策」を意味します。
リテンションは「金銭的報酬」と「非金銭的報酬」の2種類に大別されます。金銭や福利厚生で社員を引き留めることはもちろん、それ以外の施策(企業風土の醸成、働きやすい職場環境の整備、ワークライフバランスの推進など)も注目を集めています。 インセンティブやストックオプションといった金銭的報酬には限界があります。高い報酬を得たとしても、ゆとりを求めて人材が流出する現象が確認されており、リテンションの効果を期待するには「金銭的報酬」と「非金銭的報酬」のバランスをとることが重要といえます。
離職リスクは可視化することができます。 はじめに現職者と退職者の傾向の違いを把握するために、現職者の情報と直近3年間の退職者情報を比較します。分析の結果あらわれた傾向から、退職要因に合致する社員を抽出・リスト化します。退職リスクの高い社員を早期発見・フォローすることが可能になるでしょう。 離職リスクの把握にはカオナビを使うことができます。詳しくはこちらをご覧ください。