HRテックによって人事や人事部の業務はどう変わる?

人事業務が効率的になる新しいシステムHRテックが注目される背景や、導入後の具体的な改善点などについて、詳しく解説します。

1.人事業務に役立つ「HRテック」とは?

HRテックとは、最先端のIT技術とHR分野が融合した新しい人事、組織マネジメントサービスのこと。最先端のIT技術とHR分野とは、モバイルやビッグデータ解析、AiやloT(人工知能)、クラウドサービスを指します。

人事労務管理をAIやクラウドなどを利用して行うもの

HRテックは、AIやクラウドの技術を用いて人事労務管理の手間を省こうとする新しいシステムです。人事業務に関する情報をデータ化して一元管理するため、社員の属性や異動歴、各種手続きや人事評価などの人事管理にかかるコストが軽減します。

さらに給与計算などのオペレーション業務の効率化、ビッグデータを用いた分析、立案に要する時間の短縮と精度を高めるのです。

日本でもHRテックの導入が進められている背景

HRテックの導入が進められている背景として考えられるのは、3つです。

  1. 労働力人口の減少…日本の労働力は年々減り続けており、今後は労働力を補う仕組みが必要
  2. 生産性の向上…生産性の高い働き方が求められている
  3. 働き方改革やダイバーシティ雇用などの推進…多様な雇用形態を支える新しい管理システム、優秀な人材を見極めるデータ力の重要性が高まっている

HRテックは、AIやクラウドの技術を用いて社員の属性や異動歴、人事評価などの人事労務管理を行う新システムです

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2.HRテックが人事業界などで注目されている理由

人事には、優秀な人材を早く確実に確保し、適材適所への配置を速やかに行うことが求められます。しかし「人に関する膨大なデータの蓄積」「科学的な人材配置」など、これまでの経験値では対応しきれない現状から、HRテックの技術が注目されているのです。

人事が経営戦略にかかわる機会が増えた

人事部長よりも高い権限を持ち、経営者レベルで人事戦略を主導するCHRO(人事最高責任者)の必要性が高まっています。事業の成功には商品や資金だけではなく、それらを運用して利益を生み出す人材が必要です。

企業の財産である人材を効果的にマネジメントするためにも、経営者レベルで戦略人事を展開していくCHROが深く経営戦略にかかわる必要があります。

人に関するデータの量が増えた

資質や経験、スキルといった取得可能なデータの量や種類の増加は、HRテックが注目される理由のひとつといえます。

HRテックを導入すると、AIやクラウドの技術を活用して取得したデータが分析しやすくなるうえ、採用や人事評価など人事業務も効率化するのです。これにより、人手不足による問題も解決できるでしょう。

業務の効率化が求められている

日本は少子高齢化による人手不足、労働人口の減少が大きな問題になっています。そのため企業は、「人材の確保」「業務の効率化」が求められているのです。

さらに働き方改革により勤務時間や働く場所などの自由度が高くなり、日本人の働き方も変わってきました。こうした多様な働き方のなかで優秀な人材を獲得するために、HRテックが注目されているのです。

価値観の変化

終身雇用、年功序列、新卒一括採用などかつての価値観が通用しない現代では、雇用の流動性が高まっています。優秀な人材は転職によりステップアップするのが当たり前になっているのです。

また、転職や副業に対するハードルも以前より低くなってきています。そうしたなかで優秀な人材を引き止めておくには、納得のいく人事考課が重要です。そこでHRテックが役立つとされています。

ITテクノロジーの進化

クラウド型サービスの増加によってシステムの導入がかんたんになりました。かつコストを抑えられるため、中小企業やベンチャー企業なども手軽にHRテックを導入できるようになったのです。

また人事担当者だけでなく、ほかの社員もスマートフォンから手軽にいつでも各種申請、経費精算などが行えます。

労働人口の減少が問題になる昨今、能力の高い優秀な人材を獲得するためにHRテックの需要は高まっています

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3.HRテックで人事・人事部の業務はどう変わる?

HRテック導入で、「採用」「育成」「労務管理」「人事評価」「人材マネジメント」など、人事業務の労働環境は大きく変化しています。ここからは、下記について解説しましょう。

  1. 人事業務のデータ化・一元管理
  2. オペレーションの効率化
  3. 分析や仮説立案の精度・速度の向上

①人事業務のデータ化・一元管理

HRテックを導入すると、人材に関するデータを集約して一元管理できます。データとは、「社員の異動」「昇進履歴」「持っているスキルの情報」「出退勤や人事評価」などのこと。

ただデータを蓄積するのではなく、それらを分析して評価や適切な人材配置・離職防止・ハイパフォーマーの行動調査を行うなど、戦略的な人事マネジメントに活用できます。

人事のデータ化

HRテックは、社員の心の変化や人間関係など客観的に捉えられないと思われていた事項をデータ化できます。

社員の「個人情報」「報酬」「評価」「勤怠」「適性検査の結果」「研修の受講歴」といった情報を掛け合わせていけば、「性格の傾向値の分析」「上司と部下の相性に関する調査」「成果の上がるチーム作り」「辞めそうな社員の予測」などが期待できるのです。

従業員データ情報を一元管理

これまで、紙で管理していた履歴書や個人情報などの人事に関する情報をデジタル化し一元管理するため、必要な情報を瞬時に取り出せます。

資料探しは意外と時間がかかるもので、ある調査報告によると1日10分以上かかるそうです。しかし情報管理をデジタル化すれば業務時間と業務にかかわっていた人件費コストが削減できます。同時に、人にしかできない業務に集中できるようになるのです。

②オペレーションの効率化

さまざまな人事データを、キレイな状態に整備することも重要です。オペレーションが改善されていなければ正しいデータが貯まらず、戦略的な人事マネジメントとして望む結果は、得られないでしょう。

整備すればHRテックを活用できるようになります。結果、人事業務の大部分となっていたオペレーションをアナログからデジタルに切り替える際も、うまく進むでしょう。

オペレーションとは?

オペレーションとは、使われる場面でさまざまな意味を持つ言葉です。ビジネスでは一般的に、「業務の目標を達成するため、物事を運営、推進していく手順を定める」「それに沿って実施していく一連の作業や実務」のことをいいます。

優れた目標があっても、実現するための具体的なプロセスであるオペレーションがしっかりしていなければ、スムーズに運びません。

オペレーション業務をはじめとする工数の削減

莫大なデータを扱うオペレーション業務でHRテックを導入すると、たとえば採用分野の場合、導入前に比べておよそ1/4にまで工数が削減されるといわれています。

「面接のアレンジ」「応募者データ」「面接評価の管理」「面接官への申し送り」「スケジュール管理」などのデータを一元化すれば、データにもとづく採用戦略を立てられるでしょう。

③分析や仮説立案の精度・速度の向上

HRテックは膨大なデータによって客観的な結論を導き出すため、多くの仮説を生み出せます。そしてそれぞれを多角的に検証できるのです。

たとえば採用(マッチング、スクリーニングなど)・配置・異動・人材育成・教育・評価(リーダーシップ、パフォーマンスなど)・ボーナス・昇給・モチベーション形成などが挙げられます。

ビックデータの分析技術も向上

AI (人工知能)やクラウドをはじめとしたIT技術と連携すると、ビッグデータの分析技術も向上するため、より多くのデータを短い時間で分析できるのです。

さらに、

  • 調査や分析の速度・精度が向上
  • 採用・育成・評価・労務などの分野で効果的な利用ができる
  • データの質向上
  • 社員のモチベーションを数値で分析する

なども可能になります。

HRテックでは、人材に関するデータを一元管理します。それらを分析・解析すれば戦略的な人事マネジメントに活用できるでしょう

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4.HRテックの利用によって変わる人事評価!得られるメリット7つ

HRテックを使って人事評価を運用すると、さまざまなメリットが得られます。

  1. 評価に必要な作業の効率化
  2. ペーパーレス化で費用削減・効率化
  3. クラウドであれば場所を選ばずに利用可能
  4. 離職率の低下
  5. 評価の質向上
  6. モチベーションの向上
  7. ビジョンと人材のマネジメントが容易に

①評価に必要な作業の効率化

全社員のスキルや能力、持っている資格や経験などのデータベースを、一から社内で作成すると大変な工数がかかるでしょう。

しかしこれらすべての作業を、HRテックに任せられるのです。また管理する全社員のデータベースは、「昇給・昇格の判断基準」「新規プロジェクトを立ち上げる際のメンバー決定」の材料として活用できます。

②ペーパーレス化で費用削減・効率化

ペーパーレス化が進めば、評価運用が効率化します。評価業務の進捗が一覧で確認できるため、未対応者なども一目で分かるほか、回収や取りまとめを確実に行えるのです。

さらに顔写真と評価結果を並べて確認できるので、全体のバランスを見ながら評価を調整できます。これまで使用していた莫大な紙の量も減るため、経費削減になるでしょう。

③クラウドであれば場所を選ばずに利用可能

HRテックはクラウドサービスが主流のため、インターネットがつながる場所であれば、いつでもどこでも利用できます。

昨今、人事評価を行う場所は会議室や面談室だけに限りません。スマートフォンやタブレットがあれば場所を選ばずに行えるのです。もちろん社員が、自宅や外出先から情報を確認したりデータを入力したりすることもできます。

④離職率の低下

人事評価では、膨大なデータを科学的に分析して、公正かつ適正に評価します。やればやるだけ評価されるという適正な評価が可能になるため、「社員満足度の向上」「離職率の低下」につながるとされているのです。

さらにこれまでファイル管理していた時間がなくなるうえ、評価結果を社員にしっかりとフィードバックできるため、社員の満足度も高まるでしょう。

⑤評価の質向上

人事評価の基本は、蓄積されたデータを分析し、人材育成や適材適所への配置に生かすこと。Excelや紙などで人事評価を作成していては、面談後の記入や回収・集計・ファイリングなど、人事評価にかかる時間的コストも相当なものになります。

HRテックを活用すれば、作業に費やしていた時間を別のことに使えるため、人事評価の質向上が可能になるのです。

⑥モチベーションの向上

しっかりとした人事評価の規程などにもとづいて公平に評価するため、社員の仕事に対するモチベーションアップにつながります。上司の主観や価値観が入ったあやふやな評価では、社員は不満を抱き、仕事への意欲も下がるでしょう。

適正な人事評価は、社員一人ひとりの能力やスキルの向上、会社の業績アップや利益拡大などにつながるのです。

⑦ビジョンと人材のマネジメントが容易に

「会社が目指す方向性を全社員に浸透」「ビジョンの達成に向けたミッションの設定を社内で共有」などが容易になります。

結果、会社が社員に求めるものが明確になるため、社員は目標を定めやすくなるのです。個々に必要なスキルや資格の取得を目指すなど、論理的な戦略を立てやすくなるでしょう。大きなプロジェクトの達成も実現可能です。

人事業務の効率化だけでなく、費用削減・離職率の低下・社員の意欲向上など、会社の業績アップにつながるメリットも多いです

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5.ジャンル別紹介!人事業界で注目されているHRテックサービス

人事業務の効率化や質の向上を図るため、HRテックサービスを導入する企業は年々増えています。近年、注目されているHRテックサービスについて解説しましょう。

  1. タレントマネジメント
  2. 採用管理
  3. 勤怠管理
  4. 給与計算
  5. 学習管理
  6. スキル管理
  7. 研修管理

①タレントマネジメント

全社員のスキルを把握・比較してプロフィールを分析すると、客観的な評価を導き出せます。たとえば、社員のプロフィール・能力・経験・資格・スキル・評価をデータベースで管理し、人材育成や能力開発に活用するなどです。

②採用管理

HRテックサービスを利用すると採用活動が効率化するため、応募者への対応を迅速に進められます。

たとえば、「採用に必要な業務やコミュニケーションをまとめて管理」「応募者とのコミュニケーション」「面接の日程管理」「求人媒体への出稿と応募状況」「内定者へのフォロー」などです。また人事担当者間の連携も深まるでしょう。

③勤怠管理

HRテックサービスを利用すると、「業務時間の削減」「労働時間の管理」「有給休暇の取得状況」などを把握できるため、労働基準法に沿った運用ができているか、管理できます。

また勤怠情報は、人事考課などにも活用できるのです。パソコンやスマートフォンから社員が時刻を入力できるサービスもありますので、活用によって正確な労働時間を記録できるでしょう。

④給与計算

HRテックサービスを利用すると、煩雑な給与計算業務を効率化できます。勤怠管理との連携によりリアルタイムに給与が計上されるため、業務の平準化にもつながるのです。

多様化する勤務形態や頻ぱんな人員の入れ替わりなども、個人別にカスタマイズできます。人事考課や人事評価の結果を、給与計算に反映させることも可能です。

⑤学習管理

学習教材の配信・受講状況・成績などを統合して管理し、スキルアップを戦略的に支援できます。それによって教材費や会場費用などのコスト削減、効率化にもつながるでしょう。具体的な機能は、下記のとおりです。

  • テストやアンケート
  • レポート課題の学習教材作成
  • 学習の進捗情報のリアルタイムでの確認
  • タブレットなどでの受講への対応
  • ライブ配信
  • 動画の配信

⑥スキル管理

HRテックサービスを利用して社員が持つスキルを可視化すると、「ある社員がどの部分に優れているか」「今後どの分野を伸ばす必要があるか」が分かるため、人材開発の戦略を具体的に考察できます。

またスキル・経験値・コミュニケーション能力など数値として表しにくいものも、データとして蓄積できるのです。

⑦研修管理

教育履歴の一元管理や教育担当者の業務省略も可能です。階層別研修や部門ごとのOJTまで受講履歴を一元管理し、人材育成が活性化する基盤をつくれます。

教育計画の立案・実施・評価・フォローアップ・改善までの各工程を管理するため、継続的な人材育成も実現できるのです。また「受講者の検索」「受講案内のメール一括自動配信」「報告書やアンケートの回収」などもシステム上から実行できます。

HRテックでは、AIやデータを活用した多彩なサービスが提供されており、それらは業務改善・人材育成・コスト削減などに役立てられているのです