自走とは?【ビジネス上の意味】自走できる人材の育成方法

自走とは、外部の動力によらず自分自身の力で走ることです。ここではビジネスにおける自走の意味や特徴、自走力のある人材を育てる際のポイントなどについて解説します。

1.自走とは?

自走(じそう)とは、ほかの動力ではなく自分自身の動力によって走ること。その物自体に走るための装置を備えているため、ほかからの牽引を必要としません。「その車は自走できない」「軌道上を走行する自走車両」といった使い方をするのです。

また他人からの指示がなくても自らの判断で行動を開始できる「主体的行動」を指して「自走」と呼ぶ場合もあります。

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2.ビジネスにおける自走とは?

自走という言葉はビジネス上のさまざまなシーンで活用されています。ビジネスにおける自走の意味や特徴、自走型の組織について説明しましょう。

自走型の人とは?

言われたこと以上の目的を理解し、その目的を実現するために最適な方法を自ら見つけて活動、改善できる人のこと。自分で考えて仕事を進められる、また自分で意思決定して行動できる力を持った人です。

一方、指示があるまで何も仕事をしない、言われたとおりの仕事しかできない人は「自走力のない人」となります。組織化、仕組み化ができていない中小企業ほど、この「自走型」の人材が必要です。

自走型ではない人材が集まると、ワンマン状態による社長依存、組織としての成長停滞を招きます。

自走できる人の3つの特徴

自走できる人には3つの特徴があります。

  1. 自ら目標を設定し、完遂できる人
  2. 周囲から信頼される人
  3. 論理的思考ができる人

①自ら目標を設定し、完遂できる人

自走できる人は、何もないところから課題を発見して目標を設定する「問題発見力」と、それをやりきるための「完遂力」を持っているのです。

エンジニアの世界では「論理的思考力」「思考持久力」「言語化能力」がそなわっている人材を「自走力の高い人材」と呼びます。レベルが高くなると、これらにくわえて「問題発見力」と「完遂力」を備えるのです。

ただし、当人の立つステージによっては「問題を発見する能力だけでよい」「完遂力のみを求められている」場合などさまざまあります。いずれにせよ「自ら考えて行動し、結果に責任を持てる」ことが自走できる人の特徴です。

②周囲から信頼される人

自走できる人は報告、連絡、相談の「報連相」を使いこなし、周囲から信頼や信用を得ていきます。報告、連絡、相談はどれもかんたんそうに見えるものの、実際のところ聞き手や読み手を無視した自己満足的な報連相も多くあるのです。

報連相ができず、周囲からの信頼を得られない人に重要な仕事を依頼したいとは思いません。

自走できる人は「相手が何を報告してほしいのか」「仕事を停滞させない連絡ができているか」「意思決定の際には関係者にきちんと相談できるか」を理解して、周囲からの信頼を得ています。

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③論理的思考ができる人

先に触れた「論理的思考」も自走力につながる能力です。論理的思考力とは物事を体系的に整理して、矛盾や飛躍のない道筋を立てる思考のこと。

たとえば「その問題を構成している要因は何か」「どこを改善すれば問題が解決するのか」など「具体的な問題を切り分ける能力」などです。

この論理的思考は、前述した「問題発見力」と「完遂力」に必要な能力となります。論理的思考ができる人は問題を正しく理解する能力があると評価され、自走できる人とみなされるのです。

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自走型の組織とは?

他者からの指示を待ってから動くのではなく、自ら考えて行動し、成果を生み出せる組織のこと。マネジメントの視点でいう「マイクロマネジメント」の対極にある形です。

自走型の組織では、一人ひとりがやるべきことを探して主体的に行動し、必要な成果を挙げなければなりません。具体的な指示が出されないため、組織には一定レベル以上の能力が求められるのです。

自走型組織の本質的な目的は、個の力を最大限発揮してイノベーションを起こすこと。変化の著しい現代では継続的な成長だけではなく、非連続な成長を目指す必要があります。そこで必要なのがイノベーション、つまり自走型の組織なのです。

コロナ禍で注目される自立型組織

新型コロナウイルスの感染拡大により、ビジネスの環境は大きく変化しました。不確実な状況のなかで、自ら考えて行動できる自立型の人材、すなわち「自走型」の組織に対する注目が高まっています。

リモートワークが拡大するなか、この変化に対応できている組織とできていない組織の差が明確になっているのです。

うまく対応できている組織には、平時から分散された権限が付与されており、現場が自ら考えて自走できます。このような組織にとっては変化も危険なものではなく、チャンスにすらなり得るのです。

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3.自走できる人を育てるための5つの方法

自走できる人材、つまり自分自身で考えて仕事を進められる人材を育てる方法は、以下の5つです。

  1. 目標を立て、逆算して行動する
  2. まずはやってみて経験値を増やす
  3. 目的達成のための遂行手段を精査する
  4. 学ぶ姿勢を持ち続け、チャレンジを続ける
  5. 評価制度を活用する

①目標を立て、逆算して行動する

自走できる人材には、自分自身で意思を決め、実際に行動する力が欠かせません。そのためまずは目標を立て、そこから逆算して必要な行動を洗い出し、実行に移します。

仕事で具体的な目標が思いつかない場合は、手始めにプライベートで目標を立てて実行に移してみるとよいでしょう。

無事に完遂した際は当初の目標が達成できそうか、もしもできないようなら何が原因なのかを考えます。この作業を繰り返し実行すると、実際の行動に移す前に必要な要素や不足している要因などが自然と意識できるようになるのです。

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②まずはやってみて経験値を増やす

自走力の高い人は失敗した際のフォローまで細かく考えず、まずは実行して経験値を増やすことを目的としています。まったく経験のないなかで行動し、さらに成功させるのは非常に困難です。

一見目標とは関係なさそうな仕事でも、実際に取り組んでいるうちに紐づくものや近道が見つけられるかもしれません。

自走できる人はたくさんの経験値を持っています。実際にたくさんの仕事を経験するのが難しくとも、多くの人に会って情報収集したり勉強したりしていけば、経験値を積み重ねられるのです。

③目的達成のための遂行手段を精査する

自走できる人材は仕事の目的をつねに意識し、達成に向けたベストな方法を探しています。

たとえば自社の会社概要をまとめる作業を依頼された際、それが自社用なのか外部用なのか、口頭での説明に使うのか資料を手渡すだけなのかによって、記入する内容や見せかたが変わってきます。

適宜立ち止まって「本当にこれが目的達成のためのベストな方法なのか」を意識することが重要です。つねに作業の方向性を意識すると、急な仕様変更や修正にも柔軟に対応できます。

④学ぶ姿勢を持ち続け、チャレンジを続ける

自走力の高い人は、これまでの経験で得た学びを振り返って、次のステージに活用できます。現代国内の企業教育は新卒新入社員への待遇が手厚い一方、中途採用者へのフォローが少ない傾向にあるもの。

その流れに身を任せたままではキャリアが停滞し、慣れた環境、慣れた業務しかできない人材になってしまうでしょう。

しかし「自走力の高い人材」は、新しい環境でもこれまでの経験を活用してチャレンジを重ねていけます。自走できる人材を育てるためには、年齢を重ねても過去の学びを生かし、さらに新たに学ぶ姿勢を持ち続けることが重要です。

⑤評価制度を活用する

明確な目標を立てれば、それを基準とした評価制度ができます。「できるだけ多くの顧客を集めなさい」という目標があっても、それが10人を指すのか、1,000人を指すかで評価は異なるもの。

これが「100人の新規顧客を集める」という目標ならば、10人がまだ10%であるとわかり、1割の評価しか得られないと明確にわかるでしょう。

このように基準を明確にした評価制度が設けられていれば、達成に向けた具体的な方法、立ち位置が見えてくるため、自分で考えて仕事を進める「自走力」につながります。

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4.自走力のある社員を育てる際のポイント

「自走力のある社員を育てよう」と考えたとき、企業として何ができるでしょうか。ここでは自走力のある社員を育てる際のポイントを、企業の立場から説明します。

  1. 経営理念を明確にする
  2. 目標設定、実行、評価、育成をサイクル化する
  3. デザイン思考やアジャイルを重視する
  4. 社員に、仕事や会社を好きになってもらう

①経営理念を明確にする

はじめに会社の明確な経営理念をつくります。

会社として何を目指しているのか分からない、明らかに人としての倫理に反する事業をしている企業に対して、「会社の理念に向かって自分から考えて行動しよう」と思う社員はいるでしょうか。

自走力のある社員の育成は、会社の経営理念に同意、インスパイアさせることからはじまります。会社の経営理念に同感できる人と、それに疑問を感じている人とでは、生み出される成果はまったく違うものになるのです。

②目標設定、実行、評価、育成をサイクル化する

自走力が育たない理由のひとつに「上司と部下の認識のずれ」が挙げられます。ここで重要なのが、先に触れた「明確な目標の設定」です。

目標が明確であればあるほど実行のプロセス、評価の基準が明確になります。この基礎があいまいなままでは、部下は目標を自分ごととしてとらえられません。

「次はこうしてみよう」「さらにこの部分を変えて効率をあげよう」といった行動変化を促すためには、明確な基準、そしてそれにもとづいた実行→評価→育成のサイクルが重要です。

③デザイン思考やアジャイルを重視する

自走力のある社員を育てるためには「デザイン思考」と「アジャイル」を重視することも必要です。「デザイン思考」とは、物事を論理的に積み上げるのではなく、クリエイティブな思考で膨らませて問題解決にあたる思考のこと。

また「アジャイル」には「俊敏、素早い」という意味があり、スピード感を持って取り掛かれるところから取り掛かる手法を指しています。どちらも目標を理解してそれを実現するために自ら行動、改善できる「自走力」に必要な要素です。

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④社員に、仕事や会社を好きになってもらう

「会社が嫌い」と考えている社員に自走力をつけることは困難です。極端な話、犯罪行為の一歩手前、法的にグレーな事業をしている会社に対して「会社が大好き」「自ら進んで貢献したい」と思う社員はいないでしょう。

会社から必要とされている、会社に貢献できていると感じる社員は「必要とされているならしっかり応えたい」「さらに成果を出して貢献するためには何をすればよいか」を考えます。仕事や会社を好きになってもらうことは、自走力を育てるための第一歩です。

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5.自走を理解するためにおすすめの書籍

自走について理解するためには、人材育成コンサルタントや企業経営者、CEOなどが執筆した書籍を参考にする方法も効果的です。

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