報連相とは?【できない原因】おひたし、重要性、本当の意味

報連相とは「報告」「連絡」「相談」の1文字目をとったビジネス用語です。

30年以上前に誕生し、企業に属する社員が場面や用途に合わせて相手に伝える方法として広まっています。

1.報連相とは?

報連相とは、コミュニケーションに重要な「報告」「連絡」「相談」の3つをまとめたビジネス用語

報連相はビジネスで基本的なコミュニケーションであり、とくにこの3つは迅速かつ的確に行わなければなりません。

そのため企業では報連相を重視されており、内定者セミナーや新入社員研修では題材に盛り込まれることも少なくありません。

報告の定義

報告とは、依頼された業務の進捗状況や結果などを、依頼者へ知らせること

上司から業務指示を受けたら、部下は進み具合や結果、問題点の有無などを適切なタイミングで上司に伝えなければなりません。

上司は部下たちからの報告をもとに、チームや部署全体における業務の進め方を決定するからです。

部下からの報告がないと上司が次のアクションへ移れず、全体の業務が停滞、あるいは中断するおそれがあります。

連絡の定義

連絡とは、業務に関する情報やスケジュールなどを関連する人たちへ共有すること

連絡する相手は、上司と部下といった上下の関係に限らず、他部署や取引先なども含まれます。

連絡の内容は、各種の通知や通達、トラブルなどが代表的です。そのほかに業務効率化や生産性向上のためのノウハウや知識の共有なども挙げられるでしょう。

相談の定義

相談とは、物事を判断する際に、上司や関係者の意見を求めたり話し合ったりすること

ビジネスにおいては、一社員が独断で業務に関わる決定を下すケースは多くありません。複数の意見やアドバイスを受けて総合的に判断することが求められるからです。

とくに経験したことがない事態や問題に直面した際は、上司や先輩社員、同僚といった経験年数や立場が違う人に相談すると解決しやすくなります。

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2.報連相の目的

報連相は、チームや企業内での情報を共有し、上下や横の連携を強化することが目的です。

そのため報告と連絡、相談の言葉の意味と目的を理解したうえで、双方向のコミュニケーションが求められます。

事実の共有

関係者同士が現状を把握するためには、お互いが事実を共有していなければなりません

これはとくに報告で重視されます。たとえば営業報告や出張報告、会議の議事録やトラブル報告などを行う場合、事実を共有するために記録や書類などを用いることも少なくありません。

報告者の「意見」が含まれた内容を共有してしまうと、正しい判断がしにくいからです。

情報の共有

迅速かつ的確な連絡は、作業の質や効率の向上につながりやすくなります

たとえば業務の手順やルールなどの変更があった場合、自分が持っている情報を同じ業務に従事する人たちへ共有すると、ミスや修正などを減らせる可能性が高まるでしょう。

また緊急事態が発生した際は、迅速かつ正確な情報を共有する必要があります。そのため連絡においては、簡潔に事実を伝えることがポイントです。

問題の共有

問題が発生した際には、とくに迅速な報連相が重要です。早期に関係者間で問題を共有すれば、早期解決につながりやすくなります

日常的な業務では、社内が原因で起こるトラブルもありますが、先方の都合や外的要因などで問題が生じることも珍しくありません。

たとえば納期遅れや予算オーバー、契約の変更やクレームなどです。担当者のみで対処方法を判断せず、上司や先輩社員へ相談して問題を共有しましょう。

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3.報連相の重要性

ビジネスにおいて、業務のほとんどはコミュニケーションを介して進みます。

適切な報告と連絡、相談を行わなければ、ミスやトラブルに発展するおそれがあるため、報連相は基本中の基本といえるのです。

とくに報連相は業務効率化やトラブル対処、社内の人間関係構築に必須とされます。

業務の効率化

報連相は業務の効率化や生産性の向上に欠かせません。

業務を指示する上司は

  • 部下が何をどこまで進めているか
  • 結果はどうなっているか
  • 遅れやトラブルは発生していないか

など、常に全体の状況を把握している必要があります。

そこで指示を受ける部下が適切なタイミングで報連相を行うと、上司は必要な情報を把握しやすくになり、業務をスムーズに進められるのです。

業務が円滑に進むと生産性の向上も期待できます。

適切にトラブルを対処できる

問題が発生した際も、迅速な報連相が効果的です。必要な情報を迅速に集めれば、それだけ早期に現状把握や原因究明が行えるからです。

とくに業務を停止しなければならないような重大な問題は、利益の損失や企業価値の低下を招きかねません。問題が発生した際は、報連相で速やかに上司や関係者へ伝えましょう。

なお問題が起きると予測された際も同様です。早期に報連相で問題になりそうな点を挙げて対策を取れば未然に防げるでしょう。

人間関係の安心感

職場で人間関係を構築するためにも報連相が必要です。

たとえば日常的な報告はもちろん、最適なタイミングで報連相を行う部下であれば、上司は「何かあればすぐに知らせてくれる」といった安心感や信頼感を持ちます。

そのような部下には、より重要な業務を任せる、あるいは役職をつけるといった可能性もあるのです。

他部署や取引先への報連相においても、迅速かつ適切な報連相を続けると信頼を高めていけるでしょう。

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4.報連相のコツ

報連相のコツは「正確に、素早く、簡潔に事実を伝える」こと。

「報連相がうまくできない」という人もいるようですが、その原因には、「伝え方やタイミングが適切ではない」や「情報が整理できていない」などが考えられます。

適切なタイミング

報連相はタイムリーに行うことが大切です。とくに問題発生時は、報告が遅れると対応が間に合わなくなるおそれがあります。報連相のタイミングには以下のものが挙げられます。

  • 指示された仕事が終わったとき、あるいは完了できそうにないとき
  • 問題が発生しそうなとき、および問題が発生したとき
  • 中長期にわたる仕事では、定期的に途中経過を報告する

相手の都合を考慮する

報連相を行う際に、相手への配慮も大切です。たとえば上司へ報告する時に、上司自身が忙しい状態では部下の報告を聞く余裕がありません。あくまでも上司の都合を確認したうえで報連相を行いましょう。

ただしトラブルなど緊急性の高い内容は、できるだけ迅速に伝えなくてはなりません。メモを残すなど、臨機応変に対応しましょう。

重要な報告は直接上司に

緊急性や重要度の高い要件は、上司へ直接報告しましょう。たとえば「依頼された業務が間に合わない」「ミスをしてしまった」「クレームが発生した」などの要件が挙げられます。

上司が離席している場合であっても、人づてで伝えるのは避けるべきです。人に頼むと内容が正しく伝わらない、あるいその人が伝え忘れるといったおそれがあります。

結論から伝える

報連相は結論から述べることがポイントです。

簡潔かつ正確に伝え、改善方法などの提案があれば付け加えます。理由や経緯、意見などは、求められたら答えるようにしましょう。言い訳や感情にもとづく感想、無関係な情報は不要です。

事実と私見は区別して伝える

報連相では、個人の事情や感想などを含めないようにしましょう。ビジネスのコミュニケーションでは、客観的な事実を正確に伝えることが求められるからです。

ただし会議などで求められた時には、「あくまでも自分の考えである」ことを伝えたうえで個人の意見を伝えましょう。

トラブルやミスはすぐに報告する

トラブルやミスが発生した場合、早期解決するためには迅速な報連相が必要です。

すぐに上司などへ状況を報告し、適切な判断を仰ぎましょう。早期に対処できれば、大きなトラブルへの発展や二次的なミスの発生を防げます。

報告・相談時はメモを持参する

報連相を行うときは必ずメモを持参し、指示内容やアドバイスなどを書き留めましょう

報連相を受けた上司は業務内容の変更や改善などを検討し、部下へ新たに指示を出すことがあるからです。また報連相を行う前に、メモに伝えることをまとめておくとスムーズに話せます。

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5.報連相のポイント

事実となる情報を正確に、素早く、簡潔に伝えることが、報連相を行う際のポイントです。不要な情報や誤った情報を伝えてしまうと、トラブルに発展するおそれがあります。

内容が正確であること

報連相によって事実確認や判断が行われるため、正確な情報を漏れなく伝えなければなりません。とくに数字や時間などに誤りがないかを注意しましょう。

伝え漏れを防ぐには、「5W1H」や「5W2H」でまとめるのがよいとされています。

感想や憶測などは報連相に含めるべきではありません。それらが誤って伝わり、事実として認識されるおそれがあるからです。

迅速な行動

報連相はスピードを重視します。なかでも報告は迅速に行いましょう

たとえば部下が自分の仕事が期限に間に合わないと判断した場合、早めに上司へ伝えれば、上司は期限内に間に合うように人員や仕事量を調整できるからです。

早めの報連相は、状況の改善や問題の早期解決、効率や生産性の向上につながります。

上司などから「あの件はどうなったのか」と聞かれてしまった場合は、報連相が遅かったと考えましょう。

簡潔に伝える

必要最低限の情報を簡潔な言葉で伝えることも重要なポイントです。

情報量が多いと、状況を把握するのに時間がかかってしまうからです。報連相では、以下の点を意識しましょう。

報告

  • まず用件や目的を述べる
  • 結論を伝える
  • 補足説明があれば伝える
  • 意見や提案があれば伝える

連絡

  • 5W1Hで情報を整理しておく
  • 相手に正しく伝わったかを確認する

相談

  • まず用件や目的を述べる
  • 問題点を整理しておく
  • 自分の意見を述べる

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6.報連相の注意点

報連相は社内外において日常的に行われますが、伝えるタイミングや手順など、適切に行うためのコツや注意点があります。

迷ったらすぐに相談

自分一人では解決できず、対処に迷う場合は、すぐに上司や先輩社員に相談しましょう。

初めて直面する問題や判断に迷う場面に、自分でなんとかしようとして試行錯誤する人もいますが、適切な対処ができなければ多くの時間を費やしただけになってしまいます。

ささいな疑問点であっても相談すれば早期に解決でき、スムーズに業務を再開できるでしょう。

最初に相談するのは直属の上司

相談がある場合は、直属の上司へ伝えましょう。

先輩社員やさらに上の上司などは、相談者の仕事内容や進捗などを十分に把握できていないことがあり、相談しても適切なアドバイスや判断が得られなくなるからです。

具体的なアドバイスや指示を受けたい時は、相談者の状況をもっとも把握している直属の上司へ相談しましょう。

報連相すべき順番を考える

報連相の内容によって、伝える相手と順番を判断することも必要です。

基本的に報告は、指示を受けた人が指示を出した人へ行うもの。しかし先輩社員が指示を出したとしても、業務の進捗状況や作業内容、緊要度によっては、仕事全体の状況を監督している上司へ報連相を行ったほうがよい場合もあるのです。

判断に迷った場合は、先に上司に相談するとよいでしょう。

関係者全員に伝えたかを確認する

連絡を行う際は、伝えるべき相手に漏れなく伝えわったかを確認しましょう。このとき「伝えた」だけでなく、「正しく伝わったかを確認」することが大切です。

伝えた相手が正しく認識できていなければ「伝わった」とはいえません。以下の点に注意すると漏れなく正しい連絡が行えるでしょう。

  • あいまいな表現や不要な情報などを含めない
  • 連絡した相手のリストを作成する
  • 相手からのリアクションを確認する

相手からのリアクションは口頭でもよいのですが、メールやチャットなど文字で残せるものが安心です。

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7.報連相ができない人の特徴

新入社員に限らず、報連相ができないという人は少なくありません。

ここでは報連相ができない理由を4つ紹介しますが、これ以外の理由も考えられます。

報連相ができない人に対しては、よく話し合って解決策を考える必要があるでしょう。

上司とコミュニケーションが取れない

普段から上司とのコミュニケーションが取れていないため、報連相ができていないことも考えられます。

上司と部下との信頼関係が築かれておらず、お互いが意思疎通できていない状態かもしれません。

このような場合、上司から歩み寄って声をかけやすい雰囲気を作るのもひとつの方法です。タイムリーに情報提供やアドバイスを行ってみましょう。

報連相の必要性を理解していない

報連相の目的や重要性を理解できていないことも、原因のひとつに考えられます。

このようなケースでは、「報連相をしなくても自分の仕事に影響がない」や「結果を見れば報連相をしなくてもわかるはず」といった考えを持っていることがあります。

このような人は自分の仕事を俯瞰して見ることができず、ほかの人やほかの業務との関連を理解していないかもしれません。まずはこの点を説明する必要があるでしょう。

自分の業務で精いっぱい

仕事が忙しいときに、報連相を怠ることもあります。目の前の仕事に気を取られてしまい、報連相にまで気が回らなくなるのです。

とくに入社したばかりの新入社員などは、覚えることが多いうえに報連相がまだ習慣づいていないため、報連相を後回しにしてしまう可能性があります。

あらかじめ時間帯を決めておき、忙しいときはその時間帯の間に報連相を行うといったルールを作るのもひとつの方法です。

報連相の時間が惜しい

報告や連絡、相談はどれもお互いに時間を要するため、その時間が惜しいと考える人がいます。初めは報連相を意識していても、日々の業務の方が大事だと判断してしまうのです。

さらに上司も忙しいことを理由にそれを放置してしまうと、報連相をしなくても良い環境ができてしまうでしょう。できるだけ簡易な方法で報連相が行えるツールを使ったり、報連相を行う時間帯を決めたりすると改善される可能性があります。

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8.上司の心得「おひたし」

報連相が部下のための心得であるのに対し、先輩社員や上司のための心がけが「おひたし」です。

双方を合わせて「ほうれんそうのおひたし」と表現することもあります。

おひたしとは、

  • 怒らない
  • 否定しない
  • 助ける
  • 指示する

の頭文字をとった言葉です。

怒らない

報連相を受けた際に「怒る」のは避けましょう

怒るとは、感情に身を任せて怒鳴ったり叱責したりすること。たとえば部下がミスを報告した際に、上司がただ怒って失敗をとがめるだけでは、状況の改善などにつながりません。

上司は冷静に内容を受け止め、ミスの原因や改善策を一緒に考える、あるいは適切なアドバイスを伝える必要があります。

否定しない

報連相を受けた際に、いきなり否定から始めてはいけません

まずは相手の意見や言葉を受け入れてから、自分の意見を伝えるようにしましょう。

一度受け入れることで、相手の意見を尊重していることを伝えられるからです。

否定せざるをえない場合も、理由や根拠を説明したうえで、相手が落ち込まないように前向きな言葉で伝えましょう。

助ける

切な「助け」つまり「サポート」を行いましょう

過剰に助けると部下の成長を妨げることになってしまうため、なんでもかんでも助けるというわけではありません。初めから助けるのではなく、困ったり悩んだりしているときにサポートするということです。

そのためには常に部下の状況を観察し、部下の能力なども考慮したうえでサポートに入るタイミングを見極める必要があるでしょう。

指示する

部下の独断では判断できないことも多いため、上司は的確な指示を出す必要があります。

上司が指示を出さないと部下が「指示待ち」になり、時間を無駄にしてしまうでしょう。このような事態を防ぐには、部下から上司へ次の指示を尋ねられる雰囲気を作っておきましょう。

しかし部下の自主性を育てるためには、指示を与えすぎてはいけません。ひとつの指示から、部下が自分で考えて行動できるという流れが理想です。