自己肯定感が低い人の特徴とは? 行動・タイプ、要因、肯定感を高める方法について

自己肯定感が低いと、本来の能力が発揮できなかったり、自分のよい面に気付けなくなったりします。そんな自己肯定感が低い人の特徴や、自己肯定感を高める方法などについて解説しましょう。

1.自己肯定感の低い人の特徴とは?

自己肯定感とは、自分をどのくらい肯定的、もしくは否定的に思っているかという自己の存在そのものに対する判断や評価のことで、自己肯定感が低いと諦めやすくなったり、無力感や絶望感を感じやすくなったりするのです。

自己肯定と似ている言葉

自己肯定と似た言葉に「自己意識」や「自己概念」、「自己投影」や「自己理解」などがあり、いずれも自分に対する意識として使われます。

なぜ日本人は自己肯定感が低いのか

世界的に見ても、日本人の自己肯定感は非常に低いといわれています。

平成26年に内閣府が発表した内容によれば「自分自身に満足している」「自分には長所がある」と回答した13歳から29歳の若者は、調査を行った7か国中で日本が最も低かったのです。

原因のひとつとして挙げられるのが、謙遜や謙虚という言葉に代表される日本の国民性。文部科学省は、国民性のほかに自信のなさを挙げており、後者についてはなんらかの対策が必要であると発表しています。

自分に満足していると回答した子どもの割合は45.8%でした。次点の71.5%と比べても、非常に低いと分かります

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2.自己肯定感が低い人の4つのタイプ

自己肯定感が低い人にはどのような特徴があるのでしょうか。自己肯定感の低さは「行動派か受け身派か」「内にこもるタイプか外に求めるタイプか」の2つを軸とした4つのタイプに分類されます。いずれも自己肯定感の低さが行動にあらわれたものです。

  1. 逃避タイプ
  2. 諦めるタイプ
  3. 比較優位タイプ
  4. 求めるタイプ

①逃避タイプ

内にこもる行動派は「逃避タイプ」に分類されます。このタイプの特徴は、下記のとおりです。

  • 努力したり本気を出したりしない
  • 無関心を装う
  • いわゆる「いい人」を演じる

自分によって都合の悪いことは興味がないふりをしたり、何かに取り組む際に本気を出すことをためらったりします。

「本当の自分を出さなければ他人に嫌われない」「本気を出していないだけで本気になればうまくいく」いずれも自己肯定感の低さを裏返した姿です。

②諦めるタイプ

「諦めるタイプ」は内にこもる受け身派です。「どうせ無理」が口癖だったり、褒められるのが苦手だったりします。自己肯定感の低さから自分の殻に閉じこもっている状態をイメージすると、想像しやすいでしょう。

失敗を過度に恐れ、諦めに支配されると人は主体性を手放します。これがさらに発展すると、どうしてあの人みたいになれないんだろう、どうせ自分なんて、といわゆる「悲劇のヒロイン」になっていってしまうのです。

③比較優位タイプ

外に求める行動派は「比較優位タイプ」つまり「自分には価値があるんだ!」と思われたい願望が強く、それを証明しようと躍起になるタイプです。

聞いてもいない自慢話をはじめたり、全身をブランド品で固めたりする人は、一見自身に満ちあふれ、自己肯定感が高いように見えるでしょう。

しかしそれらはあくまで「付帯品」の自慢に過ぎません。他者から「すごい」といわれて承認欲求を満たし、自己肯定感の低さを埋め合わせているだけなのです。

④求めるタイプ

「求めるタイプ」は外に求める受け身派に分類されます。特徴は、下記のとおりです。

  • いつも何かを心配している
  • 他人からの目を過度に気にしている
  • 自分より他人を優先しすぎる
  • 他人に依存している

他者に関心を向けているように見えますが、実は他者に映る自分の姿を見ています。人から何かを与えてもらって、自己肯定感の低さを埋め合わせている状態なのです。

一時的に自己肯定感の低さを埋め合わせられたとしても、根本的な解決には至りません。さらなる自己肯定感の低下を招き、負のスパイラルに陥る危険もあります

3.自己肯定感を低くさせる要因

なぜ自己肯定感が低くなるのでしょう。自己肯定感を高めるためには、まずその原因を理解する必要があります。自己肯定感の高低は、自身の経験と遺伝、そして育てられ方が大きく影響しているといわれているのです。

失敗や辛い体験

失敗や辛い体験は、私たちの想像以上に強い印象を与えます。過去の失敗そのものは変えられないにもかかわらず、いつまでも「自分にはできない」「もっとこうするべきだった」と思い悩み、失敗への恐怖を生み出してしまうのです。

こういった恐怖や辛い体験は、自己肯定感を低くする(高めさせない)要因のひとつでしょう。

幼少期の家庭環境

自己肯定感の低さには、幼少期の家庭環境が大きな影響を及ぼすといわれています。例として、次の言葉を比較してみましょう。

  • 「テストで85点も取れたの!すごいね!」
  • 「クラスの平均点は91点なのに、どうしてあなたは平均点以下なの?」

どちらが自己肯定感を高めるかは一目瞭然です。自身の存在を否定された経験、また親との対話が少ない経験は、自己肯定感の低下を招く大きな要因となります。

学校教育

平均的な人格を育成したがる学校教育にも、自己肯定感を低くする原因があるのです。日本の教育には、「出る杭は打たれる」「周りと同じことがよいとされる」風潮があります。

決められたことを決められた方法でやるのが正しく、枠組みから外れたやり方は価値が低い、意味がないと見なされれば、目立たずにいようと考えるのも当然でしょう。

日本の習慣

日本には「謙虚」を美徳とする風習があります。自己を主張して表舞台に立つことを良しとしない考えが、少なからず存在するのです。反対に自信のある態度やポジティブな姿勢が、ナルシスト、自意識過剰と評される場合も少なくありません。

自分がこの態度を取ったら相手が傷つくかもしれない、いやな思いをさせるかもしれない、と相手を優先しすぎる結果、自己肯定感が低くなってしまうのです。

自己肯定感の高低には、幼少期の環境が大きく影響します。子どもの自己肯定感は、一般的に3歳から4歳までの働きかけで決まるといわれているのです

4.自己肯定感の低い人が陥る危ない思考

自己肯定感の低さが、必ずしも悪いわけではありません。ネガティブな感情は、うまく活用すれば次への挑戦や達成感につながります。しかし自己肯定感の低下がエスカレートすると、さまざまなマイナスの要因を生み出してしまうのです。

チャレンジをしない

自己肯定感が低いと、チャレンジそのものをしなくなります。過去の失敗そのものは変えられないにもかかわらず「自分はなぜあんな間違いをしてしまったのか」「どうしてできなかったのか」と、いつまでも失敗した自分を受け入れられません。

これらのネガティブな思考は、次の挑戦に対するやる気を奪います。どうせ失敗するならそもそもチャレンジしなければいい、と挑戦に対して臆病になってしまうのです。

他人との比較や劣等感の意識が強い

自己肯定感の低い人は、必要以上に他人と比較したり、劣等感の意識が人一倍強かったりする傾向にあります。どれだけ営業成績を上げても「でも金額ベースは他の人のほうが上だから」と自身の劣っている部分を探し、素直に自分を認められません。

なかにはその誉め言葉に裏があるのではないかと疑い、過度に心身を疲弊させるケースもあります。

「できない」と決めつける

自己肯定感が低いと、自分には何かを成し遂げられるといった、自己を信じる「自己効力感」も低下します。その結果、やる前から自分にはできないと諦めてしまうのです。

自己肯定感の低下は、「自分には何もできない」「自分の価値観を信頼できない」といった自己信頼感、つまり自分を信じて行動するエネルギーをも奪ってしまいます。結果、何事に対しても消極的になってしまうのです。

周囲への依存度が強い

自分には何も成し遂げられない、自分の価値観を信じて行動できない、とネガティブな思考に陥ると、周囲への依存度が増します。自分で主体的に物事を決めたり、実行に移せなくなったりするのです。

人に決めてもらってその通りに進めれば、失敗しても自己を否定されることはありません。その失敗は、指示を出した上司や先輩の責任だからです。自己肯定感の低さは、周囲への依存と他責的な傾向を強めます。

人のために頑張れない

私たちは、誰かの役に立っていると実感できると、多少負荷が大きくても頑張ろうと思えます。社会のつながりのなかで、「自分の努力が誰かの役に立っている」「自分の存在が誰かの助けになっている」と感じられるのです。

しかし自己肯定感が低いと、「自分なんて誰かの役に立つはずがない」「人のために頑張っても意味がない」とネガティブな思考に陥ります。自己有用感つまり自分が役に立っているという感覚が少ないと、本来の力や継続力は発揮できません。

自己肯定感の低下が、人生を悪い方向に進めてしまうかもしれません。これは仕事だけでなく恋愛や人間関係、すべてのシーンにていえることです

5.自己肯定感を高める方法

自己肯定感は、低すぎず高すぎないことが大切です。高すぎれば高慢に、低すぎれば卑屈になる恐れがあります。適度な自己肯定感を身に付けるには、どのような対策が必要なのでしょうか。ここでは自己肯定感をバランスよく高める方法について解説します。

  1. 気付く
  2. 短所をクリアにし、肯定する
  3. 「受け取る」練習
  4. 焦点を質問で変える
  5. スモールウィンを積み重ねる
  6. アファメーション
  7. 自己肯定感を育む環境づくり
  8. 感情を発散させる
  9. 自分を信頼する

①気付く

まずは、自分が自分に対してどんな評価をしているか気付くところから始めましょう。「私は」「僕は」「自分は」「僕は」と、しっくりくる第一人称を使って以下のように自分への評価を書き出します。

  • 自分は愛されないタイプだと思っている
  • 私は異性にモテない、魅力がないと思っている
  • 自分は仕事ができない人間だ
  • 僕はみんなからお荷物と思われている

②短所をクリアにし、肯定する

続いて言語化した短所を肯定します。2017年に山口大学が発表した調査では、自身の性格や特徴を言語化することと自己肯定感の間には、相互作用があると認められているのです。

飽きっぽいという特徴は、ネガティブな短所である反面、切り替えが早い、フットワークが軽い、順応性が高い、といった長所になります。この言い換えのことを「リフレーミング(枠組みを変えて物事を認識すること)」と呼ぶのです。

③「受け取る」練習

自己肯定感の高い人は、他人にしてもらったことを素直に受け取り、感謝の気持ちを持ちながら生きられます。

反対に自己肯定感が低い人は、「してくれたこと」より「してくれなかったこと」を数えて、悲しみや憎しみ、寂しさを抱きがちです。依存や被害者意識、といえばイメージしやすいでしょう。

これは「内観」と呼ばれる概念のひとつです。他人にしてもらったことに対して、当然や常識と思わず、「嬉しい」「ありがたい」「安心した」というように、肯定的な感情として受け取ってみましょう。

④焦点を質問で変える

私たちの脳は、日々何気ない問いかけで思考を巡らせています。「昨日の朝食は何を食べましたか」という質問に対して、「今日のおやつにはこれが食べたい」と回答することはありません。

「どうしてうまくいかないんだろう」「なぜ自分ばかり失敗を繰り返すのだろう」という問いかけに、脳はその原因を探します。

このメカニズムを活用し「どうすればうまくいくだろうか」「何をしたら成功するだろうか」と質問を変えると、脳は建設的な答えを導き出すのです。その答えは、挑戦やチャレンジ、そして高い自己肯定感につながるでしょう。

⑤スモールウィンを積み重ねる

スモールウィン(スモールサクセスとも)とは、その名のとおり小さな成功のこと。人は成功を重ねて自信をつけ、自己肯定感を高めます。

「ゴミ出しをする」「20分ウォーキングをする」「毎日10ページずつ本を読む」など、どんな小さなことでも構いません。スモールウィンを毎日積み重ねると、自己肯定感が高まり、大きなことを成し遂げるパワーが生み出されます。

⑥アファメーション

建設的な言葉を口に出したり書き出したり、読んだりすることを「アファメーション」といいます。私たち人間の脳は、現実とイメージを区別できません。脳はそのデータを「知覚からの入力」なのか「脳で合成したもの」なのか区別できないのです。

営業目標を掲示したり、ダイエットで目指すスタイルを貼ったりするのは、このアファメーションをうまく活用したものです。建設的な言葉を書き出し、イメージして自己肯定感の向上につなげます。

⑦自己肯定感を育む環境づくり

嫌な上司や同僚がいる職場といない職場、どちらが自己肯定感を育むに適した環境でしょうか。自己肯定感を高めるには、それを育むための環境構築も重要です。

自分自身でどれだけ自己肯定感を高める努力をしても、ネガティブな人や自身が傷ついてしまうような環境にいては、その努力が潰れてしまいます。よい意味での刺激をくれる人や環境の中に自分を置いてみましょう。

⑧感情を発散させる

ネガティブな感情は敬遠されがちです。ネガティブな感情を「抱いてはいけない」「吐き出してはいけない」と無意識に封じ込めていないでしょうか。満たされなかった感情やネガティブな思いは、押し殺しても消化されません。

徐々に蓄積され、ある日突然思わぬ形でこぼれ出します。信頼できる友人や家族、カウンセラーなどに本当の気持ちを吐き出し、感情を発散させることも自己肯定感を高めるには効果的です。

⑨自分を信頼する

自己肯定感が低い人のなかには、「役に立たなければ愛されない」「愛されない自分を信じることができない」と負の連鎖に入る人もいます。自己肯定感を高めるうえでもっとも大切なのは、ネガティブな部分も含めてありのままの自分を認め、信頼すること。

結果を出すための行動を選択し、遂行するための能力を持っているか認知するための力を「自己効力感」といいます。自分を信頼できるようになると、自分がやることはうまくいくという揺るぎない自信がつき、同時に自己効力感も高まるのです。

自己肯定感を高めるには、これらのほかにも他人より自分の思いを優先したり、達成感を作ったりとさまざまな方法があります

6.自己肯定感を高めるメリット

自己肯定感を高めると、さまざまなメリットが得られます。高すぎず低すぎない適度な自己肯定感を持つと、人生が好転するきっかけになる場合もあるのです。ここでは、自己肯定感を高めるメリットを4つ解説しましょう。

  1. 新しいことにチャレンジできる
  2. 円滑な人間関係を築きやすい
  3. 理想的な自分に近づける
  4. 幸福感が増す

①新しいことにチャレンジできる

2013年に和歌山大学が行った研究によると、自分に関することだけ楽観的な認知が働く「ポジティブ・イリュージョン」と自己肯定感の間には、有為な相関があるそうです。

自己肯定感の高い人は、ありのままの自分を受け入れられるため、失敗を恐れずに次々と新しいことにチャレンジできます。万が一失敗しても、その事実を受け入れて原因を探し、次の挑戦につなげられるのです。

②円滑な人間関係を築きやすい

自己肯定感を高めると、円滑な人間関係を築きやすくなります。自己肯定感が高い人は自分を肯定して受け入れているため、「自分にはこれができる」「これはできないので請け負ってほしい」と適切にタスクを分配できるのです。

「自分にはこれができる」と自信を持つことは、自分にないスキルを持つ他者を尊重することと同じでもあります。自己肯定感を高めると、互いに尊重しあえる円滑な人間関係を築けるのです。

③理想的な自分に近付ける

挑戦が失敗しても成功しても、自己肯定感の高い人は結果をありのままに受け入れられます。失敗と成功の要因を考えて、理想的な自分に近づくための挑戦を繰り返すのです。

一方、自己肯定感が低いと、理想的な自分になってからはじめて自分を肯定します。「失敗には意味がない」「意味がないなら挑戦したくない」と考え、自分は理想的な自分になれるはずがないと負の思考に支配されてしまうのです。

④幸福感が増す

高い自己肯定感は、成功経験の積み重ねで得られますが、自己肯定感が高い人=成功経験が多い人=失敗が少ない人ではありません。

自己肯定感の高い人は、成功した自分も失敗した自分も受け入れられます。失敗してはいけない、という考えにそもそもとらわれていないのです。失敗した経験を受け入れられる人と受け入れられない人、どちらが人生における幸福感が高いかは明らかでしょう。

自己肯定感は、人が生きていくうえで土台となるものです。職場での人間関係や恋愛におけるパートナーシップ、自己実現など、あらゆる部分に影響を与えます