フィードバック面談で使えるシートとは? 使用のメリット、1on1ミーティング、基本的なやり方、面談のポイント、導入事例について

フィードバック面談で使える面談シートとは、課題や成長目的を明確化するためのツールです。ここでは面談シートの使い方やメリットなどについて解説します。

1.フィードバック面談と面談シートとは?

フィードバック面談とは、「結果を伝えたうえで、今後どのように行動するかを話し合う場」のことで、面談シートは、「全体像を描いたうえで面談に臨む」「課題や根拠を明確にし、相互の信頼関係を築く」「マネジメント力の向上」を目的に作成されるものです。

そもそも「フィードバック」とは?

フィードバックとは、目標の達成に向けた軌道修正や動機づけのために、口頭あるいは文章などで行う指摘および評価のこと。

たとえば部下の一人に仕事を任せ、部下がやり遂げたシーンを想定してみましょう。その仕事によってどのような結果が生まれたのか、振り返る点はないかなどのアドバイスが「フィードバック」です。

フィードバック面談の重要性

フィードバック面談を「上司が部下に評価の結果を伝えること」と考える人も少なくはないでしょう。しかしフィードバック面談は、本来「結果を伝えたうえで、今後どのように行動するかを話し合う場」です。

フィードバックを受けた部下はその評価に納得できる理由がないと、結果に一喜一憂するだけで終わってしまいます。それを避けるためにも、評価結果の根拠を正しく伝え、評価基準を明確にするのです。

面談シートを使うべき理由

面談シートの作成には、当然ながら時間と労力がかかります。感情や状況を文字にするのは面倒ですし、形に残したくないという人もいるでしょう。ではなぜ面談シートを使うのでしょうか。その理由は3つあります。

  1. 目標に対して、成長の振り返りを行う
  2. シートに残して行動の「きっかけ作り」をするた
  3. 相互の意思確認を行う

フィードバック面談と面談シートは、現場に寄り添ったコミュニケーションを実施する際に欠かせないツールです

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2.フィードバック面談や面談シートを使うメリットとは?

フィードバック面談を実施したり、面談シートを使ったりするとどのようなメリットが得られるのでしょう。ここでは下記3つから、フィードバック面談や面談シートのメリットについて解説します。

  1. 部下のモチベーションアップ
  2. 部下の成長促進
  3. スキルや問題点の把握

①部下のモチベーションアップ

目の前の業務に対して、自分にはできるはずがないと思うのと、自分ならできると思うのと、どちらのモチベーションが高いかはいうまでもありません。

部下が自分にはできないと感じている業務に対してポジティブなフィードバック面談を行えれば、自分にもできそう、という自己効力感を高められるでしょう。

②部下の成長促進

フィードバックの目的は、現状を客観的に伝え、次のアクションを考えさせること。単に叱ったり褒めたり業務の指示やアドバイスを行ったりすることではありません。

「課題の発見」「解決するプランの策定」「プランの実施」といったプロセスの支援が、部下の育成につながるのです。

③スキルや問題点の把握

人や組織が成長するためには、課題を克服し、強みを伸ばす必要があります。フィードバックを行うと、より正確に現状を把握できるでしょう。また繰り返しフィードバックを行えば、社員本人も「自分のやりがい」に気付けます。

これらのほか、上司と部下間のコミュニケーションが活性化する点も、フィードバック面談を行うメリットのひとつです

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3.フィードバック面談やシート作成をおこなう「1on1ミーティング」

フィードバック面談は、人事評価や施策、プロジェクトごとの振り返りなど、さまざまなタイミングで行われます。ここでは特に注目されている「1on1ミーティング」の手法について解説します。

「1on1ミーティング」にはどのような目的、またどのようなメリットがあるのか、ひとつずつ見ていきましょう。

1on1ミーティングの目的

1on1ミーティングとは、上司と部下が一対一で話し合うこと。上司と部下との一対一のコミュニケーションといえば、評価面談あるいはネガティブな指摘事項を伝える場、といった印象を持つ人も多いかもしれません。

しかし1on1ミーティングの目的は、「部下の状況を把握して成長を促進」「結果として会社の持続的成長を担う人材の育成」です。

1on1ミーティングが注目された背景

日本における1on1ミーティングは、2012年からヤフーがいち早く取り入れました。今では多くの企業で1on1ミーティングの導入が進んでいます。そもそもなぜ、上司が部下の成長のために時間を使う1on1ミーティングが注目されるようになったのでしょう。

そこには労働人口の減少、そして流動化の加速といった理由が挙げられます。急速な変化が起きている昨今、これまでの経験や物差しが通用しない場面も増えました。

上司から部下への一方的なコミュニケーションだけではなく、ときには部下が上司に気付きを与えるような対話型のコミュニケーションが必要となってきているのです。

1on1ミーティングのメリット

Yahoo!やGoogle、AppleやFacebookなど超有名企業が拠点を構えるアメリカ・シリコンバレーでは、「1on1ミーティング」が文化として根付いています。

人材育成の手法として当たり前に実施されてきた1on1ミーティングには、はたしてどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは3つの面から1on1ミーティングのメリットについて解説します。

信頼関係を築ける

1on1ミーティングを通じて定期的にコミュニケーションを取ると、相互の信頼関係が構築されます。「飲みニケーション」と呼ばれるように、これまでは飲み会を設けて信頼関係を築こうとする風土がありました。しかしそれも今や昔。

「仕事とプライベートは区別したい」「お酒の席で仕事の相談はしづらい」といったさまざまな理由から、飲み会で信頼関係を築く状況は困難です。2人きりで話せる1on1ミーティングなら、お互いの人間性をより深く理解し、相互に信頼関係を築けます。

チームのパフォーマンスが高まる

チームパフォーマンスに関する研究が進む近年、チームのメンバーが不安を感じずに本音を言える環境、つまり心理的安全性の高いチームほど、高いパフォーマンスを発揮できると明らかになっています。

かつては上司の指示に部下が従う縦型の組織構造が理想とされていたものの今では、部下が積極的に発言するチームこそ理想のチームといわれています。

コミュニケーションが活性化して相互理解が深まれば、おのずとトラブルの軽減、高パフォーマンスの発揮が期待できるでしょう。

問題解決につながる

「なぜもっと早くに相談してくれなかったのか」と思ったことはないでしょうか。「早くに分かれば事態はここまでひどくならなかったのに」「小さい芽のうちに解決しておきたかったのに」と考える上司も当然いるでしょう。

しかし上司と同様に部下もまた必要以上に気を使っている場合があります。

「今慌ただしそうだから相談しづらい」「自分が抱えているのは、まだ小さな課題だから自分自身で解決しないといけない」そう考えているうちに事態は悪化し、取り返しのつかない状況になる場合も考えられます。

1on1ミーティングには課題を早期に発見し、小さいうちに解決に導く、といったメリットもあるのです。

フィードバック面談とノーレイティング

近年、「ノーレイティング」と呼ばれる評価手法が注目されています。これには「従来の人事評価制度では生産性が向上しない」「目まぐるしい変化が起きている」など、さまざまな背景があります。

ここではランク付けを行わない「ノーレイティング」の手法について解説します。

ノーレイティングとは?

これまでの人事評価といえば、「S」「A」「B」「C」など社員にランクを付けて、それに比例した報酬を与える方法が主流でした。しかしこの方法には「ランクの下降を恐れて挑戦をしない」「現状維持のため無難にやり過ごす」といった課題があったのです。

ノーレイティングは、その名のとおりランクを付けた年次の総合評価をやめ、リアルタイムの目標設定とフィードバックを通してその都度評価を行う、という手法となります。

1on1ミーティング導入時の注意点

1on1ミーティングを導入する際、どのような点に注意すればよいのでしょうか。導入後の相談として多いのが「対話の場を設けたものの何を話せばよいのか分からない」といった意見です。

原因は、「1on1ミーティングを実施する目的が不明瞭」な点にあります。1on1ミーティングはあくまで手段のひとつに過ぎず、実施が目的ではありません。上司と部下、それぞれの目線から1on1ミーティングの実施目的を考える必要があります。

1on1ミーティングのフィードバックコメント例文

1on1ミーティングを導入したものの、単なる現状報告で終わってしまった、というケースもあります。1on1ミーティングを実施する際は、話す内容が整理された面談シートを用意しておくとよいでしょう。

上司は部下の話をひととおり聴き終えたあとで、チームの雰囲気や部下の環境を踏まえながらフィードバックを返します。例は下記のとおりです。

「一人で抱え込んでしまっている印象を受けました。ブレインストーミングなどを活用して適度にコミュニケーションをとりながら進めていくとよいでしょう。次回の1on1までに実施してみた結果などを教えてください」

1on1ミーティングには、悩みや課題を解決、克服し、成長のきっかけにつながるフィードバックが欠かせません

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4.フィードバック面談や面談シート作成の基本的なやり方とは?

フィードバック面談は、下記のようなサイクルで繰り返し実施します。フィードバック面談を実施する際の流れや、面談シートの作成について解説しましょう。

  1. 頻度を決める
  2. テーマを決めておく
  3. 日程を決める
  4. 記録を取る
  5. フィードバック面談のシートを用意する
  6. 次回のフィードバック面談の日程を決める

①頻度を決める

まずは面談の頻度を決めましょう。従来実施してきたような業績評価の面談であれば、半年や四半期に一度の頻度でも問題ありませんが、フィードバック面談は実績を評価するためのものではありません。

したがってフィードバックの記憶が薄れてしまったり、解決前に状況が変化してしまったりしないよう最低でも月1回のペースで実施しましょう。頻度が高いと行動改善のサイクルが早くなるため、部下の成功体験も積みやすくなります。

②テーマを決めておく

当日いきなり「最近悩みはある?」と聞かれても、なかなかすぐには答えられません。話したいテーマやトピックを事前に用意しておきましょう。ここでのポイントは、「フィードバックの主役はあくまでも部下」。

部下自身が話したいことや聴いてほしいことなどをトピックとして洗い出し、上司と共有しておくとよいでしょう。

③日程を決める

面談の頻度やテーマが決まったら、実施する目的を部下に伝え、日程を決めていきます。継続的に実施するため、その都度予定を設定するのではなく、3か月後くらいまで定期的に設定しておくとよいでしょう。

急遽別の予定が入ったり、コア業務が立て込んだりして面談を実施できない場合、中止ではなく必ずリスケにして時間を作ります。リスケする理由は、面談の重要性や意義を意識させるという目的も含まれています。

④記録を取る

フィードバック面談を通して部下を成長させるためにも、1度の実施で終わらせず、継続して面談を続けていきましょう。しかし前回話した内容を上司が覚えていなかったら、部下はどう思うでしょうか。

フィードバック面談への意欲を高め、より有意義なものにするためにも、面談の記録は議事録形式で残しておきます。ログを残しておけば、フィードバックの内容をより具体的に活用できるでしょう。

⑤フィードバック面談のシートを用意する

フィードバック面談を行う際は、事前に「面談シート」を用意しておきましょう。面談シートでは目標や目標に対する進捗状況、うまくいったことや困っていることなどの切り口から、話したい内容を整理します。例は下記のとおりです。

  • 目標:月間受注件数を130件から160件に増やす
  • 困っていること:Webサイトへのアクセス数が1週間経っても変化が見られず焦っている
  • うまくいったこと:現場に足を運び、そこで働く社員たちと会話した結果、信頼関係を築けた

⑥次回のフィードバック面談の日程を決める

フィードバック面談は継続することが重要ですので、すかさず次回の日程を決めて、振り返りのサイクルを回しましょう。次の日程を決めると、今回の面談で導き出した「行動」をより意識しやすくなります。

多忙な上司が部下を一人ひとり面談するのにはもちろん限界があります。しかし何も1度の面談に1時間も2時間も費やす必要はありません。事前準備が整っていれば20分程度でも効果的な面談を実施できます。

テーマは仕事の分野だけでなく、プライベートや時事ニュースでも構いません。フィードバック面談の目的は、部下と上司とのつながりを強化し、相互の人となりを理解することです

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5.フィードバック面談とシート作成を行う際のポイント

フィードバック面談を実施する際や面談シートを作成する際、いったいどのような点に気を付ければよいのでしょう。ここではフィードバック面談の実施および面談シートの作成を行う際のポイントについて、4つから解説します。

  1. 部下の話を聴く
  2. 目的を定めてから実施する
  3. 雑談は適度に切り上げる
  4. 部下の立場に立ったフィードバックコメントを記載する

①部下の話を聴く

フィードバック面談を実施する場合も、面談シートを作成する場合も、どちらも共通して重要なのが「部下の話を受け入れる」こと。これは「傾聴スキル」とも呼ばれます。まずは相手に「話したい」と思わせましょう。

相槌やオウム返し、話に対して頷いたり、しっかりと相手の目を見て共感の姿勢を打ち出したりすると、相手は話しすくなります。また話をさえぎらず最後まで聴くことも重要です。当たり前のようで意外とできていない人も多いスキルといえます。

②目的を定めてから実施する

フィードバック面談を実施する目的がしっかりと理解されないまま挑んでも、十分な成果は上げられません。「わざわざほか業務を調整して時間を割いたのに不満を述べるだけだった」「評価面談と変わらなかった」、これではお互いの時間を無駄に奪うだけです。

「結局何の話だったのか」とならないよう目的とゴールを明確にしたうえでフィードバック面談を実施しましょう。

③雑談は適度に切り上げる

せっかくフィードバック面談を実施したものの、世間話や雑談で終わってしまった、という声も少なくありません。特に上司と部下との仲がよいチームはこういった事態に陥りがちです。

この問題も、双方がフィードバック面談の目的を理解していないことが原因といえます。「上司と部下が一緒になって面談の目的をつくる」「面談のたびに振り返りを行う」などが効果的です。

④部下の立場に立ったフィードバックコメントを記載する

「プラスだけ」「マイナスだけ」に偏ったフィードバックは決して適切とはいえません。

たとえマイナスのフィードバックが多かったとしても、部下の気持ちを害するだけのフィードバックは厳禁です。部下のモチベーションを上げるという目的が損なわれるだけでなく、信頼関係をも壊す恐れがあります。

フィードバックを行う際は人格否定になるような言葉を避け、部下の立場に立ったコメントを考えましょう。

高圧的な態度では、部下の本音を引き出せません。上司から積極的に話しかけるというより、「部下がしっかり発言できる場にする」を意識しましょう

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6.フィードバック面談の導入事例

社員のモチベーションを高め、組織の生産性を上げるためには、上司と部下のあいだでコミュニケーションの機会をつくり、高頻度でフィードバックを行うことが有効です。ここでは実際にフィードバック面談を導入した企業の事例について解説します。

セレブリックス

営業や販売、採用に関する支援代行事業を行っているセレブリックスでは、人材の成長と適正な配置を実現するため、タレントマネジメントの必要性を感じていました。同社では社員のコンディションを把握するため、定期的なパルスサーベイを実施。

面談希望と回答した社員や健康スコアが低かった社員などにフラグを立て、積極的に1on1ミーティングを実施して「つながり」の気持ちを醸成したのです。

アイティーエム

システム運用監視を手掛けるアイティーエムでは、社員がいきいきと自主性を発揮できるフラットな風土に改めるため、「1on1」の土壌を作り上げました。

役員陣には1年かけてコーチング実習を実施。これにより傾聴と対話の効果が身をもって理解できるようになりました。そして上長が社員の声に耳を傾け、社員の成長を支援する新人事評価制度の構築に成功したのです。

テレワーク時代の到来により、上司と部下のコミュニケーションは減る一方といえます。社員のケアや業務支援、そしてチームが同じ方向を向いて働いていくためにも、フィードバック面談は必要でしょう