フィードバック面談とは?【実施方法や話す内容を簡単に】

フィードバック面談とは、上司から部下へ評価結果と理由を共有し、双方で現状の課題を把握して次の行動指針を決めるための面談のことです。

1.フィードバック面談とは?

フィードバック面談とは、部下の成果に対して、上司から評価とその根拠を具体的に伝え、今後の課題や効果的な行動計画を練る面談のこと。評価について部下の納得感を高め、上司と部下双方の成長を促進し、企業業績への貢献も期待できます。

フィードバック面談の必要性

フィードバックの必要性は、部下の成長と生産性の向上にあるのです。目的はフィードバック面談を通じて、「将来の方向性や会社から期待されている自分の在り方を理解」「それに向けての行動方針を上司と部下の双方で考える」こと。

適切に実践し続ければ、部下のパフォーマンス向上や企業の業績向上に大きく影響を与えるでしょう。

「フィードバック」の意味

フィードバックとは、部下の業務の取り組みや成果に対して、評価とその理由を本人に伝えること。英語にて「Feed」は食べ物を与える、食べさせるという意味になります。

すなわちフィードバック(Feedback)とは、相手に栄養を与えると自分にも返ってくるという意味になるのです。「上司は部下に気付きとモチベーションを与える」「部下は成長し、結果的に企業も成長する」これが「フィードバック」の意味となります。

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面談で実施する「フィードバック」とは?

フィードバック面談は、上司が部下の成長や成功の手助けをするために行うもの。評価の良し悪しとは別に、部下のスキルアップやモチベーション向上に貢献するような内容を選び、伝え方を工夫するとよいでしょう。

部下の強みを伸ばすための方法、あるいは弱みを克服するための行動指針などを具体的に伝えるのです。

フィードバック面談は、実践の継続によって、部下の成長や企業の業績アップにつながる重要な面談方法といえます

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2.フィードバック面談の目的

フィードバック面談の目的は、人材価値を高めること。従業員のモチベーションや生産性を高め、目標達成を促すと業績向上にもつながります。ここからフィードバック面接は、企業にとって非常に意義のある面談手法のひとつといえるのです。

個人と企業の目標達成

達成されるべき目標がなければ、フィードバック面談はできません。フィードバック面談をする上司は、部下がどんな目標に向けて取り組んでいるのか知っておく必要があるでしょう。

「目標を明らかにする」「部下からフィードバック面談に対する前向きな合意を得る」なども大切です。

モチベーションの向上

フィードバック面談をする上司は、部下の心情や考えに寄り添い、理解と気付きの様子を確認しながら、根気強く丁寧に評価とアドバイスしましょう。

部下の将来的なキャリア展望や、実現に向けた具体的な行動計画についても一緒に考える時間をつくると、意欲やパフォーマンスの向上につながります。

生産性の向上

従業員が発揮するパフォーマンスによって業績が変わるため、組織として成長には、従業員それぞれの生産性や能率を高める必要があります。つまりフィードバック面談を続けると、結果的に企業の生産性向上につながるのです。

フィードバック面談の目的は、従業員それぞれのモチベーションと生産性の向上。従業員個人の目標達成に寄与し、ひいては企業の目標達成につなげていきましょう

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3.フィードバック面談の効果やメリット

フィードバック面談は、評価を受ける側はもちろん、評価する側にとってもメリットがあるのです。ここではフィードバック面談の効果やメリットについて解説します。

  1. 問題点が明らかになる
  2. パフォーマンスの向上
  3. 人材育成

①問題点が明らかになる

思ったような成果に結び付かないとき必要なのは、原因の洗い出しです。フィードバック面談を行うと、部下が気付いていない問題に上司の視点や知見によって気付けます。

上司がすべて解決するのではなく部下が自分で答えにたどり着けるよう、考える際のヒントやポイントを提供すると、業務に対する深い理解や気付きを部下に与えられるのです。

②パフォーマンスの向上

Googleのリサーチチームは、チームの生産性を高めるために重要なことは「心理的安全性」だと発表しました。心理的安全性とは、組織内のメンバーが安心して本音で発言できる環境のこと。

上司から部下への一方通行のコミュニケーションではなく、双方向に理解が深まるようコミュニケーションを取ると信頼関係が強まり、個人と組織のパフォーマンスが向上します。

③人材育成

部下が成長するためにはPDCAを何度も回し、トライアンドエラーを繰り返す必要があります。上司は「成長過程におけるヒントやアドバイスの提供」「アクションプランの組み立て」などで、自身の知識と経験を生かし、部下を支援しましょう。

フィードバック面談は部下のより良い成果と成長を引き出すための情報提供です。人材育成をするにあたっては切り離せないものといえます。

評価を受ける側と評価をする側、それぞれのメリットを知って、適切なフィードバック面談をしていきましょう

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4.フィードバック面談実施のポイント

効果的なフィードバック面談は、従業員と企業全体にとって有益なものになります。しかし実際にフィードバック面談を実施する際、何に気を付ければよいのでしょうか。いくつかのポイントを見ていきます。

  1. 落ち着く・感情的にならない
  2. 信頼関係を築く
  3. 評価理由を伝える
  4. 面談のゴールを明確に

①落ち着く・感情的にならない

フィードバック面談は、評価を受ける側と評価する側の間にしっかりとした信頼関係がなければ、本来の機能は発揮されません。感情的にならず落ち着いて、目標と実績をもとに評価しましょう。叱責したり話を最後まで聞かずに否定したりしてはいけません。

②信頼関係を築く

日常的に上司と部下の間でコミュニケーションを取れていると、フィードバック面談になった際、緊張や遠慮なく伝えたい内容を伝えられます。

特に問題点を指摘する際、関係性が良好でないと、相手に正しい意図が伝わらない可能性も高いです。日頃からカジュアルな会話を重ね、信頼関係を築いておきましょう。

③評価理由を伝える

フィードバック面談で評価を伝える際は、根拠をセットで伝えましょう。それによって、部下の自己評価と上司や企業からの評価に差異があっても、一定の納得感が生まれます。

ただ良し悪しを伝えるだけでなく「何が」「どのように」「なぜ」といった具体的な理由を添えるのです。評価理由を共有すると部下は「良かった点を生かす」「悪かった点は改善する」ようにできるので、仕事の精度は高まっていくでしょう。

④面談のゴールを明確に

部下とのフィードバック面談に臨む際は、部下それぞれの個性や状況に合った面談のゴールをイメージしましょう。

すでに良好な関係を築き、順調に成長している部下には「今より高い目標を設定してステップアップにつなげる」または「新しい領域の業務を打診する」のもよいでしょう。まだ関係性が浅い場合は、相互理解を深める機会として面談します。

部下から話したいことを事前に尋ね、面談時間内または別途機会を設けて、寄り添う姿勢を大切にしましょう。

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5.フィードバック面談に役立つスキル

フィードバック面談に役立つスキルには、何があるのでしょう。ここでは3つの面から解説します。

  1. コーチング
  2. ティーチング
  3. 傾聴

①コーチング

コーチングとは、部下がすでに持っている知識や経験を活用して、自力で答えにたどり着けるよう支援すること。上司は明確な答えを与えず、部下の話をよく聴き、質問して、答えを引き出して課題解決に向かいます。

部下が答えを見つけられると信じ、それをサポートする気持ちで臨みましょう。上司が自分の価値観やこだわりを押しつけたり、部下の発言や考え方を頭ごなしに否定したりしないことが大切です。

②ティーチング

ティーチングでは、上司が部下に答えを教えます。知識や情報、技術など、定型の事柄を伝える際に有効となります。社内や業務上のルール、基礎知識や基本技術など、初級者や新人の従業員に指導する場面で使うとよいでしょう。

ティーチングで重要なのは、断片的な情報ではなく、「なぜ」「何を」「どのように」といった具体的な情報も提供することです。

③傾聴

傾聴とは、話し手の話す内容や気持ちをよく聴くこと。話を途中でさえぎったり、否定的な反応をしたりするのはもってのほかです。しかしただ黙って聴けばよいわけでもありません。

相槌や表情で共感を示したり、興味深く質問したりする必要もあります。傾聴によって、話し手である部下に安心感や上司への信頼感を与えられるため、指摘や注意も受け入れてもらいやすくなるでしょう。

フィードバック面談では、ティーチングとコーチングをうまく使い分けるのがポイントです。部下の個性やレベル、話す内容に応じて使い分けるとよいでしょう。上司が傾聴すると、部下にフィードバックの言葉が届きやすくなります

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6.フィードバック面談の手法「1on1ミーティング」

1on1ミーティングとは、上司と部下が1対1で実施する定期面談のこと。特徴は、業務上の進捗確認や予実管理と一緒に、仕事における部下の気づきや悩みを共有し、フィードバックを行うところです。結果や数値以外の点からも、部下の成長を後押しします。

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目的

目的は、部下のモチベーションと生産性を高めること。個人の成長を企業全体の成長につなげ、中長期的な観点で企業の業績向上に貢献できる優秀な人材を育成していくのです。

自律的に行動し、高いパフォーマンスを発揮できる部下が増えれば増えるほど、上司の負担は減り、組織の成果も比例して高まるでしょう。

メリット

メリットは、1対1の密なコミュニケーションを通じて、チームとしての成果が高まること。「上司と部下、双方向の信頼関係を深める」「上司が部下の人柄を理解する」「部下も上司に相談しやすくなる」などで風とおしの良いチームがつくれます。

個人とチーム、両方の課題や悩みが把握しやすくなるため、問題解決へのスピードも早まるでしょう。

信頼関係を築ける

1on1ミーティングは定期的に行うカジュアルな面談ですので、上司と部下のコミュニケーションを業務内に補えます。1on1ミーティングは部下のための時間なので、職場やキャリアに関する悩みや相談を率直に話せる大切な場になるでしょう。

また上司が部下に傾聴すると、部下は「理解してくれている」「信頼に値する人だ」と上司に安心感を持ち、積極的な意見交換をしてくれるでしょう。

チームのパフォーマンスが高まる

1on1ミーティングに期待される効果のひとつが、心理的安全性の担保。

普段から活発に意見交換をしていて本音で相談や質問をしやすいチームは、認識齟齬(そご)や共有不足による進捗遅延やトラブルを回避し、業務へ自発的に取り組む傾向が高いと、Googleのリサーチチームの研究発表で明らかになっています。

問題解決につながる

1on1ミーティングでは、部下は不安や不満を吐き出しやすくなります。なぜなら心理的安全性が確保された状態であるからです。日頃、部下が上司に気を遣って話せずにいるうちに、問題が大きくなってしまうケースは多々あります。

1on1ミーティングでなるべく早く問題を把握できれば、上司も部下も解決に向けた行動を起こせるでしょう。

実施するタイミング

1on1ミーティングは比較的短いスパンで継続して行います。たとえば「1週間に1回」「半月に1回」「1か月に1回」などです。

部下が上司に心を開き、業務やキャリアについて相談するには、ひんぱんなコミュニケーションが必要でしょう。上司側も、定期的に進捗や情報を把握できたほうが、フィードバックしやすくなります。

お互いに無理のない範囲でこまめに継続できるよう、頻度を調整しましょう。

研修やセミナーを利用

社内に1on1ミーティングに関する知見が足りない際は、外部のコンサルティング企業に研修やセミナーを依頼するとよいです。

一般的には講習で1on1ミーティングの基本知識や進め方について学び、ワークショップやロールプレイを通じて実践的に練習します。コーチングや傾聴に注力した研修を実施している企業もあるので、活用してみるとよいでしょう。

研修実施事例:ヤフー

ヤフーでは、「社内コーチ育成研修」を行っています。1on1ミーティングを行う上司を対象とし、外部のコンサルティング企業に依頼しているのです。

1on1ミーティングの時間を有意義に活用できるよう上司が正しい知識を身に着け、経験を積むことが目的となっています。

指導者が社外の専門家なので、「適度な緊張感で実力が出しやすい」「普段かかわりのない人から指導を受けるため視野が広がる」など、メリットは多いです。

1対1で定期的にコミュニケーションを取る1on1ミーティングの目的は、相互理解と信頼を深めること。心理的安全性の高いチームづくりは、業績向上に直結するでしょう