アントレプレナーシップとは?【意味をわかりやすく】教育

アントレプレナーシップとは、リスクを恐れずに新たなビジネスやイノベーションへ挑戦する姿勢や精神のこと。必要な能力や教育などについて解説します。

1.アントレプレナーシップ(起業家精神)とは?

アントレプレナーシップとは、事業の創造や新商品開発などに対する創造意欲を持って挑戦し、リスクにも立ち向かっていく姿勢のこと。ハーバードビジネススクールのハワード・スティーブンソン教授は、「コントロールできる経営資源を超越して機会を追求する姿勢」と定義付けています。

またアントレプレナーシップは、計画を立てて挑戦する人やスタートアップ企業の創業者を指す場合もあります。

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2.アントレプレナーシップが求められる理由

アントレプレナーシップの概念は、仕事に生かしたときに初めてその意義が生じます。アントレプレナーシップが求められる理由を紹介しましょう。

日本型雇用の変化

日本企業では成果主義やジョブ型採用など新しい雇用制度が導入され、個人のキャリア形成にも大きな影響が生じました。従業員には自らのキャリアパスを設計し、主体的に成長の機会を追求する姿勢が求められるようになったのです。

企業も従業員のアントレプレナーシップを生かすために、柔軟なキャリア支援や成長機会の提供、フラットな組織文化の構築などに取り組む必要があります。

ビジネスのグローバル化

インターネットの発展によりビジネスのグローバル化が急速に進む昨今、国際的な競争力を高めるために新たな市場やビジネスモデルを見つけ出すのも重要です。

アントレプレナー精神を持つ人材は、自己の能力や意欲を最大限に発揮し、新たなビジネスチャンスを見つける能力を持っています。よって自社事業のグローバル化を考えている企業はその育成に力を入れているのです。

グローバルリーダーの必要性が向上

ビジネスの範囲が国内にとどまらず世界へと展開するようになり、異なる国や文化を持つ外国人と協力して働く機会も増えました。

そのため既存の枠組みにとらわれず、柔軟な発想や行動力を持ち、変化に対応しながら成長していけるアントレプレナーシップを持つ人材が求められているのです。

アントレプレナーシップを持つ人材は、異文化間のコミュニケーション能力や柔軟性を備えており、国際的なチームでの協働を円滑に進めると期待されています。

新たなビジネス創出の需要

現在、持続的なイノベーションだけでなく、新たなビジネスを創出し続けることが重視されています。このような状況では、強力なリーダーシップと経営知識を備えた人材が不可欠です。

アントレプレナーシップを持つ人材は、革新的な発想とリスクへの取り組みを通じて新たなビジネスチャンスを見つけ、実現する能力を持っています。そのため企業はビジネス創出を実現させるために、アントレプレナーシップのある人材に注目しているのです。

消費者ニーズの多様化

SNSの普及やライフスタイルの変化などにより、消費者のニーズが多様化。そのため企業は、柔軟な発想と迅速な行動で顧客のニーズに応えることが求められます。

アントレプレナーは市場の変化に対応し、新たなビジネスアイデアやサービスを提供する能力を持っているため、現代の多様なニーズに対応できる強力な存在となりえるのです。

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3.アントレプレナーシップの発揮に必要な能力

アントレプレナーシップを発揮するには、さまざまな能力が必要です。ここでは代表的な5つの能力について説明します。

  1. マネジメントスキル
  2. コミュニケーションスキル
  3. ビジネスノウハウ
  4. クリエイティビティ
  5. 責任感

①マネジメントスキル

アントレプレナーシップによって創造された計画を成功に導くには、計画を実行するチームを適切にマネジメントするスキルが必要です。

マネジメントスキルとは、組織やチームの目標達成をサポートし、メンバーの能力を引き出して組織全体を円滑に運営するためのスキルのこと。具体的には意思決定スキル、コミュニケーションスキル、問題解決能スキル、分析スキルなどが含まれます。

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②コミュニケーションスキル

新たなビジネスを創造するには、さまざまな協力者と柔軟に対応できるコミュニケーションスキルが必要です。

社内では他部署の社員と円滑にコミュニケーションを取り、情報やリソースの共有を行います。社外では取引先や外部の専門家やパートナーと連携し、情報交換やアイデアの共有などの対話が不可欠です。

多くの人と良好な関係を築けると、新しいビジネスモデルやアイデアの創造につながる可能性も高まります。

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③ビジネスノウハウ

アントレプレナーシップを発揮するためには、経営者視点が必要となるため、ビジネスノウハウが求められます。

ビジネスノウハウとは、市場調査や競合分析、収益モデルの構築、販売戦略の立案など、ビジネスを成功させるための知識やスキルのこと。優れたアイデアをビジネスとして組み立てていくには、このようなビジネスノウハウが欠かせません。

④クリエイティビティ

新たなビジネスチャンスを創出していくために、高いクリエイティビティを身につけている必要があります。

クリエイティビティとは、新しいアイデアを生み出し、それを現実化する能力のこと。人々が求めるものを的確に察知してアイデアを創造し、資源を有効に活用しながらそのアイデアを実現させるためには、クリエイティビティが欠かせません。

⑤責任感

ビジネスの創造において自らの行動や結果に対して責任を持ち、その責任を果たそうとする意識や姿勢が不可欠です。

新たなビジネスやイノベーションを創造し、成果を上げるために主体的に行動するとき、そこにはリスクや不確実性がともなううえ、成功と失敗の両方が存在します。そのため自らの行動や意思決定に責任を持つ必要があるのです。

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4.アントレプレナーシップを発揮しやすい企業の特徴

アントレプレナーシップを発揮しやすい企業の特徴に、企業風土や文化が整っていることが挙げられます。一定の条件が整っている環境下でなければ、アントレプレナーシップの発揮が困難だからです。

アントレプレナーシップを発揮するには、新しいアイデアやビジョンを受け入れる柔軟な企業文化が重要です。

また従来の「常識」にとらわれず、既存の枠組みを打破し、チャレンジ精神やイノベーションを奨励する風土が育まれていると、アントレプレナーシップをより発揮しやすくなります。

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5.アントレプレナーシップを企業で育てる際のポイント

社内のアントレプレナーシップを育てる際には、ポイントを押さえた施策を必要です。ここでは5つのポイントを説明します。

  1. 企業体制の整備
  2. アイディアの否定はNG
  3. 裁量権の付与
  4. 学習機会の提供
  5. アイディアを募る制度の設置

①企業体制の整備

社内の上下関係や階層に関係なく社員が積極的に意見を出し合える仕組みや体制の整備が重要です。たとえばアイデアの発表会や社内オーディションを定期的に開催するなどが挙げられます。

また多様性のある人材の採用も、アントレプレナーシップの育成に有効です。多様な視点や経験を持つ人材が組織に参加すると、新たなアイデアや異なる視点からのビジネスの展開が可能となります。

ほかにもリスクを恐れずに挑戦する文化を醸成するのも重要です。挑戦と学びを評価する風土を作り出し、社員が新たなアイデアやプロジェクトに積極的に取り組める環境を整えましょう。

②アイディアの否定はNG

社員が提示したアイデアを否定しないことも重要です。自分のアイデアを否定された社員はモチベーションが下がり、アントレプレナーシップの低下を招く恐れもあります。

アントレプレナーシップの育成においては、社員の心理的安全性を確保し、アイデアを積極的に出し合える環境の構築が欠かせません。またそれぞれのアイデアを尊重し、評価する姿勢も必要です。

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③裁量権の付与

社員に一定の裁量権を与えると、社員が自らの仕事に対して積極的な姿勢や責任感を持つようになるため、アントレプレナーシップの育成を促進します。

社員が、自らのアイデアや意見、そして裁量を生かして業務に取り組める環境を作り出すと、新たなビジネスの創造や改善が進むからです。また裁量権を持つ社員が自らの責任のもで業務に取り組むと、個人の成長やスキル、仕事への意欲なども向上するでしょう。

④学習機会の提供

社員に対してアントレプレナーシップに関連する本やセミナー、講座などを提供し、学習の機会を作りましょう。

社員はこれらの学習機会を通じて、最新のビジネストレンドや成功事例、起業家精神に関する情報など、ビジネスにおける幅広い知識を習得し、アントレプレナーシップの土台を築けます。

また、学んだ知識やスキルを実践に活かす機会を提供するのも重要です。

⑤アイディアを募る制度の設置

アントレプレナーシップを企業内で育てるには、アイデアを募る制度の設置も欠かせません。新たな事業のアイデアを募る制度を設けると、社員が積極的に声を上げやすくなり、創造性の活性化を促進できます。

たとえば社員を対象にしたビジネスプランコンテストの実施するのもよいでしょう。コンテストに参加した社員は、積極性や創造性、多様な視点から考える力など、アントレプレナーシップに求められる要素を身につけられます。

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6.アントレプレナーシップ教育とは?

社会の変化や顧客ニーズを踏まえて、リソースを活用して問題解決に取り組む人材を育成すること。今日では多くの企業がこの教育の重要性を認識しており、自社の人材育成に取り入れるようになりました。

ハブソン大学におけるアントレプレナーシップ教育

アメリカのマサチューセッツ州ウェルズリー市にあるハブソン大学は、先進的なアントレプレナーシップ教育を行っていることで知られています。

同校のプログラムでは学生全員が将来的に起業することを前提としており、起業に関する講義やチームによる起業プロジェクトを実践。知識だけでなく、実際にビジネスを始めるためのスキルや経験を積めるようになっています。

参考 大学におけるアントレプレナーシップ教育の事例調査文部科学省

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7.アントレプレナーシップの類語

「起業家」を意味するアントレプレナーシップには複数の類語が存在します。ここではとくに混同されやすい3つの語を解説します。

  1. イントレプレナー
  2. シリアルアントレプレナー
  3. インフォプレナー

①イントレプレナー

企業内における新規事業の立ち上げに際して、リーダーや責任者の役割を担う人材のこと。

あくまで組織の一員であり、独立した立場ではありません。通常、イントレプレナーはチームの一員として、アイデアの発掘からプロジェクトの評価まで全般的な業務に携わります。

②シリアルアントレプレナー

自身が始めた事業が軌道に乗ったあと、その事業を他社へ売却し、それによって得た資金を利用して新たな事業を始める人のこと。日本国内では、ITの分野で起業を繰り返すシリアルアントレプレナーが増加しています。

③インフォプレナー

専門知識や情報をビジネスの資産として活用し、それを提供することで収益を得る人のこと。インフォメーションとアントレプレナーを合わせた造語で、日本語では「情報起業家」と訳されます。