コミュニケーション能力とは?【鍛える方法】言い換え、低い

コミュニケーション能力は、他人との人間関係を良好に築くために必要不可欠なものです。また、仕事をするうえでも欠かせない能力の一つといえるでしょう。

今回は、

  • コミュニケーション能力の定義
  • コミュニケーション能力を構成する要素
  • 目的
  • 種類
  • 高め方
  • 評価

などについて項目に沿って考えてみたいと思います。

目次

1.コミュニケーション能力とは?

コミュニケーション能力とは、人と人とのやり取りにおいて、お互いの意思疎通をスムーズにするためのスキルのことです。人間関係を円滑に構築したり、目的を達成したりするために、家庭、学校、職場、社会といったあらゆるシーンで求められる非常に重要な能力です。

その証拠に日本経済団体連合会が2017年に実施した「新卒採用に関するアンケート調査結果」では、新卒採用の際に選考で重視する点として「コミュニケーション能力」が15年連続で1位となっています。

この結果から、企業活動においてコミュニケーション能力が重要度の高い能力と捉えられていることがわかるでしょう。

ビジネスシーンにおいて「コミュニケーション能力」という場合、

  1. 他者を巻き込む力
  2. 理解させる・説得する力
  3. 論理的に伝える力

の3つの力が重視されています。またこの3点を強く意識した結果、コミュニケーション能力を「自己・チームの目的達成のために周囲と協調したり変容させていったりする能力」として用いているケースが多くあります。

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コミュニケーション能力を別の言い方で言い換えると

コミュニケーション能力は「コミュニケーションスキル」とも言い換えることが可能です。「コミュニケーション力」や「コミュ力」という言葉も、コミュニケーション能力と同様の意味で用いられています。

類語「コミュニケーションスキル」との違い

「コミュニケーションスキル」は、特にビジネスの場での「話す」「聴く」など、対面で行われるコミュニケーションに対して用いられています。

この点は「目標達成のために周囲と協調したり変容させていったりする能力」と定義されるコミュニケーション能力と異なる点です。

ソーシャルスキル(社会的スキル)の一つ

コミュニケーション能力は「社会の中で他者との関わりを持つために必要とされる能力」であるソ-シャルスキル(社会的スキル)の一つといわれています。

近年、コミュニケーション能力という言葉が、広範囲を網羅する言葉へと変わりつつあります。コミュニケーション能力という言葉の解釈が広がり、今日コミュニケーション能力はソーシャルスキルの一つではなく「ソーシャルスキル≒コミュニケーション能力」として、ほぼ同じポジションで用いられることが多くなっているのです。

コミュニケーション能力、ソーシャルスキルといった言葉を用いる際はこのことを念頭に入れておくと、正確な言葉の使用や解釈ができるでしょう。

コミュニケーション能力の種類【3つの要素】

コミュニケーション能力は、以下のような3つの要素に分類されます。

  1. 伝える能力
  2. 受け取る能力
  3. 非言語コミュニケーション能力

ここでは、それぞれの要素に分けて、特徴や認識しておきたいことを見ていきましょう。

①伝える能力

コミュニケーション能力の要素として挙げられる「伝える能力」。コミュニケーション能力を狭義で解釈した場合は、この伝える能力のことを指している場合が多いようです。

伝える能力とは、「書く」「話す」などの手段を用いて、自分の伝えたいことを相手に「正確に」「効果的に」伝える能力のことです。

単に用件を相手に伝えればいいというわけではなく伝えたい内容に応じて適切な方法を取ることから、正確に伝わったことで生じる効果までが求められます。

伝える能力とは、伝言ゲームのような単純なものではなく伝えたい内容を適切に、しっかりと相手に伝えることが大切ということを理解しておきましょう。

②受け取る能力

受け取る能力とは「読む」「書く」などの手段を用いて、相手が伝えたいことや相手の意図を理解する能力を指します。

受け取る能力には、質問をすることもポイントとなります。自発的に質問を行って、正確でより詳細な情報を受け取ると考えれば理解しやすいでしょう。

単に相手が発した情報、感情、意見、提案などを受け取るだけでなく、それらをより深い次元で理解することがコミュニケーションには欠かせないのです。受け取る能力とは、その言葉から受身の姿勢をイメージするかもしれません。

しかし「質問をする」ように、自ら情報を取りにいく姿勢も受け取る能力の一つです。こうした点も認識しておきましょう。

③非言語コミュニケーション能力

非言語コミュニケーションとは、言外のより俯瞰的なコミュニケーション能力を指します。「俯瞰的なコミュニケーション能力」というと少し難しく感じますが、「空気を読む」という言葉をイメージすると分かりやすいでしょう。

周りの雰囲気を感じる、物事を見るなどでその意味を推し測るようなときに使われる能力ともいえます。非言語コミュニケーションは、単独でも重要な能力として存在していますがそれだけではありません。

  • 相手の表情
  • 声のトーン
  • コンテキスト(文脈)
  • 背景状況

など具体的な言葉として表れない情報から、伝える能力や受け取る能力につなげるための橋渡し役としても、非常に役立っているのです。

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コミュニケーションの目的

職場や社会で生きるためには、自らの伝えたい内容を正確に伝達し、相手の思いを理解することが重要です。人は何のためにコミュニケーションを取るのでしょうか。

コミュニケーションの目的は、

  1. 人間関係を築く
  2. 情報を交換・共有する
  3. 相手に働きかける

と大きく分けて3つあります。それぞれについて解説しましょう。

①人間関係を築く

人間関係とは、「日常的な人と人とのつながり」のことをいいます。人間関係を築くには、自分を知ってもらうことや相手を理解する姿勢が重要です。

初対面の人には「はじめまして」といったあいさつから始め、徐々に関係を深めます。すでに知り合いとなっている人に対しては、一歩踏み込んだ会話を交わすなど、関係の度合いによって適した対応をします。

②情報を交換・共有する

人間は双方が知っている情報を互いに提供し合ったり、自分が知らなかった情報を吸収したりするためにコミュニケーションを取るのです。

具体的な行動パターンには、

  • 報告
  • 説明
  • 連絡
  • 相談

などがあります。これらの行動パターンを通して互いの理解がより一層深まり、良好な人間関係を築くことにつながります。

③相手に働きかける

「相手に働きかける」というのは、自分の意図する方向へ相手を導いたり、行動を促したりすることです。またコミュニケーションによって相手の協力を得るという目的もあります。

行動パターンとしては、

  • 説得
  • 依頼
  • 指示
  • 命令

などがあります。

コミュニケーションの手段

コミュニケーションの手段には、大きく分けて2つの表現があります。

  • バーバル表現 言語を使用する
  • ノンバーバル表現 非言語による

どちらもコミュニケーションの手段として日常的に用いられる表現ですが、改めてどのようなものなのか、概要を確認しましょう。

バーバル表現

言語を使用する「バーバル表現」は、

  • 口から言葉を発し、相手と会話をする
  • 耳で言葉を聞く
  • 文章を書く
  • 文章を読む

などが該当します。

社会や人と人との間で交わされるコミュニケーションのほとんどは言葉を用いて行われています。ここからバーバル表現は非常に重要な役割を担っているとわかるでしょう。

ノンバーバル表現

非言語の「ノンバーバル表現」には、

  • 視線を送る
  • 表情から読み取る
  • ジェスチャーで伝える

などが該当します。

言語の違いから「言葉での表現は通用しなかったがこの表現で乗り切った」という話も耳にします。「バーバル表現」より主観的・抽象的にはなりますが、コミュニケーション手段としては有効です。

コミュニケーションの形態

コミュニケーションの形態には、

  • 個人間での「1対1のコミュニケーション」
  • 複数の人数間での「組織内のコミュニケーション」

があります。日常生活だけでなく、いずれもビジネスシーンでは必要なコミュニケーション形態です。それぞれについて詳しく掘り下げ、どんな効果があるのかなど、特徴について見ていきましょう。

1対1のコミュニケーション

「1対1」とは、「自分対相手」とも言い換えられます。

相手は、

  • 家族
  • 友達
  • 先生
  • 同僚
  • 上司

などシチュエーションによって無数に存在するでしょう。

「1対1」のコミュニケーションは、相手と真正面から向き合うことが可能なため、コミュニケーションの手段を適切に選べば、深い信頼関係や親密な関係が築けるでしょう。

組織内のコミュニケーション

組織には、

  • 職場
  • 学校
  • 町内会
  • サークル

などがあります。

組織とは、指示系統があり目的や目標に向かって活動している複数の人が集まった集団を指します。組織内でコミュニケーション能力を発揮できれば、生き生きとした活動につながるでしょう。

一方コミュニケーション不足といった状況に陥ると、集団から孤立してしまうリスクもあるため注意が必要です。

コミュニケーション能力の重要性

前述したとおり日本経済団体連合会が2017年に実施した「新卒採用に関するアンケート調査結果」では、新卒採用の際に選考で重視する点として「コミュニケーション能力」が15年連続で1位となっています。

この結果から見ても分かるように、今後もコミュニケーション能力が求められていくのは明白でしょう。

特に、ビジネスシーンにおいては、コミュニケーション能力をさまざまなシーンで発揮できる点が重要視されており、認定講座で身に付けたり診断テストなどでその能力を測ったりする機会も多く見られます。

コミュニケーション能力認定講座とは?

コミュニケーション能力認定講座を受講すれば、

  • 聴く
  • 質問する
  • 説明する
  • 協調性

といったコミュニケーションの4要素を明確に理解しながら、実生活やさまざまなシーンで活用できる知識が身につきます。

人材育成やコミュニケーション指導の専門家によるカリキュラムが用いられており、実践的なスキルを得られると人気です。受講者は10代から80代まで幅広く年代・職業職種・性別を問わず学べる点も魅力です。

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2.コミュニケーション能力診断テスト

コミュニケーション能力診断テストとは、自分にコミュニケーション能力がどのくらい備わっているのかを診断できるテストです。診断テストを受ければ、コミュニケーションにおける自分の強みや弱点も見えてきます。

次の項目のうち、自信を持ってイエスと答えられるものはいくつあるでしょうか?

ここでは、コミュニケーション能力診断テストの質問内容をいくつかご紹介します。以下の項目のうち、自信を持ってイエスと答えられるものはいくつあるでしょうか? 自分自身の行動を振り返って、考えてみてください。

○上司や部下には、いつも大きな声できちんとあいさつしている

職場の人間関係は、上司と部下、そして同僚の間で構築されます。そのなかで、上司や部下といつも大きな声を出して、あいさつしていますか?

○相手の話に、一つ一つうなずいたり相づちを打つ

相手の話を聴いている間、うなずいたり相づちを打ったりしていますか? また、その頻度はどのくらいですか?

○メールの文章は、一方的に情報や自分の意見を書くのではなく「相手にちゃんと伝わるか?」を重視する

言語によるコミュニケーションのなかでも、メールによるコミュニケーションは一方的な伝達になりがちです。メールは、相手に伝わるように書いていますか?

○自己紹介や飲み会の場で、ちょっとした笑い話を披露することができる

「笑い」は円滑なコミュニケーションを達成するために重要な手段です。コミュニケーションの中に積極的に「笑い」を取り入れていますか?

○今の部署で、プライベートなことを話し合えるスタッフが3割以上いる

自分を理解してもらうことは、コミュニケーションにおいて重要なポイントです。プライベートにまで踏み込んだ付き合いができていますか?

○友人のファッションがオカシイと感じれば率直に言える

自分が率直に意見が言える、相手も素直に受け取ってくれる。こんな理想的なコミュニケーションを取れる関係を構築できていますか?

○先輩や上司でも必要とあれば本音で話すことが多い

職場で本音を話せるのは、個人や組織の中で円滑なコミュニケーションが日常化している証拠です。先輩や上司でも必要とあれば本音で話せますか?

○街で見つけた面白い・変わった出来事を記憶しているほうだ

コミュニケーションを取るには、面白い・変わった出来事などを記憶して、適切な場面で披露することも有効です。周囲に楽しさや面白さを振りまいて、相手との距離を縮めていますか?

○笑うのはすばらしいことだと思う

仏頂面でコミュニケーションを取るよりも、「笑い」というスパイスの効いたコミュニケーションのほうが、自分も相手もリラックスして意思疎通が図れるでしょう。「笑い」をどれだけ自分のコミュニケーションに取り入れていますか?

診断テスト解説

9つの質問はいかがでしたか? これは「笑い」をキーワードにコミュニケーション能力や常識を感知する常識感度を診断したテストです。

  • イエスの数が7~9個あったという人は、かなりコミュニケーション能力が高いといえます。
  • イエスの数が4~6個程度あったという人は、日常生活に支障なくコミュニケーションが取れていると考えてよいでしょう。
  • イエスの数が3個以下であった場合には、職場でのコミュニケーションを見直したほうがよさそうです。

「診断テストの結果はよかったけれどテストはあくまでも自己診断なので、相手が目の前にいる実際のコミュニケーションには自信が持てない」といった声もよく耳にします。

そんなときは「笑い」をキーワードにして、楽しく人と会話したり、楽しい話題を提供したり、相手の話を楽しんで聴いたりすると、コミュニケーションが一気に深まります。

この診断テストをきっかけに、自分が普段取っているコミュニケーションについて見直してみてはいかがでしょうか。

無料診断テストの紹介

コミュニケーション能力を診断することは、自分自身を振り返るために役立ちます。コミュニケーション能力の無料診断テストもありますので、ここで3つほどご紹介しましょう。

  1. コミュニケーション能力診断 基礎編(日本コミュニケーション能力認定協会)
  2. コミュニケーション能力診断 ビジネス初級編(日本コミュニケーション能力認定協会)
  3. コミュニケーション能力診断 ビジネス上級編(日本コミュニケーション能力認定協会

①コミュニケーション能力診断 基礎編

基礎編では、

  1. 聴く力
  2. 伝える力
  3. 質問する力
  4. 協調性

の4項目に関して、自分の強み、弱みをチェックし学生から社会人まで誰でも診断が受けられるのです。コミュニケーションの基礎の有無で、今後の能力開発の方向性は大きく変わります。まずは、気軽に診断を受けてみましょう。

②コミュニケーション能力診断 ビジネス初級編

ビジネスに特化した初級のコミュニケーション能力診断です。

社会人になりたてから3年目くらいの人が対象で、ビジネスシーンで特に必要とされるコミュニケーション能力について診断できます。自分のコミュニケーション能力がどの程度通用するのかを確認してみましょう。

③コミュニケーション能力診断 ビジネス上級編

ビジネスシーンにおける上級者向けコミュニケーション能力診断です。

管理職やマネージャー、リーダーといった役職が対象となっており、

  • 部下との信頼関係
  • リーダーシップ
  • 指導力
  • 組織を動かす力

など、組織のリーダーとして求められるコミュニケーション能力を診断できます。

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3.コミュニケーション能力が低い原因

コミュニケーション診断テストなどでコミュニケーション能力が低いという診断が出た場合、その原因を探ることが大事でしょう。原因がわかれば、対処法も見つかります。コミュニケーション能力が低い原因として、どのようなことが考えられるのか見ていきましょう。

コミュニケーション能力が低い人の特徴

コミュニケーション能力が低い人には、いくつかの共通する特徴があります。特徴別に解説してみましょう。

  1. 相手が聞きたい(見たい)と思うものがわからない
  2. 感情を喚起できない(=論理によって伝えようとする)
  3. 話を聞く必要がある人物と思われていない

①相手が聞きたい(見たい)と思うものがわからない

世の中には相手側の聞きたい、見たい、知りたいといった欲求を推し測ることができない人がいます。この場合、いくら接触回数を増やしても、相手の理解が進まず、コミュニケーションが成り立たない状況が生じてしまいます。

どんな人も、自分が関心を持っていない事柄は興味を示さないどころか見えていないので、その会話どころか会った経験も印象が残らなくなるのです。その状態でいくらコミュニケーションを取ろうとしても、芳しくない結果しか得られないでしょう。

②感情を喚起できない(=論理によって伝えようとする)

「いくら説得してもわかってもらえない」という経験をしたことはありませんか? 実は論理で説明して伝えようとしても、相手に伝わらないことがあるのです。

相手の心を開くのは、論理的な説明ではなく、心の動きといった感情が伴ったものだけです。音楽や芸術が人の心を動かすように、説明や説得だけで相手と真のコミュニケーションを取ろうとしてもそれは不可能です。

  • 相手の感情を喚起できない
  • コミュニケーションを論理的に展開しようとする

こうした人は、どうしてもコミュニケーション能力が低い結果になります。

③話を聞く必要がある人物と思われていない

有名人や著名人の話には耳を傾けやすくありませんか?

人は、誰から聞く話であるかによって、その話を聞いたり、もしくは聞き流してしまったりする特徴があります。もし自分の話が聞き流されてしまうようなら、それは非常に残念なことですが、相手にとって自分が話を聞く必要がある人物だと思われていないことになるでしょう。

こうなると一目置かれる存在になれるよう、自分が変わるしかないのです。伝えたいことがある際、一目置かれている人の力を借りて伝えるようにするのもよいでしょう。

コミュニケーション能力が高そうに見えるのに低い人の特徴

最初は会話がはずんでいたけれど、しばらくしたら話が続かなくなり、その場が気まずい雰囲気になってしまった経験はありませんか?コミュニケーション能力が高そうに見えて、意思疎通がうまくできておらず、実はコミュニケーション能力が低かったという人もいます。

コミュニケーション能力が高そうに見えるのに低い人は、どのような特徴があるのでしょうか。その特徴は、大きく2つに絞ることができます。

  1. 人当たりがよいだけ
  2. 会話力があるが気が利かない

①人当たりがよいだけ

「人当たりがよい」というと、にこやかで温かな印象を受けるので長所のカテゴリーに入りそうです。しかし「人当たりがよい」のと「人当たりがよいだけ」というのでは、大きな違いがあります。

人当たりがよいだけだと、表面的なコミュニケーションしか取れないことになります。そのうち話のつじつまが合わなくなったり、話自体が続かなくなったりするのはこれが原因です。

②会話力があるが気が利かない

会話が多ければ、コミュニケーション能力が高いという方程式は成り立ちません。

会話の内容に、

  • 議論
  • 共感
  • 情報提供

などがバランスよく組み立てられていなければ、相手の気を引くことはできません。

またこちらの話す内容を相手がどのくらい理解しているのか、常に確認しながら話を進めるといった配慮も必要です。理解が得られていない状態で自分の話したいことだけを口に出し続けていても、どんどん気持ちが乖離していくだけでしょう。

仕事で会話力のない人の特徴

コミュニケーション能力が不足している人の特徴を見てきましたが、ビジネスの世界に限定した場合はどうでしょう。

商談の際、「話が通じない」「論点がずれている?」などと感じたことはありませんか?ビジネスの世界では、会話力の不足は顕著に現れます。ビジネスシーンに限定して、仕事で会話力のない人にはどのような特徴があるのか見てみましょう。

  1. 上辺だけのコミュニケーション能力に頼る
  2. 敬意がない
  3. 相手の要求がわからない

①上辺だけのコミュニケーション能力に頼る

ビジネスシーンで会話力が欠如している人は、上辺だけのコミュニケーションしか取っていないことが多いです。

相手の話に同調していないにもかかわらず「そうだ、そうだ」とイエスマンになったり、相手の意を汲もうとせず時間の経過だけを待っていたりするような不毛な会話が該当するでしょう。

コミュニケーション能力とは、相手との信頼関係を築くための能力です。表面的なことにしか触れない上辺だけの会話しかできないのは、コミュニケーション不足の特徴といえます。

②敬意がない

では、表面的な会話ではない、相手の懐に一歩踏み込んだ会話を展開した場合にはどうでしょうか。確かに表面的な会話でなくなるのですから、一見、コミュニケーション能力が高そうに見えます。しかし、そこに相手に対する敬意がなかったらどうでしょう。

人間関係で最も大切なことは相手を敬う気持ち、すなわち敬意です。

  • 失敗に対して謝罪をする
  • 苦手な相手と商談する

といったピンチの場面でも、敬意があれば相手の心を開くことができます。敬意がなければコミュニケーション能力が低いとみなされても仕方がありません。

③相手の要求がわからない

ビジネスの場で相手の要求を汲み取れるかどうかは、非常に重要な問題です。商談先のニーズを察知し、それに対して提案・交渉することはビジネスの基本といえます。

  • 相手の要求を読み取れない
  • 要求がわからない

という状態では商談の会話は進みません。相手の要求、気持ちを読み取れなければいかなるビジネスシーンであっても、その人はコミュニケ―ション能力が欠如した人という印象を与えてしまうでしょう。

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4.コミュニケーション能力に関わる病気・障害

「コミュニケーション能力が欠如している」と思われる人の場合、病気や障害がある場合もあります。病気や障害が原因で、コミュニケーションがうまく取れないのです。ここでは、コミュニケーション能力に関わる病気・障害について解説します。

病気かどうかの判断基準

コミュニケーション力が欠如している原因が病気や障害がである場合も少なくありません。近年、さまざまな病気や障害の研究が進み、コミュニケーションの障害になっている病気や障害が解明されてきました。

病気や障害が原因ということは、どのような基準で決められているのでしょう。

基準は、

  1. 自分や周囲が困っているか
  2. 社会生活に支障が出ているか

の2点です。対策を講じても改善されず自分だけでなく周りまで困っている、日常生活に支障をきたしている、といった状態は、病気や障害が原因かもしれません。

広汎性発達障害

広汎性発達障害は、社会性の発達やコミュニケーション能力に障害があるのが特徴です。

  • 自閉症
  • アスペルガー症候群
  • トゥレット症候群
  • 小児期崩壊性障害

などの総称として用いられています。

広汎性発達障害のある人は、感覚が敏感であったり、強いこだわりを持ったりする傾向があります。他人と関わることをしないケースから、他人と積極的に関わろうとしても自分本位のコミュニケーションに終始してしまうケースまで症状には個人差があります。

自閉症

自閉症の人には、

  • 言葉の発達の遅れがある
  • コミュニケーションの障害がある
  • パターン化した行動や強いこだわりを持つ

などといった特徴があります。

自分が安心できる場所やよく知っている場所だと落ち着いて行動できたり、やり慣れた作業などに対しては一生懸命に取り組むことができるため、行動しやすい環境を整えておくことが大切です。自閉症といっても、その症状は個々人によって異なる点も理解しておきましょう。

アスペルガー症候群

アスペルガー症候群は、広い意味で広汎性発達障害の中の自閉症に含まれます。その特徴は、社会性や対人関係の障害、コミュニケーションの障害、関心の片寄りやパターン化した興味・行動です。

幼児期における言語の発達遅延がないのが、自閉症と異なる点です。

  • 自分勝手
  • 人の気持ちが分からない

と周囲に誤解されやすいですが、自分が関心を持つ・好きなことに対しては集中して取り組むことが可能です。その場合、周囲から一目置かれる存在になることもあります。

注意欠陥多動性障害 (ADHD)

広汎性発達障害の一つとされているものに、注意欠陥多動性障害があります。

  • 一つの物事に集中できない
  • じっとしていられない
  • 思考を働かせるより先に、体が動いてしまう

といったことが特徴です。

注意散漫になってしまうので物忘れが重なることもあり、「いい加減な人」と誤解されてしまうことも多いようです。しかし、他人への気配りや配慮が行き届くといった特徴もあります。細やかな優しさによって、周囲との人間関係を構築する人も少なくありません。

学習障害(LD)

学習障害も、広汎性発達障害の一つです。学習障害とは、全般的な知識面での発達遅延は確認できないにもかかわらず特定の能力、たとえば、

  • 読む
  • 聞く
  • 話す
  • 計算する
  • 推測する

といったことの習得に著しい困難を伴う障害です。「ほかの教科は一定の成績が取れているのに、計算だけができない」といったようなイメージです。

ビジネスシーンでも、仕事全般は無難にこなせるのに、会議のメモを取ることだけがどうしてもできないといったケースなどが該当します。本人の努力不足と誤解され、見過ごされやすい障害です。

トゥレット症候群

トゥレット症候群は、いわゆるチック障害です。チックには、運動と音声の2種類があります。

  • 運動チック 突然素早い運動を繰り返し起こす
  • 音声チック 運動チック同様、突然素早い音声を繰り返し発する

1年以上続いてしまうものをトゥレット症候群と呼んでいます。

本人にはそのつもりがないにもかかわらずチック症状が出るため、周囲から迷惑がられたり不信に思われたりしてしまいます。孤立した結果、さらにコミュニケーションが取りにくくなるケースが多いようです。

吃音

吃音は、「どもる」といわれる話し方のことです。言葉と言葉の間に変な間が空いてしまう、音の繰り返しや引き伸ばしなど、症状が話し方に現れます。吃音は、幼児期や児童期から発症し、大人になるに従ってその症状は自然消滅する傾向があります。

しかし、青年期以降にも発症もあり、人前で話すことができなくなったり電話応対で悩む人もいるようです。周囲の理解があればよいのですが、「ちゃんと話しなさい」と注意されたり、笑われたりすると余計に吃音がひどくなってしまうこともあります。

境界性パーソナリティ障害

境界性パーソナリティ障害は、若い女性に多く見られる心の障害です。「神経症」や「統合失調症」との境界線にあることから、その名前がつきました。「強いイライラ感」「現実の認識力の低下」が特徴です。

  • 周囲の状況で気分が変化
  • 感情が爆発しやすい
  • 空虚感におそわれる

といった感情のコントロールができない状態に陥るため、自傷行為に至るケースもあるようです。

あまりの感情の変化に周囲は驚いてしまう結果、本人から遠ざかることもあり、コミュニケーションを取る点に困難を伴います。

俗語「コミュ障」とは病気なのか?

医学上の「コミュニケーション障害」と俗語として広く用いられる「コミュ障」とは、どのような違いがあるのでしょう。

アメリカ精神医学会による診断基準『DSM-5』では、コミュニケーション障害とは、「ことばを扱うことに対して障害が発生する複数の疾患が一つにまとめられた」総称と定義されています。

一方「コミュ障」は、ソーシャルネットワークで作られた、いわゆるネット用語です。

  • 対面式のコミュニケーションを取ることが苦手
  • 緊張して異性と話をすることができない

などといった人たちのことを表す俗語であると認識しましょう。

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5.コミュニケーション能力を向上させるのに必要なスキル

ここまで、コミュニケーションについてさまざまな角度から考察しました。では、コミュニケーション能力を向上させるのに必要なスキルとはどのようなものなのでしょうか。コミュニケーション能力を向上させたい人は必読です。

意思疎通

コミュニケーションとは、情報や気持ち、感情を相手と交換する作業です。自分の意思を相手に伝達し、相手の意思を受け取り理解し合う「意思疎通」は、コミュニケーション能力を向上させるスキルとして基本的なものです。

意思疎通することを心掛けて相手と接するという気持ちは、良好なコミュニケーションの構築に必要不可欠といえます。

傾聴する姿勢

自分の話だけを一方的にする人はコミュニケーション能力が不足している、これは言うまでもないでしょう。コミュニケーションを取るには、自分の話をすることで相手に自分を理解してもらう一方、相手の話をしっかり受け止めることも求められます。

相手の話を熱心に傾聴する姿勢も高いコミュニケーション能力を維持するうえで必要なスキルです。

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双方向の円滑なコミュニケーション

話の展開があちこち飛んだり、沈黙の時間が続いたり、どちらかが一方的に話を続けているような状況は、良好な関係やコミュニケーションが成立しているといえません。

テンポよく会話を続けたり、楽しい雰囲気の中でお互い語り合えたりするような、双方向で円滑なコミュニケーションが図れるといったスキルも求められます。

意見の集約

「せっかく打ち合わせをしたのに、話がまとまらないで終わった」という経験はありませんか?

コミュニケーションを取る場合、そこで交わされた会話が着地する場所を持てることが望ましいでしょう。つまりさまざまな意見交換がなされたのなら、ある程度意見が集約できることが大切なのです。

  • 結論を一つに絞る
  • 方向性を確認する

といった意見の集約ができるスキルはビジネスシーンでも役立ちます。

情報伝達

ビジネスシーンにおいて特に重要なのは、情報伝達です。自分の持っている情報を組織のメンバーに的確に伝達したり、その商談相手に自分の情報をわかりやすく提案したりすることはビジネスの成功に直結するからです。

情報伝達をどう効率よく行うかは、コミュニケーション能力を向上する鍵といっても過言ではありません。

意見の主張

コミュニケーションにおいて、自分の意見を主張することは非常に重要です。何でもかんでも相手に合わせイエスと首を縦に振っていては、会話が一方通行になりコミュニケーションは成り立ちません。相手の話に傾聴する一方で、自分の考えを相手に理解してもらえるよう丁寧に主張しましょう。

意見を言うことは自分をわかってもらう一助にもなるので、より良好なコミュニケーションを築くきっかけにもなります。

協調性

どんなコミュニケーションでも、けんか腰に行われていては意味がありません。たとえ意見や利害が異なった相手であっても、譲り合い、歩み寄り、調和をもって会話をする必要があります。

良好で質の高いコミュニケーションを展開するには、この協調性が欠かせません。協調性なくして、高いコミュニケーション能力は育まれないことを改めて認識しておきましょう。

相手の尊重

「双方向で闊達な意見交換ができているのに、なぜかしっくりこない」。そんなふうに感じた経験があったら、それはもしかしたら相手を尊重する気持ちに不足があったのかもしれません。

コミュニケーションは、当事者がお互いを尊重し合ってこそ成り立つ相互関係構築法です。自分では封印しているつもりでも、相手を見下したり軽んじたりする気持ちは伝わります。相手を尊重することは、コミュニケーション向上にも大いに影響を及ぼすのです。

組織・人間関係との調和

ビジネスはチームプレーの世界で、個人の動きは常に組織と連動します。個人が行っているコミュニケーションは、常に組織やチームメンバーとの人間関係に影響を与えるのです。

自分が商談先でしている会話、社内の会議、チームメイトとの何気ないおしゃべりはすべて、組織やその他の人間関係の調和に大きく関わるもの。自分一人の問題ではないことをしっかり理解しましょう。

自己表現力

自分をより正しく理解してもらうには自己表現力も必要です。コミュニケーション能力を高めるためにも、どう自分を表現するか考えるとよいでしょう。たとえば、自分の短所を伝える場合、「わたしはせっかちです」というより、「わたしはスピード感を持って行動できます」といえば相手のなかで評価は高まります。

自分をどう理解してもらうかという点に着眼したコミュニケーションを構築すると、コミュニケーション能力は一気に高まるのです。

明確な説明

商談などのビジネスシーンでは、わかりやすい説明を求められることが多いでしょう。

  • 知識がない人でも分かりやすい説明
  • 専門的な内容を簡単な言葉を用いて解説

など、相手に応じて明確な説明をすることが求められます。

ビジネス上でこの点をクリアできれば、社内外の評価も上がります。評価とともに自分に対しての自信も増し、ますます良い仕事ができるでしょう。明確な説明ができることは、高いコミュニケーション能力を持つことの証明になります。

図表などを用いた表現

言葉で伝わらないことがあったとき、貴方ならどうしますか?プレゼンテーションなどの場合、言葉で説明するよりも図形や模型を用いて説明したほうが相手に伝わりやすいです。

高いコミュニケーション能力は言葉だけに限りません。アイディアをフル活用して表現方法に工夫を加えることは、相手にインパクトも与えられるでしょう。

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6.コミュニケーション能力を鍛える方法

コミュニケーション能力を上達させるための効果的な練習法を4つご紹介しましょう。

  1. 1カ月で10人に会おう
  2. 2分間で自己紹介してみよう
  3. 思いやりのリセット術
  4. ノンバーバル・コミュニケーションを磨こう

①1カ月で10人に会おう

まずコミュニケーションの場に慣れることが重要です。コミュニケーションの回数を重ねるうちに、さまざまなコミュニケーション向上スキルを自然と身につけることができます。

数値目標を掲げると目標の達成意識も高まります。まずは1カ月で新しく10人と会うくらいの設定で行動を起こしましょう。

「仕事が忙しい」「時間が取れない」という人、人と話すのが苦手と思っている人も、

  • おはようございます
  • こんにちは
  • おつかれさま

といったあいさつからで構わないので自分から声をかけてみましょう。

ポイント1.自分から誘う

1カ月に10人と会う「声かけ運動」に取り組む際、いくつかの注意事項があります。目標の10人には、必ず自分から声をかけるのです。自分から誘うことで、コミュニケーションを取ることに対しての恐怖感を克服できます。

いつも無口な人から急に話しかけられたら相手は少しびっくりするかもしれません。しかしそれがコミュニケーションの第一歩になるのです。

ポイント2.自分がなりたいタイプの人を誘う

声をかける10人をどうやって選べばいいのか、不安に思う人もいると思います。

声をかける10人は、自分がなりたいタイプの人を選ぶとよいでしょう。自分がなりたい人に声をかけてコミュニケーションを取るようにすれば、確実にその人から影響を受けます。その人の良い部分を真似することも一つの手です。

コミュニケーションは、相手からも刺激を受け、自分を成長させることのできる双方向の情報や気持ちの交流の場です。理想の相手から良い刺激をたくさんもらいましょう。

ポイント3.自分から話し、相手の話もよく聞く

1カ月で10人と話す場合、自分から話しかけるだけでなく相手の話にもよく耳を傾けるようにすることが重要です。双方向で人間関係を構築するために取るのがコミュニケーションなので、自分の話をするだけではコミュニケーションは成り立ちません。

相手が何を言っているのか、何を要求しているのか、何に興味を持っているのか、アンテナをしっかり張って情報をキャッチしてください。そして徐々に関係を築き上げていきましょう。

ポイント4.会って話した内容をレポートにまとめる

1カ月で10人と会って話をした内容を簡単なレポートにまとめることもポイントです。これはそのときに交わした会話を冷静に振り返る時間になります。

「もっとこう話せばよかった」「この話題を提供すればよかった」などの反省点や、「ユーモアを交えて楽しく歓談できたな」といった手応えなどを思い返すことができます。

手帳などへメモを取るでも構いません。文字に起こして、自分のコミュニケーションを振り返る時間を作るようにしましょう。

②2分間で自己紹介してみよう

いざ、コミュニケーションを取ろうとしても、「何の話を、どうやってすればいいのかわからない」という場合もあるでしょう。そんな人のために、2分間で自己紹介をする方法を紹介します。

2分間のスピーチを行うことで、

  • 話題づくり
  • 文章の構成
  • 自分の表現力

など、さまざまなコミュニケーションスキルが一気に身につくのです。聞き手がいることで、実践的なコミュニケーション力も養えるでしょう。まずはチャレンジし、その効果を実感してみてください。

ポイント1.名前、年齢、出身地、仕事、趣味・特技

2分間の自己紹介前に、まず2分間をどのような話題で構成するかを考えます。自分という一人の人間を相手に理解してもらうためにはどのような話題を盛り込めばよいでしょう。

名前、年齢はもちろんですが出身地などの話題は相手を引きつけて盛り上がれるキーポイントかもしれません。仕事の内容や趣味・特技といったことを語れば、自分らしさを分かってもらいやすいでしょう。

ポイント2.開口一番のトーンに注意

自己紹介をする際最も気をつけたいのは、開口一番の声のトーンです。暗い、もしくは低いトーンで自己紹介を始めてしまうと、相手はその印象をインプットしてしまいます。ただ緊張しているにもかかわらず「何だかとっつきにくいな」と思われることもあるのです。

反対に明るくはっきりとしたトーンで自己紹介を始めれば、相手はあなたのことを社交的、快活、人気者といったイメージでインプットしてくれます。開口一番のトーンには注意が必要です。

ポイント3.聞き手が適度に相づちやうなずきを入れられるスピードと間

聞き手がいる場合、適度に相づちやうなずきをする場面があります。自己紹介をするときは、相づちやうなずきを入れられるようなスピードと間を考えながら話しましょう。

自己紹介といっても、スピーチ大会ではありません。聞き手の存在を意識して行うことが重要なので、表現の仕方や言葉のチョイスに注力することは忘れないようにします。

伝わらなければいくら長い間自己紹介をし続けても意味がなくなってしまうので、注意しましょう。

ポイント4.自己紹介にふさわしい表情を

自己紹介をするにあたってそれにふさわしい表情を作ることも、コミュニケーション能力スキルの一つです。コミュニケーションという観点からいえば、言葉やジェスチャーを通して伝えられることは、非常に多くあります。

しかし、言葉やジェスチャーが100%ではありません。特に対面で会話をする場合、表情から相手に伝えられるものが多くあります。自己紹介にふさわしい表情を作ることで、相手に対して正確に自分を伝えながら、好印象も与えられるでしょう。

ポイント5.抑揚を意識

自己紹介をしている間の声の抑揚やスピードなどにも意識を向けましょう。単調なリズムで自己紹介を続けても、相手には退屈さを感じさせてしまうだけで、一番伝えたいことがうまく伝わりません。

  • 自分が強調したい部分
  • 相手にも話に加わってほしい部分
  • ちゃんと聞いてほしいポイント

などで声のトーンを変えたり、笑顔を作ったり、相手の顔をよく見たりと伝えるための工夫を盛り込みましょう。

③思いやりのリセット術

ここで、コミュニケーションの上級編といってよい、「思いやりのリセット術」を紹介します。これは笑伝塾塾長の殿村政明さんが『笑いの凄ワザ』という著書で紹介しています。

あるとき芸人の今田耕司さんが後輩に対して叱咤したことで飲み会の雰囲気が悪くなりました。今田さんはトイレで用を足すために席を立ちましたが、何と戻ってきたときにはパンツを身に着けていない状態だったとか。

そのおかげでその場の雰囲気が一気に和やかになったという話です。雰囲気の悪くなった場面を、思いやりにあふれた行動、すなわち「笑いの力を取り入れた大人の気配り」をすることで、和やかな雰囲気に変えてしまう芸人の巧みなリセット術といえます。

ポイント1.「笑い」のスキル

「思いやりのリセット術」を実行するには、何が一番必要なのでしょう。それは「笑い」です。ビジネスシーンでも、「笑い」や「ユーモア」のエッセンスをうまく取り入れることにより、対人や対組織のコミュニケーションが円滑にいくケースが多くあります。

笑伝塾塾長の殿村政明さんは、「笑いは相手の心のみならず自分の心も開く」といっています。笑いながら楽しくコミュニケーションを取ることが嫌いな人はいないでしょう。コントや一発芸でなくてもちょっとした一言に笑いのエッセンスを取り入れて、賢く楽しくコミュニケーションを取ってみましょう。

ポイント2.目には見えない大人の気配り

「思いやりのリセット術」では、「目に見えない大人の気配り」もキーワードになっています。

  • 雰囲気が悪くなったら居心地が悪いだろうな
  • 相手は気まずい思いをしているのだろうな

といった相手の状況や気持ちを察しながらも、それを相手に感じさせない奇想天外なアイディアでその場を和やかにするのが「大人の気配り」です。「雰囲気が悪いから、自分が雰囲気を良くします」といった押し付けのないさりげなさは、大人の気配りのベースともいえます。

④ノンバーバル・コミュニケーションを磨こう

コミュニケーションの手段には、バーバル表現とノンバーバル表現の2つがあることは前述しました。言葉で話をする際はバーバル表現に気を配って話をしますが、ノンバーバル・コミュニケーションを磨くことにも力を注がねばなりません。

ノンバーバル・コミュニケーションとは、

  • 視線を送る
  • 表情を変える
  • ジェスチャーを交える

といった言葉以外でコミュニケーションを取る方法です。バーバル・コミュニケーションにノンバーバル・コミュニケーションを加えることで、相手は視覚的にも聴覚的にも心地よい刺激を受けながら、話を聴いてくれるでしょう。

ポイント1.「ダブルバインド」に注意

「ダブルバインド」とは、直訳すると、「二重拘束」という意味になります。もともと、統合失調症の子供が矛盾した状況を指摘できずに服従したことから生まれた概念で2つの相反する事柄を提示することで、相手がストレスを感じてしまうコミュニケーションの状態をいいます。

このダブルバインドに注意しないと、知らず知らずのうちに相手にストレスを与えてしまいます。言葉の中で矛盾した論理展開がないか、もしくは言葉と表情との間に矛盾点はないかを気にしながら、コミュニケーションを取りましょう。

ポイント2.「ハロー効果」を意識

コミュニケーションを取る際、「ハロー効果」も念頭に置きましょう。ハロー効果とは、人物を評価する際、優秀な部分があるとその人全体を優れているとみなし、劣っている部分があるとその人全体を劣っているとみなしてしまう心理的効果です。

開口一番の声のトーンでもわかるとおり、人はインパクトを受けた事柄を、その人全体のイメージに広げて拡大解釈をする傾向があります。ハロー効果を上手に利用し、最初に良い印象を与えてコミュニケーションを取っていきましょう。

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7.仕事(上司、男性)でコミュニケーション能力を高める方法

仕事上、上司や異性の同僚、部下とコミュニケーションを取る場合もあります。そんなシーンではどのようなコミュニケーションを取るとコミュニケーション能力が高まるのでしょうか。4つの側面から考察してみます。

  1. ホウレンソウの原則
  2. 男性は役職、女性は内面を褒めると効果的
  3. (営業先などの)打ち合わせでは、相手を出入り口と向かい合う席に座らせる
  4. 本音トークを心がけよう

①ホウレンソウの原則

「ホウレンソウ」、すなわち、報告、連絡、相談の頭文字を取ったホウレンソウの原則は新入社員研修などで徹底されている事項でもあり、ビジネスのいろはです。

まず「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どうやって」といった5W1Hをおさえ、話題の要点を絞ります。

報告、連絡、相談は口頭もしくは文章、メールで行うことが一般的ですが記録に残したほうがいい場合や共有すべき情報が盛り込まれている場合には、文章で行うことが効果的です。

報連相とは?【できない原因】おひたし、重要性、本当の意味
報連相とは「報告」「連絡」「相談」の1文字目をとったビジネス用語です。 30年以上前に誕生し、企業に属する社員が場面や用途に合わせて相手に伝える方法として広まっています。 1.報連相とは? 報連相とは...

②男性は役職、女性は内面を褒めると効果的

男性、女性といった性差を意識する必要がない場合もあります。しかし仕事上で上司や異性の同僚、部下などとより円滑にコミュニケーションを取りたい場合には、男性は役職を、女性は内面を褒めるように心がけると、比較的そつなくコミュニケーションが図れるでしょう。

現代はセクシャルハラスメント、パワーハラスメントといった問題も取りざたされますので、十分な配慮、細かい気配りを忘れずにしたいものです。

③(営業先などの)打ち合わせでは、相手を出入り口と向かい合う席に座らせる

営業先などで打ち合わせがあったとき、打ち合わせで使用する部屋で、あなたはどの席に座りますか? 一般的に、男性は出入り口に背を向けると落ち着きを感じられなくなる傾向があるようです。

同席する相手にどこの席を勧めるかも、コミュニケーションを円滑にするための気配りとなります。

商談の相手が男性である場合には、出入り口と向かい合う席を勧めましょう。ちなみに女性は座る場所で落ち着かなくなることはあまりないようです。

④本音トークを心がけよう

実際に商談や会話が始まったら、本音で話すことを心がけるようにしてください。思ってもいないことを口にしたり嘘を並べたりしても、話のつじつまが合わなくなって墓穴を掘ります。相手にも不信感を抱かせてしまうでしょう。

若干の誇張はあったとしても本音で会話をすることを心がければ、相手にもそれが伝わります。そこから初めて、お互いを分かり合おうとする真のコミュニケーションが成立し、良い人間関係がスタートするのです。

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8.コミュニケーション能力を高める(向上させる)おすすめの書籍

コミュニケーション能力を高める(向上させる)には、書物を読むこともおすすめです。書店には、コミュニケーションに関する書籍が多く並んでいます。ここでは、その中からおすすめの本をいくつかご紹介しましょう。

人気の本(コミュニケーションの方法)

  1. 『誰とでも 15分以上 会話がとぎれない!話し方 66のルール』
  2. 『伝え方が9割』
  3. 『雑談力が上がる話し方――31秒でうちとける会話のルール』
  4. 『コミュニケーション能力を鍛えよう! 聴く技術と伝える技術』
  5. 『あなたの話はなぜ「通じない」のか』

①『誰とでも 15分以上 会話がとぎれない!話し方 66のルール』

株式会社グッドコミュニケーションの代表取締役、野口敏氏の著書で、どんな場面でもどんな人とでもはずむ会話術を紹介しています。

話題選びや相手への質問選びのコツ、受け答えの工夫など、気軽に楽しく相手とコミュニケーションを取る66通りの技が具体的に掲載されています。

  • もっと親しくなりたい人への話し方
  • 困ったときの対処法
  • 上司との関係づくり
  • 取引先とのトーク事例

といったビジネスシーンでも役立つ情報が満載です。

②『伝え方が9割』

コピーライターや作詞家、大学の非常勤講師としても活躍している佐々木圭一氏の著書です。ヒットを連発しているコピーライターだけあって、言葉やコミュニケーションに対する考察力は優れたものがあります。

  • 伝え方には技術があり、共通のルールがある
  • 感動的なコトバは、つくることができる

ことをわかりやすく解説してくれるのです。コミュニケーションを技術的な側面から考察しているので、毎日の職場や商談の席で応用しやすいでしょう。

③『雑談力が上がる話し方――31秒でうちとける会話のルール』

コミュニケーション論を専門とする明治大学文学部教授、斎藤孝の著書です。単なる会話術とは異なり、雑談を通してコミュニケーションを解説してくれます。

「雑談力は雑草力」と捉え、どんな人とも雑談を通してコミュニケーションを取れるようなヒントがあちこちにちりばめられています。

なかには「ビジネスに使える雑談力」を特筆したページもあり上司や同僚とのコミュニケーションやビジネスシーンでのセーフティーネットとして使える雑談力などに関してもわかりやすく解説しています。

④『コミュニケーション能力を鍛えよう! 聴く技術と伝える技術』

医師、医学博士、日本精神神経学会認定精神科専門医・指導医の森田幸孝氏の著書です。精神科医の立場から、コミュニケーションと発達障害との関係性や脳科学の見地からコミュニケーションの取り方などに言及しているのが特徴です。

コミュニケーションの心構えとして、

  1. 話す力
  2. 質問する力
  3. 聴く力

の3つの力の磨き方を具体的な事例を挙げて解説。第7章「ストレスをため込まないために」では、医師の経験を生かして対人関係を築くうえで切り離せないストレス対処法を教えてくれています。

⑤『あなたの話はなぜ「通じない」のか』

進研ゼミ小論文編集長として「考える力・書く力」の育成に尽力した山田ズーニー氏の著書です。

  • 等身大の自分を分かってもらいたい
  • 信頼関係を築きたい
  • 前提の通じない相手ともきちんと話し合いたい
  • 聞き上手になりたい
  • 人を説得したい
  • 共感を得たい

など人間関係を保つには悩みがつきものです。コミュニケーション上手になるためにはどうすればいいのか? 基礎から懇切丁寧に解説した、独自のコミュニケーション技術論が展開されています。

コミュニケーション能力を鍛える心理学の本

ここでは、コミュニケーション能力を鍛える心理学の本を3冊ご紹介します。

  1. 『アドラー流 たった1分で伝わる言い方』
  2. 『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え』
  3. 『自分の小さな「箱」から脱出する方法』

①『アドラー流 たった1分で伝わる言い方』

戸田久実、岩井俊憲の共著です。「苦手な人がいなくなる!」のサブタイトルを実現するために、精神科医で心理学者、社会学者アルフレッド・アドラーの教えを1行で簡潔に教えてくれます。

苦手な人とのコミュニケーションや、伝えたいことがあるのにそれをうまく伝えられないといった悩みを持っている人にとって希望の光になるのではないでしょうか。

イラストと文章のバランスもよく読みやすいと評判です。社会人1年生や、部下を初めて持ったというような人も読みやすい、アドラー入門書です。

②『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え』

日本アドラー心理学会認定カウンセラー・顧問の岸見一郎とフリーランスライター古賀史健の共著です。アルフレッド・アドラーの展開する人間関係や個人心理学の理論をわかりやすく説明しています。

アドラーは「すべての悩みは対人関係である」としています。対人関係をどのように考えれば楽に自分らしく生きられるのか、これは老若男女を問わない課題です。

組織の中で複雑なコミュニケーション力を求められる世界で生きるビジネスパーソンには必読の名著でしょう。

③『自分の小さな「箱」から脱出する方法』

アービンジャー インスティチュートの著書です。「箱に入っている」というちょっと変わった言葉をキーワードにして、自分をとりまく人間関係のトラブルの解決策を探っています。

「箱に入っている」状態から、いかにして箱から出て素直な自分を引き出し、周りとコミュニケーションを取るのかを、ある会社のビジネスマンの物語を用いて具体的に説明してくれます。

目次にある箱に入った人間の挿絵からも、興味をそそられる一冊です。

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9.採用面接の自己PR(新卒・就活)のコミュニケーション能力とは?

新卒や中途の採用活動で面接を行う際、自己紹介をしてもらうことがあります。短時間の自己紹介で個人の持つコミュニケーション能力を把握するには、自己紹介文のなかから読み取るべきポイントをおさえておかなければなりません。

採用面接の自己紹介に隠されているコミュニケーション能力をどう読み取り、評価していけばよいのでしょう。

面接で見るべきコミュニケーション能力は2種類

新卒の学生を採用する際に面接を行いますが、面接で見るべきコミュニケーション能力を考えてみましょう。

  1. 相手の発言を正しく理解できるか
  2. 自分が伝えたいことを適切に表現し、相手に理解してもらえるか

①相手の発言を正しく理解できるか

学生の面接を行うとき、確認しなければならないのは、「学生が相手(面接官)の発言を正しく理解できているか」という点です。

面接の多くは質疑応答の形で行われます。ディスカッションやディベートといった方法で学生を観察することもあるかもしれません。どの方式を取ったとしても学生が相手の話の要点を的確に理解しているかどうかは、コミュニケーションの基本となる重要なポイントです。

質問をして、相手の答えの内容を精査すれば、その能力の有無はすぐに判別できます。

②自分が伝えたいことを適切に表現し、相手に理解してもらえるか

自分の意見を言葉やジェスチャー、表情を駆使して的確に相手に伝えられることは、当然求められるスキルです。またコミュニケーションは、双方向の人間関係を構築するもの。

面接官は学生の話や何を伝えようとしているのかを意識的に傾聴し、話が構造的に組み立てられているか、適切に思いを表現できているかが判断できるコミュニケーション能力を備えておくことも大切でしょう。

面接でコミュニケーション能力を見る質問とは?

単純な質問でも、そこにはコミュニケーション能力をチェックするポイントが隠されています。ここでは、さまざまな内容の質問を例に挙げながら、なぜこの質問をするのか、質問によってどんなことが分かるのかなどの質問意図やそれに関する学生向けの対処法についても解説します。

人事の採用担当者だけでなく学生の方もぜひ参考にしてみてください。

「自己紹介をお願いします」

これは、最もスタンダードな質問で、学生も事前に回答を準備しているケースが多い質問です。

この質問には「経験やスキルが企業で役に立つかどうかを知りたい」というほか、開口一番のトーンに象徴されるように

  • 第一印象を知りたい
  • コミュニケーション能力が知りたい

といった側面があります。学生は、自分の経験を簡潔な言葉で1、2分程度の時間にまとめて答えるとよいでしょう。もちろん開口一番のトーンにも注意が必要です。

「最近気になったニュースはありますか?」

「最近気になったニュースはありますか?」といった情報収集能力や情報に対する感度を問う質問もあります。現代社会は、情報が企業の将来を決定するような時代です。

情報に対してどのような姿勢で臨んでいるか、情報収集能力や感度、または自分の興味がない分野でも触手を伸ばす積極性や興味の幅を観察できます。

学生は気になるニュースを羅列するだけでなく、なぜ気になったのか、どのように解釈したのか、そこから何を考えたのかを筋道立てて答えられるとよいでしょう。

「あなたが当社の社長だったら何をしますか?」

これは思考に対する柔軟性や思いもよらない質問に対しても対応できる処理力・対応力が備わっているかどうかを問う質問です。

この答えに正解はありませんが今までの自分が経験してきたことや考えてきたことを出し切って、かつ論理的に、正直に答えていくのが正攻法でしょう。

このような質問に難なく答えられる学生は、発想力に富み、柔軟性や適応能力も備わっており、かつ精神的にタフな面があるとも考えられます。困難を乗り越えるパワーが期待できるでしょう。

「コミュニケーション能力は高いほうですか?」と質問された場合の対処法

「コミュニケーション能力は高いほうですか?」と質問されたとき、「高い」と答えたほうがよいと本能的に思うかもしれません。しかしその次の展開が思い浮かばない学生もいるでしょう。

この質問には物事の分析力を問う意図があります。コミュニケーション能力といっても、その内容はさまざま。自分が得意としているコミュニケーションの分野を客観的に分析し、それを言葉で表現できるかどうかが問われます。

学生は自分の得意、不得意を具体的な事例を用いて丁寧に説明すればよいでしょう。

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10.コミュニケーション能力が鍛えられるアルバイト

コミュニケーション能力が高い人を見分ける方法はあるのでしょうか。新卒採用などの場合には、アルバイト歴が参考になります。コミュニケーション能力が鍛えられるアルバイトをいくつかご紹介します。履歴書のアルバイト歴と照らし合わせてみてください。

接客業のアルバイト

多くの学生が経験している職種として、接客業があります。接客業の特徴は客をもてなすことで、客の質問に答えたり、注文を取ったり、案内をしたりとさまざまな形で客と直接やり取りを行います。

客から「ありがとう」という言葉をもらって励みになった経験やクレームを受けて謝罪した経験など、人心の機微に触れることでコミュニケーション能力は大きく開発されます。

いくつかの具体的なアルバイトから、どのようなコミュニケーション能力が備わっていくのかをご紹介しましょう。

飲食店のホールスタッフ

飲食店のホールスタッフは、客の案内、食事の注文や配膳、会計などが主な仕事です。深夜や長時間の営業が当たり前となり求人数も多いので、学生がアルバイトに就きやすい職種です。

ほかのスタッフとの連携プレーやチームワークが求められるため、組織におけるコミュニケーション能力を向上させることのできる業種の一つです。

また客とのやり取りだけでなく、気持ちよく食事をしてもらうためにテーブルを拭いたり、水を注いだりすることもあり、気配りも一緒に学べます。

販売スタッフ

アパレルや雑貨、スーパーや百貨店、書店、ドラッグストアやコンビニエンスストアなど、販売の仕事も求人数が多い職種で、学業との合間の時間を利用してシフトに入りやすいので人気のアルバイトです。

  • 商品案内
  • 商品の陳列
  • 在庫などの問い合わせ対応
  • 返品といったクレーム処理

などが主な仕事です。

接客マナーが身につくだけでなく、客の好みやニーズを察知して提案するスキルや、情報収集した最新のトレンドをお客様に提案するなどのコミュニケーション能力が養われます。

ホテル、旅館のフロントスタッフ

ホテルや旅館、民宿など宿泊施設のフロントスタッフは、

  • 宿泊客のチェックイン・チェックアウトの手続き対応
  • 客からの各種問い合わせの対応

などを主な仕事としています。

宿泊客に対してのマナーや礼儀正しさ、落ち着いて対応する力などが求められるのでフロントスタッフのアルバイト経験者は冷静な判断ができる人が多いようです。

外国人客が来る施設では、語学力だけでなく異文化への対応力も問われます。グローバルな社交性や高いコミュニケーション能力を身につけられる職種です。

テーマパークやアミューズメント施設のスタッフ

子供も喜ぶテーマパークやアミューズメント施設スタッフの主な仕事には、

  • アトラクションへの案内・添乗
  • ショップ内での接客と販売
  • 飲食店での接客

などが挙げられます。

客に子供がいることが多いため、小さな子供への対応や、余暇を利用して楽しみにきた客に満足してもらうといった人を喜ばせる能力が研ぎ澄まされるでしょう。

なかには、ショーに出演したり、ショーを盛り上げる司会を担ったりと、エンターテイナーとしての能力を求められることもあります。客と一体になって時間や空間を楽しめる能力が磨かれるのです。

接客以外の業種の求人

学生のアルバイト先を考えた場合、接客以外の業種も考えられます。ここでは、倉庫内作業やインターネットショッピングの普及などから求人が急速に増加したコールセンタースタッフ、定番の塾の講師や家庭教師などのアルバイトを見てみましょう。

どれも、求人数が多く学生に人気の業種です。接客業はコミュニケーション能力が磨かれるシーンを多く提供してくれますが、接客業以外の業種ではどのような能力が磨かれるのでしょうか。

倉庫内作業

「倉庫内の作業」と聞くと、黙々とダンボールに商品を詰め込んだり、ダンボールに宛名ラベルを貼り付けたり、荷造りしたダンボールを運んだりするイメージがありませんか?

実は倉庫内こそ、コミュニケーション能力が磨かれる環境が整っているのです。

それは倉庫内作業の多くがチームを組み、リーダーを中心として仕事を進めていく必要があるからです。また、倉庫で働く年齢層も若年層から高齢者までさまざまであることがほとんど。短期就労の人も多いため、人間関係を築く力も求められます。

コールセンターのスタッフ

コールセンターのスタッフは、

  • 商品の使用方法などについての問い合わせ
  • クレーム対応
  • 予約や販売といったものを電話で行う

などが主な仕事です。不特定多数の人が思わぬ問い合わせをしてくるケースに冷静に対応しなければならないため、高いコミュニケーション能力が求められます。

また、電話を使用しますので相手の表情が読み取れず、音声のみでコミュニケーションを取らなくてはなりません。商品説明なども口頭のみで説明するため相手に自分の意図を的確に伝える能力も身につくでしょう。

家庭教師、塾講師

家庭教師や塾講師は、学生に非常に人気のあるアルバイトです。時給の高さや自分の学習経験を生かして指導できる点から、比較的トライしやすいアルバイトです。

しかし、子供にわかるように教えるには非常に困難が伴います。何がどう分からないのかを理解し、対話によって苦手分野を克服させてあげないといけないからです。

自分の説明したことを生徒が理解できているか、常に気を配りながら授業を進めていけば、自然と高度なコミュニケーション能力が培われるでしょう。

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まとめ

コミュニケーション能力は、ソーシャルスキルの一つ。社会生活を送るだけでなく、仕事をするうえでも必要不可欠な能力でしょう。コミュニケーション能力を向上させるためのポイントをおさえて手段を講じれば、能力は高まります。

無料診断テストを利用すれば、今あるコミュニケーションスキルを測定して問題点をあぶり出すことができますし、能力を啓発する書籍を利用すれば、さまざまな観点から学べるでしょう。

ツールやテスト、書籍などを賢く利用して、効率よくコミュニケーション能力の開発や活用をしてみてはいかがでしょうか。