Will Can Mustとは? フレームワークの活用方法や目標設定と記入例も解説

Will Can Mustとは、個人のキャリアを「Will(やりたいこと)」「Can(できること)」「Must(求められていること)」の3要素で整理し、目標設定やキャリア形成に活かすフレームワークです。リクルートが社員の主体的なキャリア形成を促すために導入した目標管理手法が起源で、現在は多くの企業の人材育成・1on1・MBOに活用されています。

ご自身の目標設定やキャリアの見直し、あるいは部下や社員の目標設定をサポートしたい場合に、Will Can Mustの活用がおすすめです

本記事では、Will Can Mustの定義と背景から、3要素を活かした目標設定の具体的手順、若手・中堅・プロフェッショナル層別のシート記入例、活用シーン、導入メリット・注意点、組織に浸透させる仕組みまで網羅的に解説します。

目次

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1. Will Can Mustフレームワークとは?定義と背景

Will Can Mustフレームワークとは、「Will(やりたいこと)」「Can(できること)」「Must(やるべきこと・求められていること)」の3つの視点からキャリアや目標を整理するフレームワークのことです。

Will Can Mustフレームワークは、個人の目標設定やキャリア形成、さらには組織のパフォーマンス向上に役立つツールです。まずはその定義と、登場した背景から紹介していきます。

Will Can Mustフレームワークの定義

Will Can Mustとは、キャリアプランの策定や目標設定において、以下の3つの要素を明確にし、情報を整理するために活用できるフレームワークです。

Will 「何をしたいか」「どうなりたいか」
Can これまでのキャリアで培ってきたスキル、経験、知識、強みなど
Must 個人に期待されている役割や貢献、達成すべき目標

これら3つの要素をバランスよく捉えることで、仕事に対するモチベーション向上や成果創出に役立ちます。それぞれの定義をさらに詳しくみていきましょう。

Will:やりたいこと

Willは、仕事やキャリアにおいて興味を持ち、情熱を傾けられることや達成したいことを指します。

これは単なる短期的な欲求ではなく、価値観や理念に基づいた、長期的なキャリアビジョンにつながるような「志」や「夢」とも言い換えられます。Willを明確にすると、仕事に対するモチベーションが高まり、主体的に業務に取り組む姿勢が生まれるでしょう。

Willの具体的な要素
  • 興味関心
  • 価値観
  • キャリアビジョン
  • スキルアップへの意欲

Can:できること

Canは、自分が現在持っているスキルや経験、できることです。これまでの職務経歴や実績を通じて培ってきた、自分の市場価値を示す要素といえます。

Canを明確にすると、自分の強みを認識し、それを活かせる機会を見つけられます。また、不足しているスキルを把握し、今後の自己成長の方向性を見定める上でも重要な要素です。

Canの具体的な要素
  • 業務知識、専門スキル
  • 経験
  • 強み、特性

Must:やるべきこと

Mustは、所属する組織やチーム、顧客、あるいは社会全体から、期待されている役割や責任、達成すべき目標です

これは個人の願望や能力ではなく、周囲から求められていること、何をやるべきかということであり、Will(やりたいこと)とMustに乖離がないかを確認するために必要な要素です。

Mustを正しく理解することで、組織の一員として何を優先すべきか、どのような成果を出すことが求められているのかが明確になります。これにより、個人のWillやCanが組織の方向性と合致し、より大きな成果へとつながる可能性が高まるでしょう。

Willの具体的な要素
  • 組織目標
  • 役割、責任
  • 顧客ニーズ

Will Can Mustフレームワーク登場の背景

Will Can Mustフレームワークは、もともとリクルートが社員育成に利用していた独自の目標管理ツールでした。それが他の企業にも広まった、というのが一般的な説です。

これまで、企業における目標設定は、上司から部下へのトップダウン形式で行われることが一般的でした。しかし、このような一方的な目標設定では、社員のモチベーションが低下したり、目標に対する納得感が得られにくいという問題があったのです。

とくに、終身雇用制度の崩壊やキャリアの多様化が進む現代においては、社員一人ひとりが自律的にキャリアを形成し、自身の能力を最大限に発揮することが企業成長の鍵となります。

Will Can Mustフレームワークなら、社員が主体的に「やりたい」と感じるWillと、自身の強みであるCanを把握し、それを組織のMustに結びつけることで、社員のエンゲージメントを高め、生産性を向上させられるのです。

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2.Will Can Mustシートの作成・活用手順

Will Can Mustは、3つの要素をただ書き出すだけでは十分な効果が得られません。まずWill・Can・Mustをそれぞれ深く掘り下げ、次にその3つを統合して調整することで、初めて実践的な目標へと落とし込むことができます。以下のステップで進めていきましょう。

STEP.1
Will(やりたいこと)を洗い出す
「仕事を通じてどんな達成感を得たいか」「将来どんなスキルを身につけたいか」「どんな役割を担いたいか」など、自分自身への問いかけを通じて内発的動機を具体的に書き出します。
STEP.2
Can(できること)を棚卸しする
これまでの職務経歴、保有資格、実績、使えるツール・技術を客観的にリストアップします。「TOEIC 800点」「チームリーダー経験3年」のように定量的に記載するのがポイントです。
STEP.3
Must(求められていること)を確認する
部署目標、上司からの期待、チームの課題など「組織や顧客から今求められていること」を正確に把握します。人事評価の項目や中期経営計画を参照するのも有効です。
STEP.4
3要素の重なりを見つけ、統合・調整する
Will・Can・Mustの3つの円の重なり(共通領域)を可視化します。重なりが小さい場合は、Willの中でMustに近づけられる要素を探すか、Canを伸ばしてギャップを埋める方向で調整します。
STEP.5
SMARTな行動目標に落とし込む
3要素の重なりから導き出された方向性を、具体的(Specific)・測定可能(Measurable)・達成可能(Achievable)・関連性のある(Relevant)・期限付き(Time-bound)の目標に変換します。
STEP.6
上司とすり合わせ、定期的に見直す
設定した目標を上司と共有し、組織のMustとの整合性を確認します。四半期〜半期ごとの見直しサイクルを設け、環境変化に応じてアップデートを続けます。

3.Will Can Mustの3要素を活かす目標設定の方法

Will Can Mustの目標設定とは、3要素をそれぞれ洗い出したうえで重なり合う領域を見つけ、SMARTの法則に沿って具体的な行動目標に落とし込む一連のプロセスのことです。

  1. Will・Can・Mustを個別に洗い出す — 問いかけリストを使い、各要素をできるだけ具体的・定量的に書き出す
  2. 3要素を統合・調整する — WillとMustの一致度を確認し、3つの円の重なり(最適領域)を見つける
  3. 具体的な行動目標に落とし込む — SMARTの法則(具体的・測定可能・達成可能・関連性・期限)で目標を設定する

Will Can Mustフレームワークは、単に3つの要素を洗い出すだけで終わらせてしまっては、その真価は発揮されません。これらの要素を統合し、具体的な目標へと落とし込むことが重要です。

ここでは、Will Can Mustの3要素を最大限に活かす目標設定の方法について解説します。

まずはWill Can Mustを設定

目標設定の第一歩は、それぞれの要素を深く掘り下げて設定すること。それぞれの要素を洗い出す際には、できるだけ具体的に、定量的な表現を意識するのがポイントです。

項目 洗い出し方 具体例
Will 【以下のような問いかけをしてみる】

・仕事を通じて、どんな喜びや達成感を得たいですか?

・将来的に、どんな専門性やスキルを身につけたいですか?

・どんな役割を担いたいですか?

・どんな環境で働きたいですか?

・どんな人たちと働きたいですか?

・新しい技術を習得し、業務効率化ツールを開発したい

・将来的にプロジェクトリーダーとしてチームをまとめ、大規模なプロジェクトを成功させたい

・海外事業に携わり、グローバルな視点でのビジネス展開を経験したい

Can 【以下のような観点からできることを客観的に評価】

・これまでの職務経歴で、どのような経験を積んできたか

・どんな知識やスキルを習得したか

・どんなツールやソフトウェアを使いこなせるか

・チームリーダーとして3名の部下をマネジメントし、目標達成に貢献した経験

・TOEIC 800点以上の英語力があり、海外ベンダーとの交渉経験も豊富

・Webマーケティングの基礎知識と、SEO対策によるWebサイト流入数20%増加の実績

Must 【以下のような観点から組織や顧客から「求められていること」を正確に把握】

・現在の部署やチームに求められている成果

・自分の役割において、具体的に達成すべき目標

・上司や同僚から期待されていること

・今期のチーム目標である「新規顧客獲得数20%増」に貢献

・部下のOJTを担当し、早期戦力化を支援

・担当顧客の解約率を5%以下に抑える

Will Can Mustを統合して調整

3つの要素をそれぞれ洗い出したら、次に整理できた情報を統合し、調整します。

まずは「やりたいこと(Will)」と、組織から「求められていること(Must)」がどれくらい一致しているかを確認します。その上で、Will、Can、Mustの3つの円の重なりをイメージしてみましょう。

重なる中央の領域が、自分にとって最も充実感があり、かつ組織に貢献できる最適な目標設定の領域です。この領域を見つけられたら、具体的な行動目標に落とし込んでいきましょう。

目標設定の際は、SMARTの法則(Specific: 具体的に、Measurable: 測定可能に、Achievable: 達成可能に、Relevant: 関連性のある、Time-bound: 期限を定める)を意識すると、より効果的です。

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4.Will Can Mustの記入例で理解するシートの書き方

Will Can Mustシートとは、Will・Can・Mustの各欄に自分の考えを書き出し、3要素の重なりを可視化するための記入シートのことです。

Will Can Mustフレームワークを実践する上で、実際にシートに記入してみるのが最も効果的です。頭の中だけで考えていると、なかなか思考はまとまらないでしょう。

ここでは、若手社員、中堅社員、プロフェッショナル層それぞれの記入例を通じて、具体的なシートの書き方を紹介します。

【若手社員】Will Can Mustの記入例

若手社員の場合、まだ具体的なキャリアパスが定まっていないことも多いでしょう。Will Can Mustは、自身の興味関心や得意なことを見つけるきっかけとして活用するのがおすすめです。Mustは、先輩や上司からの指示や期待される役割が中心になります。

【例】営業部の若手社員
Will 顧客の潜在的なニーズを引き出し、最適な解決策を提案できるようになりたい
Can ・明るく、誰とでも積極的にコミßュニケーションを取れる

・傾聴力がある

・基本的なPC操作

Must ・新規顧客訪問数の月間目標達成

・既存顧客への定期的なフォロー

・商談後の報告書作成

【中堅社員】Will Can Mustの記入例

中堅社員は、これまでの経験やスキルを活かしつつ、さらに専門性を高めるとともに、、後輩育成やチームマネジメントに貢献する役割が求められます。WillとMustのバランスを意識し、より戦略的な目標設定ができるようなシートを作成できるとよいでしょう。

【例】システム開発部の中堅社員
Will 最新技術(クラウド、AI)を活用したシステム開発に携わり、プロダクトの企画段階から関わりたい
Can ・JavaやPythonを用いたシステム開発経験5年

・プロジェクトにおける要件定義・基本設計の経験

・若手メンバーのOJT経験

Must ・新規開発プロジェクトのリード

・既存システムの保守・改善

・若手エンジニアの技術指導

【プロフェッショナル層】Will Can Mustの記入例

管理職を含むプロフェッショナル層は、部門や組織全体の戦略に深く関わるため、部下やチームの成果を最大化することが求められます。

Willは組織全体のビジョンと連動し、Canはマネジメント能力や戦略策定能力が中心となるでしょう。Mustは、組織の成長や事業拡大に直結する内容が多くなります。

【例】人事部マネージャー
Will 働きがいのある組織づくりを通じて、社員のエンゲージメントと生産性を高めたい
Can ・人事制度設計・運用経験10年

・組織開発コンサルティング経験

・マネジメント経験

・コーチングスキル

Must ・社員の定着率向上

・採用競争力の強化

・組織エンゲージメントスコアの向上

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5.Will Can Mustのフレームワーク活用の具体的シーン

Will Can Mustの活用シーンとは、目標設定・昇進時・転職・新規プロジェクト始動など、キャリアの節目においてWill・Can・Mustを棚卸しし、方向性を定める場面のことです。

Will Can Mustフレームワークは、個人の目標設定だけでなく、ビジネスのさまざまなシーンで応用できます。ここでは、具体的な活用シーンを解説します。

目標設定

Will Can Mustフレームワークの最も基本的な活用シーンは、目標設定です。とくに、上司と部下の間で行われる目標面談において、このフレームワークは大きな効果が期待できます。

部下は自分自身のキャリアプランや目標を立てる際にWill Can Mustを整理することで、内発的な動機に基づいた納得感のある目標を設定できます。これにより、目標達成へのモチベーションが高まり、主体的に業務に取り組むことが可能になるでしょう。

上司は部下のWillやCanを理解した上で、組織のMustとすり合わせることで、部下の納得度が高い目標設定をサポートできます。これにより、部下は目標を「やらされ仕事」ではなく「自分の目標」として捉え、自律的な成長を促せるのです。

Will Can Mustに基づいて設定された目標は、単なるノルマ達成に留まらず、個人の成長と組織への貢献が両立する、質の高い目標となるでしょう。

役職変更時・昇進時

役職が変更になったり、昇進したりするタイミングは、Will Can Mustを見直す絶好の機会です。

新しい役職や役割に就く際には、それに伴うMust(組織から求められること)が大きく変化します。同時に、Will(やりたいこと)も新たな視点から見直すことで、これまで見えてこなかったキャリアの可能性を発見できるでしょう。

また、新しい役割を果たすために、これまでのCan(できること)をどのように活かすか、あるいは不足しているCanをどのように補っていくかを検討する必要もあります。こうしたタイミングでWill Can Mustを再評価すると、スムーズな役割移行と、新たな環境でのパフォーマンス最大化につながります。

キャリアの見直し・転職

自身のキャリアについて悩みや迷いがあるとき、あるいは転職を検討しているときにも、Will Can Mustフレームワークは強力な自己分析ツールとして役立ちます

自分のWill(本当にやりたいこと)、Can(得意なことや強み)、そして現在の職場や業界で求められているMust(やるべきこと)を客観的に見つめ直すことで、自分自身のキャリアにおける現状と課題を明確にできるでしょう。

また、転職を検討する際には、「どんな仕事がしたいのか(Will)」「どんな能力を活かしたいのか(Can)」「どんな会社で、どんな役割を求められたいのか(Must)」を明確にすることで、自分に合った企業や職種を見つけるための明確な軸を設定できます。

キャリアの見直しや転職活動において、Will Can Mustは、単なるスキルマッチングではなく、自己実現と組織貢献を両立させるための羅針盤となるのです。

新しいプロジェクトや事業の始動時

新しいプロジェクトや新規事業を立ち上げる際にも、Will Can Mustフレームワークはチームや個人の役割を明確にする上で非常に有効です。

Mustはプロジェクト全体の目的として機能します。具体的には、プロジェクトが達成すべき目標、顧客に提供すべき価値、市場でのポジションといった内容になるでしょう。

そして、各メンバーがプロジェクトを通じて「何をしたいのか(Will)」「どのようなスキルや経験を活かせるのか(Can)」を共有することで、メンバーのモチベーションを高め、適材適所の配置を促進できます。

新しい挑戦の場でWill Can Mustを活用することで、単にタスクを割り振るだけでなく、メンバー一人ひとりの主体性を引き出し、プロジェクトを成功に導くための推進力となるでしょう

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6.Will Can Must実践によるメリット

Will Can Must導入のメリットとは、企業側には社員エンゲージメント向上・適正配置・人材育成促進、社員側には自己理解の深化・やりがい向上・主体的なスキルアップといった効果が得られることです。

Will Can Mustフレームワークを導入して実践することで、企業と社員双方にメリットがあります。

ここではWill Can Mustフレームワークを導入することでのメリットを解説します。

企業側のメリット

Will Can Mustフレームワークの導入は、企業にとって以下のようなメリットをもたらします。

  • 社員のエンゲージメント・モチベーション向上
  • 人材の適正配置と離職率の低下
  • 組織開発・人材育成の促進

社員のエンゲージメント・モチベーション向上

社員が自身の「Will(やりたいこと)」を明確にし、それが組織の「Must(求められていること)」と結びつくことで、「やらされ感」が軽減され、仕事への主体性や意欲が向上します。

自分のWillが組織に貢献できることを実感すると、仕事へのやりがいが高まり、結果としてエンゲージメント向上につながるのです。

人材の適正配置と離職率の低下

Will Can Mustを把握することで、社員の適性や志向に合わせた配置が可能になります。社員が自身の強みを活かし、やりたい仕事に携われる環境は、早期離職の防止にもつながるでしょう。人材のミスマッチが減ることで、採用コストの削減にも寄与します。

組織開発・人材育成の促進

社員のWillとMustのギャップ、CanとMustのギャップを明確にすると、必要なスキルや知識を可視化できます。これにより、企業はより効果的な研修プログラムや能力開発機会を提供でき、戦略的な人材育成が可能になります。

社員側のメリット

Will Can Mustフレームワークは、社員個人にとっても以下のようなメリットがあります。

  • 自己理解の深化とキャリアの明確化
  • 仕事のやりがい・充実感の向上
  • 主体的なスキルアップ・成長

自己理解の深化とキャリアの明確化

自身の「Will」「Can」「Must」を言語化することで、自分自身について深く理解できるでしょう。これにより、漠然としたキャリアの不安が解消され、今後のキャリアパスを具体的に描けるようになります。

上司にも自分の考えやキャリア志向を明確に伝えられるようになると、社内でも理想のキャリアを築きやすくなるはずです。

仕事のやりがい・充実感の向上

WillとMustが結びつくことで、仕事に対するモチベーションが高まります。なぜなら、自分の仕事が組織に貢献していることを実感でき、充実感を得られるようになるためです。

また、日々の業務でも自分の役割を意識して主体的に行動できるようになることも、モチベーション向上に寄与します。

主体的なスキルアップ・成長

WillとMustの達成に必要なCan(できること)が不足している場合、それを補うためのスキルアップや学習意欲が自然と湧きます。そのため、主体的な自己成長を促せるでしょう。

Canを明確に理解できており、Willの実現のために不足していることも把握できているため、優先順位をつけてスキルアップに取り組めて、成長を効率化できます。

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7.Will Can Must導入の注意点

Will Can Must導入の注意点とは、個人のWillが組織のMustと乖離しすぎないよう調整すること、そして一度設定して終わりにせず定期的に見直すことの2点です。

  1. 組織のMustと乖離しないようにする — 個人のWillを尊重しつつ、組織のビジョン・目標との整合性を対話で調整する
  2. 一度設定して終わりにしない — 四半期・半期ごとの見直し、異動・プロジェクト変更時の再設定など、定期的にアップデートする

Will Can Mustフレームワークは非常に有効ですが、導入を成功させるためには上記のような注意点を押さえておく必要があります。

組織のMustと乖離しないようにする

Will Can Mustフレームワークは、個人のWill(やりたいこと)を尊重する一方で、組織のMust(求められていること)との整合性が重要です。

個人のWillばかりを優先し、組織の目標や戦略と大きく乖離してしまうと、フレームワークが本来持つ効果を損なってしまうでしょう。企業側は、社員に対して組織のビジョン、中期経営計画、部門目標などを明確に共有し、個々の社員が自身のMustを理解しやすい環境を整える必要があります。

そして、上司は、部下のWillとMustの間にギャップがある場合、一方的にMustを押し付けるのではなく、対話を通じてWillをMustにどう結びつけられるか、あるいはMustの中にWillを見出す視点を与えるなど、丁寧な調整を行うことが重要です。

一度の設定で終わりにしない

Will Can Mustは一度設定したら終わりではありません。ビジネス環境や個人の状況は常に変化するため、定期的な見直しが不可欠です。

四半期ごと、半期ごと、あるいは年間など、企業の人事評価サイクルに合わせてWill Can Mustを振り返る機会を設けましょう。また、新しいプロジェクトが始まる、部署異動がある、個人のスキルが向上するなど、変化があった際にはその都度Will Can Mustを見直す柔軟性も必要です。

定期的な1on1ミーティングなどを通じて、上司と部下がWill Can Mustについてオープンに話し合い、現状とのずれや今後の方向性のすり合わせが重要です。見直しを怠ると、せっかく設定した目標が形骸化し、フレームワークが機能しなくなる可能性があります。

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8.フレームを組織に浸透させるための仕組み

Will Can Mustを組織に浸透させる仕組みとは、1on1ミーティング・MBOへの組み込み・キャリアデザイン研修・人事評価制度との連動・柔軟な異動制度など、フレームワークを人事施策と連動させる取り組みのことです。

  1. 1on1ミーティングを実施する — 定期対話でWill・Can・Mustの変化を把握
  2. MBOに組み込む — 目標管理制度と連動させて形骸化を防止
  3. キャリアデザイン研修を実施する — 自己分析のスキルを全社員に付与
  4. 人事評価制度を連動させる — Will実現への行動を評価項目に反映
  5. 柔軟に人事異動できる制度を導入する — 社内公募・FA制度でWill実現の機会を提供

Will Can Mustフレームワークを単なる個人の目標設定ツールで終わらせず、組織全体に浸透させるためには、企業側が仕組みを整えることが重要です。

ここでは、浸透させる仕組みを紹介します。

1on1ミーティングを実施する

1on1ミーティングは、Will Can Mustフレームワークを組織に浸透させる上で最も効果的な手段の一つです。Will Can Mustを個人の成長と組織貢献に繋げるための重要なコミュニケーションの場となります。

定期的な1on1ミーティングを通じて、上司と部下がWill Can Mustについて深く対話する機会を設けましょう。上司は、部下の「やりたいこと(Will)」を積極的に引き出す質問を投げかけ、部下が自身の内面と向き合うことを促します。その上で、部下が自身の「できること(Can)」を認識し、上司がそれに対して具体的なフィードバックを与えることで、部下の強みを明確化していきましょう。

そして、組織の「Must(やるべきこと)」を部下に明確に伝え、その上で部下のWillやCanとどう結びつけられるかを共に考えることも大切です。これにより、部下はMustを「自分ごと」として捉え、主体的に目標達成に取り組めるようになります。

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MBOに組み込む

MBO(Management by Objectives:目標管理制度)は、社員が主体的に目標設定を行い、その達成度合いで評価する仕組みです。Will Can MustフレームワークをMBOに組み込むと、より実効性の高い目標管理が可能になります。

Will Can MustをMBOに組み込むことで、社員は単に与えられた目標を達成するだけでなく、自身のキャリアを意識し、より主体的に業務に取り組むようになるでしょう。また、企業側も社員のWillとCanを把握した上で、より戦略的な評価と育成を行うことができます。

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キャリアデザイン研修を実施する

Will Can Mustフレームワークの理解を深め、社員が自ら実践できるようになるためには、キャリアデザイン研修が有効です。

キャリアデザイン研修は、社員が自身のキャリアを自律的に考え、Will Can Mustフレームワークを実践していくための「型」を身につける機会を提供できます。

たとえば、Will Can Mustフレームワークの概念や活用方法を体系的に学んだり、自身のWill Can Mustを洗い出す演習を行ったりすると、フレームワークを「知る」だけでなく「使える」状態を目指せるでしょう。

人事評価制度を連動させる

Will Can Mustを組織に定着させるためには、人事評価制度との連動が不可欠です。Will Can Mustの観点を評価項目に加えると、社員はフレームワークの重要性を認識し、積極的に取り組むようになります。

人事評価制度と連動させることで、Will Can Mustが単なる「推奨される行動」ではなく、「評価される行動」となり、組織全体への浸透が加速します。

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柔軟に人事異動できる制度を導入する

Will Can Mustに基づいた社員のWill(やりたいこと)やCan(できること)を最大限に活かすためには、社内公募制度やFA制度のような柔軟な人事異動制度も重要です。自ら手を挙げられる機会があることで、WillとCanを活かせる機会を提供できるでしょう。

柔軟な人事異動制度は、社員のWillやCanを組織に還元する機会を増やし、結果として社員のエンゲージメント向上と組織全体の活性化に貢献します。

カオナビならWill Can Mustシートだけでなく、目標設定・人事評価シートなど、企業活動に欠かせないシートをクラウド化し、記載や管理を効率化します。また誰でも使いやすい操作性から、施策やシステム利用が浸透しやすくなります。

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9.よくある質問

Will Can Mustシートはどのくらいの頻度で見直すべきですか?

四半期に1回、または半期に1回の見直しが一般的です。リクルートでは半期ごとにシートを更新し、上司とすり合わせを行っています。ただし、部署異動・昇進・新規プロジェクトへの参画など大きな変化があった場合は、そのタイミングで随時見直すことが望ましいでしょう。定期的な1on1ミーティングの中でWill・Can・Mustの変化を確認する運用が効果的です。

Will Can Mustは個人だけで取り組むものですか?上司や組織はどう関わるべきですか?

個人の自己分析が出発点ですが、上司や組織の関わりが不可欠です。上司は1on1等で部下のWill・Can・Mustを把握し、組織のMustとの調整役を担います。特にWillとMustのギャップが大きい場合、対話を通じて「Mustの中にWillを見出す視点」を与えることが重要です。また、企業側はMBOや人事評価との連動、社内公募制度の整備など、Will実現を支援する仕組みづくりが求められます。

Will Can MustとOKR・MBOはどう使い分ければよいですか?

Will Can Mustはキャリアの方向性を整理する「自己分析フレームワーク」であり、MBO(目標管理制度)やOKR(目標と成果指標)は組織の成果を管理する「目標管理手法」です。実務では、まずWill Can Mustで個人の志向と組織ニーズの重なりを確認し、そこから導き出された目標をMBOやOKRのフォーマットに落とし込む、という併用が効果的です。Will Can Mustが「何を目指すか」の土台となり、MBO・OKRが「どう達成するか」の実行管理を担います。

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10.まとめ|Will Can Mustを使いこなすポイント

Will Can Mustを使いこなすポイントとは、環境変化に応じた定期的な見直し、チーム内でのオープンな共有、ギャップを成長機会と捉える姿勢の3つです。

Will Can Mustフレームワークは、個人が主体的にキャリアを形成し、組織が社員のポテンシャルを最大限に引き出すための強力なツールです。3つの要素を深く理解し、統合していくことで、個人は仕事へのモチベーションを高め、組織は生産性の向上と持続的な成長を実現できるでしょう。

Will Can Mustを使いこなすポイントは、以下の3つです。

  • ビジネス環境や個人の状況の変化に応じて見直す
  • 「Will Can Must」をオープンに共有し、対話のツールとして活用する
  • 「Will Can Must」のギャップを成長の機会と捉える

Will Can Mustフレームワークは、単なる目標設定の手法に留まらず、社員の主体性を引き出し、個人のキャリアと組織の目標を効果的に連携させるための羅針盤となります。ぜひ、Will Can Mustフレームワークを活用し、目標設定や人材育成の効果を高めていきましょう。

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