スキルマップとは? 導入する重要性と作成の仕方、活用方法

スキルマップをご存じでしょうか?

これは従業員の業務遂行能力をまとめた一覧表で、人材をより活用できる手段のひとつです。従業員のスキルを把握できるスキルマップを活用すれば、人員配置や人材育成がさらにはかどります。

  • スキルマップとは何か
  • スキルマップの重要性
  • スキルマップの作成に必要な事項や例
  • スキルマップの活用報

について見ていきましょう。

1.スキルマップとは?

skillmap_toha

スキルマップとは、従業員が業務を遂行するにあたって、必要な能力=スキルを持っているかどうかを確認、記録し、見える化するためのツールです。

従業員一人ひとりまたはグループや部門単位で、業務を遂行するうえでの知識や技術を誰が備えているか、ひと目で分かる一覧表といえます。従業員の業務遂行能力一覧表です。

スキル管理とは? 重要性、タレントマネジメント、スキルマップ、管理方法について
スキル管理とは、従業員の持っているスキルを可視化する仕組みのこと。人材資源を最大限活用するために導入する企業も多く、その有効性は広く実証されています。 スキル管理の重要性 タレントマネジメントとの関...

スキルとは?

job-description

スキルとは、技術力や知識、資格、管理者であれば管理能力など、業務を遂行するにあたって必要な能力で、経験値なども含まれます。たとえば、ホテルなどのサービス業においては、接客マナーやコミュニケーション能力や英語に関する能力が必要です。

仕事をスムーズに進めるうえで能力を満たしているかは、重要でしょう。しかし、一人ひとりの能力を正しく見極めることは難しいです。判断基準を明確にし、個人のスキルを正確に把握すれば、見極めが正確になります。

スキルマップで、従業員のスキルを正しく把握すれば、

  • 不足点
  • どういった目標を立てればよいのか

などを把握できます。

ISO9001の力量管理でもスキルマップを使用

serial-entrepreneur

ISO9001は、製品やサービスの質を管理するとともに、品質を高めて顧客が満足できるマネジメントの遂行を目的としているもので、国際標準化機構が定めた品質マネジメントシステムの国際規格です。

その目安のひとつが、従業員の力量(スキル)を把握し必要な教育や訓練を実施することで、そのためにもスキルマップが重要といえます。ISO9001の力量管理でも、スキルマップの使用は定番です。

スキルマップでそれぞれの従業員に必要な知識や技術を正しく把握すると、適切な教育や訓練が可能となり、具体的な内容を計画・実施できるでしょう。それを繰り返すことで、業務がスムーズに進行し、業績アップにつながるのです。

評価運用の効率と「質」を向上させるクラウドツール

  1. MBO・360度・OKR・1on1など、あらゆる人事考課運用をクラウドで実現可能
  2. 多彩な運用実績で作られたテンプレートを使って、考課シートを手早く構築
  3. 進捗状況が一目瞭然。催促メールで締め日までに確実に評価結果を回収できる
  4. フィードバック面談だけは“紙で”やりたいときは、帳票として出力可能

カオナビで評価運用をクラウド化して、圧倒的な効率化を実現!

> カオナビについて詳しく見る

2.スキルマップ導入の重要性

business_img32

ロールプレイングゲームには、各キャラクターがどのレベルの戦闘力や得意分野を持っていて、何が足りないかを把握するステータスが必ずゲーム上に存在します。

こういったゲームを楽しんだ経験のある人は、スキルマップの効果を簡単に想像できるでしょう。キャラクターの部分を従業員にあてはめれば、スキルマップの目的と重要性がわかるのではないでしょうか。

スキルマップの目的は、

  • 業務に必要なスキル一覧表が存在する
  • この業務は誰がよく知っているか、困ったとき誰に聞けばよいか

などが客観的に分かることです。

マニュアルを作成したほうがよい、どの人員がいなくなると困るのかなど、リスクが見える化されます。

さらに従業員各自がスキルチェックを行うことで得意分野や足りないスキルを見い出せます本人の目標設定や会社の人材育成計画の指標としても活用できるでしょう。

各スタッフの能力を「見える化」

skillmap_mieruka

スキルマップによって、各自のスキルが可視化されます。

  • 誰がどのようなスキルを持っているか
  • それによって何ができるか
  • 新規事業を始める際、誰に何ができるか

といった目安となるのです。従業員のスキルを「見える化」することで、仕事がスムーズに進むでしょう。

またスキルの「見える化」は、不足している点の把握にも役立つのです。不足しているスキルの教育や訓練を、適切に行えば、効率的な育成ができるでしょう。スキルマップは、的確なスキル管理をするための重要なツールとなります。

人材マネジメントを支える可視化とは? その意味と目的、人材の可視化が狙うべき効果
長らく日本企業の経営パフォーマンスを支えてきた、組織内の「暗黙知」を含む従業員の持つ技術や能力などの人的資産、組織文化などの無形資産。 今後も不確実性と厳しさを増す競争環境の中で、企業の価値創造力を高...

各スタッフのスキルアップ

ikusei_evangelist_nouryoku

全員が同じ仕事をしているわけではないため、すべての従業員に同じスキルが必要とは限りません。共通となるスキルもありますが職場や役職などによって必要なスキルや今後伸ばすべきスキルは異なるでしょう。

スキルマップでは、各自にどのような知識や技術が必要なのかを把握できますし、把握内容からどのような教育や訓練を行えばよいのかが、見えてくるのです。

従業員一人ひとりのスキルが高まれば、質の高い仕事が、効率よくスムーズにできますし、従業員が仕事に持つ意識の改革にもなるでしょう。

スキルアップとは? 意味と方法、効果、キャリアアップとの違い
「スキルアップしたい」というビジネスパーソンや、「社員をスキルアップさせたい」とお考えの企業の育成担当者は多いのではないでしょうか。 ここでは、 スキルアップの意味 キャリアアップとの意味の違い ス...

業務改善のための具体的な対策を明確化

business_img07

スキルマップを作成しただけでは、仕事に役立てることはできません。大切なのは、スキルマップを活用することです。より具体的な内容でスキルマップを作成すると、従業員のスキル把握と活用が可能になります。

また個々のスキルを具体的に把握すると不足している部分も見えますから、それに対してどのような教育や訓練が必要なのか掴むことができるのです。

必要な教育や訓練を実践することで個人のスキルがアップします。その結果、組織の活性化や業績アップにつながるのです。

3.スキルマップの作成に必要な事項とは?

スキルマップはそれぞれの企業や職場に適したものを作成しなければならないので、ほかの職場で使っていたものと同じものを使うことはできません。オリジナルのスキルマップを作成してこそ、効果が期待できます。

専門的な知識や技術は必要ありません。基本的な作成方法さえ理解していれば、職場に適したスキルマップを作成可能です。

誰がつくるのか?

business_img05

スキルマップは管理者である職場の上司が作成するケースが多いです。職場の上司が、部下のスキルを把握し、評価し、作成しますが自分で自分のスキルレベルを判断して作成するケースもあります。

しかし客観的な視点が必要なため、上司が評価し、必要に応じて訂正するという方法もあるのです。

マップ上に表示されるスキルはどう設定するのか?

ikusei_evangelist_shigoto

スキルマップのスキルは、どのような基準でどう設定すればよいのでしょう。その基本となる項目について説明します。

項目:どのスキルを評価対象にするのか?

selection-management-system

職場の流れや内容を考慮し、項目に必要なスキルを抽出しましょう。いくつかの階層を作成し、それぞれで必要な業務項目を埋めていきます。漏れのないよう洗い出していくとよいでしょう。

UISS

スキル標準としてよく知られているのが、情報処理推進機構(IPA)が公表している「情報システムユーザースキル標準(UISS:Users’ Information Systems Skill Standards)」です。ITを利用している自治体や企業がITスキルを身につけられるようITシステムの最適な配置と適確な人材育成のための指標を定義しています。

分類:スキルをどう体系立てるのか

スキルの分類は業務によって異なります。それぞれの業務の流れを確認しながら、必要とされるスキルを洗い出しましょう。業務項目から作業項目に分類すると、詳細な分類ができます。

スキルの分類は業務項目ではなく、技術や製品の種類などによって分類することもできます。

商品であれば、その商品ができるまでに必要となるスキルを洗い出してみてください。スキルの分類に悩んだ場合は、何のためのスキルマップか、という目的を再確認しながら考える必要があります。

階層:カテゴリー内の階層構造をどう構築するのか?

organization-chart

スキルマップのスキル項目は、最初の階層で業務内容、さらに次の階層で業務に関連する作業内容、といった具合に階層を作成するとよいでしょう。階層の数は業務によります。

あまり階層数が多いとスムーズに分析できなくなるため3~6階層程度にすると評価がしやすいです。

評価法:何段階評価にするのか?

business_img26

評価を何段階にするか? といった点は悩みどころのひとつでしょう。大雑把ではスキルを正確に把握できず、必要な教育を適切に実行できず、細かすぎれば管理しにくくなります。

何段階が適切なのかは、一概には言えません。職場の仕事内容や作業内容において、スキル評価の目的に応じて必要な段階を決めるとよいでしょう。

人事評価は5段階が多いと思いますが、実際のところ何段階が良いでしょうか?
人事評価の段階に関してはさまざまな議論があります。 中でも好ましいと紹介されているのは以下の意見です。 4段階もしくは6段階(標準や普通の評価をできるだけしないための処置) 7段階(標準・普通の中で...

定義:スキルの内容をどう設定するのか?

business_img33

スキルマップには技術や訓練をすることで得られる能力だけでなく知識や資格などもスキル項目として反映させましょう。

各スタッフのスキルレベルはどのように評価するのか?

business_img13

それぞれのスタッフのスキルレベルを決めておくことも必要ですのでスキルマップの目的を確認しながら、適切なレベル段階を決めるとよいでしょう。あまり細かすぎても、評価が難しくなります。業務などに適したスキルレベルをつくりましょう。

誰がスキルレベルを評価するのか?

reflection_kyoiku

前述したとおり、職場の直属の上司や本人がレベルを判断しますが、直属でない上司が評価する方法もあります。

直属でない上司もくわえることで、見えにくかったスキルレベルが判明することもあるのです。職場の雰囲気や社風、または仕事の内容によって、誰が評価するのかを決めるとよいでしょう。

評価基準はどう設定するのか?

評価基準はそれぞれの職場によって適切なレベルを設定します。たとえば、4段階に設定したとすると下記のような形になります。

  • レベル1 始めたばかりでサポート程度ならできる
  • レベル2 教えてもらいながら実践できる
  • レベル3 ひとりで実践できる
  • レベル4 ほかの人に教えることができる

誰がスキルマップを管理するのか?

business_img28

スキルマップの管理にはいくつかの方法があります。

  • 担当者や係を決めて管理
  • 評価をする上司が管理
  • 本人が管理をし、定期的に上司がチェック

などです。

いつ修正するのか?

business_img25

スキルマップは一度作成したからといって、永久的に同じ内容でよいとは限りません。業務内容の変化やニーズの変化などに伴い、変えていかなければならないのです。

またスタッフのスキルレベルがアップするなどの変化があれば、適切な修正が必要でしょう。スキルマップの内容は定期的に見直すことが重要です。

4.スキルマップの作成例

kikansystem_jirei

スキルマップはさまざまな業種や職種で活用されています。企業にとって、人材の育成は非常に重要なものですから、スキルマップを作成し、人材の育成に役立たせたいと考えるのは当然でしょう。

適切で効果的な人材育成方法のひとつとして、スキルマップはさまざまな企業で導入されています。まだ試みていない場合、具体的にはどのような内容なのか、気になるのではないでしょうか。営業部門、製造部門、経理部門の作成例を挙げてみました。

営業部門の場合

business_img22

営業部門では、

  • 顧客情報
  • コミュニケーションスキル
  • アプローチスキル

などさまざまなスキルが必要とされます。そういったスキルを身につけ、営業活動能力をアップさせることが目的です。

エクセルで作成した場合の例

エクセルの項目には、

  • 顧客についての把握力
  • コミュニケーション能力
  • 計画能力
  • 交渉力
  • 積極性
  • 商品における知識

といった内容が必要です。

製造部門の場合

just-in-time

熟練の技術を保有できる製造業ではスキルマップを使うことで、誰がどのようなスキルを保有しているか、どこまでの技術が必要なのかなどを正確に把握できます。重要な技術を正確かつ確実な形で次世代に伝達できるでしょう。

エクセルで作成した場合の例

エクセルでは製造過程における項目ごとに習得スキルのレベルを把握できるようにします。

  • 補助
  • 指導を受けながらできる
  • ひとりでできる
  • 指導ができる

といったレベルの基準を設定するのもよいです。

経理部門の場合

just-in-time

経理部門では、

  • 出納業務
  • 会計業務
  • 財務諸表の作成や分析

などのスキルが求められ近年では、資産運用に関する業務や税金関連の業務などもあります。個々のスキルを正確に判断することが大切です。

エクセルで作成した場合の例

経理部門では、資格に関するレベルもスキルマップに反映させましょう。どの部署に何の資格を有する従業員がどの程度いるか、といった情報をすぐに確認できます

5.スキルマップのメリットと活用方法

business_img09

スキルマップは、役職などで効果が変わります。

  • 経営者・管理職 従業員の能力開発計画の見える化、リスクの抽出と把握をするうえで重要
  • 従業員個人またはグループ、部門単位 現在のスキルレベルの段階を把握、目標を見える化して意識づくり、やる気を引き出す

一般的なスキルマップの作成方法には、

  • 縦軸 業務内容及び業務遂行に必要な技術や知識を記述
  • 横軸に従業員の名前を記述
  • 交差するところに達成度合いを示す評価レベルを記述

という形式があります。

「マニュアルを見て一人でできる」「業務内容を理解して遂行できる」など評価レベルの設定が必要ですが、心配することはありません。スキルマップ作成が簡単にできる人事管理システムなどが存在しますので、活用してみましょう。

人事管理システムとは? 機能、効果、導入メリット、選び方・比較のポイントについて
マイナンバー制度が施行されてから、人事管理システムの需要は広がりを見せています。現在では、人事部門の業務効率化に寄与するツールとして注目を集めていますが、提供会社によって管理方法や機能に違いがあるので...

ここからはスキルマップで得られるメリットについてお伝えします。

  1. 従業員の能力向上
  2. より効果的な従業員教育
  3. 組織の弱点を補う効率的なスタッフィング
  4. 業務の効率化
  5. 公平・正確な従業員の能力評価
  6. 従業員のモチベーションアップ

①従業員の能力向上

従業員教育を実践しているものの、結果が伴っているかまできちんと把握できないことも多いです。

スキルマップでは現在のスキルを客観的に把握し、どのスキルが不足しているか、何を目的とするかなどを正確に把握できます。その結果、段階的かつ着実にスキルアップできるでしょう。

②より効果的な従業員教育

スキルマップで従業員のさまざまなスキルを可視化できるため、適切な教育を絶妙なタイミングで計画的に実行可能です。職場全体と個人のスキルを把握するため企業としても効率的な教育体制が整うでしょう。

計画的な教育は、先輩の技術を後輩に受け継ぐことも可能とします。

③組織の弱点を補う効率的なスタッフィング

個々のスキルを正確に把握することで、本人と職場にとって適切な人員配置やローテーションなどが可能となります。新規事業の立ち上げやイベント開催などでも、必要なスキルや人材を的確にピックアップし、配置できます。

人員配置とは? 目的、考え方、最適化の方法、人員配置表について
人員配置とは、社内の人事を適材適所に配置し業務の効率化や最適化を図るための人事マネジメントのひとつです。人員配置は、社員一人ひとりの能力を見極めつつ、会社という大きな組織の目的達成をするために有効な手...

ジョブローテーションとは? 制度の目的、企業事例、メリット・デメリット、キャリアデザインについて
ジョブローテーションとは、職場や職種を異動してさまざまな経験を積んでいく制度のこと。 日本企業はジョブローテーションを効果的に活用し、柔軟な発想や多様な知識、幅広い人脈を生かして、従業員を多く育ててき...

④業務の効率化

  • 適切な部署に最適な人材を配置
  • 効率的な教育
  • 従業員一人ひとりのスキルアップ

などが業務の効率化をもたらすのです。必要な教育がタイミングよく実行できるため、無駄な教育がなくなり、効率的な教育環境を整えられるといえます。

⑤公平・正確な従業員の能力評価

従業員一人ひとりのスキルを管理職が正確に把握し、評価するのは難しいです。場合によっては、感覚や記憶に頼ることもあるでしょう。また人材配置が適切でないために、個人の成長をストップさせてしまうこともあります。

スキルマップを活用すれば、公平で正確な従業員の能力評価が可能です。

⑥従業員のモチベーションアップ

上司がスキルを公平・正確に評価することで、従業員のモチベーションがアップします。自分の仕事がきちんと評価されればやる気になるからです。

また上司の公平・正確な評価により自分のスキルを客観的に把握できるため、自ら学ぶ意識も高まります。

結果スキル向上につながり、さらにやりがいを持って仕事に取り組めるようになるでしょう。

モチベーションとは? 意味、構成要素、影響、効果、低下の原因、目標達成との関係、向上させる方法、人事施策について
充実した職業人生活や企業方針の実現に欠かせないモチベーションの向上。 ここでは、 モチベーションとは何か モチベーションの意味 モチベーションを構成する要素 モチベーションの影響や効果 モチベーショ...

組織図やマトリクスを駆使して実現するタレントマネジメント

顔写真が並ぶタレントマネジメントツール「カオナビ」なら、自社に合ったタレントマネジメントを実現します。

> カオナビについて詳しく見る

  1. 組織の今をダッシュボードでパッと把握。気になるところは顔ぶれまで確認できる
  2. 組織図で顔ぶれを俯瞰して人材配置を練れ、マトリクスで評価結果の甘辛調整もできる
  3. 最適人材をリストで管理し、可視化したスキルと経験で育成プランを立てられる
  4. 手軽に実施できる社員アンケートを使い、社員の声を拾って退職リスクも早期発見

カオナビでスキルや適正を可視化し、自在に人事シミュレーションが可能。

まずは資料をご確認ください。

> カオナビについて詳しく見る