セルフリーダーシップとは?【具体例で簡単に】高めるメリット

セルフリーダーシップとは、自分自身に対して発揮するリーダーシップのこと。具体例、メリット、身につける方法などを解説します。

1.セルフリーダーシップとは?

セルフリーダーシップとは、自分に対してリーダーシップを発揮すること。自身の目標達成に向けて主体的に行動を起こし、そのためのモチベーションも自分でコントロールしていきます。

なおセルフリーダーシップの範囲は、個人領域にとどまりません。たとえば所属する企業や組織への貢献を目的とする場合でも、セルフリーダーシップを持つ人は大きな力を発揮するでしょう。

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2.セルフリーダーシップが必要な理由

セルフリーダーシップは仕事上の目標の達成だけでなく、他者にとってよいリーダーであり続けるうえでも不可欠です。セルフリーダーシップが必要とされる理由を4つ説明します。

  1. 価値観の多様化
  2. リーダーシップ効果は不十分
  3. VUCA時代への変化
  4. 業務の高度化

①価値観の多様化

従来、企業側のキャリアパスを踏襲していけば、一定のキャリアやスキルを習得できました。しかし今日、仕事だけでなく人生そのものに対する価値観の多様化が進行。それにともなって自身が目指すキャリアやスキルなども多岐にわたるようになりました。

自身の価値を高めるには、セルフリーダーシップを発揮し、自ら主体的に行動していく必要があるのです。

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②リーダーシップ効果は不十分

いくら外部から働きかけても、本人が納得や理解をしていなければ「変わろう」というモチベーションは生まれません。リーダーシップのみでは、他者を動かすのが難しいのです。

そこでセルフリーダーシップを発揮してまず自分が変わり、周囲へよい影響を与えて変化を促すという方法が注目されています。

③VUCA時代への変化

VUCAとは予想不可能な現代の性質を表した言葉で、下記の頭文字をとった造語です。

  • Volatility(変動性)
  • Uncertainty(不確実性)
  • Complexity(複雑性)
  • Ambiguity(曖昧性)

とくに外的環境の変化は目まぐるしく、次々と課題が発生するでしょう。これらの課題へ迅速かつ最適な対応を取っていかなければ取り残されてしまいます。

VUCA時代を乗り越えるには各社員がセルフリーダーシップを発揮して、自主的に課題解決へ取り組む必要があるのです。

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④業務の高度化

多くの企業では、単純な仕事は派遣社員や機械に任せ、新入社員は早い段階から企画などの高度な仕事を割り当てるといったケースが見られるようになりました。

十分な経験のない新入社員が高度な仕事をこなすには、知識やスキルの習得が不可欠です。そこでセルフリーダーシップによる自主的な成長が必要になってきました。

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3.セルフリーダーシップとセルフマネジメントの違い

セルフマネジメントとは、自分の精神や体調を安定させて、よりよい状態へ改善していくことで、「自己管理」と訳されます。セルフリーダーシップの実行にあたっては、自身の状態を適切に管理するセルフマネジメントが欠かせません。

ここではいくつかの観点からセルフリーダーシップとセルフマネジメントの違いを見ていきます。

取り組む姿勢

いずれも主体性を持って行動する点が共通するものの、目的に取り組むときの姿勢は異なります。

  • セルフマネジメント:企業や組織の目標を達成するため、自身の心身状態を管理するという姿勢
  • セルフリーダーシップ:企業や組織の目標達成とともに、自身の成長や理想を実現しようという姿勢が強く現れる

そのためセルフリーダーシップを発揮すると、よりよい変化を生みやすくなるのです。

構成する要素

セルフリーダーシップとセルフマネジメントには、構成要素についても違いがあります。セルフリーダーシップを構成する要素の一例です。

  • セルフマネジメント力
  • 創造的問題解決力
  • 他者の行動を変えるコミュニケーション力
  • セルフマネジメントは、次のような要素で構成されます。
  • 問題への適応力や耐久力
  • 問題解決力
  • モチベーション管理力
  • 時間の管理力

つまり、セルフリーダーシップを発揮するにはまずセルフマネジメントを行い、最高のパフォーマンスを維持する必要があるのです。

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4.セルフリーダーシップの具体例

セルフリーダーシップでは、自身が望む結果を得るための行動と、他者とよい関係を築くための行動を平行します。たとえば以下のような行動が挙げられるでしょう。

  • つねに仕事や人生における目標を立て、見直すことを習慣づける
  • 自分自身の行動に責任を持つ
  • 批判的な意見にも耳をかたむけ、自分自身の成長に生かす
  • 新たな経験やアイデアを得るための行動を積極的に起こす
  • 自身を取り巻く人や環境からよい点や優れた点を見出す
  • 悲観的な思考を排除する

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5.セルフリーダーシップがないと起こる問題

社員がセルフリーダーシップを発揮しないと課題へ対応するのが難しくなり、自社の成長や発展が遅れる恐れもあります。

  1. 対応力の低下
  2. 企業成長の鈍化

①対応力の低下

セルフリーダーシップが身についていない社員が多いと、課題やトラブルへ迅速かつ適切に対応するのが難しくなります。このような社員は自主性が低く、「指示待ち」の状態に陥りやすいためです。

トラブルが生じてもその場で最適な判断ができず、上司の指示がなければ対応を取れないため、解決どころか二次被害を招く恐れもあります。

②企業成長の鈍化

セルフリーダーシップを発揮できない社員が多いと組織力が上がりにくく、自社の成長が鈍化する恐れもあります。このような社員は「責任感がない」「仕事に対するモチベーションが低い」「提案ができない」などの傾向にあるからです。

課題の解決が進まなければ、自社の成長や発展も難しくなるでしょう。利益を生み出しにくくなり、存続の危機を迎えるかもしれません。

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6.セルフリーダーシップを高めるメリット

セルフリーダーシップを高めると、社員のパフォーマンスが向上します。そのため企業も多くのメリットを享受できるのです。

  1. 成果責任のある業務の遂行
  2. 業務効率と生産性の向上
  3. 自己管理能力の向上
  4. 良好な人間関係の構築
  5. 組織全体の成長

①成果責任のある業務の遂行

自分がどのような行動を取るべきか、なぜそれが必要かなどを考えられるようになり、成果責任を持って業務に取り組めます。

自身で判断と行動を選択するとその過程や結果にて責任が発生するため、困難な状況に陥ってもやり遂げようとするようになるのです。その結果、より高い成果につながる可能性があります。

また意見や提案に論理性や説得力が増すため、自信を持って業務にあたれるでしょう。仕事に対するモチベーションを維持向上しやすくなります。

②業務効率と生産性の向上

自分で目標を設定し、達成するために必要な行動を選択し、優先順位を考えながら実行できるようになるからです。本人だけでなく周囲へもよい影響を与えるため、チームや部署の業務効率化が進んだり品質も高まったりし、組織全体の生産性も向上していくでしょう。

③自己管理能力の向上

セルフリーダーシップでは自分の目標や心身状態、時間やプロセス、行動などを自分で管理する必要があります。

自己管理能力が向上してこれらをつねに把握できるようになれば、状況が変化しても「今何をすべきか」「今何ができるか」を見極めやすくなるのです。

④良好な人間関係の構築

セルフリーダーシップが高い社員は、仕事に対して高い倫理観を持ち、周囲の人へ敬意を示す傾向にあるからです。論理的に物事を進められるため、周囲からの信頼も高まるでしょう。

そのため多くの社員をまとめるリーダーの育成において、セルフリーダーシップ研修を行う企業も少なくありません。

⑤組織全体の成長

セルフリーダーシップの考え方は、理想と現実の間に生じるギャップを解消するため、主体性を持って課題解決に取り組むこと。

これは組織におけるリーダーシップの考え方と同様です。セルフリーダーシップが身についている人材が多いほど組織力が高まり、企業全体の成長や発展の実現に近づきます。

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7.セルフリーダーシップを身につける方法

セルフリーダーシップを身につけるには目標や実行、検証といったサイクルを日々回していく必要があります。また本人のみならず、企業側の協力も欠かせません。

  1. 現状と理想の差を分析
  2. 自分の成果の評価
  3. 業務での実践
  4. 職場環境の構築
  5. 研修の受講

①現状と理想の差を分析

まず自身が理想とする状態を決めます。実現できない理想であってもかまいません。次に現状を把握し、理想と現状のギャップを分析します。両者の差が明確になると、理想を実現するためにとるべき行動とそれらの優先順位が明確になるからです。

また行動の成果や改善点などを検証するために、各行動には具体的な目標を設定しておきましょう。

②自分の成果の評価

理想を実現するために行動を起こしたら、その成果を定期的に評価します。自身が取った行動とそれにともなう結果から、理想に近づけたかを分析し、反省点があれば改善方法を考えて行動を改善するのです。

このサイクルを回し続けるほど、理想と現状のギャップが埋まっていくでしょう。この評価を行うためには、一貫した基準を設定するのも大切です。

③業務での実践

セルフリーダーシップを身につけるためにも、先ほどのサイクルを個人的な範囲内で完結させず、業務で実践しましょう。自身の考えを同僚と共有できたり、上司からのフィードバックを得られたりするからです。

これらはモチベーションを高める要因となりますし、先に挙げたサイクルにおいて、行動を改善するステップにも役立ちます。

④職場環境の構築

セルフリーダーシップを身につけるためには、実務での実践が必要となるため、企業側は職場環境を構築してサポートしましょう。

たとえば「声かけの回数を増やす」「誰もが本音で議論できる場を設ける」「ほか部署の社員とコミュニケーションを取る機会を作る」など。これらの施策は心理的安全性の確保にも役立つため、チームワークの向上も期待できます。

⑤研修の受講

セルフリーダーシップ研修を開催すると、セルフリーダーシップの考え方や取り組む際のマインドセット、目標や行動計画の策定といったスキルを習得できます。

ロールプレイやケーススタディなどが含まれていれば、業務で実践する前にイメージをつかめるでしょう。上司や人事担当者などもセルフリーダーシップへ参加すると、本人へのバックアップ体制を構築しやすくなります。

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8.7つの習慣の『セルフ・リーダーシップ』とは?

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