労働基準法が定める休日とは?【最低ライン】日数、休日出勤

労働基準法では、就業規則に必ず記載しなければならない事項を定めており、休日はその事項のひとつです。法律における休日の定義や、違反時の罰則、一度決めた休日規定を変更する際に気をつける点について解説します。

1.労働基準法で定められている休日の定義やルールとは?

就業規則をつくる際は、労働時間や休日についての規定を必ず盛り込まなくてはならないものの、労働基準法で定められた定義やルールに則る必要があるのです。

労働基準法による休日の種類や注意すべき点をしっかり把握、理解して、自社の就業規則をチェックしましょう。

  1. 法定休日
  2. 法定外休日
  3. 振替休日
  4. 代休
  5. 年間休日105日が一般的

①法定休日

法定休日とは、企業が従業員に対して必ず付与すべき休日のことで、労働基準法にて定められています。曜日や日付に関する制約はないものの原則、週に1回以上または4週間に4日以上与えるとされているのです。

週休が2日以上設けられている企業は、就業規則に法定休日の曜日を指定しておく必要があります。法定休日に労働させた場合、休日労働に対する割増賃金が発生するので注意しましょう。

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②法定外休日

法定外休日は、法定休日とは別に、企業によって決められた休日のこと。労働基準法では労働時間についても明確に決めており、1日8時間・1週間40時間を超過する労働は基本、認められていません。

法定休日は毎週1日または4週間のうち4日以上与えると決まっているので、1日8時間・週5日働く人には、1週間に2日間の休日が与えられます。そのうち1日は法定休日にあたり、もう1日が法定外休日として企業が与える休日です。

③振替休日

労働基準法における振替休日とは、もともと休日予定だった日を労働日とし、ほかの労働日を休日に充てること。その日は労働日に振り替えられるため、休日労働への割増賃金を支払う必要はありません。

しかし「振替休日が翌週以降になる」「振替勤務があった週の労働時間が法定労働時間の40時間を超える」場合、時間外労働による割増賃金が発生するので注意しましょう。振替休日について気をつけるべきことは下記4点です。

  • 振替休日に関するルールを就業規則に明記する
  • 振替休日は特定の日を指定する
  • 振替勤務日の前日までに振替休日を通知する
  • 振替休日はなるべく振替勤務日に近い日に設定する

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④代休

代休とは、企業が従業員に休日労働をさせたあとで、埋め合わせに与える休日のこと。振替休日と異なり、休日と勤務日を交換する通知や代わりの休日の決定は事前に行われません。

なお代休が適用される場合の勤務日が振替勤務日に変更されていないので、法定休日に休日労働をさせたことになり、割増賃金が発生します。

⑤年間休日105日が一般的

労働基準法で定められた年間休日の最低日数は105日です。原則、労働時間の上限は1日8時間・週40時間までと決められています。1日8時間の勤務を考えた場合、最大で週5日、年間52週で合計260日間が労働日となり、残り105日が年間休日の最低日数です。

年間休日を105日以上確保できない場合は労働基準法違反となります。

労働基準法では休日の日数や種類、付与ルールや罰則を定めているのです。運用は法律の範囲内で企業ごとに委ねられているため、就業規則を確認しましょう

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2.そもそも労働基準法とは?

労働基準法とは、従業員の権利を保護するために定められている、労働条件に関する法律のこと。主なルールには下記のようなものがあります。

  • 労働時間や休憩時間、休日に関する基本ルールを守って就業規則を作成する
  • 労働契約を結ぶ際に労働条件を明らかにし、書面を交わす
  • 時間外労働や休日労働をさせた場合、割増賃金を支払う
  • 条件を満たした全従業員に年次有給休暇を10日間付与する
  • 就業規則は配布や掲示によって全従業員に周知させる

従業員を雇用する企業すべてに適用され、違反した場合は罰則対象となります。

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労働基準法の改正の歴史

1947年に労働基準法が制定された際、「1日8時間・週48時間の労働」や「時間外労働に対する割増賃金25%以上」など、最低限の労働条件が定められました。

1986年には「法定労働時間を週40時間に短縮」「変形労働時間制の導入」などが盛り込まれ、1993年以降「裁量労働制の法整備、範囲拡張」「時間外労働の制限」などが定められたのです。

さらに2000年の改正では「月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金50%以上」などを定め、2018年の改正では「時間外労働の上限規制(原則月45時間、年360時間)」などを定めています。

労働基準法は従業員を守るためにある法律で、最低労働条件やルールについて細かく決められているのです。その内容は従業員や企業を取りまく社会背景や課題に応じて、改正が重ねられてきました

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3.労働基準法における「休日」と「休暇」の違いとは?

労働基準法では従業員が休むことを「休日」と「休暇」で表現しています。定義や概念をはっきり区別して使用しており、それぞれにかかわるルールや、違反した際の罰則も異なるのです。意味を混同しやすいので注意しましょう。

  1. 休日の定義について
  2. 休暇の定義について

①休日の定義について

労働基準法における休日とは、従業員に労働義務がない日のこと。労働義務が発生しない日なので無給となります。従業員の権利である年次有給休暇や、雇用や生産調整のような企業都合の休業によるものは含みません。

企業は従業員を休ませる義務があり、週に1日以上または4週に4日以上の休日を与えない場合、罰則の対象となります。

休日に従業員を働かせるためには休日労働を認める労使協定(36協定)を結ぶ必要があり、企業は従業員に休日労働に対する割増賃金を支払わなければなりません。

②休暇の定義について

労働基準法での休暇とは、労働日に労働義務を免除される日のこと。休日は義務ですが、休暇は従業員の権利です。なお労働基準法で定められている主な休暇には、年次有給休暇(年休)があります。

6カ月以上の継続勤務、全労働日8割以上の勤務実績がある従業員は、勤続年数に応じて年休取得が可能です。

企業には条件を満たした従業員全員に年休を与える義務があり、違反すると罰則が科されます。そのほか企業独自の休暇制度を設けているケースもあるようです。

普段の会話では混在して使用する場合の多い「休日」と「休暇」ですが、運用上の都合から法律では区別して使い分けています

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4.労働基準法で定められている休日に関しての罰則

労働基準法では、企業は従業員に1週間に最低1日、あるいは4週間に4日の休日を与えるよう定めており、この最低限与えられるべき休日を法定休日と呼びます。法定休日を正しく従業員に与えない場合、法律違反にあたり、罰則が科されるのです。

休日を与えなかった場合の罰則

企業が従業員に対して毎週少なくとも1回または4週間に4日以上の休日を与えない場合、労働基準法により6か月以下の懲役または30万円以下の罰金を科されます。

休日の曜日は固定しても変動させても問題ありませんが、同じ日付の0時から24時までの連続した24時間を設定しなければなりません。

たとえば前日12時から24時までと、翌日0時から12時までの合計24時間を休ませても、休日を与えたとはならないため注意が必要です。

休日に出勤させる場合の対応

法定休日に従業員を出勤させる場合、従業員の過半数を代表する人または労働組合と「時間外労働・休日労働に関する協定」をあらかじめ締結する必要があります。通称36協定(サブロク協定)と呼ばれ、企業は下記に注意しなければなりません。

  • 労働基準監督署長に届け出を行う
  • 就業規則や労働契約などに、36協定による時間外労働や休日労働の指示が可能な旨を明記する
  • 36協定の内容について、掲示や書面配布などにより従業員に周知する
  • 時間外労働・休日労働をさせた従業員には割増賃金を支払う

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従業員に法定休日を与えることは、企業の義務として労働基準法で定められています。違反すると罰則が科されるのです

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5.労働基準法に定められている休日が少ないまたは取得できない場合の対処法とは?

本来、企業が労働基準法を遵守して制度設計すべきですが、従業員側も目を光らせる必要があります。自社の年間休日が少なく、十分な休息が取れていなかったり、支払われるべき残業代がもらえていなかったりする場合、以下の方法で企業側と交渉しましょう。

年間休日数を増やすよう企業と交渉する

「年間休日数が少なく、従業員に心身を休める余裕がない」「健康を害するほど長時間労働になる」場合、その企業は安全配慮義務違反にあたる可能性があります。

業種や1日の労働時間、採用している労働時間制度によるものの原則、年間休日数の下限は105日。「年間休日が105日未満しか与えられていない」「あるいは現在の年間休日数では健康的に働くことが難しい」場合、年間休日を増やすよう企業側と交渉しましょう。

個人で行うのが難しいのであれば、担当部署や上司、労働組合などに相談し、協力を仰ぐのがおすすめです。

労働基準監督署に相談する

年間休日が少ない場合の対企業交渉、是正に対する働きかけについて、労働基準監督署に相談するのも有効な方法です。労働関係の法律のプロが無料で相談に乗り、必要に応じて企業への聴取や調査、指導なども無料で行います。

しかし労働基準監督署による立ち入り調査や指導は、全件で行っているわけではありません。労働基準監督署に相談するなら、企業に対して請求を行った経緯についてまとめ、違法行為が示された明らかな証拠を用意しておきましょう。

年間休日が不足しているときは、企業に年間休日の増加を交渉しましょう。対等な立場で交渉できる状態を整えるか、証拠を持って労働基準監督署に相談するのが有効です

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6.休日出勤した場合の残業代の計算式

休日に従業員を勤務と残業をさせた際、労働基準法の第37条で定められているとおり、割増賃金を支払わなければなりません。

法定休日と法定外休日では割増率が異なり、休日労働で残業をした従業員に対して、法定休日は35%以上、法定外休日は25%以上の割増賃金を支払う義務があります。

法定休日に残業をしたときの残業代

法定休日に休日労働させた場合、企業は従業員に35%以上の割増賃金を支払います。法定休日の時間外労働に対しては、別で時間外手当を支払う必要はありませんが、22時以降の深夜勤務については、別途深夜手当が発生して50%以上の割増率が適用されるのです。

法定休日に休日労働をしたときの残業代は、以下の計算式でおこないましょう。

  • 基礎賃金を求める:「月給(手当は一律支給のものを含めて計算)÷1年間の1カ月平均所定労働時間」
  • 基礎賃金に割増率と残業時間をかけて算出する:「基礎賃金×1.35(深夜帯は1.6)×残業時間」

法定外休日に出勤したときの残業代

法定外休日に従業員を働かせた場合、法定労働時間である1日8時間、週40時間を超過すると25%の割増賃金が適用されます。また深夜勤務では別途手当を支払うため、50%以上の割増率になるのです。

法定外休日に休日労働をしたときの残業代は以下の計算式で行いましょう。

  • 基礎賃金を求める:「月給(手当は一律支給のものを含めて計算)÷1年間の1カ月平均所定労働時間」
  • 基礎賃金に割増率と残業時間をかけて算出する:「基礎賃金×1.25(深夜帯は1.5)×残業時間」

休日出勤する場合の残業代は、休日の種類や時間帯によって異なります。休日出勤した従業員の賃金を計算する際は、これらの点に注意しましょう

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7.労働基準法で定めている休日の「法定休日」は変更できる

就業規則で法定休日を特定日に定めている場合、企業は規則を守る必要があるものの、労働条件の改善や業務上の必要性など合理的な理由があれば、法定休日を変更できます。ただし法定休日を変更する際は原則、従業員すべての同意を得なくてはなりません。

法定休日を特定することが理想

休日について就業規則を作成する際、「毎週日曜日を休日と定める」のようにできるだけ具体的に曜日を特定することが推奨されています。

振替休日や代休の問題、休日労働や深夜労働の割増率の問題など、トラブルを回避して適切に対応するために特定日を設けることは重要です。

労働基準法にもとづいた「1週間に1日の休日を与える」「4週間に4日の休日を与える」という表現でも、法律上は問題ありません。

法定休日によって裁判になるケースもあるので注意が必要

労働基準法では、特定期間中に与えるべき法定休日の日数について定めていますが、日付を特定する必要はありません。一方、厚生労働省は、法定休日と法定外休日の区別と、就業規則での明示を勧めています。

しかし賃金や残業代の請求をめぐる労使間紛争では、法定休日の規定が明確になっていないため企業側が不利になったケースも少なくありません。

法定休日の特定については判例によって見解が違うため、無用な労使間の争いを避ける意味でも、法定休日は就業規則で明示しておいたほうがよいでしょう。

法定休日を変更する場合の手続きと流れを紹介

就業規則で一度決められた法定休日の特定方法は、合理的理由があれば変更可能です。原則、従業員全員の同意が必要ではあるものの、業務上の必要性などを理由に適切な手続きを経たうえで変更できます。

  • 法定休日の特定方法について経営層で合意
  • 従業員の過半数代表者から意見書を収集
  • 就業規則変更届を作成
  • 就業規則、従業員からの意見書、就業規則変更届を担当の労働基準監督署に提出
  • 全従業員に就業規則変更を周知

企業は就業規則で定めた法定休日のルールを守る義務があります。正当な理由があれば、必要な手続きを正しく行ったうえで変更可能です