ポテンシャルとは?【意味をわかりやすく】採用、高い人

「ポテンシャル採用を実施しよう・ポテンシャルが高くて素晴らしい」など、さまざまなシーンで用いられる「ポテンシャル」。ニュアンスや何となくの意味は分かっているものの、詳しい使い方や意味までは把握していない人も多いのではないでしょうか。

1.ポテンシャルとは?

ポテンシャル(potential)とは、潜在能力や可能性、将来性を意味する言葉です。ビジネスでも同様に、将来的な才能開花や有望さが見込める人を表すときに「ポテンシャルがある」と表現します。一般的にポテンシャルが高い人=ビジネスシーンで活躍できる人として認識されます。

潜在能力と顕在能力の違い

潜在能力と顕在能力、2つはよく似ているもののそれぞれ逆の能力を意味しています。2つの違いは下記のとおりです。

  • 潜在能力:自分自身では意識的に使えない能力。他人はもちろん本人もその能力に気付かない場合も
  • 顕在能力:自分で意識的に使える能力

ポテンシャルの語源

「ポテンシャル」は英語のpotentialをカタカナ読みした言葉で、語源はラテン語の「potent(力、可能性)」に由来します。ここから「目に見えない力」という意味に派生して「potential・possible・power」などの英単語が生まれたとされているのです。

一般的には期待を込めた誉め言葉として用いられるものの、「脅威となる力」という意味で用いる場合もあります。

ポテンシャルとモチベーションの違い

「モチベーション(motivation)」は、「モチベーションが高い」「モチベーションを発揮する」などポテンシャルと似たような使われ方をするのです。

一般的には、「ポテンシャル=潜在能力」「モチベーション=やる気」と区別されます。動機付けというニュアンスでは同じなものの、モチベーションには意欲ややる気などの「気持ち」が含まれているのです。

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ポテンシャルの類義語や言い換え表現

「ポテンシャル」の類義語や言い換え表現として挙げられるのは、次の用語です。

  • 可能性:実現できる見込みや顕在的な発展性を秘めている状態
  • 潜在能力:表面には現れていない、内に潜んだ能力
  • 将来性:将来の発展が見込まれる状態
  • ケイパビリティ:企業全体が持つ組織的な能力や企業成長の原動力となる強み

ビジネスシーンにおける「ポテンシャル」とは、成長できる可能性や将来性のことです。表面化しておらず、これから上昇する可能性がある能力を指しています

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2.ポテンシャルに含まれる能力

「ポテンシャルが高い・ポテンシャル採用を導入しよう」といった使われ方をする「ポテンシャル」。そんな「ポテンシャル」に含まれる以下6つの能力について説明します。

  1. 分析力
  2. 思考力
  3. 実行力
  4. 客観性
  5. 成長意欲
  6. 責任感

①分析力

「分析力」とは複雑な事象をひとつひとつの要素に分けて、それらの構成などを明らかにする能力のこと。莫大なデータを正確に理解するために、全体を捉えたうえでそれぞれの関係性がどうなっているのか、追求する力です。

代表的な能力として、自分のことを客観的に捉えて目指す姿との差異を修正する「自己分析能力」があります。

②思考力

「思考力」とは、自分中心に物ごとを考えるのではなく、自分の思考の癖を捉えて理解し、顧客や相手との共通点や相違点を見出す能力のこと。

「相手が間違っているのではなく、自分が間違えているのではないか」と自分の考えを客観的に捉え、いくつもの可能性を考えて、そのときに最適な選択肢を判断する力ともいえるでしょう。

③実行力

ビジネスにおける「実行力」とは、物事に取り組み、やり抜く力のこと。「計画性の高さ」という解釈もできます。

実行力を身に付けると、段取りを決めて計画性を持って物事に取り組めるのです。実行力に比べてやや計画性が薄いものの、とにかく動き出す力を意味する「行動力」とあわせてポテンシャル能力のひとつに数えられます。

④客観性

「客観性」とは、第三者の視点から物事を冷静に判断して、より柔軟に現状の分析を行う能力のこと。「客観性」を持って物事を見ていければ、問題点をより正確に把握できます。

自分を客観的に捉えて目標とする姿との差異を正確に知り、そこに向けて軌道修正できる人材は、まさに「ポテンシャルの高い人材」といえるでしょう。

⑤成長意欲

「入社したばかりの頃は仕事を覚えるのが楽しく、積極的にスキルを身に付けられたが、ある程度仕事を覚えてルーチンワークばかりになってくると面白さがなくなってきた」「成長速度が停滞してきた」という経験を持つ人も存在するでしょう。

継続的な成長を続けるための「成長意欲」を持ち続けられる人は、ポテンシャルが高いといえます。

⑥責任感

「任せられた仕事に責任をもって取り組めるのは、ポテンシャルが高い証です。「責任感」の強い人は業務を中途半端にしたり、途中で投げ出したりしません。課題に直面しても自ら改善策を考えて実行する能力を持っています。

ビジネスシーンでは、言動のすべてに責任がともないます。責任感を持つと、物事をしっかりと考え、客観性を持って行動できるのです。

ポテンシャルが高い人はこれらの能力を持っている

ポテンシャルに含まれる能力には「分析力・思考力・実行力・客観性・成長意欲・責任感」の6つがあるものの、すべての人材に当てはまるとは限りません。しかしポテンシャルが高いといわれる人は、この6つの能力が高い傾向にあるのです。

今の能力では不十分だと感じる人材でも、内に可能性を秘めている場合もあり得ます。

ポテンシャルには自己分析能力や客観的な思考、成長意欲などの能力が含まれているのです。ポテンシャルを高めるには主体的な行動が必要です

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3.ポテンシャルを高める方法

潜在的能力や将来性を意味する「ポテンシャル」を高めて成長余地を作るには、どのような方法が有効なのでしょう。ここではポテンシャルを高める考え方や、ポテンシャルを高めるための行動について説明します。

ポテンシャルを高める考え方

ポテンシャルを高めるためには、何よりも「意識を強くすること」が重要です。ポテンシャルが低い人には「意志が弱い・心がけや何かを成そうとする意欲が低い」といった共通点があります。

たとえ本人に潜在能力が潜んでいても、強い意思や意欲がなければポテンシャルに気付けません。つねに向上心を持ち、成長し続けることが重要になります。

ポテンシャルを高める行動

ポテンシャルを高めるには、以下の方法が効果的です。

  • 目標を明確にする:将来どのような働き方をしたいのか、どのような人材になりたいのかなど具体的な目標を定める。目標を設定すると必要なアプローチや期間、軌道修正がしやすくなる
  • 振り返りの時間を設ける:課題や短所、長所を見つける
  • 行動を習慣化する:日々の習慣にして生産性の向上や効率化、ライフワークの構築を進める

ポテンシャルが高い人と交流して、考え方や行動を自身に取り込む方法も効果的です

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4.ビジネスにおけるポテンシャルの使われ方

「可能性がある・潜在的な能力を秘めている」などさまざまな意味を持つ「ポテンシャル」。ビジネスシーンでは主に「成長の可能性」「現時点から上昇する可能性を見込んだ将来性」といった意味で使用されます。

ここでは近年注目されている「ポテンシャル採用」について解説しましょう。

ポテンシャル採用

「ポテンシャル採用」とは、これまでの実績や経験ではなく、応募者の将来性や潜在能力を重視した採用方法のこと。

メリットは幅広い層からの応募が見込める点です。未経験を前提としたものも多く、応募者は現時点でスキルや実力が不足していても応募できます。企業は今後の成長を見込んだ人材が採用できるのです。

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ポテンシャル採用の実例

2016年に新卒一括採用を廃止したヤフーでは、平等な採用選考機会の提供また就職活動時期の多様化に対応する目的で、ポテンシャル採用を導入しました。

またサイボウズではIT業界未経験、職種未経験でも応募できるポテンシャル採用を導入。人材不足や年齢構成の歪みを解消するため、さまざまな企業でポテンシャル採用の導入が進められています。

面接時にポテンシャルを見極める方法

ポテンシャル採用では経歴や実績に書かれていない候補者の将来性、可能性を判断します。面接時、採用担当者はどのような方法で応募者のポテンシャルを見極めればよいのでしょうか。ポテンシャルを見極めるポイントは次の3つです。

  1. キャリアプランの有無を確認
  2. 社会人に必要な基礎スキルの有無を確認
  3. 面接以外のコミュニケーションを確認

①キャリアプランの有無を確認

経験や実績をともなわないポテンシャル採用では、候補者のキャリアに対する目標、将来設計、成長意欲などを見極めます。応募者が具体的な目標を持っていれば、仕事に対する積極的な姿勢が期待できるのです。

面接の際は「人生の目標や将来の夢は」「ビジョンを実現するために弊社ではどのような働き方をしたいか」といった質問を通じて、応募者のキャリアプランや成長意欲を見極めましょう。

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②社会人に必要な基礎スキルの有無を確認

言葉遣いやマナー、コミュニケーション能力などは、どの仕事でも必要な基礎的能力。面接時の言葉遣いや身だしなみ、書類の書き方などを見て、社会人としての基礎的なスキルを見極めましょう。

社会人としての基礎スキルを持った人材が確保できる点は、ポテンシャル採用のメリット。しかし不足している場合でも長期的視野で考え、自社で成長できる機会を用意しておくことが必要です。

③面接以外のコミュニケーションを確認

面接時の質問だけでなく、質問前後の何気ないやりとりや雑談、面接の日程調整や社内案内時など、面接以外のコミュニケーションからも応募者のポテンシャルを見極められます。

「面接の最中は好印象だったが受付に横柄な態度を取る姿を見てしまい、それがきっかけとなって採用をやめた」という例もあるほど。ポテンシャル採用では、応募者のさまざまな言動から総合的に見極めましょう。

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ポテンシャルという言葉を使った例文

「ポテンシャル採用」以外にも、ビジネスではさまざまなシーンで「ポテンシャル」という用語が使われています。

たとえば「今年の新入社員はポテンシャルの高い人が多い・彼女のポテンシャルをもっと引き出そう・あなたのポテンシャルの高さに期待して採用を決めました」などです。相手を褒めるまた期待するときなどで、「ポテンシャル」という言葉が使われます。

ポテンシャルを見極める際は、仕事の遂行能力を見たいのか、コミュニケーション能力を重要視しているのかなど、見極めたい事象を具体的にしておきましょう

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5.さまざまな分野におけるポテンシャルの使われ方

ここまではビジネスの分野における「ポテンシャル」の使い方について説明してきました。「ポテンシャル」という言葉はもともと物理用語として生まれた背景もあり、ビジネス以外にもさまざまな分野で活用されています。

物理学

物理学でのポテンシャルは「位置エネルギー」を意味します。ボールを持ち上げて離したシーンを想像してみてください。持ち上げたボールは手を離した瞬間に重力の作用を受けて落下します。

最初にボールを持ち上げた時点で重力のエネルギーを蓄えたのです。この蓄えられたエネルギーを「位置エネルギー」もしくは「ポテンシャルエネルギー」といいます。

スポーツ

「ポテンシャル」はスポーツのシーンでも多く使われます。高校野球では将来の伸びしろという意味で、プロ野球ではまだ発揮しきれていない潜在能力という意味でポテンシャルという言葉を使用するのです。

またサッカーでは、「テクニックがある・走るスピードが速い」など、選手を評価する際に使用します。いずれも選手の潜在能力や可能性として持つ力を表現した言葉です。

車の性能や装備について表現する際も「ポテンシャル」という言葉が使われます。

たとえば「新車の段階ではこの車のポテンシャルを発揮しきれないが、乗りこなしていくうちに本来のポテンシャルを引き出せる。性能が強化された新車種のポテンシャルは計り知れない」など。

いずれも秘められた可能性に期待している、将来的な成長を望んでいる、という意味が込められています。

ポテンシャルはビジネスだけでなくスポーツや物理学、車の性能などさまざまなシーンで使われている言葉です