アルバイトにとっての雇用保険とは? 加入条件、掛け持ちの場合、手続き

人手不足対策のひとつにアルバイトの雇用があります。短時間のアルバイトを雇用するときも、雇用保険に加入させなければならないのでしょうか。

1.アルバイトにとっての雇用保険とは?

アルバイトにとっての雇用保険とは、フルタイムで働いた場合に加入できる保険制度のこと。雇用保険は政府が定める強制保険制度です。雇用形態を問わず、必要な条件を満たしていればどういった人も加入義務があります。加入したくなければ入らなくていいわけではありません。

雇用保険制度とは、失業者を守るために政府が定めた強制加入保険制度のこと。目的は、労働者が失業した際、必要な手当を給付して生活と雇用の安定を図り、再就職活動に専念できるように援助することです。

労働者を1人でも雇っている事業主は、雇用保険への加入が義務付けられています。

雇用保険の保険料と支払い方法

雇用保険料は、会社と労働者で折半して支払います。労働者が負担する保険料分は毎月の給与から天引きされていますので、支払いの手続きは必要ありません。

一般の事業における労働者と会社の分割率は、労働者0.3%・会社が0.6%と、会社が多く保険料を支払う決まりです。なお農林水産業や清酒製造業、建設業の場合は分割率が異なり、労働者0.4%・会社が0.7%や0.8%となります。

雇用保険は強制加入保険です。会社は労働者を1人でも雇ったら加入しなくてはなりません。会社と労働者の双方で割合が決まっており、それぞれに応じた金額を支払います

部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは?

・1on1の進め方がわかる
・部下と何を話せばいいのかわかる
・質の高いフィードバックのコツがわかる

効果的に行うための1on1シート付き解説資料をダウンロード⇒こちらから


【評価業務の「めんどうくさい」「時間がかかる」を一気に解決!】

評価システム「カオナビ」を使って評価業務の時間を1/10以下にした実績多数!!

●評価シートが自在につくれる
●相手によって見えてはいけないところは隠せる
●誰がどこまで進んだか一覧で見れる
●一度流れをつくれば半自動で運用できる
●全体のバランスを見て甘辛調整も可能

カオナビの資料を見てみたい

2.アルバイトも雇用保険に加入できる

社会保険のひとつである雇用保険は、正社員や契約社員だけが対象と思われがちです。しかしアルバイトでも、フルタイムで働く労働者は雇用保険の加入対象となります。加入条件は下記のとおりです。

  • 労働時間が週20時間以上
  • 31日以上雇用される見込み
  • 原則学生は対象外

なお日雇い労働者は通常の雇用保険ではなく、条件を満たしたときに「日雇労働被保険者」が適用されます。

①労働時間が週20時間以上

労働時間が週20時間以上の場合、雇用保険の加入対象条件を満たします。しかしアルバイトはシフト制での勤務も多く、週20時間を超えない週もあるかもしれません。その場合は、月の合計で平均週20時間を超えるかどうかで加入対象の可否を判断します。

なお20時間の判断は、就業規則や雇用契約書の勤務時間を基準とし、残業時間などは考慮しません。

②31日以上雇用される見込み

31日以上の勤務が見込まれる場合、雇用保険の加入対象となります。しかし期間限定の短期アルバイトや日雇いアルバイトなど、31日未満の場合は雇用保険の加入対象になりません。

たとえば2週間のみ1日7時間週5日の期間限定アルバイトとして勤務した場合、週35時間働きます。しかし31日未満の雇用となるため雇用保険の加入条件を満たしません。

③原則学生は対象外

昼間学生の場合は原則、雇用保険の加入対象になりません。週20時間以上の所定労働時間で31日以上の雇用形態でも対象外です。ただし下記の条件のいずれかが満たされていれば、雇用保険に加入できます。

  • 卒業見込みがあり、卒業後も当事業所での勤務見込みがある
  • 学校に在籍しているものの現在休学中

なお定時制や通信制、夜間学生の場合、加入条件を満たせば雇用保険が適応されます。

週20時間以上、31日以上の雇用条件で雇われる場合、雇用保険の加入対象となります。また昼間学生は原則雇用保険の対象外、夜間学生は対象となる点に注意が必要です

Excel、紙の評価シートを豊富なテンプレートで楽々クラウド化。
人事評価システム「カオナビ」で時間が掛かっていた人事業務を解決!
【公式】https://www.kanavi.jp にアクセスしてPDFを無料ダウンロード

3.アルバイトの雇用保険に関する疑問

アルバイトを雇う際に、雇用保険について質問を受けるかもしれません。ここではよくある雇用保険に関する疑問を解説します。

社会保険との違い

社会保険と雇用保険は混同されがちですが、目的がそれぞれ違います。

  • 雇用保険:失業時や休業時の生活を保障するために加入する保険
  • 社会保険:病気や怪我をした際に、治療費や医療費などを保障するために加入する保険

健康保険料は会社と折半で支払うため、自分で国民健康保険に加入するより安価で健康保険に加入できます。また厚生年金に加入すると、老後に受け取れる年金額が増えるのです。

保険料

雇用保険料は労働者と会社で折半して支払うため、それほど高額ではありません。一般事業の場合、労働者は残業代などを含めた給与の0.3%を給与から天引きされ、会社は0.6%を支払います。また業種によってこの割合は異なるのです。

  • 農林水産業や清酒業:労働者負担は給与の0.4%、会社負担は0.7%
  • 建設:労働者は0.4%、会社は0.8%

加入の手続き

雇用保険の加入手続きはすべて会社側が行います。よって労働者に手続きの必要はありません。

企業が労働者を初めて雇い入れる場合は、ハローワークに「事業所設置届」と「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。

その後も労働者を雇い入れる度に「雇用保険被保険者資格取得届」を提出し、ハローワークから交付される「雇用保険被保険者証」を労働者に渡すのです。

労働者が離職した場合はハローワークに「雇用保険被保険者資格喪失届」と「離職証明書」の提出が必要になります。

「社会保険は健康的な生活を維持するための保険」「雇用保険は失業や休業時のための保険」とそれぞれ役割が異なります。雇用保険の加入手続きは会社が行うため、労働者に手続きの必要はありません

Excel、紙の評価シートを豊富なテンプレートで楽々クラウド化。
人事評価システム「カオナビ」で時間が掛かっていた人事業務を解決!
【公式】https://www.kanavi.jp にアクセスしてPDFを無料ダウンロード

4.アルバイトを掛け持ちしていた場合の雇用保険

アルバイトをかけもちするなど、ダブルワークで勤務していた場合の雇用保険はどうなるのでしょうか。近年、副業を認めている会社も少なくないため、掛け持ちをして働く場合の雇用保険の取り扱いについても確認しておきましょう。

2社以上の加入は不可

雇用保険は、2社以上で重複して加入できません。複数の仕事をかけもちしていても、雇用保険に加入できるのは主な収入源である1社のみです。

数社の合計で週20時間以上、31日以上の条件を満たしても、それぞれの会社で条件を満たしていなければ、雇用保険に加入できません。

またほかの会社の雇用保険に加入していたが、その会社の雇用保険から外れることになった場合、加入条件を満たせば自社の雇用保険を適用します。

副業・兼業が増えるなか、見直しの方向性も

副業が増えてきた近年、雇用保険法の改正が2020年8月に行われました。それにより副業やダブルワークをしている労働者が、失業手当を受け取りやすくなったのです。ただし離職前に雇用保険の被保険者期間が12カ月以上あるかどうかが、条件となっています。

従来、被保険者期間と認められるには、月11日以上の勤務が必要でした。しかし法改正により、勤務日数が月10日以下でも月に80時間以上働いていれば受給対象と見なされるようになったのです。

ダブルワークの労働者を雇用する場合は、日数ではなく時間数も計算するように注意しましょう。

ダブルワークの労働者は、主となる勤務先でしか雇用保険に加入できません。またダブルワークでも離職前に月に80時間以上勤務していた期間が1年間あれば、失業手当を受給できるよう法が改正されています

Excel、紙の評価シートを豊富なテンプレートで楽々クラウド化。
人事評価システム「カオナビ」で時間が掛かっていた人事業務を解決!
【公式】https://www.kanavi.jp にアクセスしてPDFを無料ダウンロード

5.アルバイトの雇用保険加入の手続き

アルバイトを雇った事業は、雇用保険の加入手続きを行う必要があります。また雇用保険から外れる場合も書類が必要です。採用時と離職時のそれぞれでハローワークへ提出しなければならない書類を確認しておきましょう。

アルバイトを初めて雇う場合

労働者を初めて雇う場合、会社は原則として雇用保険と労災保険に加入します。まず会社の所在地を管轄している労働基準監督署に「労働保険 保険関係成立届」を提出し、捺印を受けるのです。

次に管轄のハローワークへ捺印された「労働保険保険関係成立届」の控えと確認書類を添えて「雇用保険適用事業所設置届」と「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。

事業内容によって手続きが異なりますので、管轄の労働基準監督署かハローワークに確認しましょう。

新たにアルバイトを雇う場合

会社は、新たな労働者を雇用する度に「雇用保険被保険者資格取得届」をハローワークに提出します。「雇用保険被保険者資格取得届」に複数人分をまとめて記載することはできません。

正社員の雇用保険加入は必須、アルバイトやパート、派遣の場合は雇用保険加入を満たすならば手続きが必要です。すでにほかで雇用保険に加入している労働者を雇用した場合は、「雇用保険事業所各種変更届」を一緒にハローワークに届け出ます。

アルバイトが離職した場合

アルバイトが離職した場合、管轄のハローワークに「雇用保険被保険者資格喪失届」と「雇用保険被保険者離職証明書」を提出します。この手続きは、離職者が失業手当を受給するために必要な手続きです。

離職手続きの期間は、労働者が離職した翌日から10日以内となっていますので、必ず期限内に行いましょう。

なお自己都合退職か会社都合退職によって失業手当の給付額や支給期間が変わります。そのため、離職証明書の離職理由は正しく記載するよう注意しましょう。

雇用保険の加入条件を満たす労働者であれば、雇用形態にかかわらず雇用保険の加入手続きを行います。また雇用保険に加入していた労働者が離職した場合、離職日から10日以内に会社が離職の手続きを行わなくてはなりません