研修とは?【まるごと解説】意味、目的、種類、課題、受講

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企業ではしばしば研修が実施されます。研修を開催する目的にはどのようなものがあり、またどんな効果が得られるのでしょうか。

研修の種類や特徴、それぞれのメリット・デメリットなどとともに、研修を開催する際の流れや受講者が参加するときの服装、研修の受け方や報告書の書き方、助成金などについて詳しく見ていきましょう。

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1.研修とは?

研修とは、業務に必要な知識やスキルを習得するために、各種勉強会や講座に参加して学ぶことで、社内研修と外部研修があります。

  • 社内研修:社内会議室などで研修プログラムを用意して実施するもの
  • 外部研修:アウトソーシングサービスを利用して実施するもの

研修の種類には以下のようなものが挙げられます。

  • OJT研修(On-The-Job Training)
  • 階層別研修(新入社員研修、中堅社員研修、管理職研修など)
  • 職種別研修
  • コンプライアンス研修
  • 自己啓発研修

研修を「セミナー」と呼ぶこともありますが、研修とセミナーは厳密には異なります。一般に研修は、業務の一環として会社が実施し、セミナーは外部主催者が開催し、テーマによって社員個人が自由に参加するといった側面を持ちます。

研修を英語で言うと?

研修は英語で「training」というのが一般的です。「study」や「research」「skills development」と呼ばれることもあります。

研修を実施するのは主に人事部です。人材育成やスキルアップのほか、社員のモラル向上のために実施する研修もあります。

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2.研修の目的や目標、意味

研修を行う目的や意味、目指す目標としては下記のようなものが挙げられます。

人材育成

研修の目的として一般的に挙げられるのは人材育成です。OJT研修や階層別研修、職種別研修などがこれに当たります。

たとえば新入社員の場合、最初に研修を行うことで業務に必要な基礎知識を得られますし、中堅社員なら自分の専門性向上やキャリアアップに活用できるでしょう。

管理職研修なら自社を率いるリーダーを育成できますし、営業や技術者など職種別に研修を実施すれば、業務効率や成績の向上に寄与します。

自己成長

自己成長を目的とした研修(セミナー)は、どちらかというと社員自身が主体的に参加するものです。

セミナーや各種講座など外部で開催されている会に自ら参加して、不足しているスキルを補ったり知識をアップデートしたりして、キャリアアップやキャリアチェンジに活用します。知識やスキルの習得を会社に示せば、成長意欲をアピールできるでしょう。

研修には会社に指示されて参加するものと、自ら興味、関心のある分野の研修を受けて自己成長を目指すものがあります。

階層別や職種別など、ターゲットを絞った研修を実現するためには、一元化された従業員データが必要です。

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3.企業が求める人材像と抱える課題

新入社員研修の実態から、企業が求める人材像と、企業が抱える研修に関する課題を確認しましょう。

企業が求める人材像

なぜ企業は新入社員研修を行うのでしょうか。eラーニング戦略研究所が2018年6月に行った調査から、会社が求める人材像が見えてきました。

最も多く求められているのは「主体性があって積極的な人材」(63%)。次いで、「多様な人と協働できる人材」(46%)、「コミュニケーション力に長けている人材」(45%)と続きます。

この結果から、企業において重視されている人材像は、特定の知識やスキルを持つ人材よりも社内で積極的かつ円滑にコミュニケーションが取れる人材だと分かるでしょう。

企業が抱える課題

では新入社員研修に対して企業が抱えている課題にはどのようなものがあるのでしょうか。eラーニング戦略研究所が2018年6月に行った調査から見ていきます。

すると、「自社に適した研修が分からない」「ノウハウが不足」「結果が出ない、効果が見えにくい」「一人ひとりにマッチした研修を実施したい(が難しい)」「アウトプットする研修が少ない」などを課題と感じていることが分かったのです。

新入社員研修には、スキルアップよりもコミュニケーション能力を高められる研修で、アウトプットを目に見える形で表せるものがよいようです。

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4.研修の種類と特徴、メリット、デメリット

研修は、

  1. OJT
  2. OFF JT
  3. eラーニング

の3種類です。それぞれの特徴とメリット・デメリットについて見ていきましょう。

OJT

OJTとは「On-The-Job Training」の頭文字を取ったもので、現場で働きながら学ぶ研修のこと。先輩社員が務めるメンターやトレーナーなどについて、日々の労働の中から知識やノウハウを実践で学んでいきます。

研修終了後、即戦力として活躍できるようになるため、喫緊に労働力を必要としている企業にとって最適な手法です。日本では全体研修が終わった後に配属先でOJTを実施するのが一般的で、多くの企業で採用されています。

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OJTのメリット

OJTのメリットとして挙げられるのは、会場を借りる、資料を作る、講師を呼ぶといった特別なコストをかけずに実施できる点。

新入社員は、上司や先輩とコミュニケーションを取りながら現場で人間関係を築くことができる上、一人ひとりの理解度に合わせて実務を学んでいけるので、疑問や不安を感じにくくなります。

しっかり学べば、すぐに即戦力となれるのは利点です。教える側にとっても、基礎の見直しや指導力の向上といったメリットがあります。

OJTのデメリット

OJTのデメリットは、教える側のスキルによって学ぶ内容にばらつきが出やすい点。現場に任せきりにすると、うまく機能せずに新入社員が放置される恐れもあるため、教える側の教育や人事部などのフォローも必要となります。

また実務と教育を同時に行うため、教える側の負担が大きくなりやすいです。それによって教わる側が遠慮して質問しにくくなる可能性もあります。現場で一つひとつ学びながら進めていくので、業務全体の流れをつかむのが難しいこともデメリットです。

OFF JT

OFF JTとは、配属先の現場ではなく、実務から離れた場所で行われる研修(座学研修・集合研修)のこと。一般的には、社内の会議室などに受講者が集まり、外部から講師を招いて学びます。

OFF JTで学べる内容は、新入社員に対しては主にビジネスの基本やビジネスマナーなど、中堅社員や管理職にはロジカルシンキングやマネジメントスキル、グローバル人材が必要とする専門的知識などとなります。またOFF JTは、通信教育で行われることも。

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OFF JTのメリット

OFF JTのメリットは、専門性の高い知識を専門家から包括的に学べる点。受講者全員が同じ内容を学べるので、指導される内容にばらつきも生まれません。また通常業務を離れ、研修のための特別な時間をつくって参加するため、受講者は研修に集中できます。

さらに、研修を受けることで参加者同士の一体感が高まるといった一面も。会社側にとっては、一度にたくさんの社員に指導できることがメリットです。

OFF JTのデメリット

OFF JTのデメリットは、手軽な開催が難しい点。研修を行うとなると、参加者を一度に集めるためのスケジュール調整や会場の確保、講師選び、研修の内容や段取りを決めるなどさまざまなことに手間やコストがかかります。

また受講者側にとって、現場に必要な知識と研修内容がかけ離れている場合もあるでしょう。

業務に活用できない知識やスキルでは、時間の無駄になってしまいます。さらにスケジュールによっては、研修への参加によって通常業務にしわ寄せがくることもあり得るのです。

eラーニング

eラーニングとは、ICT(情報通信技術)を用いていつでもどこでも何度でも研修を受けられる方法のこと。一般的には、「学習管理システム(LMS:Learning Management System)」を利用して学習を行います。

受講者はパソコンやタブレット端末、スマートフォンなどでアクセスして学習でき、管理者はオンライン上で受講状況や進捗状況、学習効果などを確認できます。ナレッジマネジメント(知識や経験の蓄積)にeラーニングが用いられることも多いです。

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eラーニングのメリット

eラーニングのメリットは、受講者が隙間時間や移動中などさまざまなシーンで、好きな時間にいつでも研修を受けられる点。受講者を会場に集める必要がないため、集合研修のように会場を押さえたり計画を立てたり、講師を招くといった手間もかかりません。

またパッケージ化された教材も販売されているため、自社で研修用の教材を用意する必要がなく、研修担当者の負担が少なくなります。なお、独自の研修教材を作りたい場合は、専門業者に作成を依頼することも可能です。

eラーニングのデメリット

eラーニングのデメリットは、受講者が自発的に学ばなければならず、個々で習熟度が異なる点。また講師とリアルタイムにコミュニケーションを取れないため、疑問をすぐに解消できません。それによって理解度が低下し、モチベーションが下がることも。

会社側は、学習管理システムや教材などの用意にコストがかかります。場合によっては、学習をサポートするアドバイザーなどの設置も必要でしょう。

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5.研修を開催する流れ

ここからは研修を開催するまでの流れを、順を追って説明します。

目的と方向性を定め、研修方法を決める

初めに研修の目的や方向性、研修を行う方法などを定めましょう。たとえば、以下のようなポイントについて検討します。

  • 研修の目的:管理職のマネジメントスキル向上など、何のために研修を開催するのか
  • 対象とする社員:階層なのか職種なのか、どういった人に参加してもらうか
  • 研修の内容:OJTか、OFF JTか、eラーニングか、大まかな研修内容
  • 予算:研修内容や会場、講習を受ける人数、講師などから予算を設定、
  • 日程やスケジュール(目安):いつ、どのくらいの期間行うか

必要なことを洗い出す

ある程度方向性が決まったら、開催のために何が必要かを洗い出します。たとえば、研修内容によって以下のような準備が必要です。

  • OJT:トレーナーとなる先輩社員の選抜など。場合によってはトレーナーに対する講習なども必要
  • OFF JT:外部講師や社内会議室の手配、テキストやマイク、スクリーン、プロジェクターの準備など。自社で研修テキストを用意する際は、過去に使用したテキストを手直しして活用することも可能。外部で長時間開催する場合、昼食などが必要になる
  • eラーニング:システムやプログラム、教材の選定など。予算や内容に応じて業者を選定する必要がある

研修を運営するスタッフを選抜

運営スタッフを選抜し、研修の進行を任せます。外部講師との打ち合わせをする担当、テキストを準備する担当、会場や昼食の手配、備品などを用意する担当など、役割分担をするとよいでしょう。

各担当の進捗状況を把握するために、定期的にミーティングを行って情報共有することも必要です。メンバーがいつでも確認できるように、オンライン上などで進捗管理してもよいでしょう。

また運営スタッフには、不安なことや困ったことが発生したら速やかに上長に報告するよう、声掛けします。報告・連絡・相談を徹底すれば、何かあっても迅速に対応できるでしょう。

研修内容の決定と募集

運営スタッフのメンバーで、最初に定めた目的や方向性などをもとに、どのような研修内容にするかを具体的に決めていきます。

場合によっては、各部門の責任者や社員にどのような研修が必要かをヒアリングしてもよいでしょう。それによって、より実務に沿った研修を実施できます。

研修内容が決まったら、受講対象者に大まかなテーマや日時などを通知しましょう。受講者を定めずに全社員から参加者を募る場合、社員全員にメールなどで連絡する必要があります。

部門ごとに対象者を選抜してもらう場合、部門責任者に受講対象者の選抜を依頼しましょう。

参加者の確認と通知

新入社員研修など対象者全員が受ける研修ではない場合、受講対象者が研修に参加可能かどうかを確認しなくてはなりません。参加者募集型の研修の場合、募集を締め切った後、何人参加希望者がいるかを確認しましょう。

また部門責任者に受講対象者の選抜を依頼した際は、期日までに返信をもらえているか確認が必要です。参加人数を確認したら、以下のような点も確認しましょう。

  • OJT:トレーナーの割り振り、1対1なのか、1人につき複数人を負担してもらうのか
  • OFF JT:会場のキャパシティ、参加者全員が入場できるか
  • eラーニング:どのように受講してもらうか

すべてが確定したら、参加者に通知します。

研修前の最終確認

研修前日までに、すべての事項についてチェックします。参加者への通知は済んだか、必要なものは揃っているかなど、漏れがないかを1つずつ確認していきましょう。当日の進行スケジュール表や下記のようなリストを用意すると、チェックしやすいです。

  • 参加者リスト:参加可否、参加人数、通知済みかどうか
  • 会場に外部講師を招いて座学研修を行う場合:機材や備品が揃っているか

社内会議室で開催する研修で当日の飛び入り参加を認める場合は、その旨を通知したりテキストや椅子を多めに用意したりしておくとよいでしょう。

研修の実施

進行スケジュールに従って研修を実施します。

社内会議室や外部会場で行う場合は、受付を設置して参加者リストでチェックします。参加者が遅れて来た場合は、席に案内したりテキストを渡したりするなど適宜対応しましょう。当日突然参加できなくなる社員が発生することも想定しておきます。

基本、運営スタッフは会場内に常駐し、機材が動かないなどのトラブルに備えます。また今後に活かすために研修内容をチェックして、良い点や改善点などをメモしておくことも重要です。

スケジュール通りに進めるため、タイムキーパーの役割も必要でしょう。eラーニングなどを実施する場合は、定期的に進捗状況を確認して、進行が遅い社員には受講を促す通知を行いましょう。

研修の反省

研修実施後、当日はどのような状況だったか、改善点はあるか、良かった点は何かなどを総括します。会議やミーティングで意見交換を行うほか、情報共有のため運営スタッフが報告書を作成しておけば、次回に活用できるでしょう。

受講者にアンケートを実施して、研修内容について意見を聞くこともお勧めです。アンケートは集計して人事部や管理職などで情報共有したり、参加者にフィードバックしたりするとよいでしょう。

またeラーニングなどは、受講状況や効果などを定量的に測定できます。こちらも集計してグラフなどにまとめておきましょう。

状況によっては研修専門企業に委託

予算や研修内容によっては、研修を専門とする外部企業に委託するのも手です。専任のサポートスタッフが入るため、備品や機材の準備、外部会場の手配などを任せることができ、進行が楽になります。

また研修内容についても相談できるので、より自社に合った研修をスムーズに開催できます。さらに研修専門企業は、講師を抱えている場合も多いため、適任者を選定してもらえる可能性が高いです。

一つひとつ手配するより、研修の運用をまるごと依頼すればコストを抑えられる場合も。eラーニングなどでは独自教材の作成などを専門企業に依頼することも可能です。

研修は自社内のリソースを使って実施できますが、状況に応じて専門企業に依頼しましょう。スムーズな運用が実現できます。

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6.研修時の服装

研修に参加するときはどのような服装で参加すればよいのでしょうか。基本的なルールを紹介しましょう。

全体的に気を付けておきたい点

研修はあくまで業務の一環です。基本的には、会場が社内の場合はスーツ、社外の場合はビジネスカジュアルで参加するほうがよいでしょう。なお、会社の規定で普段からビジネスカジュアルが認められている場合、スーツを着用する必要はありません。

またゲームや運動を行うなど身体を動かす研修が実施されることも。多くの場合、服装に関する指示が事前にあります。見た目はシンプルかつ伸縮性があって動きやすい服装を意識するとよいでしょう。

ただし、女性は高いヒールなどは避けましょう。ケガにつながる可能性があります。

男性の場合

ビジネスカジュアルと指定されても、どのような服装をしてよいのか迷うこともあるでしょう。

男性の場合、カラーはブラックやグレー、ネイビーなどのベーシックカラーを用意しておくと、どんなシーンにもなじみます。またこれらの色味を入れると、きちんとしたオフィススタイルを演出できるのです。

基本、襟付きのジャケットやシャツを着用するのがよいでしょう。襟付きであれば、ややラフなスタイルでも、相手に対して失礼な印象を与えにくくなります。研修でもこのようなスタイルを取り入れましょう。

女性の場合

女性の場合は、オフィスでも幅広いファッションを楽しむ人が多いでしょう。

研修では、カジュアルな中でもフォーマル感を演出できるパンツスーツやセットアップがお勧めです。カラーは黒、白、茶、ベージュ、ネイビーなどベーシックなものを選び、襟付き、襟なしのジャケットで上手にコーディネートしましょう。

セットアップでも、フリル付きやタイトスカートのような女性らしさが強調されるスタイルだと、周りから浮いてしまったり動きにくくなったりする場合が。パンツスタイルのほうが無難といえます。

研修は業務の一環である点を念頭に置いて、スーツまたはビジネスカジュアルスタイルで参加しましょう。

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7.研修報告書、レポートの書き方

研修参加後には会社に報告書やレポートを提出する必要があります。報告書などに書くべき内容や書き方を紹介します。

研修報告書、レポートとは?

研修報告書・レポートとは、研修を受けて何を学びどのような自己成長につながったかなどを、会社や上司に提出する文書のこと。

会社は社員に、業務に必要な知識やスキルを身に付けて実務に活用してもらうことを目的に研修を受けさせます。そのため社員は、会社に対して成果を報告する必要があるのです。

企業によってはレポートの提出だけでなく、パワーポイントなどにまとめて部署内で報告させる場合もあります。

いずれにせよ、研修に参加していなかった人が報告書を見たり聞いたりしたときに、内容が一目で分かるよう簡潔にまとめることが重要です。また報告書に残すことで、自分自身、研修内容を思い起こすことができます。

研修報告書、レポートには何を書くのか

一般的な報告書の書き方を紹介します。報告書には、いつ、どこで、誰がといった5W1Hに基づいて、研修のテーマや概要などの基本情報に加え、参加して何を思い、何を学んだのかなどを書くのです。最低限下記の項目は盛り込みましょう。

  • 報告書作成日
  • 氏名(受講者名)
  • 参加日時、会場名
  • 研修(講習)名、テーマ
  • 主催者、講師名(簡単な経歴)
  • 研修(講習)内容
  • 受講した感想、考察

研修内容の項目には事実だけを簡潔に書き、感想・考察の項目には、研修時のメモなどをもと、研修で学んだことに対する感想や実務にどう活かせるのかなどを具体的に記載しましょう。

資料などがあれば添付して提出するとよいでしょう。丁寧な印象を与えます。また、受講費用が分かる場合は、併せて記載しておくと記録になるのでお勧めです。

研修報告書、レポートを書くときのコツ

報告書はただの感想文になってはいけません。作成時のコツを確認します。

見た、聞いた、数字といった素材を集めておく

報告書の内容を充実させるためにも研修時にメモを取り、事実に基づいた素材をたくさん集めておくようにしましょう。どんなスライドや映像が流れ、講師がどんな話をしているかを、箇条書きでよいのでメモしていきます。

特に比率(%)や市場規模、価格などの数字をきちんとメモしておくと、報告書に具体性を持たせられるのでお勧めです。また講師自身の経験に基づく、面白いエピソードや具体例なども書き留めておきましょう。

その講習を受けなければ聞くことができないような独自性のある内容には価値があります。これらの内容を報告書に記述すれば、読む人に関心を持ってもらえるでしょう。

何を学んだのかをメモしておく

具体的な研修内容のほか、研修に参加してどういった学びや気付きを得たのか、忘れないうちにメモしましょう。新たに発見した、会社の利益につながりそう、業務に活かせそうといったポイントなどに自分なりの考察を加えると、報告書に深みが増します。

気付きや考察は、講習を聞きながらその都度メモするよりも、休憩時など話を一通り聞いた後に振り返って書くとよいでしょう。

少し頭の中を整理してからメモしたほうが、気付きも多いです。会場でメモするだけでなく、帰宅後に気が付いたことがあればそれも書き留めておきましょう。

研修報告書、レポートのテンプレートやフォーマット

研修報告書の体裁について悩むことも多いですが、ほとんどの場合、社内に研修報告書用のテンプレートやフォーマットが用意されています。フォーマットがどこにあるのか分からない場合は上司や人事部などに確認しましょう。

また手書きでの提出を求められる場合もあります。いずれにせよ社内ルールに従って作成することが大切です。報告書の体裁に特別な指定がない場合は、無料で利用できるテンプレートやフォーマットを利用するとよいでしょう。

研修報告書は、会社にとって有用なナレッジのひとつです。会社の資産になることを考えて、きちんと作成します。

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8.研修に関する助成金

厚生労働省では研修に関する助成金を用意しています。以下の2つの助成コースを紹介します。

雇用管理制度助成コース

雇用管理制度助成コースとは、事業主が離職率を低下させるための制度を導入かつ実施し、働き方などの改善に取り組んだ場合に助成されるものです。

助成金を希望する事業主(保育事業主)は、「評価・処遇制度」「研修制度」「健康づくり制度」「メンター制度」「短時間正社員制度(保育事業主のみ)」のうち1つ以上の制度の選択、計画の策定、実施期間内の導入・実施が求められます。

ただし、実際に制度を導入・実施するには、策定した計画について労働局の認定を受ける必要がある上、事業主の規模(雇用保険一般被保険者の人数)によって、低下させる離職率の目標値が決められているのです。

  • 1~9人:15%
  • 10~29人:10%
  • 30~99人:7%
  • 100~299人:5%
  • 300人以上:3%

要件を満たした企業には、助成金57万円が支給されます。

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金とは、社員の知識やスキルアップのために研修などの職業訓練を実施した事業主、または人材開発制度を導入した事業主に支給される助成金のこと。助成メニューには、以下7つのコースがあります。

  1. 特定訓練コース
  2. 一般訓練コース
  3. 教育訓練休暇付与コース
  4. 特別育成訓練コース
  5. 建設労働者認定訓練コース
  6. 建設労働者技能実習コース
  7. 障害者職業能力開発コース

受給要件や助成率・助成額は利用するコースによって異なります。詳しくは厚生労働省の人材開発支援助成金(平成30年度)の概要を確認しましょう。

各助成コースを利用して助成金を受給するには、それぞれの要件を満たす必要があります。不足がないようしっかり準備しましょう

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研修のQ&A

研修は「OJT」「OFF JT」「eラーニング」の3種類に大別できます。 ①OJT:先輩社員が務めるメンターやトレーナーなどにつき、現場で働きながら学ぶ研修 ②OFF JT:配属先の現場ではなく、実務から離れた場所で行われる研修(座学研修・集合研修) ③eラーニング:ICT(情報通信技術)を用いていつでもどこでも何度でも研修を受けられる方法
研修報告書とは、研修を受けて従業員が何を学び、どのような自己成長につながったか、会社が確認するための文書です。 会社は従業員に、業務に必要な知識・スキルを身に付けて実務に活用してもらうことを目的に研修を用意します。そのため従業員は、研修内容をありのままに記述し、成果、感想などをフィードバックする必要があります。
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