従業員満足度調査のアンケート項目例とは? 集計や分析方法について

従業員満足度調査のアンケート項目例とは、一体何でしょうか。従業員満足度の概要やアンケートを作成する際の注意点、アンケートの集計・分析方法などとともにお伝えします。

1.従業員満足度調査のアンケート項目例とは?

従業員満足度調査のアンケート項目例とは、自社の待遇や職務内容、職場環境などに対する従業員の満足度をはかる際に使う項目例のこと

従業員の満足度が高まれば業績向上にもつながる、という考え方である「従業員満足度」を調べる際、さまざまな方法を用います。その際、項目例が手元にあると、アンケートの設計に役立つのです。

従業員満足度調査は、「従業員がどの程度満足しているかを測る調査」です。多くの場合、アンケート調査によって指標を数値化します

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2.従業員満足度のアンケート調査から見えてくることとは?

アメリカの臨床心理学者、フレデリック・ハーズバーグ氏は、従業員満足度に影響する要因は2つあると唱えています。

  1. 満足度がプラスに働く要因
  2. 満足度がマイナスに働く要因

従業員満足度を向上させるには、2つを重要視する必要があります。これを踏まえたアンケート項目を設定し、企業の課題を顕在化することがアンケート調査の実施目的です。

満足度がプラスに働く要因:動機付け要因(満足要因)

2つの要因についてもう少し掘り下げてみましょう。満足度がプラスに働く要因は「動機付け要因(満足要因)」とも呼ばれます。仕事における例は、下記のとおりです。

  • 目的を達成する
  • 他者から承認される
  • 責任感を得られる
  • 昇進や向上を感じられる

これらが満たされると、人は仕事に満足感を覚えます。それがモチベーションに変わり、従業員満足度の向上につながる要因となるのです。

マイナスに働く要因:衛生要因(不満足要因)

一方、満足度がマイナスに働く要因は「衛生要因(不満足要因)」といわれます。

  • 会社の方針や職場環境
  • 給与
  • 対人関係
  • 福利厚生

これらが不十分だと、人は仕事に対する満足感を得にくくなります。仮に満たされたとしても満足度が大きく上がるわけではありません。またプラスに働く要因とマイナスに働く要因は相反する概念ではなく、相互に足りない部分を補うことが重要とされています。

どちらか一方だけを満たせば、従業員満足度が向上するわけではありません。マイナスの要因を解決したうえで、プラスの要因を満たす必要があります

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3.従業員満足度が従業員に与える影響

従業員満足度が向上すると従業員は自社に愛着を持ち、仕事ヘのモチベーションも高まるといわれています。従業員満足度や仕事へのモチベーションが向上すると、下記3つの効果が期待できるのです。

  1. 生産性の向上
  2. 顧客満足度の向上
  3. 人材の確保と流出の防止

①生産性の向上

厚生労働省は、「従業員満足度と顧客満足度の両方を重視する企業は、顧客満足度のみを重視する企業に比べ売上高営業利益率、売上高ともに増加傾向にある」と発表しています。

仕事へのモチベーションが上がり、一人一人が自主性をもって積極的に働くと、企業の生産性向上につながるのです。

②顧客満足度の向上

従業員一人ひとりが自社サービスや商品に誇りを持ち、知識を身に付けるとサービスや商品の品質向上につながります。自信をもって自社サービスを提供できれば、顧客満足度はおのずと高まるもの。

かつては業績を上げるため、顧客満足度が重視されていました。しかし最近では顧客満足度を高めるより先に、従業員満足度の向上に努める企業が増えています。従業員満足度と顧客満足度には、密接な関わりがあるのです。

③人材の確保と流出の防止

仕事に満足し、高いモチベーションを保てる従業員、つまり従業員満足度の高い従業員は自社から離れたくないと感じます。このように従業員満足度は、既存人材の定着と離職率の低下に大きく影響するのです。

従業員満足度の高い従業員が多ければ多いほど、その人材は会社の顔となり、企業全体のイメージアップにつながります。同時に求職者やリファラル採用(従業員の紹介による採用)が増えるなど、人材確保のコスト削減も見込めるのです。

従業員満足度は、「顧客満足度」「人材の定着」「生産性の向上」と強く結びついています。企業価値そのものと高めるという意味でも、従業員満足度の向上は注目されているのです

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4.従業員満足度調査のアンケート項目例

では具体的に、従業員満足度を調査するためのアンケート項目について見ていきましょう。従業員満足度調査が成功するか否かは、調査項目の質にかかっているといっても過言ではありません。

アンケートを作成する際は、以下の項目に関する課題が顕在化できるよう意識しましょう。

  1. 仕事に関する項目
  2. 職場に関する項目
  3. 上司に関する項目
  4. 会社風土に関する項目
  5. 処遇に関する項目
  6. 福利厚生に関する項目
  7. 経営に関する項目
  8. 総合的な項目

①仕事に関する項目

まずは仕事に関する満足度を、調査します。

  • 自分の役職や等級から見て妥当な仕事内容になっているか
  • 暇を持て余したり過度な負担がかかったりするような仕事量になってはいないか
  • 仕事内容に面白さややりがい、成長実感などを感じられているか
  • 仕事の難易度に納得しているか
  • 大きなプロジェクトなど、チャレンジできる環境があるか

業務負荷の大小だけでなく、仕事を通じた成長度の実感、会社への愛着などもここに含まれます。

②職場に関する項目

職場の人間関係に代表される項目です。

  • チーム内で業務課題やノウハウの共有が十分にできているか
  • 良好な人間関係が築けているか
  • 助けあいや思いやりの風土はあるか
  • 互いを尊重し、切磋琢磨し合える関係が築けているか

職場に関する項目は、チームや部署ごとに結果が変動しやすい項目です。後述するさまざまな分析方法を用いて、課題を突き止めましょう。

③上司に関する項目

上司の存在も、従業員満足度の高低に大きく影響します。

  • 上司から認められているという承認感があるか
  • 部下の思いを汲んだコミュニケーションがなされているか
  • 上司の評価姿勢に不明瞭な部分はないか
  • 上司の指導姿勢や育成教育方法に共感できるか

マネジメントスキルの有無も少なからず影響を及ぼすため、調査の結果次第ではリーダー層の育成も視野に入れましょう。

④会社風土に関する項目

従業員の目から、会社全体はどのような姿に見えているのでしょうか。会社風土に関する項目をアンケートに盛り込んだ際は、「調査結果を経営層が真摯に受け止める」「経営方針を検討する際に役立てていく」などが重要になります。

  • 経営層とのコミュニケーションは適切か
  • 業務に必要なインフラは整っているか
  • コンプライアンス意識は適切なものか
  • 各種ハラスメントの防止が徹底されているか

⑤処遇に関する項目

インテリジェンスの転職支援サービス・DODAが実施した調査によれば、若手ビジネスパーソンの約半分が、仕事で重視する項目に「お金」をあげています。評価制度や給与、適切な労働時間は従業員満足度の高低を左右する重要なファクターといえるでしょう。

  • 適切な処遇がなされているか
  • 給与額は実務に見合ったものであるか
  • キャリア開発や教育研修制度が充実しているか

⑥福利厚生に関する項目

従業員満足度調査では、従業員のニーズにあった規則や福利厚生が充実しているかも調査します。福利厚生の拡充は単なる待遇向上ではなく、さまざまな経営課題や人事課題を解決する要因にもなり得るのです。

自社の福利厚生が多様化するライフワークバランスに合っているか、改めて見直してみましょう。

  • 勤務形態に柔軟性はあるか
  • 退職金や年金制度、慶弔についての配慮がなされているか

⑦経営に関する項目

会社のビジョンや経営方針への共感も、従業員満足度に影響する要因です。企業理念に共感できれば、従業員は同じ方向を向き、やりがいを持って働けます。いわば企業に対する安心感や信頼感を問う設問です。

  • 会社のビジョンや経営理念に共感できるか
  • 会社全体の目標を達成するために貢献したいと思えるか

従業員が経営に対してコメントできる機会はそう多くありません。従業員満足度調査は、従業員が何を感じているのかを知るチャンスでもあるのです。

⑧総合的な項目

従業員満足度調査には、それぞれの要因に対する思いはあるものの、総合的にどのように感じているかを問う質問も必要となります。上記7つの項目を含めた総合的な設問です。

また「不満な部分はあるけれど、総合的には満足している」という層も少なからず存在します。彼らの存在にクローズアップすれば、顕在化していない隠れた課題を突き止められるかもしれません。

従業員満足度にはさまざまな要因が影響します。とはいえあれもこれもと設問を増やすと回答率が下がり、精度も落ちるため注意しましょう

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5.従業員満足度のアンケートを作成する際の注意点5つ

従業員満足度を向上させるには、現時点での従業員満足度を正確に把握しなければなりません。調査方法には、アンケートとインタビューがあります。しかしヒアリングにかかるコストや匿名性の配慮などからアンケート形式による調査が一般的です。

アンケートを作成する際は、前述した8つの要素を組み込みつつ、以下の点に注意して作成しましょう。

  1. 質問を詰め込み過ぎない
  2. 目的を整理する
  3. 回答は匿名にする
  4. 1回こっきりではなく定期的に行う
  5. 答えやすい形式にする

①質問を詰め込み過ぎない

「あれもこれも調査したい」「質問の抜け漏れがないようにしたい」そう考えていると、設問数が増えていきます。しかし質問が増えすぎると、回答率が下がる恐れがあるのです。

一方、質問が少なすぎても分析の際に相互関係が分からなかったり、分析しづらかったりしてしまいます。アンケートを作成する際は、質問内容が重複しないようシンプルで回答しやすい設問を用意しましょう。

②目的を整理する

従業員満足度調査を行う目的は何でしょう。離職率が高い原因を探るためでしょうか、従業員の意欲を確かめるためでしょうか。

いずれにせよ、調査には多少なりとも手間と時間、費用がかかります。目的が明確化されていないまま調査を実施しても、無駄にコストを費やすだけで終わってしまうかもしれません。

また調査の目的が明確になれば、調査項目の設計でも迷わず進みます。あらかじめ調査の目的を整理しておきましょう。

③回答は匿名にする

従業員満足度調査では、回答者が特定されないような配慮も必要です。特に会社に対して不満を持っていたり、満足感を得られていなかったりとネガティブな意見を持っている場合、個人が特定された状態ではその本音を引き出せません。

意見することへの心理的なハードルを下げれば、面と向かっては言えない従業員の本音を引き出せます。

④一回こっきりではなく定期的に行う

「従業員満足度調査を実施したものの有為な結果が得られなかった」「調査が形骸化している」といった企業も少なくありません。従業員満足度調査の実施そのものが目的になっていないか、もう一度振り返ってみましょう。

アンケート調査は一度実施すれば終了、問題が解決する、わけではありません。分析結果から改善につなげる必要があるのです。

「一度の調査、検証で改善されなければなぜ改善されないのか」「ほかにどのようなアプローチが必要なのか」を考え、改めてサイクルを回しましょう。

⑤答えやすい形式にする

回答者の心理的ハードルを下げるという意味では、設問を答えやすい形式にすることも重要です。気難しい内容や曖昧な表現は、得てして回答しづらいもの。従業員に余計な負荷をかけたり、回答率が下がったりする恐れがあります。

指定されたスペースに回答者が自由に記述する自由記述式より、意見を数値から選択する数値記述形式の方が回答しやすいです。

潜在的な課題を見つけ、真に従業員満足度を向上させるためには設問を経営層に合わせ過ぎないことも重要です。経営層はネガティブな回答や意図しない意見も、真摯に受け止めましょう

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6.従業員満足度アンケートの集計・分析方法とは?

従業員満足度調査は、調査自体が目的ではありません。調査結果を速やかに集計・分析し、問題の改善に活用する必要があるのです。従業員満足度調査の集計・分析方法には、次の3つの方法を用います。

  1. 単純集計
  2. クロス集計
  3. 満足度構造分析(相関係数)

ここではそれぞれの集計・分析方法から分かる結果や傾向について解説します。

①単純集計

単純集計とは、項目ごとの合計や平均値を出し、全体の傾向を把握するもので、分析にあたっての土台つまり基本となる集計方法です。

たとえば回答者100人に対する設問で「満足」と回答した人が50人だった場合、満足度は50%となります。このように分析をかんたんに行えるメリットがある一方、詳細な要因を無視した大雑把な分析となってしまうといったデメリットもあるのです。

②クロス集計

クロス集計は、特定の条件で分けた場合にその傾向がどう変わるのか、もしくは変わらないのかを見るために用いられる集計方法です。役職別や男女別、入社年数別や国籍、部署など属性別の傾向を見る際に使用します。

たとえば「男性と女性での性差を調べる」「管理部門と営業部門など、部門ごとの差を調べる」といったように特定グループの傾向を把握できるのが、クロス集計の特徴です。

③満足度構造分析(相関係数)

設問の相互関係や因果関係を導き出す分析方法を「満足度構造分析(相関係数)」といいます。たとえば、下記のように従業員満足度に大きな影響を及ぼしている項目や課題を明らかにできるのです。

  • 総合結果が不満足な従業員は、福利厚生への不満が多い:福利厚生制度の見直しが必要
  • 総合満足度が高い従業員は、育成項目への満足度も高い:自分の能力を伸ばすことに関心の高い従業員が多いと考えられる

従業員満足度調査の結果を分析すると、組織のボトルネックを見つけ出せます。分析結果をもとに、効果的な改善策を打ち出していきましょう