配属ガチャとは?【新卒の悩み】問題点と対策をわかりやすく

配属ガチャとは、新入社員がどの勤務地・部署・職種に配属されるか通知されるまでわからない状況を表す造語です。新入社員の早期離職が課題となっている企業も少なくなく、その原因のひとつに「配属ガチャ」が挙げられます。

今回は、配属ガチャとは何かをふまえて、配属ガチャの具体例や問題点、対策を詳しくご紹介します。

1.配属ガチャとは?

配属ガチャとは、新卒で入社した場合に勤務地や職種への配属が必ずしも希望通りにいくとは限らないことを「ガチャ」になぞらえた言葉のこと。

「ガチャ」とは、カプセルトイまたはカプセルトイの販売機で、数あるアイテムから何が出てくるかわからないドキドキ感が人気を呼んでいます。

自分の欲しいものが確実に手に入らないため、個人の努力ではどうしようもない状況を「ガチャ」という言葉で表現することがあります。そのひとつが「配属ガチャ」です。

しかし、企業が決定する人員配置や配属は、経営戦略における人事戦略に紐づいた人員計画による合理的な判断のもと行われているため、本来ガチャの要素はありません

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2.配属ガチャ「アタリ」と「ハズレ」具体例

配属決定は、人員計画にもとづく総合的かつ合理的な判断のもと行われるもの。しかし新卒で入社した従業員からすると「アタリ」「ハズレ」の認識が出てしまうのです。具体的にどのような状況が「アタリ」「ハズレ」に該当するのかを解説します。

アタリ

配属ガチャのアタリは、希望の部署に配属されたり、上司や教育担当者に恵まれたりするなどで、配属結果に不満がない状況です。

大部分を占めるのは、仕事内容や人間関係で、たとえ希望の配属ではなくてもその点に問題がない場合はアタリに該当するケースが多いでしょう。

ハズレ

配属ガチャのハズレは、部署や仕事内容が希望と違う、自分が思い描いていたようなライフスタイルが実現できない、上司との相性がよくないといった状況です。

実際に配属結果は自分でコントロールできないため、不満が生じると配属結果を理由にしてしまう傾向にあるといえます。

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3.配属ガチャが新卒の不安要素になる理由

配属ガチャが新卒の不安要素となる理由は、内定から入社までの期間が長い、配属先告知のタイミングが合わないといったふたつが代表的です。理由を詳しくみていきましょう。

内定から入社までの期間が長い

新卒採用のスケジュールは大体が固定されており、4月に内々定を出し、内定式を10月頃に実施、入社は翌年の4月です。内々定から内定式までは約半年、入社までは約1年の期間が生じます。

内々定を承諾した時点で入社することは確定するものの、入社先で具体的に何をするのか、どこに配属されるのかはわからない状態が続きます。こうした状況下では、時間が経過するにつれて入社後に不安を抱いてしまう傾向にあるのです。

配属先の告知タイミングが遅い

配属先が告知されるのは、内定式または入社式、遅くて入社後の研修が終わるタイミングが一般的です。告知のタイミングが遅くなるほどどこに配属されるかわからない不安も募り、希望の配属先にならなかった場合、ショックと不安も大きくなってしまうものです。

自ら勤務地や職種を決めたい人が多い

「マイナビ 2023年卒大学生活動実態調査(6月)」によると、半数以上の学生は勤務地と職種を「自分で決めたい」と感じているのです。そのため入社後の業務や職種、勤務地などの情報提供を行う内々定後のフォロー体制は学生のニーズに合致しているといえます。

しかしそうした体制があるにもかかわらず、入社直前または入社するまで配属先がわからず、さらには決定権がないため不安も徐々に高まってしまうのです。

参考 2023年卒大学生活動実態調査 (6月)マイナビ

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4.配属ガチャの問題点

企業からすると計画的に行っている配属が「配属ガチャ」とも表現されてしまうこのシステムは、新入社員と企業の双方にとって問題があるのです。ここでは、それぞれの立場から問題点を解説します。

新入社員

入社前の余裕を持ったタイミングで具体的な業務内容や勤務地がわからないため、入社後の自分の姿や数年後のキャリアを十分にイメージしにくい状況にあります。

そのため、企業とのミスマッチがないか、適性に問題ないかを考えるのが難しくなり、希望外の配属先が自分に合っていないと不満やストレスが高まります。

その結果、最悪のケースでは、うつ病を発症してしまって心身の健康に悪影響をおよぼし、通常の勤務や出勤が困難になるケースも少なくありません。

また、自分の経験や能力がいる業務に就けず、十分な評価がされずにモチベーション低下を招いてしまう恐れもあります。

企業

配属ガチャによって新入社員のモチベーションが低下すると、最悪のケースでは早期離職を引き起こし、採用や教育コストの損失や社内のモチベーション低下を招くリスクがあります。

離職にならなくとも、新入社員のモチベーション低下は組織の士気を下げてしまう原因となりえ、そのフォローに周囲が疲弊する可能性も考えられるでしょう。

対策せずに配属ガチャに不満を持った状況を放置してしまうと、離職の増加やうつ病などの健康被害を招き、組織全体の生産性が下がる事態へと発展しかねません。

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5.配属ガチャ対策

では、配属ガチャといわれる状況を防ぐには、どうしたらよいのでしょうか。ここでは、新入社員と企業それぞれの立場から対策をご紹介します。

新入社員

新入社員ができる対策には、自分の希望を明確にする、職種別採用や小規模企業へ応募するといった対策があります。具体的な対策を下記で詳しくみていきましょう。

希望の明確化

希望の配属先とその理由を整理し、明確化しましょう。「なんとなく」といった漠然とした理由ではなく、希望する理由を言語化できるかがポイント。

自分の思い描くキャリアや適性をふまえて配属先を見つめ直せるだけでなく、企業側と配属についてコミュニケーションを図るアクションへと移れます。

職種別採用への応募

「営業職」「経営部」など、部署・職種別に採用を行っている企業を選ぶことも対策のひとつ。応募時点で部署・職種が明確であれば、基本的には入社後にその部署・職種へと配属されます。

ただし、仕事内容にミスマッチが起こらないよう、自分が生かせる能力や経験、適性を把握したうえで応募しなくてはなりません。

小規模企業への応募

配属ガチャの成功率を上げるには、配属先の選択肢が少ない企業へ就職するのも対策といえます。小規模企業はそもそも部署が少ないため、配属ガチャがあった場合でも思いがけない部署に配属される可能性は低くなります。

理念やビジョンを軸とした意思決定

どんな企業でも100%希望がとおるとは限らないことを前提に、業務内容を軸に就職先を決めないのもポイントです。企業の理念やビジョンに共感できるかを軸に就職先を決めることで、仕事内容に関係なくやりがいを持って働けます。

企業

企業側の対策では、配属ガチャに対する不安をどう解消していくかが課題です。下記で、具体的な対策を紹介します。

配属先に関する希望有無の確認

企業側は、学生に対して配属に関する希望を確認し、希望がある学生に対しては丁寧に聞き入れる姿勢を持つことが大切です。同時に、現時点での配属予定や状況を伝えることで、学生の「知りたい」気持ちに寄り添えます。

配属先の事前告知

入社後ではなく、内定通知前の面談や内定通知と同時のタイミングで配属先を告知することも対策につながります。

承諾前に配属先を知っていければ、学生はその点も踏まえて承諾可否を判断できるでしょう。企業側は入社後の具体的なイメージを提供できるため、入社意欲を高める効果が期待できます。

配属先を決めた理由の説明

配属結果の理由を丁寧に説明することも重要です。その部署でどういった能力を発揮することに期待しているか、どういった点を評価して下した判断かを伝えると、配属結果への納得感を高められます。

内定者へのフォローの徹底

入社までの約1年間で企業側とのコミュニケーションがないと、先行きに不安を感じてしまうもの。そうした不安を解消するため、配属先の教育担当者とコミュニケーションを取るなど、内定者へのフォローを徹底するのも対策のひとつです。

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6.配属ガチャがハズレてしまった際の対応

実際の配属先への適性は当然、働いてみないことにはわかりません。結果的にハズレてしまった場合、配属先に関する問題をできる限り軽減・解消できる方法を知っておくことが大切です。ここでは、新入社員側・企業側の対応方法をご紹介します。

新入社員

配属ガチャでハズレてしまった場合、まずは相談し、それでも改善しない場合には異動や転職といった対応が挙げられます。

相談

まずは、人事に配属理由やその判断に至った経緯を質問してみましょう。自分では気づかなかった指摘や人事の意図が理解できるため、配属先への納得感が得られる可能性もあります。

異動

配属先に不満があるからといきなり転職を選択せず、まずは異動を検討しましょう。必ずしも希望通りの異動が実現するとは限らないものの、転職よりリスクは軽減されます。

現在の部署が理由でストレスを溜めてしまっている場合は無理し続けず、上司や人事に異動したい旨を相談してみてください。

転職

最終的な選択肢として、転職もひとつの道です。相談しても問題が解決しない、何らかの理由で異動が叶わないなど、ほかの手段で問題が解決できない場合に検討してみましょう。新卒の場合は、第二新卒の枠で転職が可能です。

企業

企業側は配属ガチャにハズレてしまった新入社員に対して、まずは相談や要望を聞き入れること、そして環境づくりを徹底することが求められます。下記で、具体的な対応をご紹介します。

1on1面談

上司と部下が1対1で定期的に行う面談のこと。主な目的は部下の育成で、部下の悩みや不安を聞いたり、モチベーションを直接確認したりできる機会となります。

まずは上司が部下の配属に関する悩みや不安を把握し、人事と連携して必要なフォロー・対応を検討しましょう。

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メンター制度

比較的年齢の近い先輩社員が新入社員をサポートする制度です。他部署の先輩社員がメンターを担当するため、同じ部署の先輩には話しにくい配属先の問題や不安を相談しやすくなるメリットがあります

まずは新入社員が相談できる環境が必要であるため、メンター制度は有効な対応です。

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