社員名簿とは? 管理のポイントと個人情報保護法のルールに沿った取り扱い

社員名簿は緊急時における連絡先の確保など、社員を守る観点からも大切な情報です。

その重要さは伝わりにくいものの、法定帳簿であり、不備があれば懲罰が課せられることもあります。管理体制を確認し、問題があれば早急に対策を講じましょう。

1.社員名簿とは?

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社員名簿とは法定帳簿のひとつで日本の「労働基準法」によって作成が義務付けられている名簿のことをいいます。正式には労働者名簿といいます。

労働者の数に関係なく、すべての従業員の氏名、生年月日、履歴、そのほか厚生労働省が定める事項を記入し、厳重に保管しておかなければいけません。社員名簿が無い、またはその記載内容に不備があった場合は是正勧告の対象になることも

一般的には、人事総務部門で全社員の社員名簿を、担当部門ごとでは部署、業務、社内連絡などのために作成されています。

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2.社員名簿の管理ポイント

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労働基準法では<第107条>の条文において、以下のように記されています。

「使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(日雇い入れられる者を除く。)について調製し、労働者の氏名、生年月日、履歴その他厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない」

対象となる労働者は、日雇労働者を除いたすべての労働者です。注意すべきなのは、正社員はもちろんのことパートタイマーやアルバイトまで含まれる点です。ちなみに、社員名簿に入らない日雇労働者についても、賃金台帳の作成は必要です。また労働基準法でいう労働者に代表者や役員は含まれません。

この法律の趣旨は、会社が働く社員をきちんと把握・管理するためです。緊急時における連絡先の確保はもちろんのこと、通勤手当の支給の際には通勤ルートの確認、住民税や年末調整のためにも従業員住所は必須です。

労務管理の実務上、あらゆるシーンで必要となります。このため、引っ越しや結婚・離婚等により記載内容(住所や氏名など)に変更があったときは、すみやかに訂正しましょう。

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社員名簿の項目

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社員名簿の項目も<第53条>によって定められています

  • 氏名
  • 性別
  • 生年月日
  • 住所
  • 履歴
  • 雇入の年月日
  • 退職の年月日及びその事由
    (退職の事由が解雇の場合にあつては、その理由を含む)
  • 死亡の年月日及びその原因

項目自体が法律によって義務とされているため、万が一記載に不備があれば違反扱いとなってしまいます。労働者名簿の作成義務(労働基準法第107条)違反は、30万円以下の罰金と定められているのです。

このうち「従事する業務の種類」については、<第53条第2項>により、30人未満の事業場においては記載する必要はないとされています。

社員名簿の保存期間

さらに社員名簿には労働基準法<第109条>による3年間の保存義務もあります。起点は入社日ではなく労働者の退職、解雇又は死亡時となります。

保存はパソコンによるデータ化も認められていますが、提出を求められた時にすぐに表示および印刷が可能な状態を条件としている点を忘れないでください。

また気をつけたいのは、労働者名簿は各事業場ごとに作成するということ。本社以外にも支店などがあれば、各事業場で作成し、すぐに表示・印刷できる状態で保管しておきましょう。

3.社員名簿管理の課題

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税務署対策に熱心な会社はたくさんありますが、めったに来ない労働基準監督署の調査について普段から意識している会社はそう多くありません

しかし、いざ来てしまうと混乱するのが労基署の調査であり、想定外の大きな出費につながることも。労働基準法についての理解不足は、取り返しのつかない結果を招きかねません

解決策としてはシステム等で一括作成・管理しておくのがベスト。入力はもちろん、訂正や追加もかなり楽になります。あとは入社時や変更時のフローについて社内でルールを決めておけば抜け漏れを防げます。

とくにクラウドサービスを導入すれば、各支店ごとのデータがいつでも利用可能で、ソフトの更新も不要です。法改正にも自動で対応してくれるので、労務管理の負荷軽減に役立ってくれることでしょう。

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4.社員名簿は個人情報

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平成27年9月より個人情報保護法が改正されています。これまでは事業に活用する個人情報が5,000人分以下の事業者は、個人情報保護法の義務を守る必要はありませんでした

しかし改正後は、顧客や従業員の個人情報(氏名、電話番号、住所等)を紙面やパソコンで名簿化して活用しているすべての事業者は、個人情報保護法のルールに沿った個人情報の取扱いが求められます。

改正個人情報保護法の全面施行日は、公布(平成27年9月9日)より2年以内の政令で定める日。施工日確定はこれからですが、社員名簿も個人情報保護法に基づき、個人情報を名簿化した際のルールにのっとり万全なセキュリティのもとで管理していきましょう。