労働者名簿の作成にお悩みではありませんか?
カオナビならあらゆる人材情報を一元管理・確認もスムーズです。
⇒ 【公式】https://www.kaonavi.jp にアクセスしてPDFを無料ダウンロード
従業員をひとりでも雇用している企業には、労働者名簿の整備が義務付けられています。労働者名簿の作成・管理は人事労務の基本です。
この記事では、労基法に定められた方法について基礎知識を解説し、作成に便利な各種テンプレートを紹介します。
目次
労働者名簿を簡単に管理できる「カオナビ」の資料を見てみる ⇒ 資料のダウンロードはこちら(無料)
1.労働者名簿とは?
労働者名簿とは、従業員の氏名、生年月日、住所、性別などを記載した名簿のことです。一人以上の従業員を雇用している企業には、労働者名簿を調製する義務が生じます。未整備の場合はもちろん、記載内容や保管方法に不備が認められる場合には、労働基準監督署の是正勧告の対象となります。
「社員名簿」「従業員名簿」
企業が調製する法定名簿には「労働者名簿」という正式な呼称がありますが、「社員名簿」や「従業員名簿」と呼んでいる企業もあるでしょう。
法律に規定されている内容が十全に記しあらわされているかぎり、いずれの呼称でも問題ありません。実態として名簿の情報が満たされているかどうかを確認しましょう。
①労働者名簿
②賃金台帳
③出勤簿
の3点をまとめて法定三帳簿といい、企業はいずれも定められた方法で作成・管理することが求められます
カオナビなら従業員情報を一元管理し、労働者名簿を常に最新の状態に保つことができます。 ⇒ カオナビの資料はこちらから
部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは?
・1on1の進め方がわかる
・部下と何を話せばいいのかわかる
・質の高いフィードバックのコツがわかる
効果的に行うための1on1シート付き解説資料をダウンロード⇒こちらから
2.労働者名簿の必須項目
労働者名簿に最低限、記載しなければならない項目は下記のとおり8点あります。
- 氏名
- 生年月日
- 性別
- 履歴
- 住所
- 業務の種類
- 雇い入れ年月日
- 退職(死亡を含む)した年月日とその事由
なお、従業員数が30人未満の組織は、従業員が従事する業務の種類(⑥)は記載を省略することができます(労働基準法施行規則 53条2項)。
記載項目の見本
こちらは厚生労働省が配布している「様式第十九号」という労働者名簿のフォーマットです。
見本を参照すると、人材の要点がわかりやすく簡潔に記入されていることがわかります。従業員ひとりにつき一枚ずつ、このような形式の名簿を作成しましょう。
参照すべき条文
労働者名簿の調製にあたり、労働基準法107条、および施行規則53条をチェックしましょう。条文の規定どおりに正しく作成することが求められます。
労働基準法 第107条
Ⅰ 使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(日日雇い入れられる者を除く。)について調製し、労働者の氏名、生年月日、履歴その他厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない。
Ⅱ Ⅰの規定により記入すべき事項に変更があつた場合においては、遅滞なく訂正しなければならない。
労働基準法 施行規則 第53条
法第107条第1項の労働者名簿(様式第19号)に記入しなければならない事項は、同条同項に規定するもののほか、次に掲げるものとする。
・性別
・住所
・従事する業務の種類
・雇入の年月日
・退職の年月日及びその事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)
・死亡の年月日及びその原因
常時30人未満の労働者を使用する事業においては、前項第3号に掲げる事項を記入することを要しない。
従業員数が多く入社や退職の頻度が高い会社では、労働者名簿の管理が負担になる場合があります。
従業員の基本情報の管理はもちろん、戦略的にデータ活用できる「カオナビ」がおすすめです。資料の無料ダウンロードは⇒ こちらから
3.作成時の様式・書式
労働者名簿の記載項目には法令の定めがありますが、そのフォーマットには特段の決まりはありません。
厚生労働省から「様式第十九号」というテンプレートが配布されていますが、実際にはどの様式・書式を用いても大丈夫です。紙でもデータでも構いません。安全に管理しやすいタイプのシートを選びましょう。
労働者名簿のテンプレート
ひな形を用いて作成すれば、労働者名簿に必要な情報を漏れなく記載することができます。
この記事では、厚生労働省および東京労働局が配布している、もっともオーソドックスなスタイルのひな形をご紹介します。
厚生労働省のサイトにアクセスすると、「様式第十九号」というシンプルな形式のひな形をダウンロードできます。労働者名簿の基本フォーマットです。
様式第十九号※クリックするとWordファイルがダウンロードされます
同様に東京労働局でも、Word形式のテンプレートが配布されています。厚労省のものと比べると、欄の大きさに違いが見られます。利用しやすいものを選ぶとよいでしょう。
ソフト・システムを利用した電子名簿について
電子媒体を利用した労働者名簿も認められています。近年は在宅勤務やテレワークが盛んになり、オンラインで名簿を管理する企業も多くなりました。
人材情報をデータ化するには人材管理システムを利用すると便利です。システムのテンプレートを利用して、あっという間に労働者名簿を作成することができます。
労働者名簿のテンプレートも備えている人材管理システム「カオナビ」 ⇒ カオナビの資料を見てみたい方はこちらから
4.作成における義務
労働者名簿を調製する環境にも、いくつか条件が定められています。どのような場所で、どのように作成すべきか、法令の定めを確認しましょう。この章ではポイントを絞って解説します。
①「各事業場ごと」に作成する
複数の事業場を持つ企業は、それぞれの事業場で、労働者名簿を整備しなければなりません。
本店には本店に従事する労働者の名簿、支店には支店に従事する労働者の名簿が作られることになります。
なお、事業場がひとところに限られる場合には、労働者名簿はひとつの作成で足ります。
個人情報・プライバシーの取り扱いに注意
複数の事業場で保管される労働者名簿は、個人情報やプライバシーに関わる項目の取り扱いについて十分な注意を要します。
人事部が名簿を一括管理することはできませんから、各事業場に対して継続的に、情報の使用や保管の安全性について指導しましょう。
②データ作成なら出力環境を整える
労働者名簿をWord、Excel、PDFなどのデータで作成して管理する場合、データの内容をすぐに表示・印刷できる環境を整えなくてはなりません。
紙以外の形式で名簿を保管している事業場は、すぐにプリントアウトできるように印刷機などの機器を備えましょう。
労働基準監督署の調査に注意
労働基準監督署は企業に対し、不定期に調査を行っています。調査が入ると、労働者名簿の原本の提示や、写しの提出が求められます。
名簿を未整備のために提出できなかったり、不整備の項目があったりすると、是正勧告の対象となります。是正勧告を受けても改善が見られない場合、労働基準法107条違反により、30万円以下の罰金となります。
人材管理システム「カオナビ」なら、従業員データを最新の状態に保つのも簡単です。PDF資料の無料ダウンロードは⇒ こちらから
5.労働者名簿の書き方
労働者名簿の書き方について、とくに質問が多いのは「業務の種類」と「履歴」です。
氏名や性別の書き方に迷う方はいないと思いますが、業務の分類方法や、履歴の使い方は各社各様であるため、疑問が残りやすくなります。
労働者名簿をどのように書くべきか、具体例とともに記入方法を解説しましょう。
①「従事する業務の種類」の記入例
たとえば、バックオフィス人材の名簿に「事務」と書いては、情報不足が否めません。どのような業務に具体的に従事しているか、日常の業務内容が伝わるように、「経理事務」や「総務・労務事務」などと記載するとよいでしょう。
同様に、たとえば建設業の「現場作業員」の場合、具体的に「大工」「左官工」「配管工」などと業務を示すことが求められます。従業員が現場でどのような仕事に就いているのか、明らかに書きましょう。
業務範囲が未定の場合(新卒など)
新卒者の採用では、入社時にはまだ配属先が定まっていないことが多くあります。
業務の種類が未定である場合、不明点は空欄にしたまま、先に労働者名簿を作成しましょう。氏名、生年月日、性別、住所など、入社の時点で埋められる項目はすべて埋めておきます。
その後、配属が決まったのちに「業務の種類」を加筆してください。くわえて「履歴」欄に、内容の更新日などを一筆残しておくと安心です。
②「履歴」の記入例
労働者名簿の「履歴」には、従業員の入社前の経歴から、入社後の人事異動による変遷などを端的に記します。
たとえば中途社員の履歴欄には、最終学歴から転職前の職歴まで、漏れなく記します。新卒社員の場合には、最終学歴のみで十分です。
人事異動については、発生した都度、履歴に加筆して内容を更新しましょう。
学歴や職歴の範囲
学歴や職歴を記入する際、どこからどこまで様相を明らかにすべきか、迷う方が多いようです。
入社以前の経歴は人それぞれ異なりますが、多くの場合、最終学歴と最終職歴さえはっきりしていれば、その他は不問です。
たとえば大卒にもかかわらず、卒業した高等学校、中学校、小学校まで書く必要はありません。高卒であれば、高等学校名のみを記載すれば足りるでしょう。
扶養家族や家族構成について
従業員の家族情報は、法定の必須項目にはありません。しかし、転勤や出向といった人事異動の采配において重視すべき情報であるため、企業によっては労働者名簿で扶養家族の情報を管理し、日常の人事労務に役立てていることがあります。
ただし様式第十九号には扶養に関する欄がないため、用いる場合には「履歴」の欄を利用するとよいでしょう。
記入に関してよくある質問(Q&A)
空欄があっても大丈夫でしょうか?
労基法107条に定めのある項目以外の欄については、空欄があっても問題ありません
しかし記載の義務のある労働者情報については、できるかぎりの対処が必要です。記入に漏れがある場合、労働基準監督署から是正勧告を受けることがあります。
空欄の発生を避けられない場合には、加筆の予定について履歴を残すなどしておきましょう。
従業員が転居したらどうすればいいですか?
従業員の住所に変更があった場合には、新しい住所を「住所」欄にすみやかに反映させます
時に、住所に変更のあった年月日、旧住所も記録しておくとよいでしょう。
結婚して従業員の姓が変わりました
結婚や離婚によって従業員の姓に変更があった場合、「氏名」欄に新しい姓をすみやかに反映させます
ただし業務上の都合や、本人の希望によって、旧姓を用いて業務に従事することもあります。
そのようなケースでは、「氏名」欄に括弧書きで旧姓を加筆したり、旧姓の情報を「履歴」に残したりなど、日常の労務管理に支障をきたさないための工夫が必要になります。
従業員の基本情報を一元管理する「カオナビ」なら、情報の更新も簡単です。 ⇒ 人材管理システム「カオナビ」の資料はこちらから
6.名簿にいれる労働者の分類方法
雇用しているすべての労働者について、記載義務があるわけではありません。
労働者名簿に記載する必要のない従業員もいます。分類の方法はすべて条文上に書いてありますので、参照しながら名簿の対象者について解説します。
労働者名簿の対象者
労働者名簿の対象は、基本的には「各労働者」です(労基法107条)。
なお、労働者とは、「事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」という定義のもとにあります(労基法9条)。
つまり名簿の作成が義務化されているのは、賃金の支払いを受ける労働者、ということになります。
「役員」「日雇い労働者」について
上記の定義に照らすと、「役員」と「日雇い労働者」は、労働者名簿を作成する必要がありません。
会社役員は、労働者に該当しません。そのため名簿を整備する義務は生じず、労働基準監督署の調査対象ともなりません。
また労基法107条には、「労働者名簿を、各労働者(日日雇い入れられる者を除く。)について調製」することが明記されています。条文の例外に照らし、企業と労働契約を日々締結している労働者も、労働者名簿が要らないことがわかります。
調製義務はなくとも名簿をあらかじめ整備しておくと、労務管理上の不都合が少なくなるでしょう
対象者に関してよくある質問(Q&A)
契約社員も名簿にいれるべきですか?
一定期間内の雇用である「契約社員」も、労働者名簿に記載します
労基法9条のいう労働者とは、「事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」です。契約社員もこちらの定義に該当するため、労働者名簿を整備する義務が生じます。
派遣社員は派遣元・派遣先どちらの名簿ですか?
派遣社員は、派遣先企業の労働に従事するものの、派遣元企業に雇われており、賃金も派遣元から支払われます。そのため労働者名簿の調製義務を負うのは、派遣元です(労働者派遣法44条)。
パート・アルバイトの労働者名簿もいりますか?
パートタイム労働者であっても、契約社員のケースと同様、労働者名簿の作成義務があります
雇用形態や勤務時間にかかわらず、「事業所に使用され、賃金の支払われる者」に当てはまるかぎり、すべての労働者について名簿を整備しましょう。
出向者の名簿は、出向先と出向元、どちらが作りますか?
「移籍出向」か「在籍出向」か、どちらに該当するかにより、2つのパターンが考えられます
出向元との雇用関係がなくなる移籍出向では、出向先の企業が名簿を作成する義務を負います。
しかし在籍出向では、出向元と出向先、双方との労働契約が成立している状態になります。そのため両企業ともに労働者名簿を作成しておく必要があります。
組織の煩雑な人事業務を効率化する「カオナビ」 ⇒ カオナビの資料を見てみたい方はこちら
7.労働者名簿の管理方法
法定帳簿である労働者名簿は、管理すべき期間についても法律に定めがあります。
たとえば従業員が退職したからといって、保管の継続をただちに中止することはできません。労働者名簿の保管期間に関する規定を、以下で確認しましょう。
5年間の保存期間(改正法)
労働者名簿の保存期間は、労働基準法109条および143条に定めがあります。
改正労基法109条
使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を五年間保存しなければならない
改正労基法附則143条
第109条の規定の適用については、当分の間、同条中「五年間」とあるのは、「三年間」とする
なお、附則143条にある「当分の間」は、明確には定義されていません。
やむを得ない理由で3年間の保存となることは許容される、と解釈できますが、可能なかぎり5年間の保存を心がけるとよいでしょう。
労働者名簿の起算日
条文を参照すると、5年間の名簿の保存が義務付けられていることがわかります。それではいったい「いつ」から、5年をカウントすればよいでしょうか。この「いつ」のことを、法律上では「起算日」と呼びます。
労働者名簿の保存期間は、従業員の退職や解雇または死亡のその日から起算して5年の間とされています。入社日が起算日とならないことに注意しましょう。
もうExcelや紙の労働者名簿は不要! 従業員データは「カオナビ」で一元管理 ⇒ 資料の無料ダウンロードはこちらから
8.労働者名簿の更新方法
更新にも手間と労力を要するのが労働者名簿です。人事異動のたびに記録に残す必要がありますし、従業員の住まいや家庭状況など、私生活の変化についても結果を加筆しなくてはなりません。
労働基準法107条により、労働者名簿は「遅滞なく訂正しなければならない」と定められています。名簿の更新はスピーディーに行うべきことを心得ましょう。
変更履歴について
労基法には従業員の最新情報の記載のみが義務付けられています。つまり変更履歴の保存は義務ではありませんが、履歴を記載しておくと、日常の人事労務で何かと役立ちます。
「カオナビ」では、更新のたびに変更履歴を残しておくことをおすすめしています。様式第十九号を用いる場合は、「履歴」の欄に、変更履歴を加筆しておきましょう。
労働者名簿はオンラインで管理すると、必要なときにいつでも閲覧・編集できます。人材管理システム「カオナビ」では、顔がわかる名簿を作成し、クラウド管理することができます。
法律に定められた記載項目はもちろん、人材の経験・スキル・資格情報、また、過去の人事評価や配置転換の情報まで、タレントマネジメントに必要なすべての人材データを管理できます。
【従業員情報の管理に手間がかかっている……】
こんなお悩みをお持ちではないですか?
・従業員マスタと労働者名簿が別管理になっている
・ExcelやAccessでの管理に限界を感じている
・複数の従業員情報がスムーズに取り出せない
・従業員情報の共有化ができておらず、管理部門に負担が集中している
\カオナビなら/
これひとつで従業員情報の一元管理、役職等に応じた社内共有まで実現する! それが人材管理システム「カオナビ」 です。
