フィードバック研修とは、管理職やリーダーが部下に対して効果的なフィードバックを行うスキルを体系的に学ぶ研修のことです。サンドイッチ型・SBI型・ペンドルトン型など複数の手法があり、目的や場面に応じた使い分けが求められます。本記事では、フィードバック研修の目的や代表的な手法、効果的なやり方、1on1ミーティングとの連携方法を解説します。
目次
1.フィードバック研修はした方がいい?
フィードバック研修とは、管理職が部下の成長を促すために適切なフィードバックスキルを習得する取り組みのことです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 必要性 | 多くの企業のフィードバックはダメ出し中心で、社員の成長を妨げている |
| 研修で学べること | 社員の優れている点・課題解決の具体的方法など、効果的なフィードバック要素 |
| 研修の質を高めるコツ | 信頼関係の構築も学ぶ・現実的なシチュエーションを使う・アウトプットの場を設ける |
フィードバック研修は、「社員の優れている点」「課題解決への具体的な方法」などフィードバック時に社員に伝える要素を学べる重要な機会です。
多くの企業で行われているフィードバックは、社員へのダメ出しが中心というケースも珍しくありません。これだけでは社員の成長を妨げてしまいます。フィードバック研修によって適切なフィードバックが実施できるようになるのです。
良いフィードバック研修にするには?
良いフィードバック研修にするためには、上司と部下の信頼関係の構築もあわせて学ぶとよいでしょう。研修プログラムに現実的なシチュエーションを用いると、参加者の理解度も深まり、定着しやすくなります。
そしてレクチャーを聞くだけでなく、アウトプットの場づくりも必要といえるのです。

フィードバックとは? 意味・効果的な伝え方・3つの手法・NG例を解説
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2.フィードバック研修とは?
フィードバックとは、業務の結果や行動に対して評価や改善点を伝え、相手の成長や目標達成を支援するコミュニケーション手法のことです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | フィードバックに特化した研修。フィードバックの意義を浸透させる場 |
| フィードバックとは | 仕事の評価結果を本人に伝えること。ある結果を元にした課題やアドバイスを行う |
| 語源 | 制御工学の用語。出力結果を入力側に戻し、出力値を目標値に一致させるという意味 |
| 研修の目的 | 効果的なフィードバック方法論を学び、部下へのサポート力を向上させる |
ビジネスシーンでのフィードバックとは、部下の仕事に対して実施するリアクションのこと。ある結果を元にした課題やその対策などのアドバイスを行います。
このフィードバックに特化した研修が「フィードバック研修」で、フィードバックの意義を浸透させる場となるのです。効果的にフィードバックを行うための方法論を学ぶことで、部下へのサポート力の向上を促します。
フィードバックの意味
フィードバックは制御工学で用いられてきた言葉です。出力結果を入力側に戻し、出力値が目標値に一致させるという意味を持っていました。
このような経緯から、求める結果との相違を生む原因を行動側に戻すことを、「フィードバックする」と表現するようになったのです。ビジネスシーンにおける「フィードバック」は、仕事の評価結果を本人に伝えることを指します。
ビジネスシーンで使われるフィードバック
ビジネスシーンではフィードバックを下記のように使います。
- 上司:「レポートにコメントを入れておいたから修正しておいてください」
- 部下:「はい、承知いたしました」
- 部下:「A課長、レポートを手直しいたしました。お手数ですがご確認ください」
- 上司:「これは全然ダメだよ。私の“フィードバック”がまったく反映されていないじゃな
いか」

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3.研修が必要なフィードバックの目的とは?
フィードバックの目的とは、社員の目標達成支援・人材育成・モチベーション向上・業務能力向上の4つに大別される重要な役割のことです。
フィードバック時に部下が感じる不満のひとつに、「伝えられ方」が挙げられます。つまり内容よりも伝え方一つで部下のモチベーションが下がってしまうのです。あわせて、フィードバックの目的を明確におさえる必要もあります。
- 社員や組織の目標達成
- 振り返りによる人材育成
- 社員のモチベーションの向上
- 業務能力向上
①社員や組織の目標達成
社員が状況を十分に理解して、目標達成に向けた情報を改めて得ると、社員本人はもちろんのこと組織の目標達成にも結び付きます。
そのためにフィードバックを目標達成のサポートとして生かすには、「フィードバックを伝える人が、相手の目標を十分に把握している」「フィードバックを受ける社員が、目標達成のためにフィードバックを必要としている」という2点の重視が不可欠です。
②振り返りによる人材育成
日々の現場では、やるべき仕事をこなすことで精一杯になってしまい、自身の仕事を振り返る余裕がない社員も少なくありません。そこでフィードバックすると内省の機会を得られます。
上司が業務中に発見した内容を都度丁寧にフィードバックすれば、振り返るきっかけも高まるでしょう。
③社員のモチベーションの向上
定期的にフィードバックを行うと、社員の目指したいことが可視化されて、通常の人事評価では得られにくいモチベーションも向上します。定期的にフィードバックして社員を育成し、サービス向上を推進して注目を集めるカフェもあります。
④業務能力向上
フィードバックを受けると本人自身の弱みが明確になり、改善に向けて取り組めるようになるのです。その結果、アウトプット力は高まり、業務能力の向上にもつながるでしょう。効率的に効果を引き出すためにも、フィードバックは定期的に行います。

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4.研修に取り入れたいフィードバックの3つの型とは?
フィードバックの型とは、サンドイッチ型・SBI型・ペンドルトン型に代表される、伝え方を構造化したフレームワークのことです。
| 型 | 特徴 | 進め方 |
|---|---|---|
| サンドイッチ型 | 最も知られた方法。否定から伝えるとモチベーションが低下するため順序を工夫 | 肯定→否定→肯定の順で伝え、傾聴を促し納得感を持たせる |
| SBI型 | 状況・行動・影響の流れで行う方法 | Situation(状況の理解)→Behavior(取った行動の説明)→Impact(影響の伝達) |
| ペンドルトン型 | 社員自身に取り組むべき行動を考えさせる方法 | 評価ポイントと不足スキルについて振り返るきっかけを与える |
研修に取り入れたいフィードバックには、3つの型があります。ここではその3つについて解説しましょう。
①サンドイッチ型
サンドイッチ型とは、初めにポジティブな内容を伝えて、次にネガティブな指摘、最後に再びポジティブな内容を伝えること。フィードバックの中でも一番知られている方法です。
否定から伝えてしまうと社員のモチベーションの低下を招く恐れがあります。そのため「肯定→否定→肯定」の順に行って傾聴を促し、納得感を持たせやすくするのです。
②SBI(Situation Behavior Impact)型
SBI型とは、「Situation(状況)」「Behavior(行動)」「Impact(影響)」という流れで行う方法のこと。この方法では、まずフィードバックを実施する事象が生じた際、事象がなぜ起きたのか、理解させます。
その後、事象の際に取った行動を具体的に説明し、その事象によってどのような影響が生じたのかを伝えていくのです。
③ペンドルトン型
ペンドルトン型とは、社員自身に取り組むべき行動を考えてもらうよう促す方法のこと。心理学者のペンドルトン氏が開発したフィードバック方法で、社員が「評価に値するポイント」「足りないスキル」について振り返るきっかけを与えます。

5.研修で伝えたい効果的なフィードバックのやり方とは?
効果的なフィードバックのやり方とは、具体性・即時性・実行可能性・目標連動性の4要素を意識した伝え方のことです。
効果的にフィードバックを行うためには、どうしたらよいのでしょうか。ここでは4つのポイントについて解説します。
- 具体的に伝える
- タイムリーに伝える
- 実行可能な行動を伝える
- 目標と連動させる
①具体的に伝える
内容があいまいで、具体性に欠けるフィードバックは、受けた社員が取り組むべき行動や改善点がぼやけるため、明確に把握できなくなります。
社員のパフォーマンスをより向上するためにも、具体例や参考になるソースを提示するなどして、イメージしやすいように伝えましょう。
②タイムリーに伝える
たとえば、1年に1回という頻度でのフィードバックで回数は足りるでしょうか。時間が空いてしまったために状況が変化したり、上司と部下の記憶も曖昧になったりすると、評価の内容にタイムラグが生じるでしょう。
フィードバックは部下が行動した後、可能な限り速やかに実施します。アドバイスをタイムリーに受けられれば部下も行動改善しやすくなるなど、さまざまなメリットがもたらされます。
③実行可能な行動を伝える
たとえばフィードバックを受ける際、「積極性が足りないね」と説明されただけでは、実際どのように行動すればよいか迷ってしまいます。つまり重要なのは、フィードバックを受けて社員が次にどのような取り組みをすべきか理解できるような、実行可能な要素を含めることなのです。
④目標と連動させる
社員に取り組むべき目標を設定させて、その目標をフィードバックに連動させるという点にも意識しましょう。
目標設定では、「社員が目標に対して納得し、能動的に取り組める」「社員の現状のスキルや役職に合っている」「会社や同僚からの期待が十分反映されている」などが含まれているかどうかも重要なポイントになります。

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6.フィードバック研修におすすめの「1on1ミーティング」とは?
1on1ミーティングとは、上司と部下が定期的に1対1で対話し、フィードバックや目標確認を行う面談形式のことです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 概要 | 定期的に上司と部下で行う1対1の面談 |
| 目的 | 会社の持続的成長を支える社員の育成 |
| 推奨頻度 | 週1回または月1回の短期サイクル |
| メリット | 信頼関係の構築・問題の早期発見と解決・パフォーマンスの向上 |
| 注意点 | 上司が一方的に話さず部下の話を聴く。雑談で終わらず業績向上につながる会話をする |
近年、フィードバック研修として注目されているのが「1on1ミーティング」です。これは定期的に上司と部下で行う1対1の面談で、さまざまな効果や有用性が得られると知られています。ここでは、下記4つについて解説しましょう。
1on1とは? 目的とやり方、メリットや話すことがなくても失敗しない方法を解説
1on1とは、上司と部下が1対1で定期的に行う対話の場です。評価面談とは異なり、部下の成長支援・モチベーション向上・信頼関係の構築を目的とし、業務課題からキャリア・私生活の悩みまで幅広く扱います。週1...
①1on1ミーティングを実施する目的
1on1ミーティングの目的は、会社の持続的成長を支える社員の育成。企業には達成すべき目的が必ず掲げられており、その目的を見据えて社員が優れたパフォーマンスを発揮することが求められています。
それゆえ企業としては持続的成長のために、社員のモチベーションを引き出して成長を促すことが不可欠なのです。
②1on1ミーティングの背景
近年、不確実な市場の変化が起こりつつあり、従来での物差しが通用しない時代ともいわれています。また仕事における正解の意義も一つではない傾向となっているため、ときには部下が上司にアドバイスするコミュニケーションが必要になる場合もあるのです。
③1on1ミーティングの頻度
1on1ミーティングは、週に1回または月に1回などの短期的なサイクルで実施するとよいでしょう。1年に1回だけの面談では、理想的なコミュニケーションが図れません。それでは部下が上司に対して正直な気持ちで相談するのも難しいです。
定期的に話すとお互いの距離も縮まりやすくなります。コミュニケーションの頻度が高まれば信頼関係の構築もより期待できるようになるでしょう。
④1on1ミーティングのメリット
1on1ミーティングには、上司と部下で行う1対1の面談という形式から、さまざまなメリットをもたらすと考えられています。
ここでは、1on1ミーティングの代表的なメリットである「信頼関係の構築」「問題の解決」「パフォーマンスの向上」について説明していきましょう。1on1ミーティングを導入しようと検討している場合は、ぜひ参考にしてみてください。
信頼関係の構築
1on1ミーティングは上司と部下が定期的にコミュニケーションを取れるため、信頼関係の構築を促せます。慌ただしい業務時間では目の前の仕事に追われているため、部下が上司に対して仕事の悩みを伝えることはハードルも高く、困難でしょう。
しかし1対1であれば雰囲気もフラットになりやすく、業務の相談もしやすいです。それゆえお互いの信頼関係を構築する一助になります。
問題の解決
1on1ミーティングでは一般的に、部下が抱えている課題や疑問などがテーマとして取り上げられます。よって日々の業務時間内では上司が気付けない問題も、1on1ミーティングによって表面化される可能性は高いのです。
そして上司がそれらをしっかり理解することで、問題を速やかに解決できるようになるのです。
パフォーマンスの向上
1on1ミーティングを実施すると、業務中には把握できなかった部下のキャラクターや健康状態などを上司が知りやすくなります。フランクな雰囲気のなか1対1で話すと、部下も悩みを伝えやすくなり、相互理解も深まっていくでしょう。
その結果、部下の仕事のパフォーマンス向上にも結び付くのです。

7.1on1ミーティングを実施するときの注意点とは?
1on1ミーティングの注意点とは、部下の話を傾聴する姿勢と業績向上につながる会話設計を意識すべきポイントのことです。
1on1ミーティングのポイントは、「部下が仕事に対してどのように考えているのか」をヒアリングすること。よって1on1ミーティングでは、上司の「聴く力」「コミュニケーションスキル」が重要になるのです。
- 部下の話を聴くよう意識する
- 業績向上につながる会話をする
①部下の話を聴くよう意識する
1on1ミーティングは部下のために設けられた時間なので、上司が一方的に話すだけでは効果が期待できません。上司には、部下へ投げかける質問数や部下が話をする時間の配分などの考慮も求められます。
②業績向上につながる会話をする
1on1ミーティングはフランクな雰囲気で行われるため、雑談で終わってしまう場合も珍しくありません。雑談を交わすと上司は、「十分なコミュニケーションが取れた」と思い込みがちですが、部下は「貴重な時間を無駄にした」と感じる場合もあります。
つまり1on1ミーティングでは、業績向上につながる会話をメインにする必要があるのです。

8.フィードバック研修を活用した具体例(シミュレーション)
以下では、「フィードバック研修」を実際の業務に当てはめた具体例をシミュレーション形式で紹介します。自社の状況に合わせて応用してみてください。
企業概要
フジミライ株式会社(従業員280名・ITサービス業)
課題
管理職30名のうち約7割が「部下へのフィードバックに自信がない」と回答。評価面談が一方的な通知の場になっており、若手社員の離職率が前年比で3ポイント上昇していた。
施策
Step1 現状把握として全管理職にフィードバックスキルの自己評価アンケートを実施し、課題を「具体性の不足」「タイミングの遅れ」「改善行動の未提示」の3つに分類した。
Step2 外部講師を招き、SBI型フィードバックの座学研修(2時間)を実施。その後、実際の評価シーンを想定したロールプレイングを3人1組で繰り返し練習した。
Step3 研修翌月から全管理職に月2回の1on1を義務化し、SBI型フォーマットに沿ったフィードバックメモを人事システムに記録するルールを導入した。
結果
研修実施から6か月後、部下満足度調査の「上司のフィードバックに納得感がある」の項目が52%から78%に改善。若手社員の離職率も前年比で2ポイント低下し、1on1の定着率は90%を超えた。
※上記はあくまで架空の事例であり、実在する企業・団体とは一切関係ありません。
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9.関連する改善事例
【事例】リョービ株式会社
リョービでは、カオナビ導入前は評価結果のフィードバックが属人的で、実施状況にばらつきがあることが社員の不満につながっていました。カオナビで人事評価とCDP(キャリア開発計画)を見える化し、評価者が質の高いフィードバックを確実に実施できる仕組みを構築しました。フィードバックが定着した結果、社員満足度も大幅に向上しています。評価者のフィードバックスキルを組織的に底上げした同社の取り組みは、フィードバック研修の成果を現場に定着させる際の参考となります。
【事例】株式会社チュチュアンナ
チュチュアンナでは、自律性の高い本部組織づくりの一環として360度評価を導入し、カオナビで運用を効率化しました。運用負荷を8分の1に削減したことで、結果の分析と改善アクションに注力できる体制を実現しています。多角的なフィードバックデータを蓄積し、育成計画と連動させることでマネジメント人材の継続的な強化を目指しています。多面的な評価データをフィードバックに活かす仕組みは、フィードバック研修で学んだ手法を実務に落とし込む際のモデルケースです。
【事例】株式会社アキュラホーム
アキュラホームでは、個人依存の業務体制からチーム力への転換を目指し、管理職の意識改革を推進しています。カオナビで管理職が部下の状況をデータで把握できる環境を整備し、1on1面談の記録を蓄積して個別育成計画にも活用しています。データに基づくフィードバックが定着することで、管理職と部下の信頼関係が強化されました。管理職がフィードバックの質を高め続ける仕組みは、フィードバック研修の学びを組織文化として根付かせる好例です。
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フィードバック研修は管理職以外にも実施すべきですか?
管理職だけでなく、プロジェクトリーダーやOJTトレーナーなど、日常的に部下・後輩を指導する立場の社員にも実施すると効果的です。組織全体のフィードバック文化を醸成するため、一般社員向けに「フィードバックの受け方研修」を併せて行う企業もあります。
フィードバック研修の効果はどのように測定すればよいですか?
研修前後で「部下の満足度調査」や「1on1の実施率」を比較する方法が一般的です。また、360度評価でフィードバックスキルの変化を定量的に把握したり、研修後3か月時点でのフォローアップアンケートを実施して行動変容を確認する方法も有効です。
フィードバックが苦手な管理職に効果的なトレーニング方法はありますか?
ロールプレイング形式で実践練習を行い、録画で自身のフィードバックを客観的に振り返る方法が効果的です。SBI型のように型に沿って伝える練習から始めると、苦手意識がある管理職でもフィードバックの構造を身につけやすくなります。
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◆資料内容抜粋 (全31ページ)
・人事評価システム「カオナビ」とは?
・人事のお悩み別 活用事例9選
・専任サポートについて など

