テレワーク(リモートワーク)での1on1のやり方

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テレワークでの1on1とは、オンラインツールを活用して上司と部下が1対1で定期的に対話するマネジメント手法です。対面コミュニケーションの減少により7割以上の上司が「部下に遠慮している」という調査結果もあり、意図的な1on1の設計が不可欠です。

本記事では、テレワーク下における1on1の現状と課題、実践的な進め方(頻度・話題・3つの関わり方)、期待できる効果を解説します。

1.1on1とは?

1on1とは、上司と部下が1対1で対話する場であり、評価面談とは異なり部下の成長を主目的とするマネジメント手法です。

はじめに「1on1」の意味、テレワーク下で1on1が重要視されるようになった背景について説明します。1on1は上司と部下が1対1で対話をする場のことです。1対1の対話といえば評価面談を想像する人も多いかもしれませんが、目的や実施方法に違いがあります。

1on1とは? 目的とやり方、メリットや話すことがなくても失敗しない方法を解説
1on1とは、上司と部下が1対1で定期的に行う対話の場です。評価面談とは異なり、部下の成長支援・モチベーション向上・信頼関係の構築を目的とし、業務課題からキャリア・私生活の悩みまで幅広く扱います。週1...

1on1の意味

1on1の主な目的は人材育成です。これまで1対1のコミュニケーションといえば、上司から部下へネガティブなフィードバックを伝えたり、一方的に評価を行ったりするのが一般的でした。

1on1の主役はあくまでも話をする側、部下側です。部下の現状や悩みに寄り添いながら本人の能力を引き出すこと、管理することではなく本人の成長を助けることが1on1の目的です。

テレワーク下で1on1が重要視されるようになった背景

テレワークの普及により、上司と部下のコミュニケーションは大きく変化しています。部下がどのような課題を抱え、どのような不安を持って仕事をしているか把握しづらくなっているのです。

マネジメントの負荷や難度が高まるなかで、1on1を重要視する企業が増えてきました。

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2.テレワークの1on1の現状

テレワーク下の1on1の現状とは、オフィスでの自然なコミュニケーションが減少したことで7割以上の上司が部下への遠慮を感じており、対話の質低下が顕在化している状況です。

テレワーク下での上司の意識調査結果

質問項目 割合
部下に伝えるべきことを伝えられないことが「たびたびある」と回答した上司 約23%
「どちらかというとある」と回答した上司 47%
テレワーク浸透前後でコミュニケーションのやりづらさ・不満を感じる機会が増えたと回答した上司 78%

出典:EDGE株式会社「1on1に関する調査データ」

テレワーク、リモートワークの普及によって今まで以上に重要視されるようになった1on1。オフィスでのコミュニケーションがなくなり、これまで無意識のうちに実施してきた生産性を上げるための会話やフィードバックの機会が少なくなっています。ここではテレワーク下における1on1の現状について説明します。

テレワーク中の上司と部下のコミュニケーションの現状

HRテック企業のEDGE株式会社では上司400人、部下400人に「テレワーク下での上司・部下のコミュニケーション調査」を実施し、テレワークの現状を調査しました。本調査により、多くの上司がテレワーク中の部下に遠慮しているという現状が明らかになっています。

7割以上の上司が、1on1で「部下に遠慮」している

テレワーク中の1on1ミーティングで、部下に伝えるべきことを伝えられないことがたびたびあると回答した上司は約23%。また47%もの上司がどちらかというとある、と回答しました。

またテレワークの浸透前後を比較してコミュニケーションにやりづらさを感じたり、不満を感じたりする機会が増えたと回答した上司は78%。テレワークの1on1において、7割以上もの上司が部下に遠慮しているということが分かりました。

1on1に関する調査データ

EDGE株式会社「1on1に関する調査データ」より引用

テレワーク中に生まれがちなひずみ

「テレワークによって仕事を効率的に行うことができた」と声が挙がる一方で「部下一人ひとりの本音が見えにくくなった」「新たなメンバーとの信頼関係を構築するのが難しくなった」という声もあります。

1on1は上司と部下との間に対等で前向きなつながりを構築できる可能性があることから注目を集めています。しかしそれと同時に「初回以降は話す内容がない」「深いつながりが感じられず雰囲気が重い」といったひずみも生じています。

効果的に1on1を実施するには、何のために実施しているのか、その目的と手段を明確にしなければなりません。

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3.テレワーク中にできる実践的1on1

テレワーク中の実践的1on1とは、週1回・全メンバーとの定期対話を基本に、ティーチング・コーチング・フィードバックの3つを組み合わせて部下を育成する進め方のことです。

テレワーク1on1で使える話題テーマ例

テーマ 内容
プライベートの理解 テレワーク環境はどうか、在宅ワークで工夫していること、家族の様子など
心身の健康状態 体調面・精神面の不調はないか、業務量が過多になっていないかなど
モチベーション 困難な業務はないか、不安や気になっている点はないかなど
業務の進捗と課題 目標に対する進捗、つまずいているポイント、サポートが必要なことなど
キャリアや成長 今後チャレンジしたいこと、伸ばしたいスキル、キャリアの方向性など

1on1は万能ではありません。しかしいくつかのポイントを意識すれば、テレワーク中のすれ違いや上司と部下の間に生まれるひずみを防ぐことができます。ここではテレワーク中にできる実践的な1on1について説明します。

テレワーク中でも工夫次第で1on1ができる!

テレワーク、リモートワークの普及によって、これまで当たり前に行われてきたコミュニケーションの機会そのものが減少しました。これにより、部下にとっては職場にあった適度な緊張感がなくなり自律が難しくなったという課題が、上司にとっては部下の成長や課題を把握しにくくなったという問題が生じています。

これらの問題を解決するためには、次のような1on1の進め方が効果的です。

1週間で全員と1on1

1on1はもともと週に1回程度の短いサイクルで定期的に実施するマネジメント手法です。テレワーク下でもこの頻度を落とさず、1週間でメンバー全員とコミュニケーションが取れる状態を作りましょう。

ひとりあたりの時間が15分から20分程度の短時間でも構いません。1週間のうちに少なくとも1回以上、オンラインで密なコミュニケーションをとる時間を設けます。

必要に応じて1on1

メンバーの成長段階や状況に応じて1on1の頻度や時間を変えてみるのもよいでしょう。メンバーのなかには自立して業務を遂行できる人もいれば、細かな指示が欲しいという人もいます。

1週間に複数回話すメンバーがいても構いません。テレワーク下における1on1で重要なのは「メンバー全員と」「高頻度で」コミュニケーションをとることです。

1on1では、どんなことを話せばいい?

1on1でどのような会話をすればよいのか悩む上司も少なくありません。テレワーク下における1on1の目的は、メンバーが会社にいなくてもパフォーマンスを下げずに組織としての生産性を維持、向上することです。この目的に沿っていれば、話すテーマは何でもかまいません。具体的には次のようなテーマを検討してみましょう。

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テレワーク中でも忘れない、1on1における3つの関わり方

ティーチング・コーチング・フィードバックの使い分け

関わり方 定義 適した場面
ティーチング 知識ややり方を直接教える 新しい業務の手順や緊急性の高い対応を指導するとき
コーチング 対話を通じて部下自身に答えを導かせる 部下が自ら考え行動する力を育てたいとき
フィードバック 行動の軌道修正や動機づけを行う 部下が現状を正しく認識し改善策を立てられるよう支援するとき

これはテレワーク下の1on1でも同じです。基礎となる相互の信頼関係が構築されたら、この3つを意識して部下を育成します。

ティーチング

「ティーチング(teaching)」は英語の「教える(teach)」に由来しています。相手の知らない知識ややり方を教える関わり方のことです。
部下がはじめての業務に取り組む際や、緊急性の高い仕事への対応方法を指導、教育する際には「ティーチング」が有効です。学習プロセスが明確なため、短時間で多くの人材に知識を共有することができます。

コーチング

対話を通じて部下自身に答えを出させる関わり方を「コーチング」といいます。同じ答えを出す方法でも、ティーチングは「上司が部下に答えを与える指導法」、コーチングは「上司が部下に応え考えさせる指導法」として区別されます。上司は部下自身が答えを導き出すためのサポートを行います。

フィードバック

「フィードバック」とはアクションの軌道修正や動機づけをおこなうための指導、教育、評価のことです。部下が現状を正しく認識し、今後の改善案を立てられるようサポートする関わり方を指します。だめ出しや人格の否定をするのではなく、期待する水準と実際の成果の差を示すことが重要です。

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4.テレワーク1on1の導入・運用手順

以下のステップで手順を解説します。

STEP.1
1on1の目的と基本ルールを設定する
テレワーク環境におけるコミュニケーション課題を整理し、1on1で解決したいゴールを明確にする。頻度・時間・ツールの基本ルールを策定する
STEP.2
オンライン環境とガイドラインを整備する
使用ツールを選定し、カメラON・定刻5分前入室など共通ルールを全社に周知する。事前に接続テストを実施する
STEP.3
アジェンダを事前共有し1on1を実施する
上司・部下それぞれが話したいテーマを事前に共有する。対話ではティーチング・コーチング・フィードバックを状況に応じて使い分ける
STEP.4
面談内容を記録し次のアクションを設定する
話した内容と次回までのアクションプランを記録する。部下が「相談してよかった」と感じるフォローアップを日常的に行う
STEP.5
定期的に運用を振り返り改善する
1on1の効果を定期的に検証し、頻度・テーマ・進め方を見直す。人事部がモニタリングし、上司へのフォローアップも実施する
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5.テレワーク中の1on1の効果

テレワーク中の1on1の効果とは、業務の円滑化・上司との信頼関係構築・モチベーションやエンゲージメントの向上という3つの成果が期待できることです。

コミュニケーションの機会が減りがちなテレワーク環境下において、企業はどのような効果を期待して1on1を導入するのでしょうか。ここではテレワーク中の1on1の効果について説明します。

業務の円滑化

テレワーク下における1on1の効果として特に期待されているのが、業務の円滑化です。定期的な1on1の実施により、上司は部下の目標に対する進捗具合や達成に向けた課題、現状の問題点などを把握しやすくなります。

的確なアドバイスや努力に対する評価が認められれば、業務がスムーズに進められるだけでなく、モチベーションアップや満足度の向上につながります。

上司との関係性の構築

1on1では業務上の報告や相談だけでなく、プライベート上の悩みを聞くこともあるでしょう。部下が抱える悩みや不安を知ることができれば、上司はそれに対する適切な施策を考えることができます。

コミュニケーションの不足や認識のずれは業務上の誤解だけでなくモチベーションの低下、最悪の場合離職につながる可能性もあります。1on1を実施することで、お互いに信頼関係を築くことができるのです。

モチベーションやエンゲージメントのアップ

1on1を業務上の目標管理の一部として行うことが、結果として達成の近道となることもあります。定期的な1on1はモチベーションやエンゲージメントの上昇につながります。

1on1で話した内容に対してアクションがあれば、部下は「問題を話してよかった」「相談した甲斐があった」「1on1をやってよかった」と感じるでしょう。1on1によって部下は自信と成長の実感を持って日々の業務を進めることができるのです。

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6.関連する改善事例

以下では、本テーマに関連する企業の取り組み事例を紹介します。

【事例】トランスコスモス株式会社

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【事例】株式会社スタイル・エッジ

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【事例】株式会社元気な介護

全国12の介護施設を運営する従業員約330名の企業です。カオナビを導入してMBOとコンピテンシー評価をシステム化し、各施設に分散する職員の資格情報や研修履歴を一元管理しています。拠点が離れていても職員の頑張りを可視化できる仕組みを構築し、離職率を20.8%から14.2%に改善しました。テレワークでの1on1の観点からも先進的な取り組みといえます。

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よくある質問

テレワークでの1on1はどのくらいの頻度で行うべきですか?

週1回・1人あたり15〜30分程度が目安です。テレワーク環境ではオフィスでの偶発的なコミュニケーションがないため、対面時と同等かそれ以上の頻度で実施することが推奨されます。メンバーの状況に応じて週複数回に増やしても問題ありません。

テレワークの1on1で上司が部下に遠慮してしまう場合の対策は?

事前にアジェンダを共有し、話す内容を構造化しておくことが有効です。また「フィードバックは部下の成長を支援するもの」という目的を双方で確認し、伝えるべきことを伝える文化を組織として醸成しましょう。テキストベースで事前に課題を共有しておくと、口頭で伝えるハードルが下がります。

テレワーク1on1に適したオンラインツールの選び方は?

音声・映像が安定していること、セキュリティが確保されていること、自社のOSやセキュリティソフトとの相性がよいことが基本条件です。アプリだけでなくブラウザからも接続できるツールを選ぶと、トラブル時の代替手段になります。Zoom・Teams・Google Meetなどが広く利用されています。


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