ソーシャルグッドとは?【意味を簡単に】企業事例、取り組み

ソーシャルグッドとは、社会の課題に対してよい影響を与える活動や製品、およびそれらを支援する姿勢のことです。ここではソーシャルグッドについて、解説します。

1.ソーシャルグッドとは?

ソーシャルグッド(SocialGood)とは、「地球環境や地域のコミュニティなど社会や世界に対してよい影響を与える活動や製品」「社会貢献度の高いサービス」「それらを支援する姿勢」の総称です。ボランティアとしてだけでなく、ビジネスとしても行われます。

2010年代に生まれたこの概念ははじめ、アメリカやヨーロッパを中心としていました。しかし今では全世界に広まっています。また当初は企業側の取り組みでしたが、次第に消費者にも取り入れられていったのです。

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2.ソーシャルグッドが注目される背景

ソーシャルグッドが注目されるようになった背景にあるのは、2015年9月に開催された国連サミットで「SDGs(持続可能な開発目標)」が採択されたことです。これをきっかけに、サステナビリティを追求する取り組みが世界で広まりました。

環境や貧困など世界各地で起こっている問題の解決に向け、地球全体で取り組むべきであると認識されるようになったのです。同時にソーシャルグッドの考え方も、世界の人々に浸透しはじめました。

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3.ソーシャルグッドとSDGs

ソーシャルグッドとSDGs(社会問題の解消を目的として、世界の企業で取り入れられている考え方)には大きなかかわりがあります。地球の資源や人権に関する問題、健康や福祉など、人々が暮らしやすい世界や環境を継続できるように実施されているのです。

SDGsの価値観は今後も広がり、定着していくでしょう。自社の利益だけでなく社会全体への影響を考えるSDGsは、ソーシャルグッドと同じです。

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4.世界で実施されているソーシャルグッドな取り組み

世界で行われているソーシャルグッドの取り組み例として、下記2つを紹介します。

  1. アイスバケツチャレンジ
  2. 海洋ゴミ問題に関するキャンペーン

①アイスバケツチャレンジ

2014年に話題になったアイスバケツチャレンジは、難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)の認知度を上げ、治療の研究を支援する目的のもと、Facebookを通して行われたキャンペーンです。多くの著名人が参加したことで知られています。

参加者はバケツに入った氷水を頭からかぶってその様子をSNSにアップするか、または100ドルをALS協会に寄付するというルールでした。このキャンペーンにより、3週間で1,330万ドルが集まったのです。

②「ゴミ諸島を本当の国に!」キャンペーン

「ゴミ諸島を本当の国に!」キャンペーンは、2017年に海洋ゴミ問題に人々の注目を集めるために行われたものです。「ゴミ諸島(Trash Isles)」は海に捨てられたプラスチックゴミが集まり、太平洋上で島のようになったもので、やがてフランス国土の面積と同じ程度にまで膨らみました。

海洋環境保護団体は、「フランスの国土と同じような面積なら、ゴミ諸島を国として認めて欲しい」とPR活動を行い、話題を集めたのです。そして多くの人が海洋ゴミ問題に関心を持つようになりました。

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5.日本におけるソーシャルグッドの現状

株式会社電通と電通総研は2020年12月に「ソーシャルグッド意識調査(日本、イギリス、アメリカ、中国、インド編)」を行いました。各国とも企業のソーシャルグッド活動へ共感する層が多いなか残念なことに、5カ国中日本は意識が最も低かったのです。

各国と比べ、日本において関心の低さが目立つのは、下記のような項目でした。

  • 社会をよくする企業・ブランドの商品を購入する
  • 環境負荷の低い商品や、フェアトレード商品は多少高くても選ぶ

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6.ソーシャルグッドとCSV

ソーシャルグッドの考え方広まるうちに、事業そのものがソーシャルグッドなものを展開する「CSV」という概念が生まれました。

CSVとは、企業が社会のニーズや問題に取り組むことで、社会的価値を生み出しながら、経済的利益も得られるもの。Creating Shared Valueの略で「共通価値の創造」を意味します。

取り組みにより、社会的な価値と企業価値、どちらも得られるため、企業や組織が注目しているのです。

CSRとCSVの違い

CSRとは、Corporate Social Responsibilityの略で「企業の社会的責任」のこと。企業や組織が社会的に存在するうえで果たすべき責任について、重点を置いた考え方です。

一方、CSVは社会貢献と同時に事業価値も得られるもの。近年、CSRからCSVへとシフトする企業や組織が増加しています。

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7.企業がソーシャルグッドに取り組むメリット

企業がソーシャルグッドに取り組むと、どのようなメリットが得られるのでしょう。

  1. 新しいビジネスモデルへの挑戦
  2. 企業イメージの向上
  3. 従業員や取引先の満足度向上
  4. 社会問題を解消できる

①新しいビジネスモデルへの挑戦

ソーシャルグッドを導入すると新しい視点が生まれ、取り組んだことのない事業と社会貢献を合わせた新規事業にチャレンジできます。

そして新規事業を計画・実行する際、「これまでの自社の実績や強みを再確認する」「市場調査によって人々のニーズを知る」「企業として未来へ投資できる」のです。経験や知識を得るためさらなるアイデアも浮かびます。事業のステップアップも可能です。

②企業イメージの向上

ソーシャルグッドに取り組んでいる企業は、社会貢献に積極的だと印象づけられるため、世間からのイメージが向上します。そして下記のようなよい影響がもたらされるのです。

  • 新しい顧客層に認知度が高まる
  • 企業のブランド力が高まる
  • 印象がよくなり、取引でスムーズな交渉ができる
  • 求人の際、有能な人材を集めやすくなる
  • 金融機関から資金調達がしやすくなる

またソーシャルグッドはマーケティングに関連する要素も強いです。今後のヒット商品のアイデアになる可能性もあるでしょう。

③従業員や取引先の満足度向上

従業員は「自分はソーシャルグッドに取り組むよい企業で働いている」と感じるため、満足度が高まります。それによりモチベーションや生産性、業績も向上するでしょう。

またソーシャルグッド事業を行うことで、取引先や仕入れ先、地域に対して好印象を与えられます。以降の関係もますますよくなっていくでしょう。

たとえば下記のような例です。

  • 大きさや形の都合で本来は商品にならない食品を、商品として手頃な価格で販売する
  • 地元の食材を自社のレストランのメニューに取り入れる

④社会問題を解消できる

長く経営を続けるには、自社の利益追求だけでなく、広い視野をもち、社会の課題を担おうという意思が必要です。ソーシャルグッドによって事業として社会問題を解決しようとすれば、下記のような能力が身につきます。

  • 社会とともに成長できる
  • 取り組みのなかで新しい視点が得られる
  • ほかの企業が行き詰まるような問題でも乗り越えられる

結果、どのような困難にあっても生き残り、長く経営を続けられる企業になれるのです。

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8.ソーシャルグッドによる次世代のブランディング

次世代マーケティングでは、ブランドや製品がソーシャルグッドである点をアピールしていくことが主流になっています。

調査によるとアメリカのZ世代は、同じようなブランドや製品を比較した際、67%が「ソーシャルグッドな背景がある方を選ぶ」と回答しました。若い世代はソーシャルグッドに対する関心が高いのです。

製品やサービスについて、「ソーシャルグッドなエピソードを与える」「企業の社会貢献への姿勢を伝える」などがブランディングにつながります。

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9.ソーシャルグッドな取り組みを行う企業の事例

ソーシャルグッドな取り組みを行っている企業の具体例を紹介しましょう。

  1. 無印良品
  2. ボーダレスジャパン
  3. NIKE(ナイキ)
  4. LinkedIn(リンクトイン)
  5. スターバックス

①無印良品

無印良品では、ソーシャルグッドコンテンツを重視し、2018年2月に専門の部署である「ソーシャルグッド事業部」を立ち上げました。ソーシャルグッドコンテンツの充実を図り、企業としての姿勢を見せています。具体的な事業は、下記のとおりです。

  • 公園の再生
  • 生産者とのつながりに注目した青果売り場のプロデュース
  • 買い物難民の高齢者がいる地域への移動販売

②ボーダレスジャパン

ボーダレスジャパンは、「ソーシャルビジネスで世界を変える」ことを目指し、社会起業家と支援者が集まるプラットフォームカンパニーです。下記のような事業にて国内外を問わず多様な社会問題を解決しているため、多くのソーシャルビジネスができています。

  • 多国籍の人が居住し、偏見のない世界を作るコミュニティハウス
  • バングラデシュに雇用を生み出す人ための革製品生産
  • オーガニックハーブで貧困農家の収入をアップする取り組み

③NIKE(ナイキ)

NIKE(ナイキ)は、元NFLのアメリカンフットボール選手、コリン・キャパニック氏をCMに起用しました。同氏は警察の黒人射殺事件や人種差別へ抗議の意を示し、試合前の国歌斉唱で直立せずに膝をついた姿勢をしたという経緯があります。

問題は非常にセンシティブなため、プロモーションには賛否両論がありました。しかしIKEはあえて問題提起し、表明する意図があったと考えられます。

④LinkedIn(リンクトイン)

LinkedIn(リンクトイン)では、難民の就業支援サービスである「ウェルカム・タレント」を提供し、難民の自立支援に貢献しています。

難民の受け入れに積極的なスウェーデンでは、難民が就職できる機会を設けるため、このサービスを活用しているのです。

雇用主が求人情報に「#welcometalent」と追加すると、求職者はキーワードで検索でき、就職先を見つけられます。LinkedInをとおして双方のマッチングが可能になるのです。

⑤スターバックス

スターバックスでは、使い捨てプラスチックの削減に取り組んでいます。まずアイスドリンクの一部を、紙カップで提供し始めました。素材は、適正に管理された森林の木材を使っていると示す認証を受けたものです。

またストローの使用量を減らすため、アイスドリンクでもストロー不要の、飲み口があるフタを取り入れています。購入したときに目に見えるわかりやすいソーシャルグッドな取り組みをしているため、認知されやすいコンテンツとなっているのです。