ソーシャルキャピタル(社会関係資本)とは? 基礎知識と企業CSR

ソーシャル・キャピタルという新しい概念をご存じですか?社会において人々が活発に協調的な行動をすることによって、社会の効率性が高まるという考え方です。ソーシャル・キャピタルの考え方について、ご紹介しましょう。

ソーシャル・キャピタルとは? 社会関係資本の概念

ソーシャル・キャピタル(social capital)を直訳すると社会資本となります。しかし、日本では社会資本というと、インフラ、経済成長の基盤、公共施設などハードなものを想像してしまいます。ここでいうソーシャル・キャピタルはもっとソフトなもので、1993年アメリカの政治学者ロバート・パットナムが書いた著書で注目されました。

著書ではイタリアにある2つの地域の州政府の状態を紹介し、その統治に差があるのはソーシャル・キャピタルの蓄積のあるなしに関係しているとしたことで注目を集めました。

パットナムによると、信頼、規範、ネットワークが重要な社会的仕組みの中では、人々が活発に協調行動をすることによって、社会の効率性を高めることができるとし、それがソーシャル・キャピタルの概念となりました。日本では社会関係資本とか、市民社会資本などと訳されています。


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ソーシャル・キャピタル~アメリカと日本に見る協調行動

では、ソーシャル・キャピタル、社会関係資本において、協調行動とはどのようなことを指すのでしょうか。パットナムは、“Bowling Alone”でアメリカのソーシャル・キャピタルが衰退化しているとし、その原因として女性の労働が増えた分コミュニティ活動への参加が減り、また人々の引っ越しが増えて、地域ネットワークが衰退したことを挙げています。

この著書“Bowling Alone”は、昔は大勢でやっていたボーリングを今はひとりでやるようになったアメリカ市民の様子から取っていて、ソーシャル・キャピタルの衰退をまさに表す題名となっています。

日本でソーシャル・キャピタルの重要性を考える時、東日本大震災での避難所の様子を思い出します。秩序ある避難所での共同生活、少ない物資を皆が平等に分け合って助け合う姿は、日本人という国民性もあるのかもしれませんが、もともと地域の繋がりが強く、絆、信頼、規範、ネットワークの強かった場所でのソーシャル・キャピタルの力によるところがあるのです。

企業におけるソーシャル・キャピタルとは

企業においてはCSR(企業の社会的責任)において、ソーシャル・キャピタルが深く関わります。社会的責任を果たすため、どのような社会的な要望があるのかを考える上で、ソーシャル・キャピタルを無視するわけにはいきません。

また、社会貢献活動としてボランティア活動を奨励し、ボランティア休暇を認めている企業も多いですが、これにより社員はソーシャル・キャピタルに加わり、企業は社員を通してソーシャル・キャピタルと繋がることになります。

また、企業内にも社会は存在し、そこにはソーシャル・キャピタルが醸成されます。社内のプロジェクトチームなどにおいて、表立っては見えない信頼、絆、規範、ネットワークなどのソーシャル・キャピタルの力がプロジェクトを成功させることもあります。また、危機的状況が起きた場合も、ソーシャル・キャピタルが醸成された企業ほど危機回避力や復元力が強いともいわれています。