社員食堂とは? メリット、利用率、事例、運営方法を解説

社員食堂とは、社員のために企業が設置、運営する給食施設のことです。導入のメリット、運営方法などについても説明します。

1.社員食堂とは?

社員食堂とは、社内で働く社員のために企業が設置、運営する給食施設のこと。近くに飲食店やコンビニエンスストアがなかったり、出退勤時刻以外の社員の出入りにセキュリティ面でリスクがあるなどをまとめて解決できます。

単なる休憩場所としてではなく、社員の健康やコミュニケーションをサポートするため、業務の効率化にも役立つのです。

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2.社員食堂を導入するメリット

社員食堂を導入するメリットは、下記のとおりです。それぞれについて説明しましょう。

  1. コミュニケーションの活性化
  2. 社員のモチベーション向上
  3. 社員の健康をサポート
  4. 自社のイメージアップ
  5. 節税効果

①コミュニケーションの活性化

社員食堂は社員の多くが利用するため、社員同士のコミュニケーションが活性化しやすくなります。食事や休憩しながらリラックスしてコミュニケーションを取れば、社内の人間関係も良好になるでしょう。

またコミュニケーションの機会が増えるため、企画や業務進行のアイデアが生まれるかもしれません。

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②社員のモチベーション向上

近くに飲食店やコンビニエンスストアがなくても、社員食堂があれば食事ができます。これにより、社員の職場環境に対する満足度や、モチベーションが向上しやすくなるでしょう。

また本人や家族が弁当を用意する負担がないため、手間も省けて時間に余裕もできます。社員自身や家族の心や体の健康にもつながるでしょう。

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③社員の健康をサポート

慌ただしさゆえに、食事を抜いてしまう社員もいるかもしれません。しかし社員食堂があれば、効率的に食事と休憩がとれるので、社員の健康管理に有効です。

また社員食堂では、栄養士が提案したバランスの良い温かい食事を取れるため、社員の健康管理にも役立ちます。

④自社のイメージアップ

社員食堂がある企業は、「福利厚生が良い」「職場環境に恵まれている」「社員を大切にする」といった企業イメージがつきやすくなります。ホワイト企業のイメージがつくと応募者が増えるため、優秀な人材の確保も期待できるでしょう。

また消費者からも良いイメージを持たれると、業績の向上につながります。最近はメニューを公開したり市販の食品とコラボしたりと、社員食堂の存在をイメージアップに有効活用する企業もあります。

⑤節税効果

社員が支払う料金の半額分を企業が負担した場合、それは福利厚生費として非課税にできます。よって節税効果が生まれるのです。

ただし福利厚生費として非課税とするには条件があります。負担分は食事代の半分以上かつ、ひとりあたり3,500円/月までです。たとえば社員食堂の代金全額を負担して、すべて福利厚生費として非課税にするのはできません。

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3.社員食堂を導入するデメリット

社員食堂の導入にはデメリットもあります。多くの企業でまずハードルとなるのは、スペースの確保とコストの問題です。

  1. 導入や運営のコスト増
  2. 新たなスペースの確保
  3. 不公平感の発生

①導入や運営のコスト増

社員食堂を設置するには、広いスペースが必須です。調理施設、水道や換気の確保も必要になるでしょう。食堂の営業に合わせ、食材や電気、ガスなどの熱源も必要です。

また衛生と安全の知識がある調理スタッフも入れなければなりません。こうしたすべてをゼロから用意するには、どのようにしても大きなコストがかかります。

②新たなスペースの確保

社員食堂には、十分な食事スペースと安全に作業できる広さの厨房が必要です。とくにこれから設置する場合、感染症予防のため余裕のある広さも必要になるでしょう。

自社ビルを所持している場合、工事で広さを確保できるかもしれません。しかしテナントを借りている場合、近くに新たな場所を探さなければなりません。また一般客が来る業種の場合、客の視界に入らない場所に作るといった条件もくわわります。

③不公平感の発生

社員食堂の営業時間は、多くの企業でランチタイムです。すべての社員がその間に昼食を取れるとは限らず、利用したくてもできない人が出てくるかもしれません。また、アレルギーで食べられないものがある人もいるでしょう。

次第に、よく利用できる人とできない人とにわかれ、不公平感や目に見えない断絶感が生じてしまう可能性もあります。

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4.社員食堂の利用率はどれくらい?

あるアンケートによると、社員食堂を「毎日利用する」という人は3割足らず、「ほとんど利用しない」という人は半数近くでした。社員食堂の利用率が下がる理由について、下記を解説します。

  1. 昼食の持参や購入
  2. リモートワークの普及
  3. 味やメニューへの不満

①昼食の持参や購入

アンケートでは、コンビニエンスストアや飲食店に行く人の割合が最多でした。その理由として考えられるのは、下記のとおりです。

  • メニューの選択肢が豊富
  • 味が好み
  • 一緒に飲み物やデザートも買える

ほかにも、「節約のため」「アレルギーがあるため」「ほか家族の分を用意するついで」などで弁当を持参する人もいるでしょう。

②リモートワークの普及

感染症対策や働き方の見直しのため、リモートワークを導入する企業も増えています。出勤する社員数が減少すれば必然的に、社員食堂の利用数も減少するでしょう。

一方、業務上どうしても出勤する必要があり、リモートワークを導入できない業種もあります。しかしそのような企業でも、密集を避けるため社員食堂の利用を控えるケースもあるのです。

③味やメニューへの不満

ほとんど利用しない社員たちの代表的な理由として挙げられるのは、下記のとおりです。

  • 飽きてしまった
  • 味に不満がある
  • 食べたいメニューがない

社員食堂のメニューは、開発に力を入れ続けない限りワンパターンになってしまいます。当然コストがかかるので仕方がない面もあるでしょう。しかしこれらの不満が解消されないと、継続的に高い利用率を維持できません。

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5.社員食堂を導入している企業事例

ここでは社員食堂を導入している企業のうち、とくにユニークな事例を紹介します。ただの食堂にとどまらない、利用したくなるさまざまな工夫が取り入れられているのです。

  1. Google
  2. タニタ
  3. デンソーテン中津川製作所

①Google

社員食堂の域を超えた、広々として洗練された都会のカフェのような内装です。バラエティ豊かなビュッフェ形式で、日本支社では寿司も食べられます。

各国出身の社員が利用し、ヴィーガン対応のメニューもあるのです。ただ食事をとるだけにとどまらず渋谷の街を見渡せる展望席やゲームコーナーも併設されています。社員が利用したくなる工夫も盛りだくさんで、食事もすべて無料で提供されているのです。

②タニタ

体脂肪計などの健康機器の企業であるからには、まず社員の健康維持からという企業理念にもとづき、カロリーと塩分を抑えつつ満足感あるメニューを数多く提供しています。

テレビ番組で紹介されたのをきっかけにレシピ本を出版したところ、ベストセラーに。現在は同じメニューを提供する一般向けの食堂やカフェを全国展開しています。

③デンソーテン中津川製作所

以前、高血圧の社員が多いと懸念されていました。そこで野菜サラダのメニューを改善し、野菜を食べたくなるように工夫したのです。

社員食堂はビュッフェ形式で、入口には栄養バランスの良い組合せのサンプルを展示。血糖や血圧の値が高めの社員を対象に食事選択について研修するといった、社員が特定保健指導の対象にならないような取り組みを継続的に行っています。

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6.社員食堂の運営方式

社員食堂はどのように運営されるのでしょう、以下3つの方式について解説します。

  1. 直営方式
  2. 準直営方式
  3. 外部委託方式

①直営方式

社員食堂の調理員、清掃などのスタッフ全員を自社で直接雇用して運営する方式のこと。別途人件費がかかるため、「社員が多数在籍する大きな企業」「多くの利用人数が期待できる」場合にオススメです。

運営が自社内だけで完結するため人気の方式といえます。社員食堂を運営する方式の4割を占めるとされているほどです。

②準直営方式

元々の企業から別に給食会社を設立し、その会社で自社の社員食堂を運営する方式のこと。別会社のため、人件費といったのコストは別途かかりません。

ただし、もう1社立ち上げる状況になるため、その分のコストとマンパワーは必要です。
また社会やその企業の状況により、後々運営が難しくなるおそれもあります。

③外部委託方式

既存の給食会社に、自社の社員食堂の運営やスタッフの雇用などの一切を業務委託する方式のこと。

長年のノウハウを蓄積し、社会の変化にも対応してきた会社に任せられれば安心でしょう。しかし信頼できる会社だからとすべて任せず、社員の要望や問題について、委託会社と密に連絡を取ったほうが社員の満足度を維持できます。

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7.社員食堂以外の食に関する福利厚生

食事に関する福利厚生は、社員食堂だけではありません。最近は働き方の見直しや感染症予防のため、日々新たなアイデアが生み出されているのです。自社の事情や予算、社員の要望などを取り入れて検討しましょう。

ここでは社員食堂以外の食に関する福利厚生について、解説します。

  1. 食事補助
  2. デリバリー型社食
  3. オフィス常駐型社食

①食事補助

代表的な方法は、下記のとおりです。

  • チケット配布:飲食店で金券として使えるチケットを配布する
  • 周辺飲食店と提携:参加している飲食店を社員食堂として利用できる。自社内に社員食堂を設置するコストがかからず、地域活性化にもつながる

企業が負担した飲食代を、福利厚生費として処理するまでをサポートする外部サービスもあります。

②デリバリー型社食

オフィスの一角に弁当を販売しに来てくれるサービスのこと。販売する場所のため新たなスペースを設ける必要はなく、営業時間以外はオフィススペースに戻るのです。営業を終了した社員食堂のスペースを活用している企業もあります。

社員の好みや要望を取り入れてくれる業者もあるため、広いスペースの確保が難しい都市部中心に展開されているのです。

③オフィス常駐型社食

オフィスに設けられた冷蔵庫や保温庫に、弁当やサラダなどの食事を補充しておくサービスのこと。社員は各々、自分が食べたい物を組み合わせて持っていきます。ただし賞味期限については、社員自身が確認しなければなりません。

それぞれの勤務事情に合わせ、時間を気にせず利用できるので、不公平感が最も少ない方式といえます。