諭旨退職とは? 人事なら覚えておきたい自己都合退職や退職金など諭旨退職の扱い方

懲戒解雇よりも1つ下の軽い処分である「諭旨退職」は、定められた期間内であれば自己都合退職が可能な懲戒処分の1つです。懲戒解雇は最短で即日ですが、諭旨退職の場合は本人に判断する期間が与えられます。今回は、人事なら覚えておくべき「諭旨退職時の退職金の扱い方」や「自己都合退職となるか懲戒解雇となるかの基準」についてご紹介します。

諭旨退職とは

懲戒処分の1つで、1番重い懲戒処分である「懲戒解雇=クビ」の次に重い処分が「諭旨退職」です。懲戒解雇は「会社が一方的に退職させることができる」ものですが、諭旨退職の場合は、「一定期間内であれば、自己都合退職ができる」猶予をもたせた退職勧告となります。

退職を促さなければならない重大な問題を起こしたことに変わりはありませんが、それまでの勤務態度を考慮したり、犯した罪を償う意志があったりといった「情状酌量の余地があるかどうか」がポイントとなります。

「諭旨退職」が「自己都合退職」になるには

諭旨退職を自己都合退職とするためには、諭旨退職の勧告から一定期間内に従業員が自発的に退職を選択しなければなりません。退職せずに一定期間を過ぎた場合には、懲戒解雇が可能です。懲戒解雇の場合には退職金を支払う必要もなくなります。

・一定期間の設定がポイント
諭旨退職で重要となるのが「一定期間」の設定です。この期間を設定しておかなければ、いつまでも「退職するか考え中です」とされてしまう可能性があります。期間については、労働法などには定められていないため、自社で期間を定めることが可能です。基本的には、処分を伝えた日から1週間から10日が目安となっています。

・退職勧奨との違い
退職勧奨とはいわゆる「肩たたき」です。「懲戒処分に値するようなことをしたわけではないが、会社としては辞めてほしい」といったケースで退職勧奨を行います。退職勧奨を行った場合、「合意退職=会社都合」となるため、離職票にもそう明記する必要があります。

しかし、諭旨退職の場合には、懲戒処分に当たる問題を起こしたという事実があります。それを理由に、懲戒処分よりも軽い諭旨退職として、退職という選択肢を従業員へ与えているという考えになるため「自己都合退職」という形になり、退職勧奨と異なる扱いになります。

諭旨退職時の退職金の扱い方

諭旨退職で、一定期間内に自己都合を申し出た場合には、退職金の支払いが必要です。就業規則などで、諭旨退職での退職金の取り扱いについて明記されていれば、その規則に従うことになります。

通常、「自己都合退職扱い」での満額を支払う場合と諭旨退職となった理由を鑑みて減額するケースとがあります。減額するケースでは、その内容を就業規則に明記しておかないと、問題となる可能性もあるため、諭旨退職者が出てしまう前に就業規則を見直しておくことも大切です。