職務給と役割給の違いは何ですか?

職務給は、「労働者の担当する仕事(職務)」を基準として定められる賃金のことを言います。一方の役割給は、「労働者の担う職務に対する期待役割」を基準として定められる賃金で、職務給の一種と言えます。職務給も役割給も、能力のような「人」を基準とはしておらず、「仕事」を基準としています。

職務給と役割給の考え方

職務給は、職務に応じて賃金を決めるため、まずは企業内のあらゆる職務について職務分析を行うことから始めます。さらにその職務を務めるにあたり、どの程度の知識や熟練度、努力が必要かといった職務の困難度や重要度を相対的に評価し、それを規定した「職務記述書」を作成します。賃金は職務の価値に応じて決定されます。

役割給は、そこに成果主義の考え方を取り入れており、同じ職務であっても職務を越えてどれだけ企業に貢献したか、期待した役割を果たせたか、といったところを賃金に反映するものです。職務給が定型業務を賃金化したものに対し、役割給は非定型系業務の部分を評価して賃金にします。

役割給は賃金処遇の決定根拠が曖昧

たとえば、医者が患者を診断する、手術する、投薬する、カウンセリングをする、といったところが「職務」だとします。その場合、「役割」にあたるのは患者の病気を治す、ということになります。

同じ職務の従業員がいるとすると、「職務給」は同じでも、あげた成果が違えば「役割給」は異なります。

職務給は職務記述書作成までに、多くの手間を必要としますが、賃金決定がわかりやすいものになります。

一方の役割給は、それとは異なり、個々の仕事内容を細かく分析する必要がないのですが、賃金処遇の決定根拠が曖昧であるという側面があります。

職務給と役割給を導入する際には、全社的に制度を見直す必要がある

職務給と役割給は、仕事を基に賃金決定をするものの、統一的な定義はありません。

また、今まで管理者層に適用されることが多かったのですが、現在では一般社員層にも広がりを見せています。

給与制度に職務給と役割給を導入する際には、全社的に制度を見直し、自社に合ったオリジナルでわかりやすいものを構築することが重要でしょう。