社員が退職するにあたって引き継ぎが完了するまでの期間はどの程度と考えておけば良いでしょうか?

社員が退職する際には、就業規定で退職日の1か月前までに申し出ることを定めている企業が多いようです。

ただし、適正な引継ぎ期間については、退職者の業務内容や裁量にもより、年次休暇の消化などの兼ね合いもあるので、その都度検討する必要があるでしょう。

就業規則で定めた退職までの期間に強制力はない

労働者が退職を申し出る際に、民法では原則として退職日の2週間前までに申し出ることとしています。

一方、労働基準法では期間の定めはありません。そのため、退職日についての基準を設ける場合には、企業が就業規則に独自の期間を定める必要があります。

実際に、就業規則で1か月~3か月程度と定めている企業が多いようです。しかし、たとえ就業規則で退職までの期間を定めたとしても、その間中であっても退職を拒否できるほどの強制力はありません。

年次有給休暇の取得は社員の権利

社員が退職を申し出る際は、年次有給休暇の消化を希望するケースが少なくありません。1か月の退職期間を定めていても、そのほとんどを年次有給休暇の消化に充てたいと希望する社員もいるでしょう。

その場合、期間が不足し、実際の引き継ぎに不備が生じる恐れがありますが、年次有給休暇の取得は社員の権利なので、取得を拒むことは不当です。年次休暇の買い上げで対応できないか、退職希望社員と相談する必要があります。

このような事態を避けるためには、日ごろから年次有給休暇の消化を促進させることと、退職時の業務引き継ぎについても定めを置く必要があります。

適切な引き継ぎ期間は、概ね1か月程度を設定しておくと良い


適切な引き継ぎ期間については、退職希望者の業務内容によって異なりますが、概ね1か月程度を設定しておくと良いでしょう。

退職期間の出勤状況によっては、引き継ぎ期間が不足してしまう恐れもあるので、引き継ぎについての責務を定めるなど、期間以外の内容についても規定についても検討する必要があります。