メンバーシップ型雇用とは? 意味、背景、目的、ジョブ型雇用との違い、メリット・デメリット、課題について

メンバーシップ型雇用とは、新卒を一括採用する雇用システムです。メンバーシップ型雇用について解説します。

1.メンバーシップ型雇用とは?

メンバーシップ型雇用とは、新卒を一括して採用する雇用システムのこと。ここでは、下記3つのポイントから解説します。

  1. メンバーシップ型雇用の意味
  2. メンバーシップ型雇用が普及した背景
  3. どんな目的で利用されているのか

特徴は、

  • 終身雇用
  • 年功序列
  • 企業別労働組合

なかでも終身雇用は、従業員の雇用が新卒から定年まで継続する一方、

  • 長時間労働
  • 配置転換
  • 転勤

を受け入れなければならない状況でもあったのです。

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2.メンバーシップ型雇用が普及した背景

メンバーシップ型雇用が普及した背景には、高度経済成長があります。企業と従業員の間で長期雇用が進んだ高度経済成長期には、

  • 1950年代の「三種の神器」と呼ばれる白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫のなど消費財のブーム
  • 1960年代の高速道路、新幹線、ホテルなどの建設ラッシュ

が起こりました。これらを支える担い手について、「一括大量採用」「長期的な人材育成」した結果、メンバーシップ型雇用の普及につながったのです。

どんな目的で利用されているのか?

メンバーシップ型雇用を利用する目的は、忠誠心が高く能力の高い従業員を長期的に育成すること。

新卒で一括採用された人材は、「企業の内部で配置転換や昇進を繰り返すため、企業に対して高い忠誠心を持つ」「長期に雇用されるため、期間中に十分な教育訓練を受け、高い能力を身に付ける」という状況になります。

メンバーシップ型雇用とは、新卒を一括して採用する雇用システムです。ここまで普及した背景には、高度経済成長時代があります

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3.メンバーシップ型雇用とジョブ型雇用の違い

メンバーシップ型雇用の反対語にジョブ型雇用があります。2つはどう違うのでしょうか。ここでは、3つの点から解説します。

  1. メンバーシップ型雇用の特徴
  2. ジョブ型雇用とは?
  3. メンバーシップ型雇用とジョブ型雇用、どちらがよいか

①メンバーシップ型雇用の特徴

メンバーシップ型雇用には、「終身雇用」「年功序列」「企業別組合」「メンバーシップ型雇用に求められるのはゼネラリスト」などの特徴があります。それぞれについてかんたんに解説しましょう。

終身雇用

終身雇用とは、新卒一括採用された企業で定年まで働き続けられる雇用制度のこと。

特徴は「解雇を制限して雇用を維持する代わりに、定年といった一律の退職基準を設け、労働コストを減らす」「定年制の存在によって、定年までは解雇されないといった雇用の安心感を従業員に与える」です。

年功序列

年功序列とは、終身雇用との併用により、勤続年数や年齢に応じて賃金が増えていく賃金制度のこと。メンバーシップ型雇用では、企業と従業員が雇用契約を締結する段階で、就労する職種が決定していません。

職務に応じた賃金の決定が困難であるため、勤続年数や年齢を基準とした賃金制度が確立していきました。

企業別組合

企業別組合とは、企業ごとに設けられた労働組合のこと。メンバーシップ型雇用では、従業員を終身雇用します。

処遇の改悪や解雇といった労働条件の悪化から従業員を守るため、「会社内で労働組合を設ける」「長期間働き続けられる環境を整備」という状況になったのです。

メンバーシップ型雇用に求められるのはゼネラリスト

メンバーシップ型雇用に求められるのはゼネラリスト。メンバーシップ型雇用では人事異動が定期的に行われ、従業員は人事異動のたびに職務が変わります。

「企業にあるさまざまな職務を担当」「特定の職務に関する専門家として育成されにくい」などから、メンバーシップ型雇用ではゼネラリストが養成されるようになりました。

②ジョブ型雇用とは?

ジョブ型雇用とは、職務記述書に記載されている条件に見合った従業員と雇用契約を結ぶこと

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ジョブ型雇用のメリット

ジョブ型雇用のメリットは、「生産性向上」「ライフスタイルの選択肢が増える」を共に実現できること。

  • 企業:不採算事業の整理がしやすくなるなど、生産性・収益性の向上が期待される
  • 従業員:プロフェッショナル人材としての職業意識が高まり、キャリア意識が促進される

労使双方にメリットがあります。

ジョブ型雇用に求められるのはスペシャリスト

ジョブ型雇用に求められるのはスペシャリストです。ジョブ型雇用では、

  • 緻密なジョブディスクリプション
  • KGI(Key Goal Indicator)と呼ばれる「重要目標達成指標」
  • KPI(Key Performance Indicator)と呼ばれる「重要業績評価指標」

があり、特定の分野に特化したスペシャリストとしての活躍が求められます。

欧米はジョブ型雇用中心

欧米はジョブ型雇用が中心です。

アメリカでは、「採用は中途採用がメインで、新卒採用は稀」「欠員補充として中途採用を行う」点から、職務記述書の記載をもとにして募集・採用を進めます。オランダでは、「大学卒業の時期に個人差がある」「新卒一括採用が困難」などから必然的に、ジョブ型雇用を中心としているのです。

③メンバーシップ型雇用とジョブ型雇用、どちらがよいか

メンバーシップ型雇用とジョブ型雇用、どちらがよいか迷ったときは、「雇用の安定」「専門性の高い人材の確保」のどちらかに重きを置くかで決めましょう。両者の違いを理解したうえで、自社にとって最適な雇用形態を選択します。

メンバーシップ型雇用とジョブ型雇用の違いを正しく理解し、自社に最適な雇用形態を選択しましょう

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4.メンバーシップ型雇用のメリット

メンバーシップ型雇用にはメリットがあります。ここでは下記3つのメリットについて、解説します。

  1. 人材を育成しやすい
  2. 人材を確保しやすい
  3. 従業員の忠誠心を高められる

①人材を育成しやすい

メンバーシップ型雇用では、新卒で一括採用された人材が長い期間雇用されます。それにより企業は、知識の習得や技術の伝達に時間をかけられます。結果、企業にとって役立つ人材育成が可能になるのです。

②人材を確保しやすい

メンバーシップ型雇用では、多くの新卒から人材を採用できるため、人材を確保しやすくなります。また採用した人材の在籍期間が長くなるため、離職率の低下にも貢献するのです。結果的に安定的な人材の確保が容易になります。

③従業員の忠誠心を高められる

1社に長期間雇用されると、従業員の「帰属意識」「忠誠心」「愛社精神」が高まります。結果、企業は従業員と信頼関係を構築でき、労働時間や勤務地、勤務範囲などに柔軟性のある人材マネジメントを進められるのです。

メンバーシップ型雇用のメリットは、「人材を育成しやすい」「人材を確保しやすい」「従業員の忠誠心を高められる」の3つとなります

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5.メンバーシップ型雇用のデメリット

メンバーシップ型雇用にはデメリットもあるのです。下記3つのデメリットについて、解説しましょう。

  1. 生産性が低くなる可能性も
  2. 人件費が上がる
  3. 人員整理しにくい

①生産性が低くなる可能性も

メンバーシップ型雇用では、一度採用されれば定年まで雇用されます。「積極的に仕事に取り組まなくても生活が安定する」「成果を出さずとも雇用が維持される」ため、労働意欲や生産性の低下が起こりやすくなるのです。

②人件費が上がる

メンバーシップ型雇用の特徴は、「終身雇用」「年功序列」の2つ。2つの制度ともに、勤続年数に比例して給与額が増えていきます。つまり勤続年数が長い従業員の増加に伴って人件費が上昇するため、企業の大きな負担になってしまうのです。

③人員整理しにくい

メンバーシップ型雇用は、従業員の長期雇用と引き換えに、柔軟な人材マネジメントを可能にします。しかし企業側は、「企業の解雇権が強く制限される」「人員整理がしにくくなる」といったリスクを抱えてしまうのです。

メンバーシップ型雇用のデメリットは、「生産性が低くなる可能性も」「人件費が上がる」「人員整理しにくい」の3つとなります

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6.メンバーシップ型雇用における課題

メンバーシップ型雇用には、課題もあるのです。それぞれについて解説しましょう。

  1. 少子化に伴う若年層人口の減少
  2. 経済の停滞
  3. キャリア形成
  4. 働き方の多様化
  5. 同一労働同一賃金

少子化に伴う若年層人口の減少

メンバーシップ型雇用では新卒を一括採用し、人材を安定的に確保してきました。しかし、「急速に進む少子高齢化」「若年層の人口減少」に伴い、採用難に直面しています。

個々のスキルに焦点を絞り短期間で効率よく成果を生み出せる「ジョブ型雇用」を考えることも必要でしょう。

②経済の停滞

経済全体が、デジタル化・グローバル化を遂げるなか、対応の遅れから日本企業の国際競争力は低下しています。間口を広げた採用ではなく、「即戦力のある優秀な人材をピンポイントで採用」「企業の付加価値を短期的に向上させる」点にシフトすべきでしょう。

③キャリア形成

キャリア形成は、従業員にとって重要な問題です。しかしメンバーシップ型雇用におけるキャリア形成の主体は人事部。そのため「本人の能力・希望と合致しないキャリア形成」「従業員が自身のキャリア形成を選べない」といった問題が発生してしまうのです。

④働き方の多様化

働き方改革の推進や新型コロナウイルス感染症の影響もあり、企業における働き方の多様化が進んでいます。テレワークといった在宅勤務を可能とした働き方が浸透している今、企業は雇用制度そのものの抜本的な見直しを、早急に実施しなければなりません。

⑤同一労働同一賃金

同一労働同一賃金とは、雇用形態を問わず、同じ労働に従事する従業員には同じ賃金を支給すること。実施するには、労働内容に焦点を当てた賃金制度が必要となります。そのためには職能給を職務給に改めなければならないでしょう。

メンバーシップ型雇用の課題を理解すると、自社に最適な雇用システムの在り方を決める手がかりになります