LMSとは? 目的や機能、メリットやサービス事例について

LMSとはeラーニング(インターネットを通して学習や研修を行う方法)の実施に必要な学習管理システムのことです。ここでは、LMSの詳細について見ていきます。

1.LMSとは?

LMSとは、eラーニングの実施に必要な学習教材の配信を行ったり、学習進捗や成績などを統合して管理したりするシステムのことで、Learning Management Systemの頭文字を取ってLMSと呼ばれています。

LMSはeラーニングのOS的な存在、またeラーニング配信のプラットフォームともいえる重要な存在です

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2.LMSの目的

LMS利用の目的は教材や成績、受講履歴などeラーニングによる教育を管理すること。

インターネットが普及する前は、CDやDVDなどによるパソコン学習が行われていました。しかしこの方法では受講者のモチベーション維持が難しい、受講者の管理が難しい点が問題として挙げられたのです。これらを解決するためにLMSが考案されました。

LMSの導入によって、受講の進捗やどの知識レベルにいるかなどの情報を簡単に管理できるようになりました

3.LMSの機能

一般的なLMSには下記のような機能があります。

  • 学習材の管理
  • 講座の進行管理
  • テストの管理設定
  • 学習者情報の管理
  • 受講記録管理
  • レポート作成
  • コミュニケーション

学習者全体の進捗・成績管理ができるだけでなく、個別に得手・不得手を把握できるのもLMS機能の特徴です。

学習材に関する機能

まず、学習材に関するLMSの機能について見ていきましょう。

学習材の管理

紙面やCD-ROM教材に比べて配布・管理コストが削減できることは言うまでもありません。また情報更新も速やかに行えるため、更新の遅延による情報の食い違いも防ぐことができます。

学習材の登録や削除だけでなく公開時期を制御できるのもLMS機能の特徴です。LMSでは従来のように、教材作成者や教育担当者単位で無関係のユーザーが利用しないよう受講ユーザーを管理する必要がないのです。

講座の進行管理

「来月からマネジメント教材を公開しよう」という際、LMSを使用していないと、スケジュールの調整、学習材の手配、情報がアップデートされているかの見直し、受講者への配布、受講できなかった人への再講習などに、多大なコストと時間がかかります。

しかし、LMSでは講座進行に関する管理を簡単にできるのです。

テストの管理・設定

LMSでは、テスト問題の合格・不合格ラインの設定や結果による次のステップへの分岐、各受講者の結果などを簡単に管理できます。

従来のeラーニングでは受講者を管理できない点がデメリットとなっていました。受講生がどの教材を完了したのか、テストは何点獲得したのか、合格したのか否かが一元的に把握できなかったのです。

改善も効果検証も十分に行えなかった従来のeラーニング。LMSの登場によってそれらが統合的に管理できるようになりました。

学習者に関する機能

続いて、学習者に対するLMS機能には下記のようなものがあります。

学習者情報の管理

LMSは学習者情報を一元的に管理できるシステムです。たとえば同じビジネスマナー研修でも、新入社員と中途採用とでは学習材が異なります。しかしそれらを一人ひとり割り振っていては多大なコストと時間がかかるでしょう。

そこで学習者情報を登録しグループごとに管理すれば、必要な受講者を的確に絞り込めます。また受講者の学習進捗度が把握できるため、どの分野が得意・苦手なのかといったデータを取得して個人指導に役立てることも可能です。

学習材の受講記録管理

LMSでは配布側による学習材の保管などを統合的に管理できます。学習者がどのような学習材を受講したか、テストは何点獲得して合格・不合格になったのか、受講状況はどうなっているのかなどを簡単に知ることができるのです。

CD-ROMやDVDを使った教材によるパソコン学習が行われていた従来のeラーニングでは、学習進捗情報が学習者側の端末で管理されていたため、学習提供者側での一元管理はできませんでした。

しかしLMSにより、学習材の受講履歴や進捗、成績などを簡単に一元管理できるようになったのです。

レポート作成

LMSはグループ単位はもちろん、個人単位でも分析が可能です。そのため学習材やドリル、テストに関するレポートを個人単位で作成し、従業員一人ひとりの得手・不得手を知ることができます。

個人レベルで丁寧な人材育成を進めるには通常膨大なコストがかかります。その点LMSでは得手な部分に対する知識の深掘、不得手な分野に対する学習アドバイスの提示など的確な働きかけがしやすいため、手間をかけずに学習者との密接な連携を図れるのです。

コミュニケーション

近年ではブログやTwitter、コミュニティ的機能を持った掲示板などのSNSと連携したLMSも増えてきました。学んだ内容や実務への活かし方、学習材への質問などを共有することで効率が上がり、日々の学習や実務に対するモチベーションアップが期待できるのです。

またLMS上でディスカッションを行うことで、学習材には書かれていない新たな気付きを得ることもできます。学習者同士のコミュニケーションだけでなく、学習者と講師とのコミュニケーションツールとしても活用可能です。

LMSの主な機能は「学習者と学習材の管理」「学習者の進捗状況の管理」の2つです。インターネット回線速度の向上によりビデオ配信やリアルタイムでのビデオ会議なども増えてきました

4.LMSのメリット

LMSを導入することで学習者、企業共に大きなメリットが生まれます。

学習者のメリット

まずはLMSを使用することによって生まれる学習者のメリットです。

何を学べばよいのかの把握

どの講座や学習材を利用したか、次はどの内容を学べばよいか、どのような対策が必要なのかといった状況をシステム上で確認できるため、受講者は、モチベーションの低下を防ぎながら、予定通り学習を進められます。

学習の効率化

これまで、eラーニングの多くがパソコン上のWebブラウザを利用していました。しかし現在は、システムにログインできる環境ならいつでも学習を進められるようになってきたのです。昨今のスマートフォン普及に伴い、専用アプリを用意しているものもあります。

現況の把握

LMSではテストの結果や学習の進捗率がリアルタイムに提示されるため、現況を即時に把握できます。直感的に操作可能なインターフェースや仕組みによって得意、苦手な分野は何か、何を集中的に学ぶべきなのかを簡単に知ることができるのです。

試験結果や進捗率を知ることで学力向上やスキル習得への道筋がつかみやすいといったメリットも期待できます。

企業のメリット

LMSの導入は企業にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。

学習を一元管理

従来のeラーニングでは、教材の配布後、各受講者がそれぞれ学習を開始するため、進捗や学習状況を企業側がまとめて把握することは困難でした。しかしLMSの導入により、それを一元管理し、教育や研修を効率よく進めることができるのです。

情報連携

データそのものはサーバーのデータベースに保存されるため、eラーニング以外での解析にそのまま利用できます。また、システムに格納された情報を他システムと連携することで従業員情報の更新やキャリア開発などに活用できるのです。

コストカット

LMSは一からシステムを構築する必要がありません。システムを導入および運用するだけで学習を進められるため、大幅なコストカットが期待できます。また、テスト結果や実施時間の集計、添削などを手動で行う必要もありません。

かつては進捗度合いを知るため、インストラクター側にはインターネットの技術的な知識やサーバーに関する知識が求められました。しかしLMSは、これらの知識に頼らずコストを抑えて、eラーニングをより身近なものに変えたのです。

LMSでは、で学習者全体の進捗や成績の管理ができるため、どの分野が弱いのか、どのような対策を打つのかといった踏み込んだ教育指導がしやすくなります

5.LMSのサービス事例15選

ここでは具体的なLMSのサービス事例を見ていきます。それぞれの強みや特徴を比較してみましょう。

Generalist

東芝が展開する「Generalist」は東芝グループ10万人のパフォーマンスを想定して生まれたLMSです。大規模利用での性能に磨きをかけているため、さまざまな研修方法を柔軟に管理できます。

教育準備、教育実施、教育まとめと運用ステップに沿った管理機能を搭載した「グループ管理機能」によって、実際の組織体系とは異なる仮想的な管理体系での進捗管理が可能です。

LStep

NTTLS(NTTラーニングシステムズ)が展開するLMSは、学習やテストだけでなくコミュニティ機能で研修と連動した学習環境を実現しているのが特徴です。

内定者向けや新入社員向けなど、各種階層別のグループワークをシステム上で実施して情報交換の場として提供することもできます。日本語メニューだけでなく英語メニューに対応しているのも魅力です。

ek-Bridge

パナソニックが提供する「ek-Bridge」は、テストやアンケートなど一般的な機能のほか、動画配信機能のオプションが充実しています。

動画を撮ってアップロードするだけでコンテンツを配信できますので、コミュニケーション研修や営業ロールプレイなど言葉では伝わりづらいノウハウを手軽に共有できるのです。

ITBee

「ITBee」のLMSは柔軟なカスタマイズ性を特徴としています。基本機能に人事データベースとの連携を加えたい、基本機能内の一部を追加・変更したいといった際、フレキシブルにカスタマイズできるのです。

自社開発のシステムをベースとしているため、安価かつスピーディにカスタマイズできます。

StudySmile

企業や学校など限られた環境でeラーニングを利用できるのが、Tech Funが提供する「StudySmile」。

クラウド型(ASP/SaaS)のサービスですので、システムを導入せずにインターネットを通じてeラーニングが利用できるのです。30日間の無料体験も可能なため、初期費用をかけず気軽に低コストで使用できます。

shouin

ピーシーフェーズが提供する「shouin(しょういん)」は、マニュアルの確認から習熟度チェックまでを一貫して行えるLMSです。

動画やPDFを見てトレーニングするマニュアルや現場が撮影したオペレーション動画を本社でチェックできる動画レビューなど、業務習得に特化した機能を搭載しています。もちろん、分析機能によってトレーニング状況を可視化することも可能です。

Canvas LMS

ボウ・ネットシステムズが提供するLMSは、商用ながらもオープンソースという一風変わったLMSです。

簡単に使えるeラーニングシステムを目指しているため複雑なシステムではなく、設計方針決定や品質管理、開発持続性において高い一貫性が期待できます。搭載している機能は、オンラインテストやレポート、宿題提出やカレンダーなどさまざまです。

BISCUE LS

シュビキが提供する「BISCUE LS」の特徴は、コストパフォーマンスの高い見放題型という点。

会社経営や語学・ビジネス文化、労働法・労務やヒューマンスキルなど豊富なeラーニングコースから100単位で契約コースを選択できます。日本語や英語だけでなくスペイン語やフランス語、ポルトガル語に中国語など、11の言語に対応している点も魅力です。

eラーニングマネージャーZ

ジンジャーアップが提供する「eラーニングマネージャーZ」は、オンプレ版、専用クラウド版、ASP版から選択できます。

動画配信などのオプション機能が充実しており、動画配信システムを操作することなく簡単に動画のアップロードができるのです。標準でクイズ作成機能が備わっているため、ラジオボタン形式やチェックボックス形式など5種類のテスト問題を簡単に作成できます。

ブランドアカデミー

「ブランドアカデミー」の強みはスピード感です。テキストや画像はもちろん動画やオーディオ、PDFまで統合させた美しいコンテンツを素早く簡単に作成できます。

現場からのフィードバックや貴重な洞察をくみ取るコミュニケーションシステムも搭載したLMSです。

AirCourse(エアコース)

KIYOラーニングが提供する「AirCourse(エアコース)」は、マルチデバイスに対応しているため、PCだけでなくスマートフォンやタブレットなどさまざまなデバイスから受講できます。

研修や講義を動画撮影してアップロードするだけで、簡単にeラーニングを作成できるのです。操作性がシンプルなため、社内で利用を促進しやすいでしょう。

eラーニングASP

大塚商会が提供する「eラーニングASP」は、従量課金制です。使っただけの課金で、アカウント数、コンテンツ数に制限を設けていないため、大幅なコストカットが期待できます。

搭載している機能は、動画(音声)配信型講義やスライド動画配信型講義といったコンテンツを見るだけでなく、テスト機能やQ&A、不正防止のための視聴チェック機能などさまざまです。

SmartSkill Campus(スマートスキル キャンパス)

レビックグローバルが提供する「SmartSkill Campus(スマートスキル キャンパス)」は、全世界での利用が可能な多言語対応のクラウド型SaaSサービスです。

世界規模でナレッジの共有や個々のスキルを可視化するため、企業の競争力を強化し戦略的に人材を配置できます。

搭載している機能は、教材管理やテスト管理といった基本機能から、コミュニティ管理や受講者に対してメッセージを一括送信するメッセージ機能までさまざまです。

Coursebase

「Coursebase」が提供するLMSは、研修のワークフローを意識したデザインを採用しています。

簡単にオリジナルコースが作成できるコースビルダーや、分析したい項目のカスタムレポートが手軽に作成共有できるレポート&ライブモニタリングなど、LMSとして必要な機能を完全に備えているのです。

30日間の無料試用期間があるため、手軽に試せる点も魅力でしょう。

CAREERSHIP

ライトワークスが提供する「CAREERSHIP」は、複雑な組織構造にシステムが対応できない、データの連携ができず管理上手間がかかるといった問題を解決できます。

論理的に細かい利用シーンを想定して作り込んでいるため、複雑な組織構造でも、容易に導入できます。社内SNSの展開も可能ですので、研修後のディスカッションやノウハウを手軽に共有できます。

それぞれ異なる特徴を持つLMS。自社の活用シーンやニーズに応じてシステムを使い分けましょう。eラーニングをより身近な教材として活用できます