SaaS(サース)とは? 基本をわかりやすく図解! PaaS・IaaS・ASPとの違い

SaaSは、利用者であるクライアント側がソフトウェアを従来のように導入するのとは異なった新しいサービスのあり方のことです。

  • SaaS(サース)とは何か
  • SaaSのサービスの具体例
  • PaaSやIaaSとの違い
  • SaaSを導入することに対するメリット・デメリットについて

などから、SaaSとはどのようなものなのかを見ていきます。

目次

1.SaaS(サース)とは?

SaaSとは提供者であるサーバー側で稼働するソフトウェアをインターネットなどに経由させることで、利用者であるクライアント側で必要な機能や分量のみを選択して利用できる提供形態のこと

利用者であるクライアント側がソフトウェアを従来のように導入するのとは異なった新しいサービスのあり方で、SaaSと書いてサースと読みます。

SaaSは、従前とは異なった新しいサービスの提供形態として注目を集めています。

Software
SaaSという言葉は、「サービスとしてのソフトウェア」という意味を持つ言葉である「Software as a Service」から誕生しました。この「Software as a Service」に出てくるそれぞれの単語の頭文字を取ってSaaSと表記しています。
SaaSの読み方
一般的に、SaaSを発音する際、「サース」と読むことが多いようです。「サーズ」と濁って発音してしまうと、一般的にも専門的にも「SARS」という言葉と混同してしまう可能性があるでしょう。日本経済新聞の用語解説でも「サース」という発音が使われています。

SaaSとは、サーバー側で稼働しているソフトウェアから、必要な機能を必要なだけ選択して利用できる提供形態のこと

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2.SaaSを理解するための用語まとめ

SaaSを理解する上で、必要と思われる専門用語があります。ここでは、7つの用語に絞って説明します。

  1. ソフトウェアとは?
  2. クライアントとは?
  3. サーバーとは?
  4. プロバイダーとは?
  5. ベンダーとは?
  6. クラウドとは?
  7. パッケージとは?

①ソフトウェアとは?

ソフトウェアとは、コンピューターを動かしたり操作したりするためのプログラムや指示命令を記述したデータの集合体のこと。ソフトウェアを省略して「ソフト」と呼んだり、「SW」と表記したりすることもあります。

②クライアントとは?

クライアントとは、依頼人や顧客を意味する言葉で、クライアント・サーバーシステムの中でサービスを依頼する、サービスの提供を受けるといった立場を示しているのです。サーバーに対する依頼人といったイメージになります。

③サーバーとは?

サーバーとは、サービスを提供するコンピューターのことです。クライアント・サーバーモデルの中では、クライアントからの要望に対して情報そのものや情報処理結果を提供する側のコンピューターやソフトウェアのことを指します。

④プロバイダーとは?

プロバイダーという言葉は、提供者や供給者という意味を持つ言葉です。つまり、インターネット接続事業者のことで、別名「ISP(インターネット・サービス・プロバイダー)」と呼ばれています。

⑤ベンダーとは?

ベンダーとは、OA機器やソフトウェアなどの販売、納入を行う業者のこと。販売会社という意味合いの他に、システムの開発を担っている企業を指す場合もあります。ベンダーといった場合、どちらの意味で使われているのかを確認しましょう。

⑥クラウドとは?

クラウドとは、ユーザーがインフラやソフトウェアを持っていなくても、インターネットを活用することで必要なサービスを必要なときに利用するという考え方のこと。クラウドファンディングといった言葉にも使われています。

⑦パッケージとは?

パッケージとは、特定の業務に特化して制作されたプログラム群のこと。

  • 関連した性質を一つにまとめたもの
  • 市販されたもの
  • 既製品

といった意味でもパッケージという言葉は使用されています。

SaaSを理解するには、ソフトウェア、クライアント、サーバー、プロバイダー、ベンダー、クラウド、パッケージといった言葉を知ることも重要です

3.SaaSの特徴・実現できること

SaaSの大きな特徴は、クラウドを経由してサービスが提供されるという点。これは、従来のいわゆるパッケージ型ソフトウェアには実現できなかったことで、SaaSの最大の強みともいえます。一体どのようなものがあるのか、例から見てみましょう。

例①マルチデバイスによる利用

1つ目はマルチデバイスによる利用。そもそもSaaSは、インターネットにアクセスできる環境があれば利用できる提供形態ですので、アクセスする端末を限定せずにソフトウェアにアクセスできます。

いつもと違う場所から、いつもと違うパソコンでソフトウェアを利用できる利便性の高さを実現してくれるでしょう。

例②オンラインストレージへのデータ保存

2つ目は、オンラインストレージへのデータ保存。

SaaSには、ストレージ機能とドキュメント編集機能、2つが備わっているため、オンラインストレージデータ保存を実現できます。オンラインストレージでのデータ保存は、ビジネスのスピードを一気に高めてくれるでしょう。

例③複数ユーザーによる管理・編集

3つ目は、複数ユーザーによる管理・編集です。

SaaSに備わっているストレージ機能とドキュメント編集機能を生かせば、複数人でデータの共有ができたり、一人のユーザーによるデータ編集を即、他ユーザーのデータに反映したりといったことができるため、スムーズなグループワークが実現するでしょう。

SaaSは、

・マルチデバイスによる利用
・オンラインストレージへのデータ保存
・複数ユーザーによる管理・編集

を実現してくれます

4.どんなサービスがある? SaaSの具体例

SaaSは、さまざまなサービスを私たちに提供してくれます。ここでは、SaaSが私たちに提供してくれる便利なサービスの実例を、種類ごとにまとめて説明しましょう。

例①Gmail

Gmailは、Googleのフリーメールサービスで、Googleアプリケーションを代表するサービスの一つです。GmailがSaaSの提供しているサービスと知らずに利用している人も多くいるでしょう。それほど、広く利用されているサービスといえます。

例②Twitter

Twitterは、半角280文字(日本語・中国語・韓国語は全角140文字)以内で作成するツイートと呼ばれるメッセージをもとに、画像や動画、URLを投稿できるものです。

若者に限らず幅広い世代ですでに周知のもので、有名人や著名人の情報発信源としても活用されています。

例③Dropbox

Dropboxとは、専用のフォルダへファイルをドラッグ&ドロップすることで、オンラインストレージとローカルにあるコンピューターとの間でデータの共有や同期を行うサービスのこと。

  • 変更履歴をもとにロールバックができる
  • オフラインで使用する際もダウンロードの必要がない

といった利便性も評価されています。

SaaSのサービス形態の種類まとめ

SaaSのサービス形態の種類には下記のようなものがあります。

  1. OS・ミドルウェア
  2. サーバー・ストレージ
  3. アプリケーション

①OS・ミドルウェア

1つは、OS・ミドルウェアです。

  • アプリケーションの稼働、管理を実行するためのOS
  • OSと各アプリケーションとを連携させるためのミドルウェア

これらは共に、SaaSのサービスとして私たちに提供されています。

②サーバー・ストレージ

2つ目は、サーバー・ストレージです。近年、データを格納するサービスをクラウド型サービスとして提供しているところも多く、SaaSのサービス形態としてメジャーになりつつあります。

③アプリケーション

3つ目は、アプリケーションです。SaaSといった場合、SaaSのイメージに一番近いものが、アプリケーションになるのではではないでしょうか。オリジナルの機能や役割を持っているアプリケーションは、SaaSのサービス形態の1つです。

SaaSは、

・OS
・ミドルウェア
・サーバー・ストレージ
・アプリケーション

を私たちに提供しています

5.クラウドサービスの分類(SaaS・PaaS・IaaS)

クラウドサービスとはインターネット経由で提供されるサービスの総称で、利用したいサービスを探す、ベンダーが管理、運営しているアプリケーション利用料を支払うことで利用できるのです。

クラウドサービスは

  1. SaaS(Software as a Service)
  2. IaaS(Infrastructure as a Service)
  3. PaaS(Platform as a Service)

の3つに分類できます。

PaaS(パース)とは?

PaaS(パース)とはアプリケーションソフト稼働のためのデータベースやプログラム実行環境を提供するサービスのことで、「サービスとしてのプラットフォーム」である「Platform as a Service」の頭文字を取ったものです。

プログラムだけを用意すればよい反面、設定や実行環境に制限があり、開発の自由度が下がるといったデメリットがあります。

PaaS(Platform as a Service)の具体例

サービスとしてのプラットフォームであるPaaSの具体的事例は、下記の通りです。

  • Google App Engine:Googleのインフラストラクチャー上でバージョン管理ができる
  • Microsoft Azure:アプリケーションの動作環境とWindows Azure AppFabric、SQL Databaseを提供している

IaaS(イアース/アイアース)とは?

IaaS(イアース/アイアース)とは情報システム稼働の際に必要な仮想サーバーやハードディスク、ファイアウォールといったインフラを、インターネットサービスとして提供するもののこと。

「サービスとしてのインフラ」である「Infrastructure as a Service」の頭文字を取ってIaaS(イアース/アイアース)と呼ばれています。

SaaS、PaaSと比較するとハードウェアのスペックやOSをカスタマイズできますが、その反面、OSなどに関する高度な知識が要求されるのです。

IaaS(Infrastructure as a Service)の具体例

サービスとしてのインフラであるIaaSの具体例は、

  • Google Compute Engine
  • Amazon Elastic Compute Cloud

など。どちらもカスタマイズによって、使い勝手の良いインフラ構築につながります。

IaaSとVPSの違い

VPSとは、1台の物理サーバーを仮想化技術の利用で複数仮想サーバーに分割する、分割した仮想サーバーをユーザーに貸し出すといったサービスのことで、「Virtual Private Server」の頭文字を取ってVPSと呼ばれているのです。

IaaSとの違いは料金の支払い方法にあります。

  • IaaS:従量課金制、ファイアウォールやVPNを操作できる
  • VPS:月額固定制、VPSのみでネットワークを構築する場合、機器の数だけ契約する必要がある

SaaS・PaaS・IaaSの違いのまとめ

  • SaaS
  • PaaS
  • IaaS

にはそれぞれ違いがあり、ソフトウェアサービスの提供は提供段階によって、

  1. ネットワーク
  2. ハードウェア
  3. オペレーティングシステム
  4. ミドルウェア
  5. アプリケーション

の5つに区分できます。

  • SaaS:アプリケーションまで
  • PaaS:ミドルウェア層まで
  • IaaS:OSのレイヤーから下層まで

を提供しています。

クラウドサービスは

①SaaS
②IaaS
③PaaS

の3つに分類でき、それぞれ守備範囲が決まっています

6.SaaSとASPの違い

SaaSとASPは、本質的には大きな違いはありません。なぜならSaaSは、従来のASPと同等だからです。ASPが別の名前で呼ばれるようになったのは、SaaSの重要性が飛躍的にクローズアップされたことにあります。

ASP(Application Service Provider)の定義

ASPとは、インターネット上でアプリケーションを利用するサービス及びサービスの提供者を指す言葉で、「Application Service Provider」の頭文字を取ってASPと呼ばれています。

インターネット環境が進化するに従い、マーケティング業界やIT業界、一般社会に広く普及しました。

ASPとは、インターネット上でアプリケーションを利用するサービスやその提供者のこと。SaaSとASPは、本質的には大きな違いはありません

7.SaaSの主な種類

SaaSをより理解するためには、SaaSの種類についても知っておきましょう。SaaSに存在する、Horizonal SaaSとVertical SaaS、2つについて説明します。

Horizontal SaaS(ホリゾンタルサース)とは?

Horizontal SaaSとは特定の部門や機能に特化したSaaSのことで、業界や分野は不問となっています。

SaaSといえば、Horizontal SaaSをイメージする場合が多く、具体的な例として、

  • 財務・会計システム
  • 人事・給与システム

などが挙げられます。

Vertical SaaS(バーティカルサース)とは?

Vertical SaaSとは部門や機能が横断的、1つの部門や機能に特化したシステムの場合もあるといった特徴を持つSaaSのこと。主に、小売業界や飲食業界で使用されています。

SaaSには、2種類あります。1つはHorizontal SaaSで、もう1つはVertical SaaSです

8.SaaSの歴史

ASP、SaaSを問わずインターネット経由でのソフトウェアサービスの提供は、従来から行われてきました。そこには、グループウェアや有料電子メールサービス、オンラインゲームなどが該当します。

2006年頃、クラウドコンピューティングの普及をきっかけに、クラウドコンピューティング上で提供されるソフトウェアをSaaSと呼ぶようになったのです。

2007年後半には日本でも各プロバイダーが、クラウドコンピューティング上で提供されるSaaSの定義を発信し始め、2009年頃からはベンダーがアプリケーションレイヤー上の提供名称をASPからSaaSへ変え始めました。

インターネットを経由したソフトウェアサービスの提供は従来からありましたが、2009年からベンダーがASPからSaaSへ名称を変え始めました

9.SaaSを導入するメリット

SaaSの導入によって生じるメリットを4つ説明します。

  • メリット①手軽に導入できる
  • メリット②導入コストを抑えられる
  • メリット③デバイスのストレージを要求しない
  • メリット④ソフトウェアの管理が要らない

メリット①手軽に導入できる

1つ目は、手軽に導入できる点。

パッケージ型と違ってソフトウェアのインストールが不要、ユーザーIDとパスワードを用いてサービスにログインすれば利用できるという手軽さがあるのです。

メリット②導入コストを抑えられる

2つ目は、導入コストを抑えられること。

具体的には、

  • 多くのSaaSは、使用した分の料金を支払う方式
  • 毎月料金を支払う月額制
  • アカウント数を調整して無駄なコストを回避できる

など。

メリット③デバイスのストレージを要求しない

3つ目は、デバイスのストレージを要求しないこと。

  • インストール不要で利用できる
  • デバイス側のストレージ容量を要求しない
  • 小さいストレージのデバイスでも利用可能
  • デバイスの動作も安定する

といった扱いやすさがあるのです。

メリット④ソフトウェアの管理が要らない

4つ目、ソフトウェアの管理が要らないこと。

  • ソフトウェアを提供しているサーバー側が管理業務を担当
  • 最新バージョンへの対応やデキュリティ対策までサーバー側が一括管理

この結果、ソフトウェアの管理は不要になるのです。

SaaSを導入するメリットは、

・手軽に導入できる
・導入コストを抑えられる
・デバイスのストレージを要求しない
・ソフトウェアの管理が要らない

この4点です

10.SaaSを導入するデメリット

SaaS導入には、デメリットも発生します。

  • デメリット①カスタマイズの自由度が低い
  • デメリット②不正アクセスの可能性が高まる
  • デメリット③プロバイダーの開発計画による制約を受ける
  • デメリット④サービス停止時に自社で復旧作業ができない

デメリット①カスタマイズの自由度が低い

1つ目は、カスタマイズの自由度が低いこと。自社で構築したソフトウェアと比較した場合、既製品であるが故にソフトウェアのカスタマイズという面で自由度は低くなってしまうでしょう。

デメリット②不正アクセスの可能性が高まる

2つ目は、

  • ブラウザから簡単にアクセスできることはすなわち不正アクセスも容易
  • データが物理的に存在する限り、不正アクセスのリスクにさらされる

といった理由における不正アクセスの可能性が高まることです。

デメリット③プロバイダーの開発計画による制約を受ける

3つ目は、プロバイダーの開発計画による制約を受けること。

  • 新しい機能が気に入らないケースがある
  • インターネット接続次第で、ソフトウェアのパフォーマンスなどに適したタスクが制限されることもある

デメリット④サービス停止時に自社で復旧作業ができない

4つ目は、サービス停止時に自社で復旧作業ができないこと。

  • 不定期に発生するサービス停止
  • 自社の力ではサービスの復旧作業ができない

といった際に問題が生じれば致命的な事態になりかねません。

SaaS導入のデメリットは
①カスタマイズの自由度が低い
②不正アクセスの可能性が高まる
③プロバイダーの開発計画による制約を受ける
④サービス停止時に自社で復旧作業ができない
この4点です