労働分配率とは? 人件費の決定に便利な労働分配率の計算方法とその推移について

人件費の目安を決める算出法や水準はいくつかありますが、今回はその中でも良く使用されている「労働分配率」を取り上げたいと思います。人事が知っておきたい「労働分配率」のポイントを紹介しますので、是非参考になさってください。

労働分配率とは?

人件費を決定する方法の一つに「労働分配率」があることは知られていますが、人事担当の方の中にはピンとこない方も多いのではないでしょうか。労働分配率の算出では、「付加価値」という、会社が付け加えた価値を用います。

例えば、600円で仕入れた商品を400円上乗せした1000円で販売した場合、この400円が付加価値となります。「人件費」には、給与だけではなく「法定福利費」や「厚生費」が含まれます。

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労働分配率の計算と推移

労働分配率の計算では、前述の付加価値と人件費を使用します。

・労働分配率の計算
労働分配率(%)=人件費÷付加価値額

こちらの計算式をもとに、自社の算出された労働分配率と、業界データの比較を行います。

・労働分配率の推移
労働分配率の業界の平均推移は、ほぼ70~75%前後といわれておりますが、業界によって大きく異なります。例えば不動産業界は、約42%とやや低い水準になっています。日本国内の平均値を考えると大よそ70%前後といえそうです。

自社の労働分配率を他社と比較をすることで、自社の人件費の総額をより適正な価格にする目標値を設定できます。人件費率が明らかに高い場合には、決算書や現場の状況に照らし合わせて改善ポイントを見つけます。

労働分配率を参考にすることで、適正な人件費を目指し、経営の改善を行うことができ、経営方針を立てるのにも役立ちます。

人事と労働分配率

労働分配率を考えるときに注意したいのが、社員の勤労意欲と経営方針の両立です。給与が高ければ、社員の勤労意欲を上げることができるケースは多くありますが、例えば経営的な判断では、不景気の場合には定期昇給や賞与を支払い続けるのは難しいケースも多いです。

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しかし、経営方針として、どんなときであっても、社員の勤労意欲を維持するために、人件費のカットを行わない方針の企業は実は増えてきているのです。これは、人件費を「将来への投資」と考えて、社員のモチベーションを高めることにより、将来的に得られるであろう利益を優先する考え方です。

不景気になるとリストラや賃金カットが行われるケースが多いですが、もし自分対象にならなくても、仲間が辞めていくことでモチベーションが低下してしまうケースは珍しくありません。

優秀な人材の流出を防ぎ、優れた人材を育成するためにも、労働分配率だけにとらわれすぎずに、バランスを考えた経営判断を行うことが大切なのです。