従業員満足度調査(働きがいのある会社)ランキングの上位企業の特徴とは? 企業紹介やその取り組み、自社でも調査したい場合の方法などについて

従業員満足度調査ランキングの上位企業には「当事者意識が強い」や「従業員にとって働きやすい環境が構築されている」といった特徴があります。

1.従業員満足度調査ランキング上位企業の特徴とは?

従業員満足度とは、従業員が自分の会社にどれだけ満足しているかを表す度合いのこと。従業員満足度の高い従業員を多く抱えている会社には、共通した特徴があります。ここでは以下2つの側面から企業の特徴を見ていきましょう。

  1. 当事者意識が強い
  2. 働きやすい環境が整っている

①当事者意識が強い

「仕事に対して受け身な従業員が多い」「指示があって初めて動ける従業員が多い」といった課題をあげる人事担当者も少なくありません。従業員満足度調査ランキングの上位企業には、仕事を「自分ごと」として考える従業員が多いという特徴があります。

仕事は「やらされているもの」ではなく「自ら進んでやるもの」として捉えているため、与えられた役割以上の業務を果たし、結果として生産性の向上に貢献しているという状態なのです。

②働きやすい環境が整っている

職場環境と従業員満足度には密接なかかわりがあります。ライフスタイルに合わせた働き方ができる企業と、最低限の休暇取得すらままならない企業。どちらの従業員満足度が高いかはいうまでもありません。

充実した福利厚生制度や、従業員がやりがいを感じられるような表彰制度など、従業員満足度調査ランキング上位の企業は総じて、従業員が働きやすい環境になっています。

そのほか従業員満足度調査ランキング上位の企業には、「企業理念への共感が高い」「活発なコミュニケーションが行われている」といった特徴もあります

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2.従業員満足度調査ランキング上位の企業を紹介

Great Place to Work®(GPTW)では、世界の約60か国で「働きがい」に関する調査・分析を行っています。ここでは同機関が発表した「働きがいのある会社ランキング」の上位企業について紹介しましょう。

セールスフォース・ドットコム

2020年版の日本における「働きがいのある会社」ランキングの大規模部門で見事1位に輝いたのが、顧客管理システム「Salesforce」を開発・販売しているセールスフォース・ドットコムです。

1999年にサンフランシスコで誕生して以来、中小から中堅、大手まで述べ15万社以上が同社のシステムを活用し、ビジネスの拡大を実現しています。

セールスフォース・ドットコムの特徴

同社は顧客を大切にする一方、「従業員に対してどれだけの体験を提供できているのか」を客観的に見つめる必要があると述べています。社会全体がオープンになるなかで、社内がブラックボックス化することは、明らかに時代と逆行した流れです。

透明性を高め、顧客と同じ質を従業員にも提供することが顧客の成長、自社の成長につながると考えています。

グーグル

多数のWebサービスを提供するグーグルは「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」を使命に掲げています。世界的な基盤を持った同社は、グローバル企業の代表格ともいうべき存在です。

検索機能や動画再生、メールサービスにWebブラウザと展開する事業は多岐にわたります。

グーグルの特徴

就職・転職のためのプラットフォーム「OpenWork」を運営するオープンワークがランキング化した、従業員が選ぶ「働きがいのある企業ランキング2019」では、セールスフォース・ドットコムを抑えて栄えある1位を獲得しました。

給料に不満を持ったエンジニアは少なく、社内に無料カフェテリアや診療所を構えるなど、給与や労働環境に好意的な意見が多いです。

ディスコ

ディスコは「切る・削る・磨く」の3種類の高度な技術に特化して、精密加工装置やツールの開発・製造を手掛ける企業です。これら3つの技術領域を通して科学を暮らしの豊かさや快適に返すことを、社会的使命に掲げています。

「働きがいのある会社ランキング(GPTW調査)」において過去8回選出され、営業利益率10%超が続いている高収益企業としてもその名を知られているのです。

ディスコの特徴

ディスコは2019年に従業員満足規格JSA-S1001「ヒューマンリソースマネジメント -従業員満足- 組織における行動規範のための指針」を発行しました。

これは同社がそれまで実施してきた従業員満足度を高めるための取り組みを、汎用性の高い文書としてまとめたものです。従業員満足に特化した規格は世界に類を見ない、初めての事例でした。

P&G(プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン)

P&Gの略称でおなじみのプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパンは、家庭から信頼されるブランドの代表格として、ファブリックケアやヘアケアなどの生活用品を販売している企業です。

「より多くの消費者の生活を少しずつ意味ある方法で日々向上させる」という共通の目的を掲げ、181年以上にわたる長い歴史を歩み続けています。

P&G(プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン)の特徴

同社では制度を作るだけでなく「どう活かすか」に注力しています。

部下の育児と仕事の両立をサポートする管理職「イクボス」の導入や、パフォーマンス向上のため勤務時間を月単位で管理する「フレックス・ワーク・アワー」など、制度作りも積極的に行われています。

しかし利用率は計測していません。必要とする従業員が利用しやすかったのか、実際に使った従業員の生産性が上がったのかを重視しているのです。

シスコシステムズ

2018年版の日本における「働きがいのある会社」ランキングの大規模部門で第1位に輝いたシスコシステムズは、ネットワーク製品やセキュリティ製品などを開発・販売している企業です。

ハードウェアやソフトウェアにとどまらず、セキュリティ、ブロックチェーン、AI・機械学習幅と幅広いサービスをグローバルに展開しています。

シスコシステムズの特徴

2019年4月から開始された働き方改革法案。シスコシステムズでは、15年以上も前から日本制度の変化やデジタル化の流れを踏まえた働き方改革に取り組んでいます。

多様なワークスタイルの推進や女性従業員の獲得などさまざまな施策を打ち立て、結果として多くの従業員が自社で働くことに誇りを持つようになりました。

ボストンコンサルティンググループ

ボストンコンサルティンググループは、1963年の創業以来、戦略コンサルティングのパイオニアとして課題解決や成長機会の実現に取り組んでいます。

世界の50か国以上に支社を持ち、深い専門知識と企業変革が促進される洞察力をもって、クライアントの経営課題に対するソリューションを提供し続けているのです。クライアントのトランスフォーメーション全般を支援する、トップクラスのコンサルティングファームといえます。

ボストンコンサルティンググループの特徴

ボストンコンサルティンググループの特徴は、シニアスタッフが新入従業員のキャリアアドバイザーとして担当に付くこと。日常業務の中で仕事に対するアドバイスや気付きを与え、新入従業員の成長をサポートしています。

また業務全般の基本となるトレーニングに3〜5週間という長い時間を割いているのです。これにより急かされずに噛み砕きながら、スキルやノウハウを身に付けられます。

Great Place to Work(GPTW)では「働きやすさ」と「やりがい」の両方が備わった組織を「働きがいのある会社」と考えています

3.従業員満足度調査ランキング上位企業の取り組みを紹介

続いて、先に挙げた6社の具体的な取り組みについて見ていきましょう。すべての企業に共通して通用するという取り組みは、残念ながら存在しないのです。しかし今から自社に取り入れられる施策はあるかもしれません。

セールスフォース・ドットコム

セールスフォース・ドットコムは、「信頼」「カスタマーサクセス」「イノベーション」「平等」4つのコアバリューを大切にしています。ここでいうカスタマーとは社外顧客ではなく従業員の成功実現です。

スポーツクラブやジムなど健康維持の取り組みに対する補助、「信頼」を高めるためのマネージャー評価の公表などさまざまな取り組みを実施しました。

その結果、サーベイで「仕事を成し遂げるためには求められる以上の努力をする」と回答した従業員は96%、自社を知り合いにも勧めたいと回答した従業員は87%という高水準を実現したのです。

グーグル

グーグルではそもそも、長時間労働がリスペクトされません。長い時間働くことをカッコイイことだと誰も思っていないため、営業時間外のメールすら好まれません。

これには、「従業員を縛り付けないように」という風土があります。個人のスキルやキャリアを伸ばすための無料プログラムを充実させ、やるべきことは自分で考える、そして「積極的にチャレンジ、失敗しろ」という声掛けが行われているのです。

DISCO

働きやすい職場づくりのため、ディスコは次の4つの施策を打ち立てました。

  • 能力開発のためのプログラム拡充
  • ワークライフバランスを実現させる支援制度
  • 性別や年齢、国籍や宗教を問わない 多様な人材の活用
  • 心身健康維持のための取り組み

これらの施策を通して、従業員一人ひとりの個性が重視され、働きやすい職場を保つ取り組みが進められています。

P&G

P&Gでは次の3つを「働き方を支える制度」として導入しました。

  • ロケーション・フリー・デー:勤務場所を自由に選択できる制度。原則として月に5日間だが事由によっては10日間も取得可能
  • コンバインド・ワーク:会社出勤と在宅勤務を合わせたフルタイム勤務
  • フレックス・ワーク・アワー:勤務時間を月単位で管理する制度

これら制度導入の背景には、明確な評価システムによる安心感、従業員の自主性があることも忘れてはいけません。

シスコシステムズ

シスコシステムズでは、具体的に次のような制度を導入しました。

  • Connected Recognition:現場の従業員同士が自由に表彰し合える制度
  • 1on1制度:従業員とリーダーの個別面談を通じて、仕事と感情がつながるよう振り返る制度
  • シャドウイングプログラム:他部署の人に一定期間同行し、視野が広がる機会を提供する制度

同社では多様性を認め合い、お互いに尊敬・受容し合える文化を作ることが「働きがいのある会社」を築くために必要だと考えています。

ボストンコンサルティンググループ

ボストンコンサルティンググループでは、オープンでフレキシブル、互いを尊敬し合える環境がイノベーションを成功に導くと考えています。スキルアップのための学習制度やフレキシブルな働き方の選択肢を拡充させ、従業員満足度の向上を実現しました。

これらの取り組みが評価され、就職・転職のためのプラットフォーム「OpenWork」を運営するオープンワークがランキング化した「従業員が選ぶ「働きがいのある企業ランキング2020」では第4位にランクインしています。

従業員満足度を高めると、企業が抱えるさまざまな課題を解決できます。従業員満足度に関する取り組みは、企業存続の生命線ともいえる重要な取り組みです

4.自社で従業員満足度調査を行うには?

従業員満足度は、一体どのように計測するのでしょうか。先に述べたGreat Place to Work(GPTW)では「働く人へのアンケート」と「会社へのアンケート」の2つを活用して「働きがいのある会社」を選出しています。

ここでは従業員満足度を測るための手法について、見ていきましょう。

従業員満足度調査がおすすめ

従業員満足度を計測する方法はいくつかありますが、アンケートやインタビューを通じた「従業員満足度調査(ES調査)」を利用するのが一般的です。この調査により、企業が抱える真の課題を顕在化できます。

企業が抱える課題の例は、下記のとおりです。

  • 若手従業員の離職率が高い
  • 人事制度改革のどこから手をつければよいのか分からない
  • 経営ビジョンや企業理念が従業員と共有できていない

理由1:定量的に満足度をはかれる

単に従業員の会社に対する満足度を調べたいと思っても、感情の部分はなかなか計測できません。

そこで従業員満足度調査では複数の質問を通して満足の度合いを点数化します。客観的な計測によって満足度を可視化できるため、企業の課題に優先順位を付けられます。

理由2:現場の意見を聞き出せる

従業員満足度調査では、日常業務や人事考課面談など普段のコミュニケーションでは把握しきれない従業員の意見を聞き出せます。会議などで上司から意見を求められても、立場や周囲の目などを考えて本音を言い出せない場合もあるでしょう。

従業員満足度調査では、普段見えない隠れた意見や、匿名アンケートだからこそいえる本音などを引き出せるのです。

理由3:顧客の満足度も上がる

調査を実施し、浮き彫りになった課題を改善することで従業員のモチベーションやパフォーマンスを高められる点も、従業員満足度調査を実施するメリットです。

「業務効率を上げるための設備が不足している」「不明瞭な評価制度が不信感を生み、従業員の積極性を消している」などの問題は潜んでいないでしょうか。これらを解決すると、結果として生産性アップ、顧客満足度の向上につながります。

従業員満足度調査で得た結果は、人事や経営戦略の指標にもなります。普段は聞き出せない本音を引き出し、戦略に反映させることが企業の成長にもつながるのです

5.従業員満足度調査ランキング企業でも使っている従業員満足度調査の項目とは?

従業員満足度調査が成功するか否かは、調査項目の質にかかっているといっても過言ではありません。ここでは従業員満足度調査ランキングの上位企業も使用している、従業員満足度調査の項目について見ていきましょう。

  1. 仕事満足度
  2. 基本情報
  3. 衛生要因に関する満足度
  4. 会社の戦略や業績への満足度
  5. 待遇への満足度

①仕事満足度

まずは仕事に関する満足度を調査する項目です。従業員の日常業務にかかわるこの項目は、次の3つから構成されています。

  • 仕事内容満足度:仕事量が過多になったり極端に少なかったりしていないか、仕事の難易度に納得しているか
  • 人材育成満足度:成長実感を得られているか、新たに挑戦できるような環境が用意されているか
  • 仕事継続満足度:勤続意向および会社への愛着があるか、仕事上の自己将来イメージは描けているか

②基本情報

従業員満足度調査では、性別や年齢、役職および所属部署や勤続年数など、従業員の基本的な情報も忘れずに調査します。これらは調査実施後の集計・分析で必要になる項目です。

  • 仕事満足度に不満を抱える従業員は全体の何割か
  • 管理部門と営業部門でどの程度満足度の差があるのか

特定の条件で分けた場合にその傾向がどう変わるのかを見る「クロス集計」を用いる際、基本的な属性が必要になります。

③衛生要因に関する満足度

心身の健康状態や会社での人間関係など、仕事において不満足に感じる要因を「衛生要因(ハイジーンファクター)」といいます。衛生要因は、日本における自己都合退職の約8割を占めるといわれるもの。

  • 良好な人間関係が築けているか
  • 助け合いや思いやりの風土があるか
  • ワークライフバランスが実現できているか

これらを問い、顕在化した課題に優先度を付けて改善していく必要があります。

④会社の戦略や業績への満足度

従業員満足度を調査する際は、会社に関する項目も欠かせません。

  • 会社の理念や将来のビジョンに共感できるか
  • 市場変化にあわせた的確な対応ができているか
  • 自社の業績に満足しているか

企業理念やビジョンが自身の考えと異なるまま、日常業務のモチベーションを高めるのは難しいでしょう。会社に関する項目は、従業員満足度の高低に大きく影響します。

⑤待遇への満足度

マイナビが調査した20年卒就職モニター調査によるとば、入社決定の判断材料の第1位は「待遇(給与・福利厚生等)に関する情報」です。

  • 実務に見合った給与か
  • 昇進や昇級の頻度は適切か
  • 従業員のニーズに沿った福利厚生制度があるか

待遇への満足度は、従業員満足度に大きな影響を及ぼします。業界平均や競合他社の平均値を調査し、自社の待遇が適切なものかどうかを見直しましょう。

従業員満足度を調査する際、「あれもこれも聞きたい」と設問数が多くなりがちです。しかし項目が多すぎると回答率が下がり、分析精度も下がるため注意しましょう