パッケージ型人事管理ツールとは? 種類、効果、選ぶポイント

パッケージ型人事管理ツールとは、必要な機能をまとめた人事管理ソフトウェアや人事管理ツールのこと。パッケージ型人事管理ツールのメリットや効果、選び方のポイントを解説します。

1.パッケージ型人事管理ツールで業務改善

人事管理ツールとは、人事業務にまつわる情報を一元的に管理できるツールのこと。人事管理業務の効率化や業務負担の軽減などを目的として導入されます。

人事管理ツールでは、社員の個人情報や人事評価、人員配置や労務状況などの情報を蓄積し、関連する部署間で情報を共有できる機能が搭載されているのです。

人事管理ツールは提供形態によって種類がわかれており、そのうちのひとつが「パッケージ型人事管理ツール」。このパッケージ型人事管理ツールについて詳しく解説します。

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2.人事管理ツールの種類

人事管理ツールの種類は主に4つです。それぞれの人事管理ツールの特徴やメリット・デメリットを説明します。

  1. パッケージ型
  2. クラウド型
  3. ERP型
  4. オンプレミス型

①パッケージ型

必要な機能をまとめたツール

ソフトウエアを自社のパソコンへインストールして使用します。ソフトウエアとライセンスを購入すれば即日からでも使用可能で、月額費用やサーバー費用はかかりません。社内ネットワークを利用してほかのシステムとの連携や情報の共有もできます。

デメリットとして挙げられるのは、「改修やカスタマイズが難しい」「制限があり、社外から利用できないケースがある」などです。

②クラウド型

インターネット上で提供されているツール。インターネットにつながる環境さえあれば場所をとわず、どこでも使用できるのです。

初期費用や月額料金などはかかるものの、サーバー設置やソフトウエアの購入といった環境構築が不要なため、導入の初期費用を抑えられます。

ただし使いたい機能が必ずしも搭載されているとは限りません。希望するカスタマイズができない場合もあるので、事前の調査が必要です。

③ERP型

複数の人事管理業務を一元管理できるツール。たとえば人事管理業務の場合、「人材管理」「勤怠管理」「給与管理」などとなります。

それぞれの業務に対応しているツールを個別に利用する方法もあるでしょう。しかしERP型なら、これら業務をまとめて管理できるのです。

社内データを一括で管理できるため、会社全体の作業効率や生産性の向上を推進できます。一方「費用が高い」「ソフトの選定と導入に時間がかかる」などデメリットもあるのです。

④オンプレミス型

自社内のサーバーへインストールして使うツール

社内ネットワークで運用するため「自社に合った独自のシステムを構築できる」「カスタマイズ性とセキュリティ性が高い」などのメリットが得られます。一方、「サーバー構築の費用がかかる」「運用やメンテナンスの担当者が必要」などのデメリットもあるのです。

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3.パッケージ型人事管理ツールの効果

人事管理ツールの効果は、業務効率化や人材育成、働き方改革の推進などさまざまです。パッケージ型人事管理ツールの導入による具体的な効果を説明します。

  1. 人事業務の効率化
  2. 人材の有効活用
  3. 適切な人材補強
  4. 客観的な人事評価
  5. 働き方改革の推進

①人事業務の効率化

人事部門では社員の個人情報や労務管理、勤怠管理など膨大なデータを扱います。人事管理ツールを導入すればデータの入力や修正、検索や共有が容易になり、人事部門の作業時間や業務負担が大幅に減らせるのです。

また紙の書類で起こりがちな情報漏洩や入力ミスの防止にもつながります。

②人材の有効活用

事業全体や個々のプロジェクトを成功させるには、仕事の内容に適した人材を配置する必要があります。

人事管理ツールで情報を一元化すれば、「社内にどのような能力を持った人材がいるのか」を異なる部署間でもかんたんに共有して確認できるため、各部署が求めている人材を抽出しやすくなるのです。

③適切な人材補強

人事管理ツールによっては、「能力」「評価」「生産性」「年齢層」などから多角的に分析できます。こうした機能を活用すれば「現在会社が必要としている人材のタイプ」が明確になるため、迅速に採用募集や社員教育などに取りかかれるのです。

④客観的な人事評価

適切な人事システムが導入されていない会社では、社長や特定の役員の意図によって人事評価に偏りが出るのも少なくありません。

人事管理ツールを導入すれば価値準を統一して、社員を公正に評価できるようになるのです。社員の不満解消やモチベーションアップといった効果も期待できるでしょう。

⑤働き方改革の推進

労務管理機能を使うと、社内の働き方改革を推進できます。社員の労働時間や勤怠状況、有給休暇状況などをリアルタイムで把握できるようになり、過剰労働の解消や労働時間の削減といった労働環境の改善に取り組みやすくなるからです。

外部ネットワークからのアクセスを許可すれば、社外からでも労務管理ができます。よってテレワークを導入していても人事管理が可能なのです。

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4.パッケージ型人事管理ツールの選び方とポイント

自社に合ったパッケージ型人事管理ツールでなければ、期待した効果が得られないでしょう。ここでは選ぶときのポイントを説明します。

  1. 導入の目的は何か
  2. サポート体制が充実しているか
  3. 人事担当者以外の従業員にも使いやすいか
  4. 提供形態が自社にあっているか
  5. ほかのシステムと連携できるか
  6. 柔軟にカスタマイズできるか
  7. コストは目的に見合っているか

①導入の目的は何か

「評価管理」「人材活用」「労務管理」など導入の目的を明確にし、管理に必要な機能が搭載されている人事管理ツールを選びましょう。搭載されている機能やメリットはツールによって異なるからです。

必要な機能が搭載されていない人事管理ツールを選んでしまうと、結局活用されずに終わってしまい、コストは無駄になります。

②サポート体制が充実しているか

どのような最新ツールでも、トラブルやエラーは避けられません。そこで事前に以下を確認しておきましょう。

  • サポート範囲
  • サポート手段(電話やメール、チャットなど)
  • サポートの時間帯
  • サポート料金
  • 導入前に受けられるサポート

③人事担当者以外の従業員にも使いやすいか

一般の社員も人事管理ツールを使うときがあります。よって誰もが使いやすいツールであるかどうか、確認するとよいでしょう。

たとえば社員の基本情報やスキル、キャリアプランなどは本人が入力します。「操作しやすいか」「画面が見やすいか」「UIやUXはどうなっているか」などをチェックし、ITにあまり慣れていない社員でも操作しやすいツールを選びましょう。

無料トライアル版があれば、導入前に操作性を確認できます。

④提供形態が自社にあっているか

導入するツールの種類(提供形態)が自社に合っているか、見極めましょう。人事管理ツールはパッケージ型のほか、クラウド型やオンプレミス型、ERP型などがあるうえ、それぞれのメリットやデメリット、コストや準備期間も異なるからです。

パッケージ型の特徴とメリットを十分に把握したうえで、本当に自社にとって最適な提供形態であるか、検討しましょう。

⑤ほかシステムと連携できるか

導入を予定している人事管理ツールが既存のシステムと連携できるか、確認が必要です。ほかのシステムと連携すればデータの取り込みや共有が容易になるため、さらなる業務効率化が期待できます。

ツールによっては「同じ系列会社のシステムと自動的に連携できる」「連携利用時に割引が適用される」といったメリットを得られるでしょう。

⑥柔軟にカスタマイズできるか

カスタマイズ性は、人事管理ツール選びにおいて重要なポイント。社員数や部門数、給与体系や人事評価基準などは変化するもの。こうした変化へ柔軟に対応できるツールなら、長期的に活用できるでしょう。

パッケージ型のなかには事前にカスタマイズの相談ができるものもあります。クラウド型と比べると融通がきく場合も多いです。

⑦コストは目的に見合っているか

人事管理ツールを選ぶ際は導入と運用、メンテナンス、社員の教育などにかかるコストを比較しておきましょう。同じ人事管理ツールでも、もっとも安価なのはクラウド型、次いでパッケージ型、もっともコストがかかるのがオンプレミス型という傾向です。

コストを比較する際は、利用期間を「3年間」「5年間」という具合に区切り、長期的な費用対効果を検討してみましょう。

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5.おすすめパッケージ型人事管理ツール

さまざまなパッケージ型人事管理ツールが提供されているため、どれが自社にマッチするのか迷って導入を見送っている会社も少なくありません。ここではおすすめのパッケージ型人事管理ツールを5選ご紹介します。

  1. Biz∫ePro_St@ff人事給与
  2. J-Forpeソリューション
  3. PCA人事管理DX
  4. TimePro-VG byZEEM
  5. 人事奉行i11

①Biz∫ePro_St@ff人事給与

Biz∫ePro_St@ff人事給与は、NTTデータビズインテグラルが提供している「Biz∫人事シリーズ」のひとつ。人事管理システムとして定評のある「ePro_St@ff」の強化バージョンにあたります。

人事制度や就業規則、給与規定などの管理ができ、それぞれの設定と運用をこのパッケージからまとめて行えるのです。マルチカンパニーやグループ会社における人材管理に適しています。

②J-Forpeソリューション

J-Forpeソリューションは、JFEシステムズが提供するシリーズの名称です。「統合HCMパッケージ」「統合人事パッケージ」「スキル管理パッケージ」「勤務管理システム」「目標管理システム」「届出申請システム」、6つのパッケージが用意されています。

Webブラウザから利用でき、異なる支社間でもデータの閲覧や共有が可能です。

③PCA人事管理DX

PCA人事管理DXは、PCAが提供するパッケージソフトウェア。

社員年譜や社員台帳の作成、異動シミュレーション、評価基準の登録、入職率(離職率)推移表などさまざまな機能が搭載されています。労働者名簿や退職証明書などの公的書類の発行も行えるため、人事労務業務の効率化を推進するでしょう。

なお同社の「PCA 給与シリーズ」とも連携が可能です。

④TimePro-VG byZEEM

TimePro-VGbyZEEMは、アマノが提供する総合パッケージシステム。社員情報管理やスキル管理、給与情報管理や休暇管理などさまざまな機能が搭載されています。

法改正による変更にもすばやく対応してくれるため、社会保険やマイナンバー管理、年末調整や源泉徴収票などの処理ミスも防げるのです。ヒアリングをとおして最適なシステムにカスタマイズできるので、誰もが使いやすいシステムを実現できます。

⑤人事奉行i11

オービックビジネスコンサルタントが提供する人事奉行i11は、インストールして使うパッケージ型の人事管理システムです。人事情報管理や人事マネジメント、組織改編や人事異動、給与計算などを一括管理できます。

Office連携機能や社内SNS、自動分析・グラフ化など、人事部門の業務改善に役立つ機能も多数搭載されているのもポイントです。

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6.パッケージ型以外の人事管理ツール

会社の状況や目的によっては、パッケージ型以外のツールが適しているかもしれません。ここではおすすめのクラウド型人事管理ツールを紹介します。

  1. カオナビ
  2. jinjer人事
  3. あしたのクラウド

①カオナビ

カオナビが提供するカオナビは、人材管理全般に対応できるタレントマネジメントシステム。アイコン化された顔写真がずらりと並んでいるため、顔写真付きの組織図を見ながら容易に人材情報や人員配置を把握できます。

情報の一元管理ができる「データベースプラン」、評価運用を効率化できる「パフォーマンスプラン」、戦略的な人材マネジメントの「ストラテジープラン」などから、用途・目的に合わせて最適なプランを選択できます。

②jinjer人事

jinjerが提供するjinjer人事は、バックオフィス業務を効率化する「jinjer」シリーズのひとつ。人事労務向けのサービスで、社員情報や組織情報、異動や雇用などに関連するさまざまな人事データを一元管理できます。

Jinjerシリーズの勤怠管理や給与管理ツールなどと連携すると、入力やデータの受け渡しの手間を省けるので、業務効率が向上します。

③あしたのクラウド

あしたのチームが提供するあしたのクラウドは、人事管理全般をサポートするシステム。社員情報管理や目標管理、給与の査定と確定、異動シミュレーションや従業員アンケートなどさまざまな機能が搭載されています。

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