内定式とは? いつ何をするのか、目的、内容、オンライン

この記事では、内定式を開催・参加する上で知っておきたい概要や目的、開催時期について紹介します。

1.内定式とは?

内定式とは、企業が正式に内定者に内定を伝え、入社の承諾を得るイベントを指します。具体的には、企業が内々定を出していた学生に対し、「採用内定書」を発行し、学生から「入社承諾書」を受け取るのが内定式です。内定式では、入社意志の最終確認を行い、誓約書を交わすことになります。

日本経団連が定めたルール(倫理憲章)によって、10月1日以降に開催されます。一般的に10月1日に内定式を行う企業が多いようです。

内定とは?

内定とは、

  • 労働契約の成立
  • 役職への就任

などに関して、それらを公に発表する前段階でありながら、採用や昇進が内々で決まることを意味します。就職活動においては、解約権留保付労働契約が成立していることになった状態をいいます。

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2.内定式の5つの目的

内定式では、内定書授与のほか、懇親会や入社までの日程に関するオリエンテーリングなどが実施されます。5つの目的を紹介します。

内定者の入社意思を強める

内定式では、労働契約の締結を行います。しかし学生気分のままという内定者も多いでしょう。そうした学生に入社意識を持たせるイベントを内定式に盛り込んでいます。社員の雰囲気を見せるイベントなどで入社した実感を持たせます。

内定者に対する会社の理解促進

内定者に会社のことをもっと理解してもらおう、という大きな目的があります。内定式では、企業の経営有数から、

  • 経営理念
  • 経営ビジョンに関する講演
  • 人事担当者から会社の説明

などがあります。これらは、学生たちのモチベーションを上げる効果もあります。

入社のための事務手続き

内定式では、企業へ入社する上での事務手続きが対面で行われます。企業側は、学生から採用通知書や内定通知書を交付し、学生側から入社承諾書を受け取ります。その他、銀行口座開設に関する書類など、入社に際し必要な書類の手続きが行われます。

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内定者と企業、もしくは内定者同士の交流

内定者と会社側の人が直接、顔を合わせコミュニケーションを取れる機会でもあります。現場の社員を参加させて、内定者から実務についての質問を受けるなどすれば働くイメージがわくでしょう。企業のメッセージを伝える効果的な場です。

内定ブルー回避のためのフォロー

社会人になることへの不安や、内定した企業への不安などを抱える内定ブルーに陥る内定者をフォローすることも大きな目的の1つです。

内定式では社員や同じ内定者との交流を持たせたり、不安に思っていることを聞いたりできるので、不安が緩和するという効果も期待できます。

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3.内定式の開催時期

内定式は一般的に、10月1日に開催されることが多いです。その理由として考えられるのが、「日本経団連」が公表している「採用選考に関する指針」で、「正式内定日は10月1日以降とする」としているためです。

しかし入社意思を確認したい、会社に引き止めておきたいという理由から10月以前に行う企業もあります。その場合は、正確には内定式ではなく「内々定式」となります。

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4.内定式に要する時間

内定式の所要時間は、1〜2時間程度がほとんど。内定式の後に、食事会や懇親会を開催するのが一般的です。開始時間は

  • 午前中の場合は8:00~9:00開始
  • 午後からの場合は13:00~15:00開始

となる場合が多いようです。

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5.内定式と入社式の違い

内定式は企業が内定者に対し、正式に内定を通知する式典のことです。社員や内定者同士の親睦を深めるなどの目的があります。

入社式とは、その年に入社する新入社員を一同に集めて、経営首脳による訓示などを行う式です。その社の一員としての自覚を持たせるなどの目的で行われます。日本では毎年4月に行われるのが一般的です。

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6.内定式の事前準備

内定式を開催するベストな日程や開催時間、式のプログラムなど内定式の事前準備について解説していきます。

内定式開催日時や開催場所の決定

内定式を開催する日程は、経団連が定めた倫理憲章のルールに基づき、10月1日に行われるケースが最も多く、夏に内定が決まった学生が中だるみをしないベストなタイミングとも言えます。

開催時間を午前中にすることで企業側は昼から業務につけます。内定者は昼から予定を立てられるでしょう。午後一から昼過ぎにかけての時間帯もよいでしょう。

式次第の検討

内定式の式次第には、開会、閉会、社長や役員の紹介と挨拶、内定証書の授与と内定者の答辞などがあります。それぞれ解説していきます。

開会、閉会

開会では、まず司会進行役が名乗り、厳粛にはっきりと開会を宣言します。閉会では、閉会後に懇親会や交流会などが計画されている場合はその説明をして閉会を宣言。スケジュールに合わせてスムーズに誘導します。

社長や役員の紹介と挨拶

社長や役員からの挨拶は必ず行われます。

  • 会社の目標
  • ビジョン
  • 経営理念
  • どんな社員になって欲しいか

など具体的な話が盛り込まれています。会社の目標を正しく理解し、社員全員が同じ目標に向かっていく強い推進力が生まれます。

内定証書の授与と内定者の答辞

式をスムーズに進行するため、内定証書を受け取る流れは、内定者に事前に説明しておきます。社長自ら内定者一人ひとりに手渡す会社が多いようですが、内定者が多い場合は、内定証書の授与は内定者から、一人代表者を決めておきます。授与される人、答辞を述べる人には、できるだけ早いうちに伝えるとよいでしょう。

内定者の自己紹介

内定者一人ひとりに自己紹介をしてもらう会社は多いです。主に、下記を言ってもらうケースがスタンダードとなっています。

  • 名前
  • 出身地
  • 出身校
  • 入社後の豊富と熱意
  • 趣味や特技、プライベートのことなど

内定者同士や先輩社員との懇親

内定者懇親会は、内定式の定番のイベントです。同期となる内定者同士でコミュニケーションが取れる機会で、気の合う仲間が見つかればモチベーションも上がります。また懇親会と同時に先輩社員との交流会を行なうケースもあります。

今後のスケジュールや事務手続きの説明

内定式で、入社までの詳しいスケジュールを内定者に伝え、今後の流れを把握してもらいます。内定式から入社日までの期間を活用し、内定者に課題を出す企業もあります。また内定承諾書などの書類の手続きも内定式で行うと効率的です。

アンケートの準備

内定式が終わった後に、出席者にアンケートを取るための準備をします。

  • 内定式の目的を出席者側がしっかりと受け止めているか確認できる質問
  • 式での不手際や不満に感じたこと

などに答えてもらいます。アンケートは今後に活かしていきます。

内定者への連絡

内定者への連絡は、メールや郵送で行います。

  • 内定式の日時
  • 当日の集合場所
  • 当日持参するもの

は、はっきりとわかるように記載します。日時については曜日の記載もしておきましょう。また、式後のイベントや当日の進行が決まっている場合も知らせます。

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7.コロナ禍で増えるオンライン内定式

コロナ禍で注目されているオンライン内定式のメリットや実施方法、注意点などについて詳しく解説していきましょう。

オンライン内定式とは?

オンライン内定式とは、インターネットを介してオンライン上で実施する内定式のことです。内定者と企業側の実際の対面はなく、オンライン上で内定式のプログラムをすべて実施していきます。

オンラインで内定式を実施することで、密閉・密集・密接の3密を避けられ、新型コロナウイルス感染防止への対策になります。

オンライン内定式のメリット

オンライン内定式のメリットは、場所を選ばず気軽に参加できる、コスト削減など、内定者と企業側の双方にメリットがあります。

どこにいても気軽に参加できる

オンライン内定式は、インターネット環境があれば、場所を選ばす、どこからでも参加できるのが大きなメリットです。もちろん内定者だけではなく、社員も仕事の合間に気軽に参加できるでしょう。

全社をあげて行う内定式といったこれまでにはなかった式にすることも可能です。内定者のモチベーションもアップするでしょう。

コスト削減

通常の内定式のように、会場費が掛からないのがメリットです。内定者が多ければ、全員を収容する会場を抑える必要があり、大きな会場となると多額の費用が発生します。せっかく会場を予約してもコロナウイルスの感染状況でキャンセルになってしまう可能性もあります。また、遠方からの参加者への交通費や宿泊代なども掛かりません。

密を防ぐ

オンラインで内定式を開催することで、企業側と内定者が直接的に接触することがありません。密閉・密集・密接の3密を避けられることは、新型コロナウイルス感染症の予防対策に大きなメリットがあります。

会場で開催した場合、たくさんの人を集めることでクラスター発生の原因にもなりかねません。内定者にとっても安心して内定式に参加できます。

オンライン内定式の実施方法

Web会議システムの利用、ウェビナー形式の活用などオンライン内定式の実施方法について解説します。

Web会議システムの利用

Zoomなどに代表される一般的なWeb会議システムを使用する方法です。参加型にする場合は、内定者側の通信環境を整える必要があります。しかしこのシステムは、内定者も発言できるスタイルを実現しやすいでしょう。参加型は、

  • 少人数での開催
  • 自己紹介のようなプログラムを行う際

に向いています。大人数だと収集がつかなくなってしまいます。

ウェビナー形式の活用

ウェビナー形式は、Live配信を用いた方法です。配信場所に登壇者が集まっていることが条件となります。

視聴者はYouTube Live、Zoomウェビナーで、顔や声を出すことなく見られます。視聴する場所を気にすることなく気軽に参加しやすいところがメリットですが、参加者は、ほかの作業しながら聞くといった態度になりやすいでしょう。

オンライン内定式を開催する上での注意点

気軽に参加できるオンライン内定式ですが、通信環境を整備する必要があるなど開催する上での注意点があります。

内定者が一体感を感じるプログラムを提供する

対面でないため、内定者が一体感を感じられるプログラムを取り入れることがポイントです。

  • 座談会
  • 役員や社員同士のパネルディスカッション
  • 簡単なゲーム(しりとり、早押しゲーム、意志疎通ゲームなど)などレクレーション

を行うと盛り上がります。内定者同士が協力して物事を成し遂げられたり、相互理解が深められる企画がよいでしょう。

通信環境を整備、確認する

事前に内定者側の通信環境を把握し、オンライン内定式が開催できるかどうかを確認しておく必要があります。ある企業では通信環境が不十分な内定者に、企業側が一部を負担し、通信環境を整えるケースもあります。

多人数で開催する場合は、通信環境に問題がないかテストを行うのがよいでしょう。ストレスなく配信を整えることが成功のカギです。