フィードバック研修の効果的なやり方は?

フィードバック研修とはフィードバックを通じて、部下の成長をサポートするための研修のこと。ここではフィードバック研修のやり方や種類などについて説明します。

1.フィードバック研修はした方がいい?

フィードバック研修は、「社員の優れている点」「課題解決への具体的な方法」などフィードバック時に社員に伝える要素を学べる重要な機会です。

多くの企業で行われているフィードバックは、社員へのダメ出しが中心というケースも珍しくありません。これだけでは社員の成長を妨げてしまいます。フィードバック研修によって適切なフィードバックが実施できるようになるのです。

良いフィードバック研修にするには?

良いフィードバック研修にするためには、上司と部下の信頼関係の構築もあわせて学ぶとよいでしょう。研修プログラムに現実的なシチュエーションを用いると、参加者の理解度も深まり、定着しやすくなります。

そしてレクチャーを聞くだけでなく、アウトプットの場づくりも必要といえるのです。

フィードバックで社員のダメ出しだけをしてはいけません。効果的なフィードバックを行うためにも、フィードバックに特化した研修を受講しましょう

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2.フィードバック研修とは?

ビジネスシーンでのフィードバックとは、部下の仕事に対して実施するリアクションのこと。ある結果を元にした課題やその対策などのアドバイスを行います。

このフィードバックに特化した研修が「フィードバック研修」で、フィードバックの意義を浸透させる場となるのです。効果的にフィードバックを行うための方法論を学ぶことで、部下へのサポート力の向上を促します。

フィードバックの意味

フィードバックは制御工学で用いられてきた言葉です。出力結果を入力側に戻し、出力値が目標値に一致させるという意味を持っていました。

このような経緯から、求める結果との相違を生む原因を行動側に戻すことを、「フィードバックする」と表現するようになったのです。ビジネスシーンにおける「フィードバック」は、仕事の評価結果を本人に伝えることを指します。

ビジネスシーンで使われるフィードバック

ビジネスシーンではフィードバックを下記のように使います。

  • 上司:「レポートにコメントを入れておいたから修正しておいてください」
  • 部下:「はい、承知いたしました」
  • 部下:「A課長、レポートを手直しいたしました。お手数ですがご確認ください」
  • 上司:「これは全然ダメだよ。私の“フィードバック”がまったく反映されていないじゃな
    いか」

フィードバック研修とは、フィードバックの意義を浸透させ、効果的に行うための方法論を学ぶことです。部下へのサポートスキルの向上が目的とされています

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3.研修が必要なフィードバックの目的とは?

フィードバック時に部下が感じる不満のひとつに、「伝えられ方」が挙げられます。つまり内容よりも伝え方一つで部下のモチベーションが下がってしまうのです。あわせて、フィードバックの目的を明確におさえる必要もあります。

  1. 社員や組織の目標達成
  2. 振り返りによる人材育成
  3. 社員のモチベーションの向上
  4. 業務能力向上

①社員や組織の目標達成

社員が状況を十分に理解して、目標達成に向けた情報を改めて得ると、社員本人はもちろんのこと組織の目標達成にも結び付きます。

そのためにフィードバックを目標達成のサポートとして生かすには、「フィードバックを伝える人が、相手の目標を十分に把握している」「フィードバックを受ける社員が、目標達成のためにフィードバックを必要としている」という2点の重視が不可欠です。

②振り返りによる人材育成

日々の現場では、やるべき仕事をこなすことで精一杯になってしまい、自身の仕事を振り返る余裕がない社員も少なくありません。そこでフィードバックすると内省の機会を得られます。

上司が業務中に発見した内容を都度丁寧にフィードバックすれば、振り返るきっかけも高まるでしょう。

③社員のモチベーションの向上

定期的にフィードバックを行うと、社員の目指したいことが可視化されて、通常の人事評価では得られにくいモチベーションも向上します。定期的にフィードバックして社員を育成し、サービス向上を推進して注目を集めるカフェもあります。

④業務能力向上

フィードバックを受けると本人自身の弱みが明確になり、改善に向けて取り組めるようになるのです。その結果、アウトプット力は高まり、業務能力の向上にもつながるでしょう。効率的に効果を引き出すためにも、フィードバックは定期的に行います。

フィードバックの目的は、「社員や組織の目標達成」「振り返りによる人材育成」「社員のモチベーションの向上」「業務能力向上」の4つです

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4.研修に取り入れたいフィードバックの3つの型とは?

研修に取り入れたいフィードバックには、3つの型があります。ここではその3つについて解説しましょう。

  1. サンドイッチ型
  2. SBI(Situation BehaviorImpact)型
  3. ペンドルトン型

①サンドイッチ型

サンドイッチ型とは、初めにポジティブな内容を伝えて、次にネガティブな指摘、最後に再びポジティブな内容を伝えること。フィードバックの中でも一番知られている方法です。

否定から伝えてしまうと社員のモチベーションの低下を招く恐れがあります。そのため「肯定→否定→肯定」の順に行って傾聴を促し、納得感を持たせやすくするのです。

②SBI(Situation Behavior Impact)型

SBI型とは、「Situation(状況)」「Behavior(行動)」「Impact(影響)」という流れで行う方法のこと。この方法では、まずフィードバックを実施する事象が生じた際、事象がなぜ起きたのか、理解させます。

その後、事象の際に取った行動を具体的に説明し、その事象によってどのような影響が生じたのかを伝えていくのです。

③ペンドルトン型

ペンドルトン型とは、社員自身に取り組むべき行動を考えてもらうよう促す方法のこと。心理学者のペンドルトン氏が開発したフィードバック方法で、社員が「評価に値するポイント」「足りないスキル」について振り返るきっかけを与えます。

フィードバックの型は「サンドイッチ型」「SBI(Situation Behavior Impact)型」「ペンドルトン型」の3つです

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5.研修で伝えたい効果的なフィードバックのやり方とは?

効果的にフィードバックを行うためには、どうしたらよいのでしょうか。ここでは4つのポイントについて解説します。

  1. 具体的に伝える
  2. タイムリーに伝える
  3. 実行可能な行動を伝える
  4. 目標と連動させる

①具体的に伝える

内容があいまいで、具体性に欠けるフィードバックは、受けた社員が取り組むべき行動や改善点がぼやけるため、明確に把握できなくなります。

社員のパフォーマンスをより向上するためにも、具体例や参考になるソースを提示するなどして、イメージしやすいように伝えましょう。

②タイムリーに伝える

たとえば、1年に1回という頻度でのフィードバックで回数は足りるでしょうか。時間が空いてしまったために状況が変化したり、上司と部下の記憶も曖昧になったりすると、評価の内容にタイムラグが生じるでしょう。

フィードバックは部下が行動した後、可能な限り速やかに実施します。アドバイスをタイムリーに受けられれば部下も行動改善しやすくなるなど、さまざまなメリットがもたらされます。

③実行可能な行動を伝える

たとえばフィードバックを受ける際、「積極性が足りないね」と説明されただけでは、実際どのように行動すればよいか迷ってしまいます。つまり重要なのは、フィードバックを受けて社員が次にどのような取り組みをすべきか理解できるような、実行可能な要素を含めることなのです。

④目標と連動させる

社員に取り組むべき目標を設定させて、その目標をフィードバックに連動させるという点にも意識しましょう。

目標設定では、「社員が目標に対して納得し、能動的に取り組める」「社員の現状のスキルや役職に合っている」「会社や同僚からの期待が十分反映されている」などが含まれているかどうかも重要なポイントになります。

フィードバックの効果を高めるポイントは、「具体的に伝える」「タイムリーに伝える」「実行可能な行動を伝える」「目標と連動させる」の4つです

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6.フィードバック研修におすすめの「1on1ミーティング」とは?

近年、フィードバック研修として注目されているのが「1on1ミーティング」です。これは定期的に上司と部下で行う1対1の面談で、さまざまな効果や有用性が得られると知られています。ここでは、下記4つについて解説しましょう。

  1. 1on1ミーティングを実施する目的
  2. 1on1ミーティングの背景
  3. 1on1ミーティングの頻度
  4. 1on1ミーティングのメリット

①1on1ミーティングを実施する目的

1on1ミーティングの目的は、会社の持続的成長を支える社員の育成。企業には達成すべき目的が必ず掲げられており、その目的を見据えて社員が優れたパフォーマンスを発揮することが求められています。

それゆえ企業としては持続的成長のために、社員のモチベーションを引き出して成長を促すことが不可欠なのです。

②1on1ミーティングの背景

近年、不確実な市場の変化が起こりつつあり、従来での物差しが通用しない時代ともいわれています。また仕事における正解の意義も一つではない傾向となっているため、ときには部下が上司にアドバイスするコミュニケーションが必要になる場合もあるのです。

③1on1ミーティングの頻度

1on1ミーティングは、週に1回または月に1回などの短期的なサイクルで実施するとよいでしょう。1年に1回だけの面談では、理想的なコミュニケーションが図れません。それでは部下が上司に対して正直な気持ちで相談するのも難しいです。

定期的に話すとお互いの距離も縮まりやすくなります。コミュニケーションの頻度が高まれば信頼関係の構築もより期待できるようになるでしょう。

④1on1ミーティングのメリット

1on1ミーティングには、上司と部下で行う1対1の面談という形式から、さまざまなメリットをもたらすと考えられています。

ここでは、1on1ミーティングの代表的なメリットである「信頼関係の構築」「問題の解決」「パフォーマンスの向上」について説明していきましょう。1on1ミーティングを導入しようと検討している場合は、ぜひ参考にしてみてください。

信頼関係の構築

1on1ミーティングは上司と部下が定期的にコミュニケーションを取れるため、信頼関係の構築を促せます。慌ただしい業務時間では目の前の仕事に追われているため、部下が上司に対して仕事の悩みを伝えることはハードルも高く、困難でしょう。

しかし1対1であれば雰囲気もフラットになりやすく、業務の相談もしやすいです。それゆえお互いの信頼関係を構築する一助になります。

問題の解決

1on1ミーティングでは一般的に、部下が抱えている課題や疑問などがテーマとして取り上げられます。よって日々の業務時間内では上司が気付けない問題も、1on1ミーティングによって表面化される可能性は高いのです。

そして上司がそれらをしっかり理解するとて、問題を速やかに解決できるようなるのです。

パフォーマンスの向上

1on1ミーティングを実施すると、業務中には把握できなかった部下のキャラクターや健康状態などを上司が知りやすくなります。フランクな雰囲気のなか1対1で話すと、部下も悩みを伝えやすくなり、相互理解も深まっていくでしょう。

その結果、部下の仕事のパフォーマンス向上にも結び付くのです。

1on1ミーティングとは定期的に上司と部下で行う1対1の面談で、信頼関係の構築やパフォーマンスの向上など、さまざまなメリットがあります

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7.1on1ミーティングを実施するときの注意点とは?

1on1ミーティングのポイントは、「部下が仕事に対してどのように考えているのか」をヒアリングすること。よって1on1ミーティングでは、上司の「聴く力」「コミュニケーションスキル」が重要になるのです。

  1. 部下の話を聴くよう意識する
  2. 業績向上につながる会話をする

①部下の話を聴くよう意識する

1on1ミーティングは部下のために設けられた時間なので、上司が一方的に話すだけでは効果が期待できません。上司には、部下へ投げかける質問数や部下が話をする時間の配分などの考慮も求められます。

②業績向上につながる会話をする

1on1ミーティングはフランクな雰囲気で行われるため、雑談で終わってしまう場合も珍しくありません。雑談を交わすと上司は、「十分なコミュニケーションが取れた」と思い込みがちですが、部下は「貴重な時間を無駄にした」と感じる場合もあります。

つまり1on1ミーティングでは、業績向上につながる会話をメインにする必要があるのです。

1on1ミーティングでは、上司の「聴く力」「コミュニケーションスキル」が重要になります。「一方的に話してしまった」「雑談に終始してしまった」とならないよう注意しましょう