役職定年制とは? 役職定年制度を導入するメリットとデメリット

「役職定年制」とは、その企業で決めてある一定の歳になった時点でマネジメントからは外れるという制度のことを指します。今回は、人事担当者が知っておきたい役職定年制度を導入するメリットとデメリット、制度の運用を円滑に進めるためのコツを紹介します。

「役職定年制」とは?

役職定年制は、マネジメントする立場にあった役職者が、企業が定めた歳になった時に、そのポストを外れて特定の職などに役割が変わる制度です。組織を活性化させるとともに、若手を登用する目的で起用される制度であり、人件費の削減にも役立つ制度です。

背景には、65歳定年制の導入などで、シニア世代の雇用延長があります。長く働ける環境が整いつつある分、50代などの一区切りついた年齢でキャリアを捨てることになるこの制度は、いまや日本企業の約半分が導入しているとされています。雇用市場の高齢者採用が厳しい中、転職に踏み切る社員は少なく、モチベーションの低下や就労意欲の低下を感じる社員も多いという問題を抱えています。

役職定年制を導入するメリット

企業が役職定年制を導入するメリットは、組織の新陳代謝をはかれることです。課長や部長などの役職ポストは数に限りがあるので、役職定年制を活用することで、若手を積極的に登用することができます。また、役職定年制でキャリアダウンをした社員は、在籍出向や関連会社への移籍出向になるケースも珍しくありません。ポストダウンするため給与も下がり、高騰する人件費を抑制する効果が期待できます。

役職定年制を導入することにより、マネジメントを外れた社員は、個人として評価を行うことができます。優秀な管理職であっても、長らく現場を離れている場合、現場の仕事に疎くなっていることも珍しくありません。そういった個人の能力を適正に評価することができるのもメリットといえます。

役職定年制を導入するデメリット

役職定年制を導入するデメリットは、キャリアダウンすることによって、社員の士気やモチベーションが下がってしまうことが多い点です。いくら事前に周知していたとしても、いざ自分が対象になると戸惑いを感じる社員も珍しくありません。

そのため人事では、役職定年制を導入する際、対象となる社員と面接を行うだけではなく、新しい働き方の説明をし、目的を共有することが大切です。特に、仕事の内容や期待する成果が変化し、場合によっては新しい部署や職場に異動になると、環境に馴染むことができなかったりストレスを感じたりするケースも珍しくありません。そのケアに時間・工数が掛かるのも、デメリットの1つといえます。

そして注意したいのが、マネジメントを経験した人材が、若手の部下に従わないケースがある点です。自分なりのやり方で結果を出してきた中間管理職が、新しい上司とそりが合わず衝突をするケースは多くあります。人事が役職定年制を導入する際には、職場の雰囲気を損なわないために、フォロー体制を厚くすることが大切です。