コワーキングスペースとは? メリット、シェアオフィスとの違い

コワーキングスペースとは、さまざまな業種、職業のひとが集まる共有オフィスのことです。ここではシェアオフィスとの違いやコワーキングスペースを利用するメリット、選び方や利用方法などについて解説します。

1.コワーキングスペースとは?

コワーキングスペースとは、さまざまな専門性を持つ人が共同で仕事をする場所のこと。利用料金を払えば誰でもWi-Fiやデスク、イスやホワイトボードなどを利用できます。

そもそもコワーキングの意味とは?

コワーキングスペースの「コワーキング(Coworking)」は「Co(ともに)」と「Working(働く)」という2つの言葉からできています。

直訳すると「共同で仕事をする」こと。そこに空間を意味する「スペース」をつけて「コワーキングスペース」という造語が生まれました。

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2.コワーキングスペースの利用が進む理由

新型コロナウイルスの拡大もあり、コワーキングスペースへの注目は年々集まっているのです。ここではコワーキングスペースの利用が進む3つの理由について説明します。

  1. イノベーション創出
  2. 働き方の多様化
  3. 誰もが働きやすい環境整備

①イノベーション創出

コワーキングスペースにはさまざまな業種の人が集まります。普段は話す機会のない業界の人と同じ空間で仕事をするため、従来のオフィスでは得られなかった情報をキャッチできるのです。

またコワーキングスペースによっては利用者同士の交流を支援するイベントを開催しているところも。そこから新たなイノベーションを創出するのも可能です。

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②働き方の多様化

昨今、働き方の常識が大きく変わりました。「電車に乗って会社に出社し、社員みんなが集まる空間で仕事をする」というスタイルから「自宅や利便性のよい環境で好きな時間に仕事をする」というスタイルに変化しているのです。

働き方の多様化に応じて利便性の高いコワーキングスペースで仕事ができれば、ワークライフバランスも向上し、生産性やモチベーションアップも期待できます。

③誰もが働きやすい環境整備

コワーキングスペースは障がい者の就労支援やジェンダー平等の場としても、注目されています。電車に乗って通勤するのが難しい労働者も、自宅近くのコワーキングスペースを活用すれば会社にいるのと同じように仕事ができるのです。

コワーキングスペースのなかには女性の活躍を支援する施設もあります。利用者を女性に限定して「女性だから」「女性なのに」という性別を理由とした妨げを受けない環境をつくり出しているのです。

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3.コワーキングスペースとシェアオフィスの違い

コワーキングスペースによく似たオフィス環境として「シェアオフィス」が挙げられます。2つの違いを以下3つの視点から説明しましょう。

  1. 契約スタイルの違い
  2. コミュニティの違い
  3. 専用スペースの違い

①契約スタイルの違い

コワーキングスペースの利用契約は個人や小規模チームによる月契約が主流です。短いものだと1日単位や時間単位での利用が可能なスペースもあります。

対してシェアオフィスはある程度まとまった人数が、1か月から1年程度と中長期間で契約します。なかには最低契約期間を半年と定めている施設もあるのです。

②コミュニティの違い

さまざまな業界の人がフリーアドレスで仕事をしているという意味では、コワーキングスペースもシェアオフィスも同じでしょう。

しかしコワーキングスペースでは利用者同士のコミュニティ形成に軸を置くのに対し、シェアオフィスでは作業の場に軸を置いています。

利用者同士がアイデアを出し合って新たなアイデアを生み出すのに適しているのはコワーキングスペース、どちらかといえば業務に集中できるよう設計されているのがシェアオフィスです。

③専用スペースの違い

コワーキングスペースにも会議室や談話スペースなどが設けられているものの基本、すべての利用者が共有して使用します。対してシェアオフィスにはその企業だけが自由に利用できる専用スペースを確保できる施設があるのです。

つねに専用のデスクスペースや固定デスクを利用したい場合は、コワーキングスペースではなくシェアオフィスを活用するとよいでしょう。

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4.コワーキングスペースを利用するメリット

コワーキングスペースを利用するメリットは3つです。

  1. コストの削減
  2. アイデアの創出
  3. ビジネスの拡大

①コストの削減

仕事場としてマンションの一室を借りた場合、賃貸料はもちろん光熱費や通信設備費などの固定費が発生します。しかしコワーキングスペースでは作業スペースや設備を利用者同士で共有するため、これらの固定費を格安に済ませられるのです。

②アイデアの創出

とりわけエンターテインメントやイベント企画などのクリエイティブな仕事では、アイデアを生み出す環境が重要です。

いつもと同じ会社、同じ席で仕事をするのもよいでしょう。しかしオフィス環境やあかわる人を変えてみると、これまで思いつかなかったような新たなアイデアが生まれるかもしれません。

コワーキングスペースが開催している交流会に参加して、異業種の意見を取り入れてみるとアイデア創出のきっかけになります。

③ビジネスの拡大

コワーキングスペースにはさまざまな設備が整っています。無料Wi-Fiや複合機、シュレッダーなどのOA機器はもちろん、3Dプリンターや活版印刷機などを備えている施設もあるのです。

これらを利用すれば、初期費用をおさえてビジネスを拡大できます。充実した設備を利用して、本社所在地とは異なる地方に支店を構えてみるのもよいでしょう。

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5.コワーキングスペースを利用するデメリット

コワーキングスペースの利用にはコスト削減やビジネス拡大などのメリットがある一方、いくつかのデメリットも存在します。コワーキングスペース利用のデメリット3点について説明しましょう。

  1. 席確保の保証はなし
  2. 情報漏えいのリスク
  3. 集中力が落ちる

①席確保の保証はなし

コワーキングスペースでは原則としてフリーアドレス式を導入しており、座席は指定されていません。席が空いていれば好きな席で作業できますが、混雑していると席が確保できなかったり、作業スペースが十分に確保できなかったりする可能性もあります。

②情報漏えいのリスク

コワーキングスペースにはさまざまな人が出入りします。そのためどうしても情報漏えいのリスクが上がり、セキュリティが甘くなるのです。

インターネット使用のリスクも、物理的なリスクも同様でしょう。「席を離れる際は必ずパソコンにロックをかける」「電話や会話で話す内容に気をつける」「セキュリティ保護がされていないWi-Fiは利用しない」などの対策が必要になります。

③集中力が落ちる

新たなコミュニティの形成がコワーキングスペースの魅力です。そのため常識の範囲内であれば、作業スペースでの会話は制限されません。

それゆえひとりで黙々と仕事をしたい人にとっては話し声や雑音が気になり、集中力が落ちてしまいます。コワーキングスペースによっては会話可能な空間を制限している施設もあるため、気になる人は事前に確認しておくとよいでしょう。

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6.コワーキングスペースの利用方法

コワーキングスペースの利用方法は大きく分けて「定額制」と「ドロップイン」の2つです。ここではそれぞれの特徴と利用方法について説明します。

定額制

月ごとの月額利用料金を支払って利用する料金プランのことで、「会員制」や「月額制」とも呼ばれます。基本、月に何度利用しても料金は変わらないため、利用回数が多い人にオススメのプランです。

ドロップイン

一時利用のことで、利用したいときに必要な分だけ料金を支払います。利用時間の単位は15分や1時間、1日など施設によって異なるので確認しておきましょう。移動先で臨時的に利用したい人や、1日数時間程度しかオフィスを利用しない人に適しています。

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7.コワーキングスペースの機能

コワーキングスペースの機能は施設によってさまざまです。ここではコワーキングスペースの機能とその利用について説明します。

  1. 個室スペース
  2. 法人登記
  3. 郵便物の受取りや転送
  4. 自由スペース

①個室スペース

コワーキングスペースは基本、フリーアドレス制(自由席)となっています。しかし施設によっては小部屋になった自分専用のワークスペースも設置されているのです。個室スペースは作業に集中したい場合や、機密情報を取り扱う際などに適しています。

②法人登記

多くのコワーキングスペースでは法人登記や住所利用を可能としています。これはコワーキングスペースに「起業のためのオフィススペース」という側面があるためです。

ただし企業支援を目的としていないスペースではこれらを許可していないことも。利用前に確認が必要です。

③郵便物の受取りや転送

住所利用が許可されているコワーキングスペースでは、郵便物の受け取りや転送が可能です。共有スペースにレターケースを設置して投函している施設や、不在時でも本人にかわって荷物預かりを受け付けている施設などもあります。

④自由スペース

なかには大人数が収容できる自由スペースを備えているところもあります。プロジェクターやホワイトボードなどを利用すれば、会議やセミナーなどを開催できるのです。

しかしこれらのスペースは基本、予約制となるため、予約が埋まっていれば利用できません。

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8.コワーキングスペースの選び方

東京都港区や千代田区、中央区などターミナル駅の周辺は「コワーキングスペース激戦区」と呼ばれるほど、多くのコワーキングスペースが存在します。コワーキングスペースを選ぶ際、どこを見ればよいのでしょう。そのポイントは以下の4つです。

  1. アクセスの良さ
  2. 利用時間の確認
  3. 環境に合ったサービス提供
  4. コンセプト

①アクセスの良さ

必ずしも自宅から近ければよいわけではありません。土地のブランドや施設周辺の環境、駅からの距離などさまざまな条件から利用を検討してみましょう。

②利用時間の確認

営業時間はコワーキングスペースごとに異なります。平日のみ、また日中のみの営業としている施設もあるため、利用したい時間に合わせて最適な施設を選びましょう。なかには24時間営業しているコワーキングスペースも存在します。

③環境に合ったサービス提供

必要なサービスが提供されているかも選ぶ際の基準になります。打ち合わせが多くなりそうなら会議スペースが十分に用意されている施設を、休憩中に食事を取ることが多いならフリードリンクや軽食販売のある施設などを選ぶとよいでしょう。

④コンセプト

雰囲気やコンセプトもコワーキングスペースを選ぶ際には重要なポイント。黙々と作業したいのに利用者同士のコミュニケーションを推奨している施設を利用してしまうと、作業に集中できず無駄な時間を過ごしてしまいます。

施設のコンセプトや雰囲気が利用目的に適しているか、事前に確認しておくと安心です。

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9.コワーキングスペースの利用手順

コワーキングスペースの利用にあたって、特別難しい手続きはありません。受付→料金支払い→施設利用→退室が基本的な流れです。

定額利用の場合、契約時に審査が必要な場合もあります。具体的な審査の方法は書類や面談など施設によってさまざまです。ここではコワーキングスペースを利用する際の基本的な手順について説明します。

STEP.1
受付と料金の支払い
はじめに利用受付をして料金を支払います。施設や利用時間によって料金後払いのところもあります。

「はじめての利用なのか」「利用予定時間は何時間か」「どのような設備を利用したいか」などをスタッフに伝え、施設利用の説明を受けましょう。

STEP.2
席に着く
受付をして料金を支払い、施設の説明を聞いたら利用開始です。空いている席または契約したスペースを利用して業務をはじめます。

受付時にセキュリティキーを受け取ったときは、紛失しないよう注意が必要です。スペース入室時にキーが必要な場合もあるため、外出時の持ち出しにも注意しましょう。

STEP.3
退室する
利用が終了したら、受付で退室すると伝えて利用終了の手続きをします。料金後払いの場合や追加料金が発生した場合、ここで支払いを済ませましょう。

施設によっては入室から退室まで一連の管理をアプリで行っているところもあります。その場合は忘れずにアプリから退室操作を済ませましょう。

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10.コワーキングスペース利用の経費はどうなる?

とくにフリーランスのような個人事業主にとって気になるのが、コワーキングスペースの利用料金が経費になるのかという問題です。ここではコワーキングスペースの利用料金を経費として仕分ける方法やその際の注意点について説明します。

経費として仕分ける方法

仕事をするためにコワーキングスペースを借りた場合、その利用料は事業に関する支出と判断されるため、基本、経費として計上可能です。コワーキングスペースの利用もオフィス家賃の一種と考えるため、一般的には「地代家賃」の勘定科目で仕分けます。

経費として仕分ける注意点

コワーキングスペースの利用料金を経費として仕分ける場合、以下の3点に注意する必要があります。これはフリーランスをはじめとする個人事業主でも、テレワークの働き場所としてコワーキングスペースを利用する社員でも同様です。

  1. 勘定科目を統一する
  2. 経費の範囲を知る
  3. 食事代は状況による

①勘定科目を統一する

勘定科目はコワーキングスペースを使う頻度や目的によって次のように変わります。

  • 毎月高い頻度で利用し、まとまった金額がかかる:賃貸料
  • 月契約の固定費用として支払っている:貸借料または地代家賃
  • ドロップインや短時間での利用がメイン:賃借料または会議費
  • 複数人で会議室を利用した場合:賃借料または会議費

大切なのはどの科目を選んでも同じ科目で計上し続けることです。

②経費の範囲を知る

コワーキングスペースの利用にあたって、さまざまな費用が経費として計上できます。

  • ロッカー代:業務で利用するロッカーの場合は仕事上必要なものとして認められる
  • 飲食代:商談相手や顧客と親睦を深めるための食事は「接待交際費」として認められる
  • インターネット回線使用料や電話代:業務上必要であるため「通信費」として認められる

発生した費用すべてが経費として認められるわけではありません。経費の範囲を知っておくことが大切です。

③食事代は状況による

経費計上のなかでもとくに厄介なのが食事に関する費用です。前述のとおり、顧客や商談相手と親睦を深めるための食事や、打ち合わせのために食事をした場合などは一般的に経費として認められます。

しかし施設利用中に1人で食事した際の費用はプライベートな支出とみなされるため、経費として認められません。