みなし残業とは? 一定の固定残業代手当を月給に含む制度は違法?

みなし残業とは正式には「みなし労働時間制」と言い、月給の中にあらかじめ一定の固定残業代手当を含む賃金体系のことです。企業にも社員にもメリットがある反面「違法ではないのか?」等の不安もよぎります。みなし残業について詳しく解説しましょう。

「みなし残業」とは?

みなし残業の通称で呼ばれる「みなし労働時間制」とは、月給の中に決まった固定残業代手当を含んでいる賃金体系のことです。たとえば、月給に毎月20時間分の残業代が含まれているならば、その時の残業時間が20時間以内ならば残業手当はつきません。しかし、20時間を超過したならば、残業した分の残業手当がつくようになるという仕組みになります。

「違法ではないのか?」と心配する声もあるようですが、違法ではありません。厚生労働省調査によれば平成25年1月1日現在でみなし残業を採用している企業は10.8%もあるとのこと。なかでも従業員数が1,000人以上の大企業で採用されていることがわかります。なかでも「情報通信業」「学術研究、専門・技術サービス業」といった業界で積極的に取り入れられています。

タレントマネジメントがすぐはじめられるクラウドツール

  1. 組織の今をダッシュボードでパッと把握。気になるところは顔ぶれまで確認できる
  2. 組織図で顔ぶれを俯瞰して人材配置を練れ、マトリクスで評価結果の甘辛調整もできる
  3. 最適人材をリストで管理し、可視化したスキルと経験で育成プランを立てられる
  4. 手軽に実施できる社員アンケートを使い、社員の声を拾って退職リスクも早期発見

カオナビでスキルや適正を可視化し、自在に人事シミュレーションが可能。

> カオナビについて詳しく見る

みなし残業には2種類ある

みなし残業には事業場外労働と裁量労働の2種類があります。それぞれどのようなものなのでしょうか。

事業場外労働

事業場外労働とは、事業所の外で働く仕事のことです。おもに営業職などがこれにあたります。

裁量労働

裁量労働とは、仕事の時間配分が労働者の最良に委ねられる仕事のことです。エンジニア、デザイナーなどのある種の専門職がこのような働き方をしていると考えられます。

事業場外労働、裁量労働はそれぞれに特徴は大きく異なりますが、実際の労働時間を把握することが困難であるという点は共通しています。毎日夜遅くまで残業していたとしても昼間にリフレッシュしていた可能性があるかわりに、定時で帰宅していたとしても休憩時間返上で働いていることもあります。そもそも残業時間を正確に算出しにくい働き方であるため、みなし残業が採用されているのです。

みなし残業のメリット

みなし残業は企業側にとっては、毎月の残業代の算出にかかるコストを削減できるというメリットがあります。さらに、みなし残業代は割増賃金対象外になるので、場合によっては50%割増になるような時間単価を抑えることが可能です。割増の発生する週40時間を超過する残業、夜10時から朝5時までの仕事、休日労働などが夜発生することの多い業種などは一考する価値があると言えるでしょう。

また、社員にとっても、残業をしなかった月でも残業代をもらうことができるのは大きなメリットです。みなし残業を採用している会社では、このメリットを享受しようと社員が労働時間内にできるだけ効率良く成果を上げようとすることでも知られています。つまり、みなし残業は社員の労働意欲を刺激するのにも一役買っています。

##みなし残業を採用する際の注意点

みなし残業を採用する際に注意しなければいけないのは、労働基準法に抵触しないようにすることです。たとえば「月に40時間のみなし残業」として求人したならば、40時間以上の残業が発生した月には残業時間に応じた手当を別途支払う義務があります。みなし残業を、残業代を固定化してそれ以上は支払わない制度と勘違いしている人もいますが、これは間違いです。

また、みなし残業代込みの賃金が労働基準法で定められた最低賃金を下回っていないかどうかも留意してください。たとえば東京都が2017年5月時点で定めている最低賃金は時間給888円、所定労働日数23日、1日あたりの所定労働時間は8時間です。みなし残業代を上乗せするにしても、888円×8時間×23日=163,392円の基本給を最低限のベースとするように心がけてください。