【事例】ブラインド採用とは? 背景、メリット、デメリット

ブラインド採用とは、選考過程における応募者の個人情報を取り払い、能力のみを評価する採用方法です。先入観を排除して、多様な人材確保を可能とします。

1.ブラインド採用とは?

ブラインド採用とは、名前や学歴、性別といった個人情報を選考に含めず、応募者の実力のみを評価する採用方法のこと。

従来の採用方法では、先入観や偏見によって業に同じような人材が集まったり、能力の多様性が失われたりするようなケースが多く発生していたのです。しかし近年、多様性のある人材の確保が重視されてきています。

そこでブラインド採用で応募者に対する無意識な先入観や偏見を排除し、能力やキャリアだけに着目する企業が増えてきたのです。

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2.ブラインド採用が注目される背景

ブラインド採用が注目される背景にあるのは、ダイバーシティの推進、そして少子高齢化と高度情報化です。

これからの企業は、さまざまな年齢や国籍などの人材を採用し、活用していく必要があります。偏見や先入観を持たずにさまざまな人材を雇用するには、業務遂行に必要な能力を重視したブラインド採用が有効なのです。

ダイバーシティの推進

ダイバーシティとは人種や国籍、宗教など異なる人材の多様性を受け入れて活用する動きのこと。人材不足や働き方に対する価値観の多様化などからダイバーシティの実現が求められている昨今、ブラインド採用は有効な手段といえます。

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少子高齢化と高度情報化

少子高齢化にともない労働人口が減少しています。経営や事業を継続するためには幅広く能力の高い人材を集めていかなければならないでしょう。

また社会の高度情報化によって、ビジネスにおける「顧客」も多様化。このような顧客に対応していくためには、やはり多様な人材が必要とされるのです。

多様性を受け入れると人材確保における競争優位性を高め、時代の変化に対して柔軟に対応できる組織を構築できます。

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3.ブラインド採用のメリット

ブラインド採用を活用するとどのようなメリットが得られるのでしょう。それぞれについて解説します。

  1. 多様性の促進
  2. 多様な社会的ニーズへの対応
  3. 公平な基準での採用
  4. 優秀な人材の確保
  5. 新たなアイデアの創出

①多様性の促進

偏見や先入観にとらわれない選考を行うことで、多様性のある人材が確保できます。

従来の採用方法では、採用担当者が学歴や年齢などに先入観を持ってしまいやすく、採用の可否が左右される、あるいは採用しても同じタイプの人材が集まってしまうケースも少なくありませんでした。ブラインド採用ではこのように偏った判断を防げます。

②多様な社会的ニーズへの対応

人の価値観が多様化する昨今、社会のニーズも複雑になっています。このような変化に対応するためにも、多様な人材の協力が必要です。

多様性のある人材を採用できれば、高い能力や個性を持つ人材から新しいアイデアや知見が生まれるでしょう。また目まぐるしく変わっていく社会のニーズに合った商品やサービスの提供につながります。

③公平な基準での採用

個人情報を取り除くため、無意識な先入観を防いで公平な評価と採用が行えます。従来の採用方法では、能力の高い人材でも、学歴や年齢による先入観から不採用としていたケースも少なくありません。

ブラインド採用であれば、そのような人材を取りこぼす心配が減ります。またブラインド採用では採用したい人材の能力を明らかにするため、応募者と企業の間で生じるミスマッチも防げるのです。

④優秀な人材の確保

実力主義の採用方法にすると、従来の方法では無意識に採用しなかった優秀な人材の確保につながります。

ブラインド採用では応募者の純粋な能力やキャリアにのみ着目して採用の可否を決めるため、自社で必要とする人材の確保がはかどるのです。高度な能力のある人材を採用しやすいので、組織レベルの向上にも大きく役立ちます。

⑤新たなアイデアの創出

多様な人材を入社させると、社員の価値観やスキルに幅が出るため、新たなアイデアの創出が期待できます。

採用担当者が無意識のうちに、自分と同じような考え方の人材を採用してしまうときがあります。ブラインド採用を活用すれば、既存のメンバーでは生まれなかった視点や解決策が生まれ、組織の活性化や新事業の創出などにつながるでしょう。

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4.ブラインド採用のデメリット

能力に注目するブラインド採用は、ときにデメリットとなる場合もあるのです。ここでは4つのデメリットについて説明します。

  1. 入社後のミスマッチ
  2. 年齢やジェンダーのバランス
  3. 社員同士の衝突
  4. 採用活動の長期化

①入社後のミスマッチ

求職者の能力を重視して判断するため、組織の空気感や想いと応募者の価値観がマッチするかどうかは、入社後にしか判断ができません。多様性を重視しすぎてしまうと、社風やほかの社員との相性が悪かったとき、早期離職する可能性もあります。

「事前情報をどこまで取り除くかを検討する」「仕事における価値観や組織との相性を確認するための判断材料は残しておく」のは、採用ミスマッチ対策のひとつです。

②年齢やジェンダーのバランス

ブラインド採用を活用すると、社内の年齢層とジェンダーのバランスが大きく偏る場合もあります。たとえば個人情報を取り除いて採用した結果、「気づいたら社員の過半数を男性が占めていた」「30代の社員ばかり集まってしまった」などもありえるのです。

社内の年齢や性別のバランスをとるのが難しい点は、ブラインド採用のデメリットといえるでしょう。

③社員同士の衝突

ブラインド採用で入社した社員と、従来の採用基準で入社した社員との間で衝突が生まれる可能性も懸念されます。

ブラインド採用を通過した社員は基本、既存の価値観や社風に縛られない考え方を持っています。よってそうした社員の新しく柔軟なアイデアに対し、既存社員が継続してきたやり方や考え方が衝突する可能性もあるのです。

④採用活動の長期化

資格や職務経歴などから判断するブラインド採用では、採用対象者が増加するため応募者の審査に時間がかかります。

まず応募者の管理や面接、結果の通知といった一連の採用業務が増えるのです。そのうえ提出された書類は、個人情報を取り除いたうえで担当者へ共有しなければなりません。採用活動で必要となる業務を洗い出し、十分は時間と人的コストを想定すべきです。

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5.ブラインド採用の実施方法

ブラインド採用を行う際、通常の採用では生じない準備が必要です。ここでは実施方法について説明します。

  1. 採用担当と事務処理担当の分担
  2. 専用書類の準備
  3. パーテーションやボイスチェンジャーを使用した面接

①採用担当と事務処理担当の分担

ブラインド採用を実施する際の鉄則は、「採用担当」と「事務処理担当」を分担することです。

事務処理とは、応募者が提出した履歴書から個人情報を排除して、採用担当者へ受け渡すこと。この2点を採用担当が進めてしまうと、応募者に対して採用担当者が余計な先入観を持ってしまう恐れがあり、ブラインド採用をする意義がなくなってしまうのです。

②専用書類の準備

ブラインド採用に取り組む前、「選考材料となる情報」のみを記載した書類の準備が必要です。

応募書類に記載されている「名前・性別・年齢」などを取り除いた履歴書とは別の資料を作成し、採用担当者へわたします。このとき採用担当者が応募書類を事前に確認してしまわないよう、保管や閲覧権限などに注意が必要です。

③パーテーションやボイスチェンジャーを使用した面接

先入観をなくした公平な面接のためにも、応募者と採用担当者を隔てるパーテーションやボイスチェンジャーなどが必要となります。

人は無意識のうちに外見や口調で判断してしまうため、本人を特定できない面接が求められるのです。性別や年齢などによる先入観を排除するためにも、このような施策を検討するとよいでしょう。

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6.ブラインド採用のポイント

ブラインド採用のデメリットを防ぐには、どうしたらよいのでしょう。ここではブラインド採用をうまく活用するためのポイントを説明します。

  1. 多様性を受け入れる企業風土
  2. 採用基準の明確化
  3. 採用活動の効率化

①多様性を受け入れる企業風土

ブラインド採用で多様な人材の活用を実現するには既存社員や社風の価値観を変えていく必要があります。従来の画一的な採用方式を捨てられなければ、効果的なブラインド採用は見込めないからです。

採用にかかわる人事や経営陣の意識改革はもちろん、社員にもブラインド採用の利点を伝えるなど受け入れる側への研修や教育も必要となります。

②採用基準の明確化

応募者が持っているスキルやキャリアを正当かつ公平に評価するためにも、評価基準を明確にしておきましょう。たとえば「どのスキルを優先すべきか」「どれくらいのレベルを合格基準とするか」などです。

明確にした採用基準は人事担当者や最終決定を行う上層部まで共有します。そして採用にかかわるすべての関係者が公平な評価を行っていくのです。

③採用活動の効率化

デメリットとして挙げた、「採用活動の長期化」を効率化させるのも重要なポイントです。

まず企業にとって適切な判断ポイントを策定しておきましょう。たとえば「情報をどこまで隠すか決める」「応募者の価値観や仕事への向き合い方などを記載してもらう」など。

そのほか「リファレンスチェック(経歴照会)」も有効です。たとえば事前に応募者の勤務先へ問い合わせ、本人の能力や業務遂行力などを確認しておくと、面接や評価をスムーズに進められるでしょう。

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7.日本のブラインド採用の事例

多様性が求められている日本では、ブラインド採用を取り入れている企業が増加しています。ブラインド採用における日本の現状を見ていきましょう。

厚生労働省

2021年4月16日、厚生労働省は新たな履歴書の様式を公表。性別欄で男女の選択肢を設けず、記載を任意としました。この様式はLGBT(性的少数者)を支援する団体からの要望を受けて作成されたもので、性差別の是正を目指した社会運動が背景にあるのです。

履歴書にて性別や年齢など個人情報を求める記入箇所は多く存在し、とくに性別は就職差別の要因となる場合もありえます。このように性別を明記しなくていい様式は、ブラインド採用を促進していくでしょう。

Discover Deep Japan

難民や移民のスキルを活かした地方創生に取り組む「Discover Deep Japan」では多様性を促進するためブラインド採用を導入。同社では中心的な価値観に「多様性」「包摂性」「帰属」を掲げており、価値を体現するため、公平な組織づくりを実践しています。

2021年には、デジタルマーケティング・営業統括本部長へドイツ出身の女性を採用。難民や移民を起用したデジタルマーケティング事業を推進しています。

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8.海外のブラインド採用の事例

多様性に着目したブラインド採用を取り入れているのは、日本だけではありません。ここではアメリカと韓国で取り組むブラインド採用について説明します。

アメリカ

IBMの子会社がブラインド採用を実施した結果、ブラインド採用した社員が業務成績の上位を占めるようになりました。Googleでも「学歴主義」から「学歴不問」へと変化しており、多様性を重視するブラインド採用へシフトしているとわかります。

実はアメリカでも、採用する人材の人種や性別が偏る傾向にあるようです。そこで人種問題という特有の課題を踏まえ、名前や写真を伏せるブラインド採用方法が重視されています。

韓国

韓国の文在寅大統領は、2017年10月の就任後にブラインド採用を導入。韓国は「学歴主義」の傾向が強く、名門大学の卒業生でなければよい職に就けないとされていました。

そこで文在寅大統領は、常時30人の社員が勤務する企業へブラインド採用を義務化。名門大学を出ていない学生たちにも公平な雇用機会が与えられるようになったのです。

またブラインド採用に反した場合の罰則も規定されています。業務遂行に不要な情報の提示を採用担当者が応募者へ求めるような行為は罰金の対象になるのです。