採用とは? 採用基準の作り方、採用通知のルール、採用通知書の作成方法、応募者への電話・メールの仕方、採用証明書について

応募者の適性を見出すための採用基準の設定から、面接での注意事項や採用後の事務的な手続きまでをまとめました。

自社を志望してくれる応募者に対して丁寧に対応すれば、採用段階からお互いの信頼関係が築かれていきます。採用に力を入れたいと考える企業は参考にしてください。

1.(人材)採用とは?

採用とは、企業や官公庁といった組織が必要な人員を確保するため、面接や試験を通じて人材を選んで雇い入れること

また、採用には人材を雇うプロセスそのものである募集や選抜、面接や試験などを指すケースや、さらにはこのプロセスに関わる担当者、職務そのものを「採用」と呼ぶ場合もあります。

採用は「面接などを通じて人を雇い入れる」という意味があるほか「人材を雇うプロセス」「採用に関わる担当者や職務そのもの」を指す場合もあります

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2.採用基準の作り方や設定方法

明確な採用基準を設定する方法のひとつがコンピテンシーです。

採用基準とは?

企業に新たな人材が必要になった際、応募してきた人材を誰でも雇うわけにはいきません。自社で活躍できる能力を保持しているか、企業の風土に合うか、さまざまな視点から人材を見極めるべく選考してから採用します。

その際、公平性を確保するため、採用基準という面接官によって評価に個人差が出ないようにする指標を設るのです。ここには、採用後に企業と労働者の間でのミスマッチを防ぐという意味合いも含まれています。

  • 採用担当者の間で適切な情報共有ができない
  • 採用した人材がなかなか活躍できない

というように採用活動がうまくいかない場合は、採用基準の設定に不備がある可能性が高いです。企業の成長とともに求める人材も変化するので、採用基準を適宜見直しましょう。

コンピテンシーモデルによる採用基準の設定方法

コンピテンシーとは、高い業績を残す人材(ハイパフォーマー)の特性のこと。昨今、人事や採用の評価を考える上で使われる概念です。

コンピテンシーの考え方をたどると、1950年代のアメリカにさかのぼります。フラナガンという産業心理学者が、職務の分析として「高業績に貢献する要因だけを拾う」方法を考案しました。これが、コンピテンシーの基礎となっています。

具体的な方法は、求人する部署の社員から成果を上げている人材をグルーピングし、行動や判断、思考や態度といった要因を抽出して採用基準に当てはめるといったもの。ただし、コンピテンシーはあくまで概念なので、全体に共通するフォーマットはありません。

  1. コンピテンシー項目の洗い出し
  2. 配属予定の部署とのすり合わせ
  3. コンピテンシーシートの作成

①コンピテンシー項目の洗い出し

コンピテンシーに共通するはありませんが、対象となる社員の分析によって、することで行動や判断、思考や態度といった評価項目をある程度洗い出すことができます。

まず、ハイパフォーマーの行動を観察し、高い業績を上げるのにどのような行動が要因となっているのか研究します。ここで大切なのは「行動そのもの」ではなく「なぜその行動を起こしたのか」に着目すること。

たとえば、営業の予算目標を達成していた社員が「毎日顧客に電話をかけていた」とします。ここで分析すべきは「電話をかけていた」ことではなく「なぜ電話をかけたのか」という点。

この社員が電話をかけていた理由が「顧客が困っている内容を聞き出し、理解を深めて信頼関係を構築できると思ったから」と話していたとすると、コンピテンシー項目は「計画力」「戦略的な思考」になります。このように分析した項目を体系的に整理するのです。

②配属予定の部署とのすり合わせ

人事部門でコンピテンシー項目を分析・整理して設定したら、配属先となる現場が必要とする人材と合致しているか確認します。そして、人事部門と現場の認識をすり合わせるために、人事担当者が配属先の社員にヒアリングするのです。

人事での分析方法に問題がなかったとしても、現場との認識にずれがあると配属後にミスマッチを引き起こす恐れがあります。ヒアリングで項目を一つ一つチェックしてもらい、不要なものや追加すべきものの聞き取りをするのです。

ヒアリング結果は人事部門で精査し、コンピテンシー項目のブラッシュアップにつなげましょう。

③コンピテンシーシートの作成

配属先の社員からのヒアリングですり合わせたコンピテンシー項目を、1枚のシートにまとめます。このとき、企業の方向性や目的に合うように項目を分類していきます。コンピテンシーには定型的な分類法がないため、自社で独自に確立させなくてはなりません。

各コンピテンシーには具体的な行動例を記載するといいでしょう。これにより、評価基準が明確になるため、評価に個人差が出ることを防げます。

面接では、担当者がコンピテンシーシートを参照しながら質問者に話を聞きます。成功体験などを引き出し、コンピテンシー項目に合う要因がどれくらいあるのかチェックしていきましょう。

実際の面接で評価基準に曖昧な点などが見られたら、どこに不備があるのか考えて再びすり合わせます。

コンピテンシーは、ハイパフォーマーの特性を反映した評価基準です。配属先へのヒアリングなどを経て1枚のシートにし、採用面接で使用します

3.採用基準に設定してはいけない項目とは?

人材を採用する際、応募者の能力や適性とは関係ない事柄で採用の可否を決定してはいけません。公平性が確保されているとはいえないからです。

たとえば以下のような項目は、採用基準に設定すべきではないと考えられます。

  • 本人に責任がない事項:家族、出生地など
  • 本来は個人の自由であるべき事項:宗教、支持政党など

また、こうした項目を採用基準に定めていないとしても、以下のような採用選考を行うと就職差別を指摘される恐れがあります。

  • 本人に責任がない事項や個人の自由であるべき事項を応募用紙に記入させる
  • 身元調査や必要性がない健康調査

ただし、組織内の情報を保守する観点からやむを得ず確認する必要がある場合は、この限りではありません。

  1. 出自
  2. 生活環境
  3. 家庭環境
  4. 信仰・思想
  5. 政治的志向
  6. 身体の状態

①出自

  • 出生地
  • 本籍
  • 健康状態
  • 家族の職業
  • 学歴
  • 収入
  • 保有資産

このような出自を問う質問は不適切とされます。

質問の事例は、

  • あなたの出身地はどこですか
  • あなたの資産額を教えてください

②生活環境

  • 住宅の種類(持ち家、賃貸)
  • ローンの返済額や家賃
  • 間取り
  • 部屋の数
  • 住まい近隣の施設

このような生活環境を問う質問は不適切とされます。

質問の事例は、

  • あなたが住む地域にはどのような特徴がありますか
  • ◯◯川の東西、どちらにお住まいですか

③家庭環境

  • 結婚の有無
  • 恋人やパートナーについて
  • 子どもについて
  • 両親について

このような、家庭環境を問う質問は不適切とされます。

質問の事例は、

  • あなたのご両親はどちらにお勤めですか
  • あなたの恋人はおいくつですか

④信仰・思想

  • 思想
  • 生活信条
  • 人生観
  • 宗教
  • 尊敬する人物について

このような、個人の信仰・思想の自由を問う質問は不適切とされます。

質問の事例は、

  • あなたは◯◯教を信じていますか
  • 将来どのような人になりたいですか

⑤政治的志向

  • 支持政党について
  • 学生運動や社会運動への参加について

このような、政治的志向を問う質問は不適切とされます。

質問の事例は、

  • あなたは◯◯党についてどう思いますか
  • あなたは学生運動に参加したことはありますか

⑥身体の状態

  • 合理的、客観的に必要と思われる範囲外の健康状態

このような、身体の状態を問う質問は不適切とされます。応募者本人も把握していない診断結果によって採否が決まる場合があるためです。

応募者の能力や適性に直接関係のない事柄を、採用基準に設定しないようにしましょう。就職差別を指摘される可能性があります

4.採用基準設定に役立つ書籍|伊賀泰代『採用基準』

著者は、大手コンサルティング会社・マッキンゼーの採用マネージャーを12年間担当した人物です。マッキンゼーでどのような採用を行い、そしてこれからの時代のあるべき採用基準や、リーダーシップ像について解説しています。

マッキンゼーが求めるグローバル人材の基準は3つです。

  1. リーダーシップ
  2. 地頭が良い
  3. 英語ができる

日本では、マッキンゼーのような超難関企業に入るには地頭の良さや論理的思考力が大切だと考えがちでしょう。しかし著者は、大事な採用基準であるリーダーシップや英語力が日本人に欠けているからだと感じています。

世界で活躍するためのキャリア形成を知ることで、企業は自社の採用基準を見直せるでしょう。

『採用基準』https://www.amazon.co.jp/dp/4478023417/

グローバル化する時代に求められる能力を知ることで企業は、評価基準を見直す良いきっかけになるでしょう

5.採用通知(採用連絡)の基本ルール

採用通知は応募者だけでなく、人材獲得を目指す企業にとっても大切な仕事です。

採用通知の連絡方法

応募者を採用することが決まったら、本人へその旨を伝えます。採用の連絡には、電話で本人へ採用の旨を伝える、メールで採用連絡を行うなどがあり、電話の後に内定通知書や採用通知書を郵送する場合もあるのです。

しかし、電話とメールでは、電話で採用連絡をするほうが一般的でしょう。そんな電話を用いて連絡するメリットには、下記のようなものが挙げられます。

  • その場で採用手続きや入社日など、今後のスケジュールを決定できる
  • 声や雰囲気から応募者の気持ちを察しやすくなり、内定辞退の可能性がありそうな場合は前もって準備ができる

メールも、自由な時間に連絡できるなどのメリットがありますが、相手の返信が遅い可能性がある、入社の意思を推測するのが難しい、といったデメリットもあるのです。

電話だけではやりとりの記録が残らず不安……という場合、後で同じ内容をメールで送り記録する方法もあります。

不採用時の連絡方法

応募者を不採用とする場合、その旨を通知した後、これからのスケジュールなどを決めていきます。そのため、電話ではなくメールで連絡するケースが多いです。もし電話などで直接通知する場合は、応募者の心情に配慮して伝えましょう。

また、応募書類とともに不採用通知を同封して郵送する方法もあります。不採用通知はシンプルな文章で構いませんが、応募してくれたことへの謝意を伝えるなど、丁寧な対応を心掛けてください。

採用通知の連絡期限

採用通知を伝える期限に明確なルールはありませんが、円滑に就職活動を行いたいと思っている応募者のためにも、あまり長く待たせるのは適切ではありません。

基本、最終面接から1週間以内に採用結果を伝えます。近年、市場は人手不足の状況が続いており、多くの業界で人材確保のための競争が激しくなっています。中でも中途採用などでは、面接後3日以内に採用連絡をする企業が増えているのです。

応募者の採用については確かに慎重になるべきです。しかし、あまり時間をかけすぎてしまうと、応募者が「もしかしたら不採用なのではないか」と疑念を抱いてしまいます。

そうすると、ほかの企業の選考に進んだり、保留していた企業に入社したりする場合も。優秀な人材を迎え入れるためにも、採用決定や通知のプロセスをスムーズに行いましょう。

採用通知への返答期限

採用の通知をした後、応募者から承諾するか否かの返答がなかなか届かないことも。入社が決まるかどうかによって企業側の人材戦略も変わります。ときには企業側から再度連絡を入れるとよいでしょう。

通知から2~3日経過しても返事がない場合、応募者が採用通知メールを見逃していたり、自身や身内が急病にかかり連絡ができなくなったりしている可能性があります。

採用通知の連絡から1週間経過しても承諾に関する返事がない場合、こちらから確認のため再度連絡を取りましょう。

例に挙げたように応募者がメールを見逃している可能性もあるので、メールを再度送る以外にも電話をかけるなど、必ず複数の連絡手段を使って意思を確認してください。

採用通知や内定受諾の通知は、人材戦略の観点からもおろそかにできません。ある程度の期限を設け、着実に進行しましょう

6.採用通知電話のかけ方とは?

採用通知は結果を伝えるだけではありません。気持ちを丁寧に伝えて信頼獲得につなげましょう。

電話をかける時間帯

採用通知を電話で行うとき、まずは応募者から電話に出られる時間が指定されていたか確認します。特に時間指定がなかった場合は、午前中に連絡を入れるのが一般的です。

午前中であれば、応募者が仕事や授業があって電話に出られなかったとしても、昼休みや就業後の時間に折り返せるでしょう。採用担当者としても、当日の就業中に電話を折り返してもらえる可能性が高くなります。

応募者が非常に有望で、企業としても早く採用の旨を伝えて確保したいというケースもあるでしょう。

しかし優秀な人材はほかの企業も採用する可能性が高く、面接をした当日の夜に連絡を入れることが選択肢に入る場合も。その際採用担当は、ぜひ入社してほしいという熱意をしっかり伝えましょう。

採用通知電話の内容

採用通知の電話は、企業側であっても緊張するものです。応募者へ伝える情報を事前に確認しましょう。

社名・担当者名

応募者は一つの企業だけでなく、同時進行で複数の企業の試験・面接を受けているケースも多々あります。

また応募者からすると登録していない電話番号から着信が届くため、誰からどのような要件の電話なのか想定できていない場合も多いです。初めにはっきりと社名と担当者名を伝えましょう。

電話ができる状況か確認

電話がつながったとしても、応募者が電車やバスなどに乗車中だったり、繁華街や駅の中など通話が聞き取りづらい場所にいる可能性があります。

社名や担当者名を伝えた上で「今、お電話よろしいでしょうか?」と状況を確認してください。もし電話が難しいと伝えられた場合、「後で電話をかけ直す」「電話番号を伝え、応募者に電話を折り返してもらう」どちらかの方法を伝えましょう。

また、応募者が電話に出ず留守番電話の音声が流れたら、

  • 採用に関する旨の連絡であること
  • 改めて電話をすること

をメッセージに残しましょう。

応募のお礼

採用基準に達するほどの優秀な人材と出会うことは、簡単ではありません。また、そうした人材は、多くの企業から採用される可能性が高いです。

数多ある企業の中から自社に応募してくれることに対して、感謝を述べましょう。すでに採用が決まり応募者も受諾しているからといって、お礼もなくいい加減な態度で話してしまうと、自社への印象が一気に悪い方向へ傾く恐れがあります。

入社後の人間関係に悪い影響を及ぼすかもしれません。応募者に「自分はこれほど求められているんだ」と思ってもらえるよう、お礼の気持ちをしっかり伝えてください。

採用後の流れ

応募者が入社を決めたら、今後のスケジュールについてその場で調整しましょう。まずは入社までに必要な書類の手続きなどを伝え、担当者と会う日や会社に来てもらう日などを決めます。

ただ、電話だけでは記録が残らず、応募者の記憶が曖昧になる場合も。電話の後、今後のスケジュールについてまとめ、応募者にメールで送りましょう。この流れをスムーズに進行することで、お互いが良い印象を持ったまま入社日を迎えることができます。

採用を伝える電話では、応募者の立場に立って丁寧な対応を心掛けます。入社前から、信頼関係を築くためのコミュニケーションは始まっているのです

7.メールで採用通知の連絡をする方法

時間を気にせず送信できるメールですが、採用通知では時間帯に気を付けたほうがよいのでしょうか。

メールを送る時間帯の注意点

メールは自由な時間に送れるので、電話に比べてお互いにストレスが少ないと感じるかもしれません。それでも、メールで採用通知を送る時間帯は、できる限り就業時間内にしたほうがよいでしょう。

夜中に送ってしまうと、残業が常態化している会社だと疑われてしまうかもしれません。また、メール受信時に着信音を設定している可能性もあります。就寝している時間などに送らないほうがよいでしょう。

就業時間でも、退社する直前に送るのは避けましょう。応募者がすぐに採用通知のメールを見てくれたとしても、問い合わせしづらく感じてしまいます。午前中などできるだけ早い時間を選び、応募者が返答しやすいように配慮しましょう。

できるだけ電話での採用通知とセットで行う

メールによる採用通知には、時間を選ばない、採用を伝える文章を推敲してから通知できる、といったメリットがあります。

しかし、採用通知を受けて応募者がどのように反応するか、通知した直後では推し量ることができません。もし応募者に迷いがあり返信が遅くなると、それだけ企業側の対応も遅れてしまいます。

メールだけでなく電話でも採用通知をし、可能であればその場で意思を確認したり、折り返し連絡をもらう約束を取り付けたりするのがよいでしょう。

特にぜひ採用したいと考えている有望な応募者であれば、必ず電話で採用通知をしましょう。人気のある人材は、ほかの企業でも選考が進んだり、すでに採用をもらったりしている可能性も。早めに採用の意向を伝え、入社してほしいという想いを直接話しましょう。

メールでの採用通知は、できるだけ就業時間内に行います。また、電話とセットで通知することで、今後の対応がよりスムーズになります

8.採用通知書とは?

採用が決定した応募者に送る書類を採用通知書といいます。新卒採用では「内定通知書」、中途採用では「オファーレター」と呼ぶことも。そんな採用通知書には、以下のような項目について記載があります。

  • 採用を決定する旨
  • 同封の書類
  • 書類の返送期限や宛先
  • 今後のスケジュールについて

とはいえ採用通知の内容について法的な定義はありません。採用通知書が示すものについては、企業それぞれで異なるのです。採用が決まったときに発行する書類としているところや、内定通知書を採用通知書と呼ぶところなど、その定義はさまざまあります。

採用通知書と内定通知書の違い

内定とは、応募者からの労働契約の申し込みに対して、企業が承諾すること。そのため、内定通知書は採用内定を示す法的な効力が発生すると考えられます。一方で採用通知書には法的な定義がありません。書類が示す定義については企業により異なります。

ただし、内定通知書、採用通知書共に、発行しなければならないという法的な義務も記載されている内容や項目の定義もありません。そのため、企業によってさまざまな取り扱い方になるのです。

  • 内定通知書を採用通知書と呼ぶ
  • 採用を決めたときに発行するものを採用通知書と定義する
  • 内定通知書と採用通知書を自社の判断で分けて考えている
  • 採用や内定の通知は電話やメールだけで行い、通知書を発行しない

このように、通知書の作成・発行は任意となるため、必要な書類か、作成する場合はどんな文面にするかなどは、自社で考えます。

採用通知書と労働条件通知書の違い

一般的に、応募者の採用が決まった際は「労働条件通知書」を企業側で作成し、応募者に渡します。労働条件通知書は、義務のある事項が記載された書類で、労働基準法で事業主が労働者に明示することが求められているのです。

また、労働基準法によって定められた記載しなければならない「絶対的明示事項」があります。

  • 契約期間
  • 就業場所
  • 従事すべき業務の内容
  • 始業、終業の時刻
  • 休憩時間
  • 休日および勤務日
  • 休暇に関して
  • 賃金の計算方法、締日支払日
  • 解雇を含む退職に関して
  • 休職に関して
  • 表彰、制裁
  • 安全、衛生
  • 職業訓練について
  • 災害補償および業務外の傷病扶助
  • 労働者に負担させるべきものについて

一方、採用通知書は作成を義務付けられていないので、兼用の書類を作っても法的には問題ありません。

【テンプレート見本】労働条件通知書とは? チェックすべき重要項目、記入例
企業が労働者の採用を決定した場合、当該労働者に労働条件通知書を交付しなければなりません。しかし、労働条件通知書とは何でしょうか。 労働条件通知書とは何か 労働条件通知書の書き方や見本 労働条件通知書...

採用通知書は作成や発行を義務付けられておらず、任意となっています。法的に必要とされる労働条件通知書との違いを明確にしましょう

9.採用通知書の送付方法

採用通知書の応募者への渡し方には、書面の郵送やPDFデータにしたものをメールで送信、新卒採用の場合、内定式で手渡しなどが挙げられます。

決まったルールはありませんが、できるだけ早い時期に渡せるに越したことはありません。応募者が来社するタイミングがあれば手渡しし、来社する機会が当分ない場合は郵送やメールで送りましょう。

郵送の場合、入社承諾書や入社誓約書といった書類を同封することが一般的です。その際は送り状も添え、同梱した書類を記載しておきましょう。

また、入社承諾書のような書類は署名の上返送してもらいますが、企業から郵送する際。あらかじめ宛先を記載した返信用の封筒を同封しておくと、自社の丁寧さを伝えられます。

入社承諾書(入社誓約書)とは?

入社承諾書(入社誓約書)は、特別な理由がない限り、応募者が企業へ入社することを約束する書類です。採用通知を渡すだけでは応募者の入社の意思が文面で残らないため、この書類によって明確にします。

応募者の入社が確実でないまま入社準備を進めると、万が一入社を辞退された際、無駄なコストが発生してしまいます。再び採用活動を始めるのも大きな労力が発生するので、事前に応募者の入社意思を確認するのです。

入社承諾書は法定文書ではありませんので、書面の内容は企業ごとに異なります。

承諾書には一般的に、

  • 事前に断りなく入社を拒否しない
  • 書類は速やかに返送する
  • 住所などに変更があった場合は、すぐに知らせる

といった注意事項を記載し、包括的に同意をもらいます。応募者が文書に同意したら、署名と捺印をもらった上で返送してもらうのです。

採用通知書の送付期限

採用通知書を送る期限には、特にルールはありません。いつ応募者へ送付するかは企業によってさまざまですが、面接から1週間前後がひとつの目安となるでしょう。また、採用通知書を送る前にメールや電話で採用の連絡を伝えるケースもあります。

もちろん、優秀な人材に早く採用を伝えたいという場合はその限りではありません。

採用通知書は郵送や手渡しのほか、PDFデータにしてメールで送ることも可能です。事前に電話などで採用を伝えておくと、よりスムーズに手続きを進められます

10.採用通知書の記載事項

採用通知書は法定文書ではなく、形式に決まりはありません。企業ごとに記載内容が異なるので、企業側で各所に確認を取りながら作成するのです。

中には、人事部門の責任者の名前や、代表取締役の名前において作成するケースが見られます。企業によっては、下記のように労働条件に関する事項を記載しているところもあります。

  • 契約期間
  • 就業時間
  • 就業場所
  • 従事すべき業務の内容
  • 始業、就業の時刻
  • 賃金の計算方法、締日支払日
  • 休日および勤務日
  • 休暇について
  • 休職について
  • 解雇を含む退職について
  • 災害補償および業務外の傷病扶助

こうした項目は、法定文書である労働条件通知書で明示される事項です。採用通知書と労働条件通知書を兼ねて作成する場合もありますが、一般的には、両者の内容や法的な位置付けを考慮して、分けて扱います。

採用通知書の記載事項の具体例

採用通知書は決まった形式がないため、企業側で作成します。一般的に含まれるのは、以下のような内容です。

  • 応募していただいたことへのお礼:例)この度は、弊社の求人にご応募いただきありがとうございました。
  • 採用決定を伝える旨:(例)慎重に選考を重ねた結果、貴殿を採用することが内定いたしましたのでお知らせします。
  • 同封書類の案内
  • 書類を返送する期限
  • 人事担当者の名前や連絡先

また、手紙と同様に「頭語/結語」(拝啓/敬具)や「時候のあいさつ」を入れるとよいでしょう。

採用通知書への返答期限の設定方法

採用通知書には、入社承諾書や誓約書など署名・捺印が必要な書類を同封することがあります。返送の期限にルールはありませんが、目安は1週間前後がよいでしょう。期限については採用通知にも記載し、応募者へ明確に伝えます。

採用通知書の内容に決まったルールはありません。丁寧なあいさつを心掛けながら、内定を伝える旨や書類返送の期限など必要事項を明確に記載しましょう

11.採用証明書とは?

採用証明書は、失業保険を支給されている求職者が、採用が決まった際にハローワークへ提出して「再就職手当」を受けるために必要な書類です。

採用証明書の記入を応募者から求められた場合、採用した企業は書類の項目について記入した上で渡さなければなりません。

失業給付が受けられなくなる代わりにもらえる給付金なので、応募者からすると大事な書類となります。応募者から採用証明を求められたら、なるべく早く対応しましょう。

また、採用証明書は正社員採用の応募者だけでなく、派遣社員として採用した応募者も受給条件を満たしていれば該当する場合があります。

再就職手当とは?

再就職手当とは、失業給付を受けている求職者が、再就職が決まった際、失業給付の代替として受け取れる給付金です。

再就職手当を受給できる要件は、

  • 失業給付を受ける資格があり、安定した職業に就いた
  • 失業給付の日数が3分の1以上残っている

要件を満たした場合、求職者は

基本手当日額×失業保険支給残日数×給付率(50~70%)

で算出される金額を受け取ることができます。

たとえば、月給が40万円程度だった人が失業の1カ月後に再就職するケースだと、約26万円を受給できます。求職者にとってはとても助かる制度でしょう。

再就職手当は、労働者に対してなるべく早い再就職を促す制度でもあります。そのため、再就職が早く決まるほど給付率は高くなるのです。

採用証明書は、求職者が再就職手当を受給するために必要な書類です。書類の作成を求められたら、なるべく早く対応して渡しましょう

12.採用証明書の書き方

採用が決まった応募者は、再就職が決定したことをハローワークへ報告します。そこで、ハローワークより「再就職手当支給申請書」「受給資格者のしおり」を受け取りますが、これに「採用証明書」が同封されているのです。

採用証明書には、氏名や住所、生年月日、雇入年月日、採用経路、雇用形態などいくつかの項目の記入欄がありますが、採用をもらった応募者が書くのは「支給番号」のみです。支給番号は、雇用保険受給資格者証に記載されています。

このほかについては企業側が記入して採用証明とします。採用証明書の作成を求められたら、支給番号を記入の上、会社に郵送または持参してもらい、必要事項を記入してください。最後に押印し、応募者へ返送、または直接渡します。

採用証明書の提出方法

企業側で必要事項を記入し押印した採用証明書は、応募者へ郵送するか手渡しで返してください。もし、応募者のほうで支給番号を記入していない場合は、確認するよう伝えましょう。あとは応募者がハローワークへ採用証明書を提出する流れになります。

採用証明書の提出期限

採用が決まっている被保険者が再就職手当の受給を希望する場合は、就職日の翌日から1カ月以内にハローワークへ「再就職手当支給申請書」を提出しなくてはなりません。

採用証明書などを就職日の前日にハローワークに提出することで、再就職手当支給申請書を受け取れます。

再就職手当支給申請書は、被保険者が記入する欄と、入社する企業が記入する欄があります。就職後に記入を求められた場合は、速やかに対応しましょう。必要事項を記入した書類は被保険者に戻し、本人がハローワークへ申請する流れになります。

期限が就職の翌日から1カ月と短いので、就職後は会社側から被保険者へ声を掛けるなどし、できる限りフォローしましょう。

採用証明書は、被保険者より会社へ記入を求められます。必要事項に記入、押印の上被保険者に返送、または直接手渡しましょう