バイアスとは?【意味・使い方を簡単に解説】種類、人事評価

バイアスとは、ビジネスシーンで使われる場合は、先入観や偏見のことです。バイアスが生まれる原因や認知バイアス、改善方法や人事評価における対策など詳しく解説します。

1.バイアスとは?

バイアスとは、人の思考や行動に偏りが生じることならびにその要因です。英語の「bias」を日本語に取り入れた言葉で、偏りや斜めといった意味があります。

ビジネス用語として浸透しているものの医療や心理学、統計学などさまざまな分野で使用されています。また裁縫では布目に対して斜めに裁った生地やバイアステープの略称とされています。使うシーンによって意味合いが変化しているのです。

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2.バイアスが生まれる原因

意思決定において「二重過程理論」が働いているといわれています。二重過程理論とは、人間の意思決定には2つの仕組みがある、とする理論です。たとえば下記の2つがあるとしましょう。

  1. 直感的かつスピーディーに意思決定する「Aシステム」
  2. ゆっくりと論理的な判断をする「Bシステム」

Aシステムは考えている感覚がなく、無意識のうちに高速で意思決定が行われています。自分で気づかないまま判断するためバイアスがかかり、考えに偏りが生じやすくなるのです。

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3.ビジネスシーンにおけるバイアス

ビジネスシーンにおけるバイアスの具体例として、学歴があげられます。「学歴が高い人は有能だ」といった偏見から書類審査で卒業した学校名について重要視している企業もあるほどです。

次に下記のような性別に関する偏った考え方もあります。

  • 女性は事務職が適している
  • 男性は営業職が適している

また何かを決定するとき、「経験してきてこうだった」「過去はこうだった」などによって視野が狭くなるのも、バイアスのひとつです。

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4.認知バイアスとは?

自分の思い込みや周囲の環境といった要因により、非合理的な判断をしてしまう心理現象のこと。アンコンシャスバイアスとも呼ばれます。公平・公正・客観的に目の前の物事を判断できなくなる場合も多いので、注意が必要です。

しかし認知や判断を過去の経験や知識を基に自動化し、物事をスピーディーかつ効率的に処理するためには必要な面もあるといわれています。こうした認知バイアスにはいくつかの種類があるのです。

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5.認知バイアスの種類

認知バイアスには種類があり、それぞれの現象によってとる行動が変わるのです。6種類のバイアスを解説します。

  1. 確証バイアス
  2. 正常性バイアス
  3. ダニング=クルーガー効果
  4. ハロー効果
  5. 自己奉仕バイアス
  6. そのほかの認知バイアス

①確証バイアス

自分に都合のいい情報ばかりを集める現象のこと。子どもがゲーム機を欲しくて「クラスの皆が持っているから自分にも買って」と親に頼むことがあるでしょう。しかし、「クラスの皆」といっても、実際は数人程度です。

欲望のために情報が正しく見えなくなってしまうのは、確証バイアスといえます。

②正常性バイアス

自分に都合の悪い情報を無視してしまう現象のこと。災害心理学でひんぱんに用いられます。

たとえば人が危機や何かの異状に直面した際に、現実を素直に受け止められず、物事を過小評価して「まだ大丈夫」と思い込もうとする傾向です。あらゆる場面で、何か注意すべきことが起こっても無視してしまいます。

③ダニング=クルーガー効果

実際の評価と自己評価を正しく認識できず、誤った認識で自身を過大評価してしまうこと。実際の評価はそうでなかったとしても、「自身の容姿が優れている」と心理的に錯覚するような状況です。

逆に能力の高い人は、実際の評価より自己評価を低く見てしまいます。いずれも自分自身を正しく客観視できないために認識にズレが生じるのです。

④ハロー効果

ある対象を評価するとき目立ちやすい特徴に引きずられて、ほか特徴についての評価が歪められる現象のこと。ポジティブ・ハロー効果とネガティブ・ハロー効果があります。

  • ポジティブ・ハロー効果:ある特定の評価が高いと感じた場合、別の項目も高くする現象
  • ネガティブ・ハロー効果:ある特定の評価が高いと感じた場合に、別の評価を低くする現象

⑤自己奉仕バイアス

何かに成功したときは「自分自身の能力によるもの」と考え、失敗したときは「周りの環境が悪かった」と思いこむ現象のこと。

たとえば新規事業が大成功したとき「自分の頑張りがあったから」と考えます。しかし大失敗したときは「ほかメンバーの能力が不十分だからだ」と考えてしまうのです。

⑥そのほかの認知バイアス

そのほか次のようなバイアスがあります。

  • バンドワゴン効果:大勢の人が選んでいる判断は、個人の判断よりも正確であると思い込む現象
  • 後知恵バイアス:結果の予測が可能だったと錯覚する現象。結果が出た後に「そうなると思っていた」「そのような結果になると予想していた」など思うのは、後知恵バイアスの心理から
  • 内集団バイアス:ほか集団と比較して、自分が所属している集団よりも優れていると考える現象

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6.認知バイアスが企業にもたらすデメリット

認知バイアスは企業にどんなデメリットをもたらすのでしょう。それぞれについて見ていきます。

  1. モチベーションの低下
  2. 採用における多様化の阻害
  3. 人事評価における公平性の阻害

①モチベーションの低下

ネガティブな認知バイアスが原因で、職場の人間関係が悪化するケースは少なくありません。人間関係の悪化により、仕事に対するモチベーションや業務に対するパフォーマンス
が低下します。

またこの時期を対象にして従業員を評価すると、評価が下がるため成長の機会を奪ってしまうでしょう。

組織リーダーのモチベーションが低下した場合、チームのマネジメントに影響がおよびます。その場合、「新しいアイデアを受け入れられない」「メンバーを公平に評価できない」などの悪影響が生まれてしまうのです。

②採用における多様化の阻害

採用や面接で偏った判断が行われるかもしれません。そうなると組織の多様性を阻害し、全体のパフォーマンスの低下にもつながります。

ある調査では企業が採用活動にて、出身大学だけで候補者を採用・不採用にしたり、面接を開始して5分で候補者の印象を決めつけたりしていたとわかりました。

このような採用活動を続けていれば、同じような境遇の人材でしか組織を構成されず、多様性のある組織づくりはできないでしょう。

③人事評価における公平性の阻害

たとえばスポーツが得意な従業員には「根性がある、打たれ強い」などのイメージを持ってしまいがちです。しかしその人が実際どうかは異なるので、業務でギャップが現れた際、評価を下げてしまいます。

またつねに高い実績を出していた従業員が成果を出せなくなったとき、「今回はたまたま調子が悪いだけ」と都合よく解釈してしまうと、公正な評価が妨げられてしまうのです。

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7.バイアスの改善方法

バイアスの改善方法には何があるのでしょう。くわしく見ていきます。

  1. 対抗意見にも耳を傾ける
  2. 事実と意見をわける
  3. 前提を疑う
  4. 肩書のみで判断しない
  5. 判断軸を持つ

①対抗意見にも耳を傾ける

自分の考えは偏っているのではないか、という視点を持つのは大切です。自分と違う視点の意見に耳を傾ければ、客観的に物事を見ていけるため、正しい検討を行うための材料を得られるでしょう。

反対意見やデメリットに関する情報を積極的に聞き入れることは、今まで気づかなかった考えに出会うチャンスです。これまでのような偏った判断も減っていくでしょう。

②事実と意見をわける

事実と人の意見は別物と考え、わけて考えます。日本人は明確な決断を出さず、グレーな部分を好む傾向にあるもの。そのため曖昧な表現が多く相手の感情も見えにくくなり、認知バイアスにかかりやすくなるといわれています。

たとえば「イベントは予想以上の集客があったので成功した」「あの大学出身だから優秀だろう」などの意見をかんたんに受け入れず、集客人数を数値化したり過去の実績を調べたりなどで分析して、正しい判断をしていくのです。

③前提を疑う

まず考えたことに先入観が混じっていないか検討します。前提を疑う視点を持ち、因果関係を分析することが重要です。

たとえば自社商品が、他社のものより売れなかったとしましょう。そのとき内集団バイアスの影響を受けて、市場の需要に合っていなかった要因に目を向けられない可能性があります。

他社のヒット商品は「人気商品だから購入されている」だけではないのです。ほか要素を検討すると、バイアスによる失敗を防げるでしょう。

④肩書のみで判断しない

肩書は特定分野の専門家や経験者など対外的な役割や立ち位置を示すもの。その人物の人格や考えの確実性を保証するものではありません。「専門家の話だから間違ってはいないだろう」と判断せず、日ごろから客観的な立場を意識しましょう。

専門家とはいえ、つねに正しいとは限りません。反証材料や批判的な意見などにも目をとおして、客観的な視点から物事を検討することが重要です。

⑤判断軸を持つ

自分や会社、所属するチームとしての判断軸を持つと、バイアスによる失敗を防げます。

たとえば、

  • 迷ったら顧客第一に考える
  • 迷ったら効率を重視する
  • 迷ったら誠実さを選ぶ

など。判断の軸をつねに持つよう心がけると、素早く正しい判断をしやすくなります。

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8.企業ができるバイアスへの対策

企業として可能なバイアスへの対策は何でしょうか。それぞれ詳しく解説します。

  1. 研修
  2. 認知テストやアンケート

①研修

研修に参加すると、多様なものの見方やとらえ方を認知し合えます。それにより自分の偏った価値観に気づいたり、他者を尊重する気持ちが養えたりするでしょう。

研修では講義や動画、オンラインで「バイアスとは何か」「バイアスにかかった際のデメリット」「職場での対応方法」「コミュニケーションの取り方」などを学びます。

認知バイアスに気づくためのゲーム

認知バイアスに気づくためのゲームとして、実際の研修で活用されているものには何があるのでしょう。それぞれについて見ていきます。

クロスロード・ダイバーシティゲーム

クロスロード・ダイバーシティゲームは、対話式のカードゲームです。多様性がある場で起きる深刻になりがちな問題を、ゲームをとおして楽しみながら、より深い対話の機会を作ります。

1チーム5~7人、1回約45分。ゲームの設問は、解決が難しくジレンマを含むものが多くなっています。個人の決断に対してチームで意見交換することで、自分の偏った見方に気づけるのです。このゲームで大切なポイントは、多様な意見を尊重すること。

以下が設問の例です。

あなたは…30代の女性社員で今日は終業後、帰宅し夕飯を作らなくてはなりません。しかし終業して支度しているところに上司から「仕事が終わらないので残業して欲しい」と言われました。あなたは上司の依頼を引き受けるか、引き受けないかを選択します。

NASAゲーム

NASAゲームはグループワークで利用可能な、合意形成を行うコンセンサスゲームです。まず自分の意見を出して、その後にチームで対話をしながら、ひとつの結論を導いていきます。出題の例は次のとおりです。

あなたは大型船に乗って太平洋を横断しようとしています。しかし機械の故障で目的地から離れた場所に流れ着いてしまいました。その時に大きな岩に衝突し、船が壊れて動きません。

さて十数個のアイテムは壊れずに残っています。目的地へ無事に着くため、これらアイテムすべてに、重要度の高いものから順位をつけましょう。

②認知テストやアンケート

具体例が明示されている認知テストやアンケートを実施するのもよいでしょう。

何が認知バイアスなのかを確認していく行為を経て、自分の偏見に気づけます。その度合いを知れば、克服の手立てを考える材料にもなるでしょう。専門の企業が提供している認知テストやアンケートもあります。

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9.人事評価におけるバイアス対策

人事評価には認知バイアスがつきものです。人事評価を公正・公平に行うための方法を解説しましょう。

  1. 評価基準の明確化
  2. 評価者同士で基準のすり合わせ

①評価基準の明確化

とくに定量評価と定性評価の評価軸をそれぞれ明確にしましょう。事業に直接かかわる目標は定量評価で、それ以外のプロセスや行動面などをどのように定性的に評価するかを明確にしておきます。

職位や職種による定量評価と定性評価の基準をそれぞれ明確に設けるのも必要です。

②評価者同士で基準のすり合わせ

評価者個人の主観や価値観に影響されないよう、複数の評価者同士で意見を交わすのも重要です。上司と部下といった上下関係であった場合、対等な意見が出にくいもの。同じ立場で議論ができる評価者であるほうがよいでしょう。

また評価者研修を実施すると、正しい評価手順について理解が深まり、公正な人事評価ができます。