ゆとり社員とは? ゆとり世代やさとり世代、背景や特徴、対応や対策について

ゆとり社員とはゆとり教育を受けて育った社員のこと。ここではゆとり世代やさとり世代、背景や特徴、対応やその対策などについて詳しく見ていきましょう。

1.ゆとり社員とは?

ゆとり社員とはゆとりを重視した学習指導要領や学校週5日制など、いわゆる「ゆとり教育」の影響を受けて育った世代の社員のこと。

小・中学校の学習指導要領が内容、授業時間とも大幅に削減された2002年度がゆとり教育の始まりとされています。この時点で中学3年生であった1987年度生まれは「ゆとり第一世代」と呼ばれているのです。

ゆとり社員とは、2002年度に始まった学習指導要領や授業時間が削減された「ゆとり教育」の影響を受けて育った世代の社員です

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2.ゆとり世代とは?

ゆとり世代とは1987年~2004年頃に誕生し、教育を受けた世代のこと。

従来、いわゆる「詰め込み教育」が実施されていましたが、のちに学習時間を減少する形で学習指導要領が改定されました。この教育を受けた世代が、ゆとり世代と呼ばれてているのです。

ゆとり教育とは?

ゆとり教育は、「生きる力を育成する」というコンセプトに基づいて2002年度から始まった教育です。カリキュラムの精査や授業時間の削減が実施され、「ゆとりの時間」という教育活動を行う時間が設けられたり学校週5日制が導入されたりしました。

結果、学習内容は3割ほど減少し、この教育を受けた世代の学力低下が問題視され、再び新しい学習指導要領改定案が出されたのです。

従来の学習時間を減少させたカリキュラムでの教育を「ゆとり教育」、またその教育を受けた世代を「ゆとり世代」といいます

3.さとり世代とは?

上記の「ゆとり世代」のように、ある共通の特徴を持つ世代として「さとり世代」があります。

一般的に1980年後半~1990年中ごろに生まれた人とされ、物欲や恋愛にあまり興味がなく、高望みをせずほどほどに生きるという気質を持つ世代として認識されているのです。「さとり世代」の呼び名の発祥はインターネットの掲示板とされています。

「さとり世代」はインターネットの掲示板から発祥したとされる言葉で、欲があまりなく高望みをしない気質の世代だといわれています

4.ゆとり社員が広まった背景

ゆとり教育で育った「ゆとり社員」は受け身体質で、自分から進んで動き出す主体性に欠けているといわれています。

そのため上司や先輩社員は、ゆとり社員とどう接したらよいか、どのように育成したらよいのか、という問題に悩み、次第にゆとり社員という言葉が広まったとされているのです。

上司や先輩社員が、ゆとり社員との接し方や育成方法で思い悩むようになったことから「ゆとり世代」「ゆとり社員」という言葉が広まったと考えられます

5.ゆとり社員の特徴

ここでは、ゆとり社員の特徴について具体的に見ていきましょう。

現実に向き合う力が乏しい

ゆとり教育で育った社員は、子どもの頃から厳しい環境に置かれたり努力をして新しい道を切り開いたりというような経験をほとんどしていないと考えられています。

さらに本人が失敗する前に家族や周りの人たちがサポートしたり、事前に環境を整えたりといったケースも決して珍しくないといわれているのです。自らの力で現状を打破するといった経験が少ないため、現実に向き合う力が不足していると考えられています。

指示を待ってしまう

ゆとり社員は、日々のさまざまな仕事のシーンにて、上司や先輩社員からの指示がないと自分から動かないとされています。この受け身体質も大きな特徴といえるでしょう。

与えられた職務ややるべき仕事をこなすことはできても、周りの社員の様子や状況を観察して、今できる仕事を探すなど自発的に動くことは少ない傾向にあるようです。こうした受け身体質の原因は、ゆとり教育だと指摘されています。

失敗を恐れる

失敗をすることを恐れすぎて、前になかなか踏み出せないというネガティブな姿勢も特徴のひとつでしょう。日頃から、上司や先輩社員に叱られる状況を避けたいと考えているゆとり社員は多く、指摘によって深く落ち込んでしまうケースも珍しくありません。

また、周囲からの叱責によって挫折しやすく、また立ち直りにくいという傾向にあるともいわれているのです。

周囲に合わせる

ゆとり社員は、自分自身の意見やアイデアの発信に苦手意識を感じる人が多いとされています。結果、公私のあらゆるシーンで、自分の意見や希望についての発言を控えて周囲の提案に合わせるケースが多く見られるのです。

プライベートを優先

ゆとり社員は公私であれば迷わず「私」を選ぶ傾向にあります。つまり、常に仕事よりもプライベートを重視して生活していると考えられるのです。

たとえばその日にやるべき業務が残っているにもかかわらず、終業時刻になると直ぐ退社してしまうというケースがそうでしょう。また上司や先輩社員、同僚との飲み会や忘年会などに一切参加しないという社員も決して珍しくありません。

ゆとり社員は、「現実に向き合う力が乏しい」「指示を待ってしまう」「失敗を恐れる」「周囲に合わせる」「プライベートを優先」といった特徴を持ちます

6.ゆとり社員への対応、対策、対処法

会社は、ゆとり社員に対してどのような対応や対策を実施していけばよいのでしょうか。その具体策を見ていきます。

  1. 目標を設定
  2. 具体的を心掛ける
  3. 貢献した点に目を向ける
  4. 褒める
  5. 適度に叱る
  6. 協調性を活かす
  7. 業務の意味を見い出す工夫
  8. 距離感を保つ

①目標を設定

ゆとり世代の多くは、自発的に考えた行動が苦手だとされていますが、一方ではっきりした指示やマニュアルがあれば真面目に仕事をこなすという傾向にあるのです。

一つ一つの仕事がどのような意味を持ち、何を目指すのかを明確にして、目標を本人に伝えるとよいでしょう。目標の実現に向けた綿密なサポートも不可欠と考えられます。

②具体的を心掛ける

業務の指示をする際には、「まず何から実行していけばよいのか」「どのように進めていけばより効率的になるか」を、できるだけ具体的に説明しましょう。

ゆとり社員の大部分は、具体的な指示がないと動けない傾向にあるとされています。そのため、具体的にやるべき内容を伝えるとスムーズになるのです。

③貢献した点に目を向ける

ゆとり社員が仕事を通してどのようなことに貢献したのか、という点に目を向けましょう。

従来の日本では、同期の中で優れた成績を出すなど、「他人に勝つこと」が評価される風潮にありました。しかしゆとり社員は競争に勝つことより、他人への貢献を通じて感謝されることを重要視する傾向にあるのです。

ゆとり社員を育成する際は、本人の存在意義を高める工夫が必要でしょう。

④褒める

ゆとり社員が携わった仕事や行動のよかった点を褒めることも大きな価値があるといえます。

褒める際は、「貢献」に目を向けましょう。「貢献した点に目を向ける」でもお話した通り、ゆとり社員は同期や社内の競争に勝つことより、「君のおかげで誰かが助かった」など、貢献した事実に喜びを感じる傾向にあります。

⑤適度に叱る

ゆとり社員は「叱られる」ことに非常にナイーブで、傷つきやすい傾向にあります。ストレスへの忍耐力が低いため、少し注意されただけでやる気を失う状況も珍しくありません。

仕事においてミスをしてしまった場合、叱ったほうが成長に役立ちます。しかしその際は、大きな声で怒鳴るといった叱り方ではなく、冷静に「どの点がよくなかったのか」と指摘しながら、本人が改善点を見いだせるようにサポートしましょう。

⑥協調性を活かす

自主性が低いとされるゆとり社員ですが、彼らは自分の意見を押し通すことは少なく、他人の意見や行動に合わせる特徴にあります。

これを活用し、チームワークを重視した業務やプロジェクトを任せるようにすると、ゆとり社員自身の将来的な成長につながるでしょう。目標も、個人目標ではなく、チーム目標として設定すると効率的です。

⑦業務の意味を見い出す工夫

ゆとり社員自身、どのような業務をしているのか、また何のために行っているのかを知らないまま仕事に向き合っているケースも珍しくありません。「ゆとり社員本人が携わる業務に意味や価値を見い出す」ための工夫をするとよいでしょう。

さらに、その業務を進めると何が変わるか、今後どうなる見込みなのか、将来の展望まで説明すると、より意味を見い出しやすくなります。

⑧距離感を保つ

ゆとり社員はプライベートを重視する傾向にあるとされます。ゆとり社員とは、適度な距離感を保つほうがよいといえるでしょう。

従来の日本では、「社員は飲み会や忘年会などに必ず参加」これが当たり前だと考えられていました。しかしゆとり社員は、人付き合いの公私は別ものと考えるケースが多いです。社外での付き合いを強制するのはあまりよくないといえるでしょう。

「ゆとり社員」「ゆとり世代」だから仕方ないと諦めてしまわず、「仕事内容を具体的に指示する」「明確な目標を伝える」などできることをしていきましょう