ベンダーとは?【意味を簡単に】ベンダーロックイン、資格

ベンダーとは、「販売業者」「売り手」を意味し、「ユーザー」の対となる言葉です。IT分野におけるベンダーについて解説します。

1.ベンダーとは?

ベンダー(Vendor)とは、「販売業者」「売り手」「仕入れ先」などを指す英単語で、対義語は「User(ユーザー:使用者や消費者)」です。

ビジネスでは業界によって異なる意味で使われるものの一般的に、製品やサービスをユーザーへ販売する側を総じてベンダーと呼びます。

たとえば食品業界では、スーパーやコンビニなどで仕入る商品を販売元企業や店舗を指すのです。なお自動販売機(Vending Machine)を「ベンダー」と呼ぶことがあり、自動販売機を設置する企業もそのまま「ベンダー」と表す場合もあります。

各業界におけるベンダーの意味

ベンダーは、業界によってさまざまな意味を持ちます。基本、商品を販売する小売業を「ベンダー」と表現するものの、業界によって意味合いが異なるのです。

たとえば「建築」の業界で使われるベンダーとは、鉄製の素材を曲げるための作業道具のこと。また「流通」の業界で使われるベンダーは、商品の仕入れ先や供給先全般を意味します。

なおIT分野におけるベンダーの呼び名も多く存在し、特殊な意味合いを持つ場合も多いのです。

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2.ベンダーと混同しやすい語

製品やサービスの開発や生産、供給する企業の呼び方は、ベンダーと混同されやすい言葉です。ここでは3つの用語とベンダーとの違いについて説明します。

メーカーとの違い

メーカーとは「開発」「製造」のみを行う会社のこと。一方ベンダーは、製品の「販売」を行う会社です。

つまりメーカーは自社の製品やサービス、直接ユーザーへ販売せず、ベンダーがメーカーの開発や製造した製品やサービスを買ってユーザーへ販売します。

なお自社で製品やサービスを開発や製造し、そのままユーザーへ販売するケースも多く、このような企業はメーカーとベンダーを兼ねているといえるのです。

ユーザーとの違い

ユーザーはベンダーの対義語で、ベンダーが販売する商品を購入する消費者を指します。仕入れた原料から製造し、商品を届けるプロセスにて最後に商品を受け取る立場であるため、「エンドユーザー」とも表されるのです。

サプライヤーとの違い

サプライヤーとは「仕入れ先」「供給元」などの意味を持ち、小売業者にとっては卸業者やメーカーがサプライヤーにあたります。

大まかにいうと、サプライヤーは企業やメーカーなどに対して部品や原材料、製品などを供給する業者、ベンダーは完成した製品などをユーザーへ販売する業者です。

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3.IT業界におけるベンダー

IT業界におけるベンダーは、ほかの業界と比べるとニュアンスが少し変わるため、取り扱う製品によって呼び名もさまざまです。ここではIT業界におけるベンダーの種類と内容について説明します。

ハードウェアベンダーとソフトウェアベンダー

取り扱う製品に応じて「ハードウェアベンダー」と「ソフトウェアベンダー」にわかれます。

  • ハードウェアベンダー:PCや家電など、実際にモノとして存在するハードウェアを販売する会社
  • ソフトウェアベンダー:ウイルス対策や会計ソフトなどソフトウェアを販売する会社

シングルベンダーとマルチベンダー

単一企業の製品を取り扱うベンダーを「シングルベンダー」と呼び複数企業の製品を取り扱うベンダーを「マルチベンダー」と呼びます。

シングルベンダーはひとつの企業が製造した製品を取り扱うため、製品同士で不具合が生じにくく、また企業と長期的な関係が作りやすいです。マルチベンダーは複数企業の製品を扱っているため、顧客の需要に応じたシステムを提案しやすくなります。

開発ベンダーとは?

製品やサービスの開発にくわえ、販売もしている企業のこと。IT業界では、自社で開発した製品を販売している会社も多いため、開発からユーザーへの提供まで一貫して担う企業は「開発ベンダー」と呼称されます。

IT業界でベンダーを含む用語

IT業界では早い時期からベンダーという語を使っていたため、関連用語も多く定着しているのです。ここでは関連用語とそれぞれの意味を説明します。

ベンダーロックインとは?

ITシステムの基幹部分に特定企業の製品を使用すること。以前、システム開発を担う企業が少なかったため、企業や行政機関では、現在運用中のシステムがベンダーロックイン状態となっていることも珍しくありません。

しかしこの状態になると、「ベンダー製品は値上げした場合でも継続して購入しなくてはならない」「改修や運用保守などもベンダー企業へ依頼せざるを得ない」といった問題が生じます。

ベンダーセントラルとは?

Amazonに製品を納品し、販売を一任する手法のこと広告や販売、梱包などのプロセスをAmazonが一括で対応するため、メーカー側の手間が大きく削減されるのです。

一方メーカーがAmazonに出品し、自社で販売対応する場合は「セラーセントラル」と呼ばれます。

ベンダーコントロールとは?

ベンダーへシステムを発注し、関連する交渉や手続きなどを行う職種あるいは業務のこと。

社内SEのひとつで、システムの構築や運用保守までベンダーと社内の橋渡しを行います。ほかにも関連部署などからのヒアリングや、ベンダーの評価なども役割に含まれるのです。

ベンダー資格とは?

ベンダーの製品に対する知識や技術力を持つと認定する制度のこと。取得するには、筆記や実技の試験やレポート提出などで、一定のレベルに達しなければなりません。

取得によって高度な知識や技術力を有すると証明できるため、転職や副業などで重視される場合もあります。

Cisco技術者認定とは?

シスコシステムズ社が開催するネットワーク技術者認定資格のこと。ネットワークやシスコシステムズ社製品に関する基礎知識や専門知識を保有していると証明できます。

「エントリー」レベルから「アーキテクチャ」まで5段階あり、たとえば3段階目の「CCNP(Cisco Certified Network Professional)」を所有すると、大規模ネットワークの導入や運用、保守などを行う技術を持つと裏付けられるのです。

Oracle認定資格とは?

IT製品やサービスを提供するOracle(オラクル)の認定資格には、ソフトウェアやプログラミング、クラウドシステム、データベースなどの5カテゴリが存在します。

たとえば「ORACLEMASTER」は、同社の製品「Oracle Database」とデータベースに関する知識を証明する資格となっているのです。それぞれのカテゴリでは、製品のバージョンや難易度などで試験が細分化されています。

Microsoft認定資格とは?

Microsoft製品に関する知識と技術を持つと証明する資格で、システム開発やAI、セキュリティ、データサイエンスなどの9カテゴリが存在します。

それぞれのカテゴリで初級にあたる「Fundamentals」、中級にあたる「Associate」、上級にあたる「Expert」といったレベルわけがなされているのです。

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4.日本の代表的なITベンダー

日本国内でもITベンダーは数多く存在し、なかでも富士通は売上が世界4位にもなったITベンダーです。ここでは日本で有力なITベンダー5社について説明します。

  1. 日立製作所
  2. NEC
  3. 富士通
  4. NTTデータ
  5. 日本IBM

①日立製作所

家電や鉄道、ITなど広い範囲で事業を展開する日立製作所は、家電とITを組み合わせたIoTによるビッグデータを解析し、その結果をもとにしたソリューションを展開しています。

またソフトウェア開発会社SAPのパッケージシステムに関するコンサル業も提供し始めました。

②NEC

電子機器メーカーであるNECのIT事業では、国内向けのネットワーク構築に必要な機器やソフトウェア、運用を支える基盤システムなどを提供。

NECは通信機器やパソコンの開発と販売が有名ですが、IoTやビッグデータの活用を支援する独自のソリューションやコンサルティングも展開しています。

③富士通

電子機器メーカーの富士通はITサービスを展開しており、国内でNo.1の売上シェアを誇ります。さまざまな国で事業展開を行ってグローバルなサービス体制を構築しました。

デジタルマーケティングやネットワーク、クラウドなどのソリューションサービスを提供し、近年ではAI活用やITインフラのハイブリッド化なども手掛けています。

④NTTデータ

NTTグループ主要会社のひとつでもあるNTTデータは、中央官庁や地方の自治体に向けたシステム開発を得意とするITベンダーです。

ブロックチェーンやAI技術へも積極的に取り組み、幅広い業種へソリューションを展開。通信会社のグループ会社であるため、データ活用やBIサービスの分野でも活躍しています。

⑤日本IBM

さまざまなソフトウェアやハードウェアを提供する日本IBMは、AIやクラウド、セキュリティなどのソリューションサービスを展開しています。

近年、コンサルティングサービスを強化し、ビッグデータの活用や顧客満足度の向上、人材育成などに対するビジネスサポートにも着手しました。

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5.ITベンダーの選定方法

ITベンダーの選定は、システム開発などのプロジェクトにおいて重要なポイント。ここでは自社にとって適切なITベンダーを選定するための方法を説明します。

発注先選定分析

発注先を判断する明確な軸をいくつか持ち、それぞれの基準においてどのくらい満たせているのか見極める方法のこと。あらゆる角度から複数の発注先を評価し、適切なITベンダーを選定します。

ITベンダーに対して偏った評価をしてしまうと技術力が不足している企業や、業務スピードの遅い企業を選んでしまう恐れがあります。

CMMI

ソフトウェア開発における開発プロセス成熟度を、5段階で評価する方法のこと。ソフトウェアの開発プロセスの適切な管理が目標です。

IT調達(システム構築に必要なITベンダーや製品、サービスを調達すること)では、長期にわたるプロジェクトや保守を任せる業者を選定するための指標として、活用されています。

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6.ITベンダー選定の手順

ITベンダーを選定する際は、候補となるベンダーへ「RFP(Request forProposal:提案依頼書)」を送付し、返送されるシステムの提案内容をもとに候補を絞るのです。このときに行う4つの手順を解説しましょう。

STEP.1
事前準備
RFPを作成するため、おおまかなシステムの構成や規模、システムで実現したい業務、コストやスケジュールなどについて社内で情報をまとめます。同時にベンダー候補を挙げてリサーチしていくのです。

事前準備では膨大な情報や調査結果、意見をまとめるため、RFP作成のためプロジェクトチームを組むのも珍しくありません。

STEP.2
評価視点と評価項目の設定
数値的な評価を行うための土台として、評価視点と評価項目を明確に設定します。

たとえば「ベンダーが提示する提案や資料などをどのように評価するか」「それらの評価をどのように定量化するか」など。視点ではベンダーの規模や財務、実績といった信頼性や提案の妥当性、機能の網羅性やコストなどをもとに、評価項目を設定していきます。

STEP.3
候補をリストアップ
明確にした評価基準をもとに、数あるITベンダーから候補を挙げ、提案の妥当性や見積額などをもとに検討していきます。このとき候補のベンダー数は少なくとも10社以上、ピックアップしましょう。

そしてピックアップしたベンダーへRFPを送付し、2週間ほどの期限を設けて提案書が届くのを待ちます。ベンダーから質問が届いたら、公平を期すためRFPを送付した全ベンダーへ回答とともに共有しましょう。

STEP.4
ベンダーの提案を評価
候補に挙げたITベンダーから提出される提案書を確認し、提案内容を評価します。

提案書の評価でベンダーを3社ほどに絞り込み、次の評価である製品のデモやプレゼンテーションの機会を設けるのが一般的です。ベンダーと対面する場では、「コミュニケーションの取りやすさ」「PM(プロジェクトマネージャー)の力量」なども評価に含めます。

このように段階的な評価を実施し、最終的に依頼するベンダーを決定するのです。

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7.ITベンダー選定時の注意点

ITベンダーの選定で失敗すると、費用と時間をかけたシステムが無駄になりかねません。ここではITベンダー選定における注意点を説明します。

  1. 知識量
  2. 価格
  3. 品質

①知識量

ITスキルはもちろん、自社の業界や業務などに関する知識を持つかチェックしましょう。候補ベンダーの提案書やプレゼンテーションの内容を見比べ、十分な知識や経験を持ち合わせているか、注視するのです。

ただしベンダーが十分なIT知識を有していても、それらが最新でなければ古い仕様のシステムになりかねません。

②価格

ITベンダーを比較する際、導入費用といったコストが他社と大きく離れていないか、確認します。「安易に金額だけ見て決めて依頼した結果、完成したシステムの機能が不十分だった」などのケースも珍しくないからです。

「必要な機器の費用が見積もりに含まれているか」「他社と比較した際、費用が違うのはシステムの機能性によるものか」などから、コスト面の妥当性を見極めましょう。

③品質

ITベンダーが提供するサービスやシステム機能は、過去に利用した他社実績からデータが確認できます。各製品やサービスの品質データを確認し、品質に偏りのない信頼できるITベンダーを選定しましょう。

自社が最初のユーザーになる場合でも、他社のITベンダーが提供する品質データを確認すると、おおよそを予想できます。

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8.ITベンダー選択の失敗例

ITベンダー選定はプロジェクトの成否に大きくかかわるため、できるだけ失敗を避けたいもの。ここではITベンダーの選定を誤ってしまった事例を説明します。

品質が低い

ITベンダーを選定する際にコスト面だけを重視すると、「この機能が欲しかった」「品質が低く業務の効率化が機能していない」などマイナスの状態に陥る場合があります。そうなった場合コストだけがかかり、経営にも大きな損失を被りかねません。

「選定時の注意点」でも挙げた過去のデータを慎重に確認し、自社が求める結果を得るのにつながるか、確認が重要です。

自社に合っていない

この失敗では2つのパターンが見受けられます。

  1. 自社が求めているシステムに適していないケース。導入後、データの処理手順がマッチしていないと判明
  2. 「ITベンダーはシステムの導入時だけにかかわるのか」「導入後の進行やトラブルのサポートまでしてくれるのか」の見極めを誤るケース

基本外部のベンダーに依存せず、自社内でシステム導入の目的と効果を見極める必要があります。

ベンダーに丸投げ

自社で活用するシステムをITベンダーに全て任せてしまうのは危険です。ITベンダーがクライアント企業の業務について、詳細や関連まで把握しているとは限りません。

開発を任せきりにしてしまうと、自社で運用したときにほか業務で不具合が出るといったイレギュラーが発生する恐れもあるのです。自社とITベンダーが事前に共有して業務を遂行すれば、このような失敗を防げるでしょう。