テレワーク下で再注目されている1on1を、 意味、現状、実践的1on1などから徹底解説

1on1とは、上司と部下が1対1で行うコミュニケーションのことです。ここではテレワーク下で注目されている1on1の現状や実践的1on1について解説します。

1.1on1とは?

はじめに「1on1」の意味、テレワーク下で1on1が重要視されるようになった背景について説明します。1on1は上司と部下が1対1で対話をする場のことです。1対1の対話といえば評価面談を想像する人も多いかもしれませんが、目的や実施方法に違いがあります。

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1on1の意味

1on1の主な目的は人材育成です。これまで1対1のコミュニケーションといえば、上司から部下へネガティブなフィードバックを伝えたり、一方的に評価を行ったりするのが一般的でした。

1on1の主役はあくまでも話をする側、部下側です。部下の現状や悩みに寄り添いながら本人の能力を引き出すこと、管理することではなく本人の成長を助けることが1on1の目的です。

テレワーク下で1on1が重要視されるようになった背景

テレワークの普及により、上司と部下のコミュニケーションは大きく変化しています。部下がどのような課題を抱え、どのような不安を持って仕事をしているか把握しづらくなっているのです。

マネジメントの負荷や難度が高まるなかで、1on1を重要視する企業が増えてきました。

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2.テレワークの1on1の現状

テレワーク、リモートワークの普及によって今まで以上に重要視されるようになった1on1。オフィスでのコミュニケーションがなくなり、これまで無意識のうちに実施してきた生産性を上げるための会話やフィードバックの機会が少なくなっています。ここではテレワーク下における1on1の現状について説明します。

テレワーク中の上司と部下のコミュニケーションの現状

HRテック企業のEDGE株式会社では上司400人、部下400人に「テレワーク下での上司・部下のコミュニケーション調査」を実施し、テレワークの現状を調査しました。本調査により、多くの上司がテレワーク中の部下に遠慮しているという現状が明らかになっています。

7割以上の上司が、1on1で「部下に遠慮」している

テレワーク中の1on1ミーティングで、部下に伝えるべきことを伝えられないことがたびたびあると回答した上司は約23%。また47%もの上司がどちらかというとある、と回答しました。

またテレワークの浸透前後を比較してコミュニケーションにやりづらさを感じたり、不満を感じたりする機会が増えたと回答した上司は78%。テレワークの1on1において、7割以上もの上司が部下に遠慮しているということが分かりました。

1on1に関する調査データ

EDGE株式会社「1on1に関する調査データ」より引用

テレワーク中に生まれがちなひずみ

「テレワークによって仕事を効率的に行うことができた」と声が挙がる一方で「部下一人ひとりの本音が見えにくくなった」「新たなメンバーとの信頼関係を構築するのが難しくなった」という声もあります。

1on1は上司と部下との間に対等で前向きなつながりを構築できる可能性があることから注目を集めています。しかしそれと同時に「初回以降は話す内容がない」「深いつながりが感じられず雰囲気が重い」といったひずみも生じています。

効果的に1on1を実施するには、何のために実施しているのか、その目的と手段を明確にしなければなりません。

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3.テレワーク中にできる実践的1on1

1on1は万能ではありません。しかしいくつかのポイントを意識すれば、テレワーク中のすれ違いや上司と部下の間に生まれるひずみを防ぐことができます。ここではテレワーク中にできる実践的な1on1について説明します。

テレワーク中でも工夫次第で1on1ができる!

テレワーク、リモートワークの普及によって、これまで当たり前に行われてきたコミュニケーションの機会そのものが減少しました。これにより、部下にとっては職場にあった適度な緊張感がなくなり自律が難しくなったという課題が、上司にとっては部下の成長や課題を把握しにくくなったという問題が生じています。

これらの問題を解決するためには、次のような1on1の進め方が効果的です。

1週間で全員と1on1

1on1はもともと週に1回程度の短いサイクルで定期的に実施するマネジメント手法です。テレワーク下でもこの頻度を落とさず、1週間でメンバー全員とコミュニケーションが取れる状態を作りましょう。

ひとりあたりの時間が15分から20分程度の短時間でも構いません。1週間のうちに少なくとも1回以上、オンラインで密なコミュニケーションをとる時間を設けます。

必要に応じて1on1

メンバーの成長段階や状況に応じて1on1の頻度や時間を変えてみるのもよいでしょう。メンバーのなかには自立して業務を遂行できる人もいれば、細かな指示が欲しいという人もいます。

1週間に複数回話すメンバーがいても構いません。テレワーク下における1on1で重要なのは「メンバー全員と」「高頻度で」コミュニケーションをとることです。

1on1では、どんなことを話せばいい?

1on1でどのような会話をすればよいのか悩む上司も少なくありません。テレワーク下における1on1の目的は、メンバーが会社にいなくてもパフォーマンスを下げずに組織としての生産性を維持、向上することです。この目的に沿っていれば、話すテーマは何でもかまいません。具体的には次のようなテーマを検討してみましょう。

  • プライベートの理解:テレワーク環境はどうか、在宅ワークで工夫していることはあるか、家族の様子はどうか、など
  • 心身の健康状態:身体的、精神的に不調はないか、業務量が多くなっていないか、など
  • モチベーション:困難な業務はないか、不安や気になっている点はないか、など

テレワーク中でも忘れない、1on1における3つの関わり方

1on1では以下3つの関わり方を組み合わせて対話を行います。

  1. ティーチング
  2. コーチング
  3. フィードバック

これはテレワーク下の1on1でも同じです。基礎となる相互の信頼関係が構築されたら、この3つを意識して部下を育成します。

ティーチング

「ティーチング(teaching)」は英語の「教える(teach)」に由来しています。相手の知らない知識ややり方を教える関わり方のことです。
部下がはじめての業務に取り組む際や、緊急性の高い仕事への対応方法を指導、教育する際には「ティーチング」が有効です。学習プロセスが明確なため、短時間で多くの人材に知識を共有することができます。

コーチング

対話を通じて部下自身に答えを出させる関わり方を「コーチング」といいます。同じ答えを出す方法でも、ティーチングは「上司が部下に答えを与える指導法」、コーチングは「上司が部下に応え考えさせる指導法」として区別されます。上司は部下自身が答えを導き出すためのサポートを行います。

フィードバック

「フィードバック」とはアクションの軌道修正や動機づけをおこなうための指導、教育、評価のことです。部下が現状を正しく認識し、今後の改善案を立てられるようサポートする関わり方を指します。だめ出しや人格の否定をするのではなく、期待する水準と実際の成果の差を示すことが重要です。

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4.テレワーク中の1on1の効果

コミュニケーションの機会が減りがちなテレワーク環境下において、企業はどのような効果を期待して1on1を導入するのでしょうか。ここではテレワーク中の1on1の効果について説明します。

業務の円滑化

テレワーク下における1on1の効果として特に期待されているのが、業務の円滑化です。定期的な1on1の実施により、上司は部下の目標に対する進捗具合や達成に向けた課題、現状の問題点などを把握しやすくなります。

的確なアドバイスや努力に対する評価が認められれば、業務がスムーズに進められるだけでなく、モチベーションアップや満足度の向上につながります。

上司との関係性の構築

1on1では業務上の報告や相談だけでなく、プライベート上の悩みを聞くこともあるでしょう。部下が抱える悩みや不安を知ることができれば、上司はそれに対する適切な施策を考えることができます。

コミュニケーションの不足や認識のずれは業務上の誤解だけでなくモチベーションの低下、最悪の場合離職につながる可能性もあります。1on1を実施することで、お互いに信頼関係を築くことができるのです。

モチベーションやエンゲージメントのアップ

1on1を業務上の目標管理の一部として行うことが、結果として達成の近道となることもあります。定期的な1on1はモチベーションやエンゲージメントの上昇につながります。

1on1で話した内容に対してアクションがあれば、部下は「問題を話してよかった」「相談した甲斐があった」「1on1をやってよかった」と感じるでしょう。1on1によって部下は自信と成長の実感を持って日々の業務を進めることができるのです。