【いつ必要?】退職証明書とは? 離職票との違い、用途、作成方法の例(ひな型ダウンロード)

すでに会社を退職していることを証明し、また確かにその会社に在籍していたことを証明する、それが退職証明書です。また、新しい会社で社会保険に加入する際、以前所属していた会社での被保険者資格を失っていることを確認するためにも用いられます。

この退職証明書について、記入する項目や必要になるケースなどをご紹介しましょう。

1.退職証明書とは?

退職証明書とは確かにその会社に在籍していたことやその期間などを証明する書類のこと。

中途採用後、新しい勤務先から退職証明を提出するように求められることが多いです。採用後のトラブルを未然に防ぐため、履歴書に記載された内容と相違がないか照合するために必要になります。

退職証明書は公文書ではない

管轄のハローワークから交付される離職票と異なり、退職証明書は公文書ではありません。基本的に、退職者から申請があった際に限り発行されるのです。

対照的に離職票は、必要なければ会社側で発行の手続きを行う必要はありません。全退職者に発行している企業もあるとされているほどです。

退職証明書は離職票とは性質が異なります。新しい会社から提出を求められた際、元の会社に申請して発行してもらう書類です

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2.退職日を証明する書類一覧

退職日が証明できる書類は以下の3つです。

  1. 退職証明書
  2. 離職票
  3. 資格喪失証明書

ただし、離職票は退職後12~13日後、資格喪失証明書は企業による社会保険の資格喪失届提出後でなければ入手できません。

①退職証明書

退職証明書の役割は元勤務先に在籍していたことを証明すること。公的な書類ではありませんが、労働基準法第22条にも定められており、使用期間、業務の種類、役職、退職事由などを元勤務先の会社が証明してくれるため、失業保険の申請も可能です。

②離職票

離職票は退職する際に国が発行する公文書で、ハローワークで失業保険の受給手続きをする際に必要になるものです。退職日から10日以内に会社がハローワークに申請することで発行され、郵送で届きます。そのため、入手できるのは12~13日後になるのです。

③資格喪失証明書

資格喪失証明書とは社会保険資格の喪失を証明する書類のこと。正式名称を社会保険資格喪失証明書といい、国民健康保険へ切り替える際、役所に提出します。元勤務先ではなく、脱退した健康保険組合や日本年金機構に依頼をします。

退職証明書と離職票の違い

退職証明書と離職票は、似て非なるものです。退職証明書は申請があってから企業が発行する文書なのに対して、離職票は国が退職時に公的機関を通して発行することが法律で義務付けられている公文書となっています。つまり発行元の違いです。

離職票は、在籍していた企業から管轄のハローワークに離職証明書が提出され、その際に交付される書類の一部として発行されます。

退職証明書と在職証明書(在籍証明書)の違い

退職証明書と在職証明書も、内容は同じようなものですが、少し違いがあるのです。

退職証明書は労働基準法第22条によって会社に発行義務がある文書なのに対し、在職証明書は発行義務がなく、在籍しているもしくは在籍していたことを証明するためのものとなります。

ただし、2つの文書に記載する項目内容は類似しており、退職証明書は在職証明書として使うこともできるのです。

退職を証明する書類の種類はいろいろあります。提出の際、間違えないよう気を付けてください

3.退職証明書に書かれる5項目

退職証明書に記載されているのは、下記の5つです。

  1. 大まかに会社に所属していた期間が記載される「使用期間」
  2. どのような業務に従事していたかが記載される「業務の種類」
  3. 最終的な役職を記す「その事業における地位」
  4. 直近の賃金額を記す「賃金」
  5. 「退職の事由」

退職証明書に明記する項目は「使用期間」「業務の種類」「その事業における地位」「賃金」「退職の事由」です

4.退職証明書の発行義務

企業には退職証明書発行が義務付けられているため、退職者が申請した際には遅滞なく交付しなければいけません。再就職活動に当たって必要な場合や、再就職後に就業規則として退職証明書の提出が必要な場合があるからです。

労働基準法第22条1項

労働基準法第22条1項には、「労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。」とあります。

発行時期は明確に定められてはいませんが、交付をしなければならない義務があることは定められているのです。

違法の場合の罰則

労働者から証明書を交付するよう請求された際、会社側が交付の拒否や理由なく大幅に遅延しての交付を行うと違法となります。

労働基準法の罰則としては30万円以下の罰金と定められていますので、退職者に対してできる限り誠意ある対応を心掛けることが必要です。

退職証明書は公文書ではありませんが、労働基準法によって請求があった場合には、発行が義務付けられている書類となっています

5.退職証明書の使い方(提出が必要になるケース)

退職証明書が必要になるのは、どんな状況でしょう。

  1. 国民健康保険、国民年金に加入するとき
  2. 失業保険を手続きするとき
  3. 転職先の会社に提出を求められたとき

ここでは必要性について、それぞれのケースでご紹介します。

①国民健康保険、国民年金に加入するとき

通常、国民健康保険や国民年金に新しく加入する際に離職票を提出します。離職票が手元にない場合、つまり元勤務先からハローワークに申請してその後に発行されるため、時間がかかってしまうのです。

このようなとき、離職票の代用として、元勤務先から直接発行してもらえる退職証明書を提出することで、手続きを進めることができます。

②失業保険の手続きをするとき

失業保険を受給するときも同様で、離職票がない場合、退職証明書の提出によって手続きを進められます。離職票を発行しないことは違法のため、発行されないことはありませんが、遅れる場合はあります。

失業保険の手続きは1日でも早く行いたいもの。待ちきれない場合は元勤務先に退職証明書の発行を申請しましょう。

③転職先の会社に提出を求められたとき

退職理由などを正確に把握するために、転職先の企業が新しい従業員に対して退職証明書の提出を求めることがあります。ただし、元勤務先の企業に申請できるのは2年間で、超過すると申請できません。

退職してから2年経ってから転職活動を始めた場合、転職先の企業へ「2年経過して退職証明書の発行が難しい」旨を説明する必要があります。

退職証明書は、主に国民健康保険・国民年金の加入手続き時、失業保険の申請時、転職時に役に立つ書類です

6.退職証明書の作成方法

退職証明書は、離職票と違って公文書ではないため、特定のフォーマットや書き方のルールが存在しません。退職者から発行申請があった場合は必ず記載事項を確認しましょう。退職者にとっては、再就職のための大切な書類です。慎重に記入しましょう。

退職証明書の様式

ほとんどの場合、元勤務先の会社は退職者が請求してきたときのみ発行するという性質があります。このような性質上、退職証明書には特定の様式というものがありません。

ただし、退職者の希望にもよりますが、業務の種類、その事業における地位、使用期間、離職以前の賃金、退職事由について記載の必要があります。漏れなく記載するようにしてください。

退職証明書の書き方(具体例)

  1. 退職年月日
  2. 使用期間
  3. 業務の種類
  4. その事業における地位
  5. 離職以前の賃金
  6. 退職事由

①退職年月日

「退職年月日」には、給与計算、解雇の場合の労働法の規定などの理由により、月末の日付が記載されているケースが一般的です。

ただし、退職前から転職活動を始めていて退職時すでに転職先や入社日が決定している場合、転職先の雇用契約開始日と退職年月日が重複しないよう記載しましょう。雇用が重複する期間があると、社会保険の手続きが複雑になる場合もあるので注意してください。

②使用期間

「使用期間」には、請求者が勤務していた期間を記載します。会社によっては入社後に行う試用期間が使用期間に含まれることもあります。自社ではどうなのか、対応を確認しておきましょう。

③業務の種類

「業務の種類」には、請求者が元勤務先の企業でどのような業務に就いていたのかを記載します。業務の種類が幅広い場合、どこまで記載するか社内で確認しましょう。ただし、記載内容が簡潔すぎないように注意してください。

④その事業における地位

「その事業における地位」には、所属していた部署や就いていた役職などを記載します。請求者がどういった役職などにあったかを示すように記載しましょう。

⑤離職以前の賃金

「離職以前の賃金」には、在籍時直近の賃金を記載します。その際、離職票の代わりに基本手当の給付手続きに使用する場合を想定し、税金や社会保険料などを差し引く前の金額に残業代や交通費をプラスした金額を記載するのです。

⑥退職事由

退職事由は、退職証明書を発行する企業により異なります。

  • 離職者による自己都合
  • 定年、労働契約期間満了等による
  • 事業主からの働きかけによる
  • その他
  • 解雇

など細かく分け、詳細も添えて記載する企業から、一言で済ませる企業までさまざまです。

退職証明書のテンプレートのダウンロード

退職証明書を作成する際には、必要な項目が入ったテンプレートが揃う「bizocean」が便利です。すべて無料でダウンロードできるので、さまざまなテンプレートから、使いやすいものを選んで利用しましょう。

参考 「退職証明書」の書式テンプレートbizocean

退職証明書に入れるべき項目の記載が簡素にまとめられている場合は、他の書類を作成し内容を補完しましょう

7.退職証明書の記入における注意点

退職証明書の申請を受けた際、知っておくとよい注意点がいくつかあります。たとえば、記載しなければならない事項はあるものの、あくまで退職者が希望する事項のみでよい、など。ここでは、そういった注意点を詳しくご紹介します。

希望のない事項は記入禁止

退職証明書を作成する際退職者が希望していない事項については、必須項目であっても記入は禁止されています。

  • 使用期間
  • 業務の種類
  • その事業における地位
  • 賃金
  • 退職の事由[解雇の場合はその理由を含む)

たとえば、退職者が解雇された事実のみの記載を希望しており解雇事由の記載は希望しないといったものです。この場合、解雇事由を記載することはできません。

用途によって作成を拒むことはできない

元勤務先の会社は、請求された退職証明書がどのように利用されたのか、知ることはできません。あくまで退職証明書の使い方は退職者に委ねられています。つまり使用理由によって作成を拒むことは許されていないのです。

退職事由の書き方について

退職事由の記載を退職者が希望していない場合、記載の必要はありません。退職者が退職事由の記載を希望している、再就職先の会社が記載を要求している場合などでは記載しますが、その際は内容に充分配慮をしましょう。

退職事由が退職者と元勤務先の会社との間で認識にずれがないようであれば、そのまま記載しても問題ありません。

会社都合と記載する場合

早期退職に賛同した場合、あるいは退職勧奨に応じた場合など、会社都合での退職の場合、離職票では雇用保険の受給が有利になるため「会社都合」と記載されます。

ところが、再就職先に提出する退職証明書において「会社都合」と記載すると、就業中の不都合が疑われることもあるため、充分な注意が必要になるのです。

また、退職勧奨による退職の場合、退職者と元勤務先の会社との間で認識の相違が生まれ、トラブルの引き金になることも。

このような事態を避けるためにも、退職事由を記載して欲しいという希望があった場合は、作成前にお互いの認識のずれを解消し、曖昧な表現にとどめましょう。退職証明書は私文書のため、公文書である離職票との間で表現に違いが見られても問題はありません。

私文書であり、決まったフォーマットがない退職証明書を作成する際は、退職者の立場に充分配慮しましょう

8.退職証明書の発行について

退職証明書は、企業側に発行の義務があるもののいつでも発行してもらえるものではありません。いざというときに困らないよう、退職証明書の発行についてのポイントを知っておきましょう。

申請期限

退職証明書を請求できるのは、会社を退職してから2年以内と定められており、2年を経過した場合は元勤務先の会社に発行する義務はありません。2年を過ぎてから転職が決まり、転職先から退職証明書の提出を求められた際は、転職先に「2年が経過していること」を話してみましょう。

発行回数

退職証明書の発行回数は定められていません。つまり、紛失してしまっても請求権がある限り、同じ会社に何度でも請求できます。遠慮なく元勤務先の会社へ請求しましょう。

退職後のみ発行可能

退職者の再就職を促すため、労働基準法第22条1項では「退職の場合において退職者から退職証明書の請求があった場合に、使用者は遅滞なくこれを交付しなければならない」と定めています。

退職証明書は同じ会社に何度でも請求できます。しかし2年を過ぎた場合、請求する権利はなくなるので注意してください

9.解雇理由証明書とは?

解雇が理由で退職した場合どんな理由で従業員を解雇したのかを証明する書類が「解雇理由証明書」です。

解雇を伝える解雇通知書(解雇予告通知書)とは別の書類で、解雇された本人からの請求もなければ、会社から渡す必要もありません。解雇理由証明書は、失業保険の受給、不当解雇で争うなどといった場合に重要な書類になります。

解雇の場合の対応方法

解雇理由についての請求があった場合、行政通達においては解雇理由について具体的に記載する必要があります。また就業規則の条項に該当したことによって解雇した場合には、その内容と該当するに至った事実関係を証明書に記入しなければならないと決められているのです。

証明書の交付を退職者が請求できる時期は、原則として退職日以後とされているものの、解雇による退職の場合、これに当てはまることはありません(労働基準法第22条2項)。

退職事由が解雇の場合、退職日前(解雇予告をした日から退職日までの間)でも、解雇理由証明書を請求できるとされています。ただし、請求できる事項は解雇事由に限り、解雇予告後に退職者が解雇以外の理由(自主退職等)で会社を辞めた場合、解雇理由証明書の交付義務は発生しません。

解雇の理由について元従業員から請求があった場合、行政通達では、解雇理由について具体的に示す必要があります